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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  嵐の孤児 フィルムのまわる音とスライドの音(字幕がスライド式でした)だけで他の音が全くしないものを見ました。音が無いことがなんのマイナスにもならないほどの躍動感に大満足。姉妹の波瀾に富んだ行く末を綴ったストーリーであるが、説明文すらなくてもいいくらいに映像と俳優の表情が全てを語る。『イントレランス』での絞首刑のシーンをさらにハラハラ度をレベルアップさせたようなギロチンのシーンは、まさに完成されたクロスカッティングが効果的に使われ、これぞクライマックス!というものになっている。何度も言うがこれこそがクライマックス!!である。そしてグリフィスの映画ではお馴染み、永遠の少女・リリアン・ギッシュもまた、サイレント映画における演技の完成型を見せてくれる。この作品のリリアンは本当に美しい。必見![映画館(字幕)] 10点(2005-05-20 19:08:02)(良:1票)

2.  暗黒街の顔役(1932) 開口一番の長回しでぎゅっとひきつけて、アクションシーンは鮮やかなカット割りでポンポン見せてくる。緩急のつけかたが巧すぎ。ハイテンポで見せるカーアクションがまた素晴らしく、並走シーンもクラッシュシーンもかっこよすぎ!死体と共に映される×印(作品の一番最初は画面いっぱいの×印)がいやでも目に付き、だからこそ妹と相棒の部屋ナンバーⅩが映されるところはショッキング(リメイク作『スカーフェイス』で知ってはいるんだけど)。ボーリングをするシーンと殺しのシーンのカットバックは『ゴッドファーザー』を代表とする後年の様々なギャング映画が頭をめぐる。このときの最後のワンピンの倒れ方がまたかっこいいのだがどうやって撮ってるんだろう。カポネをモデルにしたというキャラクターがまた強烈なのだがその子供のようなわかりやすさが魅力的でもあって、その魅力は映画に釘付けにする重要な要素ともなっている。忘れちゃいけないのがお間抜けな秘書の存在。当時としてはかなり強烈なバイオレンス描写に富んだ作品だったと思うが、そんな中でもユーモアはけして忘れない。それでいてユーモア部門を一手に引き受けていたこの秘書が最後の最後に感動まで届けてくれるのだ。いやー、書いてみてあらためて思ったが、素晴らしい映画だ。[映画館(字幕)] 9点(2010-03-05 18:06:07)(良:2票)

3.  明日に向って撃て! 西部劇というのを忘れてしまうぐらいロードムービー色が強い。実在の人物と聞いているが、ブッチは絶対あんなにやさしい男じゃなかったろうし、サンダンスは絶対あんなにかっこ良くなかっただろう。でもこのデコボココンビがこの映画を一層楽しく、そして儚いものにしている。小学生の頃観た時は単純に二人に憧れた。以来、ブッチ・キャシディーとサンダンス・キッドという二人の名前とラストカットはずっと頭の中から消えずに残っている。9点(2003-05-24 16:01:18)

4.  赤ちゃん教育 キャサリン・ヘプバーンといえば、タカピーで傲慢なイメージを勝手に持ってたのですが、たまたまこの作品の前年作品であるジョージ・スティーブンスの『偽装の女』を最近観て、その可愛らしさに驚いたわけです。でも彼女の魅力はこの傲慢さにあるのだということを再認識し、そしてその魅力を最大限に見出したハワード・ホークスの女優を輝かせる手腕にあらためて感服しました。とにかく今観てもかなりのハイスピード、ハイテンションで機関銃のごとくしゃべり続けるヒロインに圧倒されっぱなし。ケイリー・グラントは圧倒される間も与えてもらえずにただひたすら彼女に翻弄される。その滑稽極まるコメディアンぶりがおかしくてしょうがない。いや、ケイリー・グラントだけでなく、警察官も庭番も豹の鳴きまねをするおじさんも実にのんきでお間抜けで、ヒロインのハチャメチャさとの差異の大きさが見事なテンポを作っている。大好きな作品。[DVD(字幕)] 8点(2007-03-05 17:01:40)

