みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 おどろおどろしさを覚悟した邦題でしたが、さにあらず。 幼少期、父親によって研究実験台にされたトラウマを抱えた青年の殺人願望がねちっこく描かれています。 カール・ベームの息子さん(無限へぇ)カールハインツ・ベームから窺える品の良さもあってか、単なる変態には見えませんでした。 恐怖におののく顔だけ見せて、その瞬間及び遺体を見せない演出に好感。 とりわけフィルムを見るアンナ・マッセイの微笑みから恐怖に至る顔は圧巻。 批評家さん達から袋叩きにされて名匠が追放された作品には到底思えません。撮影方法に問題があったのでしょうか? 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-10-31 15:24:57) 6.典型的ホラーのような邦題がつけられてしまった作品ですが、 (見ればこの邦題の意味も分からなくはないのですが・・・) ヒッチコックの「サイコ」より2か月早く公開されたというサイコスリラーです。 解説の町山氏が指摘するように、既にこの世にいない親が、今も子に与え続ける影響など、 確かにサイコスリラーというジャンルのみならず、中身にも共通点が見られる同時期に公開された2つの作品ですが、 一方は今も巨匠ヒッチコックの代表作の1つという地位を得ているのに対し、 一方はメディアから酷評され、マイケル・パウエルはその後復活することは出来なかった。 もう1つ感じたのは、本作の主人公からはこの手のサイコスリラーの主人公特有の薄気味悪さが感じられず、 作品自体も全編を通して品を感じさせる雰囲気を持っており、良くも悪くもイギリス映画らしい作品の空気を感じさせます。 主人公の男に関しては、あのノーマン・ベイツのアンソニー・パーキンスと比較されたらさすがに気の毒かもしれませんが。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-30 19:13:53) 5.《ネタバレ》 映画評論家の町山智浩さんの番組で鑑賞。 タイトルのようなホラーではなく、主人公が女性が恐怖におののく表情をカメラに収めたいという、変な欲望を満たしたいがため、殺しを行っていくというサスペンスです。 最後は自分が恐怖に怯える表情を撮りたいと、自ら命を絶つのですが、60年前の作品とはいえ、退屈せずに見ることが出来ました。 当時は試写会の段階で悪評がついたらしく、評判が悪かったそうです。 ですが、監督のマイケル・パルマンの教え子だったマーティン・スコセッシによって1979年にリバイバル上映され高評価を得たらしいです。 日本でも、日活ロマンポルノで「切り裂き暴行ジャック」という、殺人に欲望を抱く主人公を描いた作品がありました。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-24 00:13:39) 4.《ネタバレ》 怪作。 日本語タイトルのせいで呪いのカメラが本体で意思を持って被害者を襲うホラーなのかと思ったが違った クライムサスペンスでもない。あくまで一人の男の顛末という話。犯人の歪んだ性癖のルポルタージュ。 先を見据えない犯罪だったが最後の方では夢も抱くようになる。だがそのために性癖を抑制することはないどころか よりいい画を撮ろうとまい進する。クリエイターの執拗さと異常性癖をミックスさせた設定の元祖? 暗がりの中にあるうちは惹きつけるものがあるが、ひとたび白日の下に晒せば鈍い光も感じ取ることが難しくなる 変質者要素を取り除いたら話が成立しないので変質趣味に理解がなければまったく楽しめない 【うまシネマ】さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-08-27 12:00:40) 3.《ネタバレ》 最初の街娼が2ポンドで、次の卑猥な写真が4ポンド10(シリング)だったのは、生の実物よりも映像化した方が商品価値が上がるという意味に取れなくはない(素材の質や感染症のリスクは関係するだろうが)。またグラビアのモデルが殴られた跡を消してくれと頼んでいたことからしても、序盤では写真(や映画)の特性や効用を表現しようとしていたように見える。 また劇中映画の現場では、コメディがなければと劇中監督が宣言した後、実際にかなり笑わせる出来事が頻発する(さりげなく持つ、主演女優が逃げた、あれは監督だ)。序盤で出ていた映画会社の社長?