みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.《ネタバレ》 一揆といえば、白土三平の漫画のような反乱を思い浮かべる。 が、この映画の一揆は、むちゃくちゃ事務的である。 年貢の取り高を決める方式をめぐって、郡上の村の人々が、 地域の取りまとめ役の庄屋じゃ埒あかない。 ならば江戸に行って、お偉いさんに直訴って考えるのが、一揆なのだ。 しかし、お上はこの直訴騒動に、騒動の芽をつぶそうと、 一旦、訴えた連中を村に返して、監視の目を強める。 そこで、また何やら話し合ってるとこを、お上が足軽連れて、抑え込みに行くとこで、 これは、また直訴しかないというとこから、全員、打ち首。 酷い話だと思う。 しかし、逆に言えば、統制の強い時代が江戸だったのかもしれない。 打ちこわし~とか、過激な騒動は、江戸時代にはもう少なかったのかもしれない。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2024-08-11 00:15:49) 7.《ネタバレ》 岐阜県のご当地映画であり、「行こまいか」「だちかんで」「あらけない」といった方言の使用が印象的かつ適度である。また美形の若手女優にお歯黒をさせるといったリアリティ重視の姿勢も見える。 お手軽な映画として作ろうとしたのなら、支配者は全て悪人、被支配者は全て善人にして対立構造を明確にするだろうが、この映画では被支配者の内部にまた身分差があり(「水呑は黙ってろ」という台詞もあった)、その上「立ちもん」「寝もん」の対立もあって全く一枚岩ではない。そのような史実を忠実に描写しようとする姿勢には非常に好感が持てる。 ちなみに検見取りの意味に関しては、役人の匙加減が利くという面もあるだろうが、それより終盤で町奉行が「切添田畑これあり…」と言っていたように、これまで農家が苦労して拡大してきた農地を新たに課税対象にすることへの反発が強かったと思われる。 ところで宣伝文句では「歴史は民が動かす」ことを強調していたが、しかし民衆にせよ支配層にせよ、その時々の経済社会動向を背景にしなければどんな動きも成功しないだろうと思われる。この映画の農民が歴史を動かしたというよりも、世の中の流れの先頭を切って動いたことで、それを契機に幕府も動いたというくらいの見方が妥当なのではないか。 それより個人的にこの映画から感じた最大のことは、どんな時代でもどんなところにも“義の心”を持った人がいるということだった。現代なら“義”などというと中高年からは毛嫌いまたは冷笑されるのだろうが、自分を犠牲にしても多くの人のために行動すること自体が否定されていいはずもない。当時の民衆運動では主導者が本当に生命を失う覚悟が必要だったのは現代と明らかに事情が違うのであり、地元でもこの人々を「義民」と表現していたようだが、自分としてもまずはそういった人々を顕彰する映画と捉えたい。 もっとも、主人公の可愛い奥さんの顔など見ていると、何もこの男がそこまでしなくてもという気になって、その立派な志を手放しで賞賛するのもつらくなるというのが正直なところである。 以上、世間ではあまり面白くない映画と取られているようだが、制作に協力した地元の人々への敬意も含め、自分としては最大限の好意的な評価をしておきたい。 なお余談として、劇中で何気にうちの地元の殿様(のご先祖)が出ていたが、特に悪役ではなかったようで幸いだった。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-05-05 00:09:19)(良:1票) 6.はじめからおわりまで力の入りすぎの演技で疲れますねぇー。史実を忠実になぞっているのだとは思いますが、あまり緩急がなく直球で押し切ってしまっていて観ていてひきつけられる場面があまりありませんでした。それと妙に時間が経過するのが早いと思います。あっと言う間に半年が過ぎ、1年経ち、3年経ち、待っている村の人や、家族の視点からのドラマがあれば作品として共感できる部分が多かったかと思います。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2006-10-03 06:45:26) 5.面白いとか地味だとかいう以前に、歴史に疎い私は非常に勉強になりました。「一揆」と聞けば確かに「デモ」の様なものを想像しがちですが、これはほとんど今の「労使交渉」です。農民達も簡単に騒乱を起こしたり、若しくは藩が簡単に農民を(文字通り)切り捨てたりすることも出来ない。江戸という超長期安定政権時代には、それなりに法整備も金融もしっかりしてた訳ですから、考えてみれば当然ですね。現在でもちょっと消費税が上がるとなれば大騒ぎですから、最初から豊かじゃないこの時代だったら、それこそ命に関わる一大事だったと思います。そういったことで、6点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-01-19 00:03:51) 4.特にスペクタクル的な場面は無く、話は淡々と進んでいく。農民の困窮が余り強調されず、命をかけてまでの訴えの必然性がいまひとつ伝わってこない。何十人も大挙して江戸へ向かったり、老中の籠を止めても御手打ちにならなかったりするのは少しびっくり。これが事実なら水戸黄門や暴れん坊将軍などで自分は洗脳されすぎているのでしょう。 【かじちゃんパパ】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-11-16 13:07:15) 3.日本史上最大の農民一揆といえば…痩せて干からびた農民、鋤や鍬を持ち暴発する群衆、引きずり回される城主、炎上する城…という一大スペクタクルを想像していましたが…全然違いました。暴力的なシーンといえば直訴反対派との小競り合いくらい。でもこれが実際だったんでしょうね。「虐げられた悲惨な江戸時代の農民」というイメージがいかに想像の産物であるかがわかります。考えてみれば、訴えた側だけでなく訴えられた側(役人)も吟味の上同等に処罰されると言うのは、同時代の他国の封建制と比べても驚異的に公平な制度なんですね。 ただ映画としてはやや地味すぎという感じは否めず残念。映像はとても美しい。知り合いの郡上出身のおばあさんが「風景といい人情といいあの辺の感じがよく描けている」と絶賛してました。 【番茶】さん 7点(2004-08-15 21:46:07)(良:1票) 2.教科書のように真面目に描く郡上一揆の史実。それで面白みは少なく歴史の一端を知ることはできるが、残念ながら 追い詰められた百姓達の怒りや苦悩の悲劇が胸に伝わってこない。 それでも神山監督は良心的な作風だと思うので好感が持てます。 【キリコ】さん 5点(2004-06-25 18:19:11) 1.《ネタバレ》 農民の生活困窮を描くことをしなかったのはなぜ?狙い? 「命をかけてまで直訴」しなければならなかった切迫感が 残念ながら感じなかった。 ただ、こういう良質な映画が増えると良いなあと率直に思う。 【monteprince】さん 5点(2004-04-30 19:04:43)
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