5.  アメリカ,家族のいる風景 ヴェンダースがとうとうドイツに戻る。その前に愛するアメリカをぎゅっと押し込めた作品を届けてくれた。その背景となるアメリカがとにかく美しい。とりわけ物語のメインとなるビュートの町並みの色が真っ青な空の色に映える。虚構のヒーローが現実の孤独から逃れるように姿を消す。母に道を示され、元恋人に叱られ、初めて会う娘に孤独ではないことを教えられる。息子とその恋人の関係も含めて、「女によって救われる男たち」という一見安易な、しかし極めて映画的な公式のもとシンプルに進行してゆく。『パリ・テキサス』以来のサム・シェパードとのコラボレーションとなる今作は、ヴェンダース特有の映画との関わりに対する使命感のようなものが消え、ひたすらに原点回帰に努めているように感じた。曖昧な目的のまま飛び出した旅がもたらすものの大きさがまさにロードムービーの原点を見せ、アメリカとジョン・フォードへのオマージュがヴェンダース初期の作風に回帰している。サラ・ポーリーが大きく映し出され、おそらく感動的な言葉が発せられたシーン、、サラ・ポーリーが美しいのではなくサラ・ポーリーがアップで映された画面がとてつもなく美しく涙が溢れた。だから字幕を見損なった。目が字幕を追うことをやめた瞬間、この映画は私の映画となった。[映画館(字幕)] 8点(2006-04-24 13:11:26)(良:1票)

6.  アイズ ワイド シャット 《ネタバレ》 内容は妻の浮気願望ともとれる告白にうろたえた夫が逆に浮気しそうになってごめんなさいと妻に懺悔するという他愛も無い話。その中でキューブリックはどんな仕掛けをこの作品に入れたのか。CRUISE,KIDMAN,KUBRICKという文字から始まるこの映画、なんともハリウッド的である。話の舞台もニューヨーク。そのニューヨークの町並みが全てセット(凄い!)。これもハリウッド的だ。そしてハリウッドを代表するトム&ニコール夫婦の起用。主人公(と共に我々が)が入り込んだ幻想的な世界は主人公と我々が思うような世界ではなく結局は幻想であり虚構の世界であった。そこにハリウッドをダブらせているように感じました。やたらと華やかなクリスマスの電飾がいっそう虚構を強調しているように思った。ハリウッドスターも虚構の中で幻想を見ているのですよと。その虚構の中で生きるムービースターの生活を覗いてみましょうとでも言いたげなこの映画のCM。(CM製作もキューブリックが手がけたらしい。)二人のSEXを期待させるCMだが、いつまでたっても二人のSEXは無い。冒頭でトイレに座るニコールの姿にありのままを覗かせてくれると思わせておいて結局SEXは無い。最後にSEXしましょう、で突然終わる。ニクイなぁ、ホント。スターのオーラを脱がせる為の長い撮影期間のおかげで結果として二人は最高の演技を見せてくれます。すべて計算通りということか?  8点(2004-07-30 13:09:13)(良:1票) 《改行有》

7.  暗黒街(1927) タイトルから重厚なものを期待したがえらく軽快な音楽に拍子抜け。ところがパーティ終焉あたりからどんどんシビアな展開へ。裁判官の説教(判決理由?)を裁判官の影とそれを聞くブルの苦々しい表情を同時に映すことで、まるで音のある映画のごとくその状況を映し出す。と思いきや↓なんと正義の象徴として大きく映していたとは..なるほど、奥が深い。終盤の銃撃戦はサイレントであることを忘れるくらいの臨場感。そしてやっぱり最後の名言が実に良い。サイレントをなめてはいけない。凄く面白いです。8点(2004-07-08 12:32:18)

8.  赤い河 《ネタバレ》 最初に一言、個人的に初期のアメリカンウェスタンはあまり好きではない。(アメリカ人をとことんヒーローに、インディアンをとことん悪者に、という描写がかなり露骨。)しかしコレはそういう好みを度外視すれば10点あげてもいいぐらい。(でもあげない。)寝ている牛たちがウェーブのように次々と起き上がり暴走するシーンはホントに圧巻!かっこいいはずの主役が無様に画面から消え、いったん主役の座を渡すという展開も凄い。それにしても今のアクション物の王道である”最後は殴り合い”はこの頃からあったんですね。8点(2003-11-27 12:31:49)