の言動も含め、何か映画というものを茶化してみせていたかのようでもあるが、そういったことがどのように全体のテーマに関わっていたのかはわからなかった。 最終的に本筋だったのは、幼少時の心の傷が原因で異常な性的嗜好を持ってしまった男の話だったらしい。その話題自体は現在では珍しいともいえないが、しかしこの映画ではヒロインが最後まで主人公に対する好意を失わなかったのがかなり都合のいい設定に思われる(母性本能をくすぐる男だったのか)。またヒロインの母親までが主人公に更生の機会を与え、それで本人も一度はその気になっていたというのは、基本的なところで人の本性が善なることを信頼した映画に見えた。この映画は公開当時、メディアから袋叩きにされて「映画界の恥」とか言われたそうだが、これほど良心的な映画にそう言うのであれば、大衆の欲求通りに俗悪映画を作って恥じない現代の映画業界など廃絶せよと言わなければならなくなる。 ちなみに主人公が熱意をもって取り組んでいた映像作品に関しては、なるほど殺人事件をドキュメンタリーとして撮ったものはなかっただろうとは思ったが、これが今後の新たな可能性を示したものとして捉えることもできない(関係者インタビューでは単純に「スナッフフィルム」と言っていた)。いろいろ思うところはないでもなかったが、結局全貌が見えた気がしないままで終わる映画だった。 ほかキャストに関して、主演のカールハインツ・ベームは有名な指揮者のカール・ベームの実子だそうで、劇中の姿だけではわからなかったが、関係者インタビューで2005年当時の顔を見るとなるほど雰囲気は似ているかとは思った。またヒロイン役の人は美形とは全くいえない容貌だが、なかなか愛嬌のある女優さんで好きになった。 【かっぱ堰】さん [DVD(字幕)] 5点(2018-09-01 16:26:41) 2.《ネタバレ》 この映画が『サイコ』と同時期に製作されたってことは興味深いですね。かたやヒッチコックは大ヒットを飛ばし名声をさらに高めたのに、可哀想にマイケル・パウエルは酷評&不入りでこれで完全に監督生命を断たれてしまったわけです。まあ確かに、犯罪スリラーとしても当時の基準からしてもオーソドックスというか古臭い撮り方であるのは否めません。ヘイズ・コードの制限が厳しかったハリウッドでは不可能な売春婦が被害者という設定があっても、女性被害者がひとりだった『サイコ』の方がはるかに扇情的なのは、ちょっと情けない。でも窃視症を病む主人公というプロット自体は、かなり時代を先取りしたアイデアだったと思います。まあ簡単に言えば“覗き趣味”というわけですが、この性癖はマイケル・パウエル自身を含めて映画人は大なり小なり持っている悪癖じゃないでしょうか。そう言えばヒッチコック御大もかなりの覗き魔だったそうです。この映画では実際の殺人場面はまったくないんですが、被害者の最後の表情にだけ執着する主人公というのが変態性を感じます。でもこの青年役の俳優には清潔感があり過ぎるのでミス・キャストだと思ったら、この人ロミー・シュナイダーの『プリンセス・シシー』シリーズでなんと相手役のフランツ・ヨーゼフ皇帝を演じていたオーストリアのアイドル俳優なんですよ。そんなアイドルをどう説得(騙す?)したのか英国まで呼んでこんなキャラを演じさせたとは、逆に皮肉たっぷりのキャスティングとも言えるでしょう。でも彼にはアンソニー・パーキンスみたいな陰が無いのはどうしようもないですね。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2016-03-10 23:05:41) 1.《ネタバレ》 精神科医との場で何かがプツンと切れてから後が怖い。覚悟が決まった、っていうか。自分のドキュメントの完成に邁進していく。これから犯行に及ぶ店と時刻(時計)を映し、二階から見張っている刑事を映し、ついに自分に迫る警官を映し、記録していく。フィルムってのは詰まるところ、やっぱり記録装置なんだな。記録するということの受動性と、映像作家としての能動性、この葛藤が映画には常にあって、この主人公はその裂け目を不必要に意識し過ぎてしまったのかもしれない。冒頭、目のアップで始まるように、見てしまうことの病いがずっと底でうずいている。ヒロインが犯行を知ってしまう映写のシーン、好奇心・笑み・不思議・不安・戦慄・恐怖と変化していくワンカット! 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-02-24 12:26:37)
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