9.  アウトロー(2012) トム・クルーズが主役ならばもうそれだけで映画なのだから見て損はないはず。実際見てみて満足したわけだが、どこか腑に落ちないというか手放しに絶賛できないモヤモヤ感が残ったのも事実。例えばカーアクションは楽しかったけど物語上ではいらんよなとか、女弁護士や老助っ人のささやかなユーモアはわりに気に入っているんだけど物語からは浮いてるよなとか、戦いの火蓋を切る合図の雨がベタすぎて笑っちゃったのだが、そのうえ最後は武器捨てて殴りあいとかお約束すぎて呆れたのだが、もちろん気に入っているんだけど、なんかやっぱり物語を被う雰囲気からするとちょっと違うよなとか。で、後になって気付いた。ハードボイルドと甘いマスクのトム・クルーズがそもそも合わないのだ。たぶん。合わせるために原作にはないカーアクションを入れたり女と助っ人がしっかりヒーローを際立たせる役を担ったりして、つまりトムに合わないだろうハードボイルドにヒーロー映画を加味することでトムが活きるようにしているのだ。たぶん。だからちょっと変なのだ。でもトムはしっかり活きている。そこが一番重要なのだ。[映画館(字幕)] 7点(2013-03-12 15:53:31)(良:2票)

10.  ある日どこかで 《ネタバレ》 面倒くさくない映画。写真の女に恋をした。だから過去に行く。極めてシンプル。そこに現実的な葛藤はない。どうやって行くのか。こうやって行くのだ。それでいいのか。それでいいのだ。細かいことは放って突き進むそのいい加減さが気持ちよい。だってこれは現実じゃなくって映画なんだから。かと思えば時間をかけて見せる出会いのシーン。初対面の男に有名女優がどんどん惹かれてゆく理由はとくには描かれなく、それでも納得させてしまうのはこの出会いのシーンの美しさに尽きる。唐突に現在に戻された主人公が悲観にくれる。もしや今まで見ていたものは彼の妄想だったのかとも思った。どちらにしろ「妄想」も「過去」もその現実の世界ではない世界に違いない。そしてやっぱり「映画」もまたその世界ではない世界なのだ。そう考えると実に映画向きの物語だなあと思った。[DVD(字幕)] 7点(2011-06-14 15:55:56)(良:1票)

11.  暗黒街の弾痕(1937) ボニーとクライドをモデルにした最初の映画なのだそうだが、犯罪映画というよりもメロドラマ寄り。なんだけど、そこはやはりラング、ねちっこい怖さが充満している。怖いのは国家とか警察とかじゃなく、ラングのほかの作品同様にやっぱり民衆なのだ。大きな悪よりも小さな悪の集まりの怖さを描く。主人公について回る偏見の恐ろしさよ。盗られてもいない金を盗られたと申告するなんてのも偏見と自分本位から成る行為の一つとして印象的に映し出される。主人公の疑心暗鬼はナチスが台頭してきたドイツを逃れてきたラングが実際に経験してきたものなのだろう。疑心暗鬼が引き起こす悲劇というのもまたラングのおなじみの展開である。かといって主人公が全くの犠牲者かというとそうでもない。主人公は冤罪で捕まったが、捕まったから強盗をしなかったのかもしれない。元々偏見の元である犯罪を犯したのは彼自身であり、すぐにカッとなって暴力をふるうという偏見を呼び込むべく人でもあったのだ。そのあたりの単純に善悪の割り切れない人間性を見せているからこの映画は暗く、深く、そしてやっぱり怖いのだ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-24 16:09:33)

12.  貴方なしでは 製作がセルズニック。同年に『風と共に去りぬ』がある。翌年製作の『レベッカ』も当然かぶっているだろう。それでも現場まかせにせずにあーだこーだ言ってくるってのは凄すぎる。ちなみにセルズニックは『レベッカ』の主演女優もキャロル・ロンバードにするつもりだったとか。そのキャロル・ロンバードを美しく撮る照明とカメラは当時のハリウッド映画のレベルの高さを証明している。しかし一番輝いていたのはジェームズ・スチュワート。人がよくて損をする役柄にぴったりはまる。映画は小粋な恋愛コメディといった感じで始まり、家庭を持つことの様々な苦難が襲い掛かる中盤にはちょいと辛気臭くなるのだが、ニューイヤーパーティで一気にメロドラマへと昇華する。と思わせておいてここから大変な事に。ワクチンだか血清だかを嵐の中を運ぶ飛行機乗りの登場は同年製作の『コンドル』とかぶるが偶然か。このあたりの描写は前半と同じ監督だとは思えないほど色調が暗く、またスリリングだ。『風と共に去りぬ』や『レベッカ』と比べると明らかにお金をかけていないのがわかるし、ストーリー自体も陳腐かもしれない。でもこのストーリーを100分を切る映画にしたってだけでも凄いことだと思う。[映画館(字幕)] 7点(2010-05-21 16:10:07)

13.  アバター(2009) 3Dに関しては確かにこれまでの3D映画とは桁違いの出来と言えよう。でも黒い3D用メガネはその黒さゆえに相当画面を暗くしてしまい部分的に見にくいところがあった。かといってメガネを外すと当然黒メガネを考慮した画面は眩しすぎるくらいに明るい。3D映像に関してはまだまだ改善の余地ありかと。とりあえず3Dは無視して評価しようと思うのだが、それでもやっぱり映像が凄い。地球とは違う風景をなんの違和感も感じさせずに実写として画面に映し出す。これは素直に凄いと思う。巨大な枝の上を進んでゆく画づらが遠巻きにとらえられる。CGだからどこからとらえた画だろうが撮れるんだけど、しっかりとこの画を選んでいるってのがいい。空中戦の大俯瞰だってそう。空から落ちてゆく体を大きな葉が受け止めてゆくアクションシーンもそう。いい画、いい繋ぎを見せている。もちろん3D用画面ゆえか陰影に乏しいってのが決定的にダメで、夜の森の怖さが全く表現できていなかったりするのは絶望的ですらあるんだけども、それでも見たこともない「凄さ」がこの映画にはあって、それは映画の凄さではないかもしれないけど「凄い」って思ったことには変わりなく、その感動はこの映画の欠点を補うには余りある感動だったんじゃないかと思う。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-23 18:45:37)(良:2票)

14.  アラジン(1992) ジーニー最高!『リトル・マーメイド』と同じ監督とは思えないほどの躍動感あふれる動きとアニメーションならではの奔放な表現が素晴らしい。活き活きとした絨毯の動きも擬人化された動物たちの動きも古き良き時代のディズニーアニメを彷彿させていい。アラジンが王子に化けてやってくるミュージカルシーンはディズニーアニメの本領が発揮されている。加えてディズニーアニメの中でもユーモアが質・量ともにピカイチ。もちろんそれらユーモアは全てジーニー絡みだ。ジーニーのキャラクターが出来上がった時点でこの作品はほぼ成功を勝ち得ている。声ではロビン・ウィリアムスもいい仕事をしているが日本語吹き替え版も負けてはいない。七色の声を持つ男・山寺宏一にはいちいち驚かないが羽賀研二には驚いた。じつにしっくりと馴染んでいる。[DVD(吹替)] 7点(2010-01-21 14:01:02)

15.  アザーズ 例の映画よりも『シャイニング』や『ポルターガイスト』を彷彿させる。私が最もイメージとして近いと思ったのはフィンチャーの『パニック・ルーム』。ほぼ舞台を家の中に限定し暗がりであることが重要で尚且つ「母の物語」であるという点で。生憎『パニック・ルーム』は『アザーズ』とほぼ同時期の公開なので、どちらの作品も互いに影響を受ける境遇にはないのだが、アメナーバルが好きな監督の一人にフィンチャーの名を上げているのは興味深い。『次に私が殺される』における「映画と現実」、『オープン・ユア・アイズ』の「夢と現実」、と二つの世界を同居させて見せ続けるというクローネンバーグ的モチーフがこの作品においても有効的に使われる。しかしクローネンバーグというよりはやはりフィンチャーか。主人公がもう一つの世界に視点を変える、そのショックと刹那は『ファイト・クラブ』のそれに近い。そして視点を変えさせる役目が「光」というのがメタ映画的などと思ってしまうのはもちろん言いすぎなのだが、子供を殺す恐怖の対象が真実を照らすものであったという重要なアイテムに「光」を持って来るというのが憎いくらいに巧い。[DVD(字幕)] 7点(2009-10-22 14:49:29)

16.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 始まってしばらくして不穏な空気を感じた。不穏な空気の原因が最初はわからなかったのだが、両端に夫婦、真ん中に娘が座るダイニングテーブルのシンメトリーな構図を見て確信した。異様なほどの画面の美しさとあまりに完璧すぎてかえって不自然な構図こそが私が感じた不穏な空気の正体であった。これはドライヤーの『ガートルード(ゲアトルーズ)』で感じたものと同種のものだ。ただこの作品はその部分をコメディで濁している。なぜ濁すのか。そこが重要だからだろう。物質主義に彩られカタチだけは立派な家庭の内情はドラッグ、ゲイ、DV、リストラ、不倫等々の諸問題を抱えていた。アメリカンビューティという名のバラの美しい花弁がトゲを覆い隠しているように。人にどう思われるかが重要である登場人物たちは肉体改造に勤しみ、新しいマイホームだけに注力し、整形手術を夢見る。隣人はゲイであることを隠し、娘の友人は遊び人を装う。娘はありのままを盗み見られることで本当の自分を見出してゆく。ラストにはそれぞれの皮が剥ぎ取られてゆき、同時にその副作用が容赦なく飛び込んでくる。そこには大団円的心地よさと何かが終わりを告げたときの寂しさが同居する。つまり素晴らしい終焉があった。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-13 14:34:01)(良:2票) 《改行有》

17.  アンダーカヴァー(2007) 《ネタバレ》 ジェームズ・グレイの7年前の前作『裏切り者』(これまた傑作!)と同じ主演コンビをそのまま迎え、ソニー・コルレオーネことジェームズ・カーンをトム・ヘイゲンことロバート・デュバルに『ゴッドファーザー』リレーをしてみせたキャスティングからもうサイコーである。前作よりもずっとずっと怖い世界を舞台としているが、哀愁の赴きや作品全体の重厚感は前作の方がある。今回はむしろドラマをテンポよく見せてゆく軽快さがいい。少々強引であろうが早急であろうが関係なく進めてゆく。描かれるのは『リトル・オデッサ』を含めてグレイの全作品に共通する「家族」の絆。ここはしっかり描く。グレイじゃなかったらエヴァ・メンデスという美女を危険にさらしてドラマを盛り上げただろう。あるいは冷酷無比を見せただろう。しかしそれをしちゃうと軽快感が損なわれ、家族のような仲間よりも家族を選んだ主人公のドラマの濃さが損なわれてしまう。ロシアン・マフィアの冷酷さもクラブのオーナー家族との和気あいあいも全て「家族」の絆を描く道具立てにすぎないのだ。それでいて全てのシーンがかっこよくて怖い。とりわけ雨のカーチェイスシーン。というより雨に光る銃身。いやはや、この監督、もうちょっと映画を作る間隔を狭めてもらえないだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2009-02-02 14:21:18)(良:2票)

18.  或る夜の出来事 なんでも映画史上最初のスクリューボールコメディなのだそうだ。なんにしろ最初ってのは凄いことなのだが、それ以上に驚くのはトーキー映画が登場してまだ数年のこのときにこれほどまでにリズミカルな会話を映画の軸にして、尚且つ最大のウリになっているところ。話の筋は今でこそオーソドックスに感じはするが、若い男女のかわいい喧嘩のあとの恋の芽生えという大筋の普遍性もあいまって全く古さを感じさせない。古典というのは永遠に古びないものなのだ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-19 14:41:49)

19.  アウトロー(1976) 《ネタバレ》 いきなりの残酷シーン。そして復讐の鬼と化したイーストウッドが復讐のために南北戦争に参戦。というオープニングシーンもタイトルクレジット後はいきなり北軍に降伏。ここからまたしても残酷な展開とガトリング銃を使ったガンアクション後、今度は傷を負った若者との逃避行。このまま二人組の逃避行と復讐劇が展開されるのかと思ったら、若者あえなく死亡。と思ったら白人に土地を奪われた文明かぶれの老インディアンとのへんてこりんなコンビが誕生。と思ったら雇い主に虐げられていた女インディアンもついてきた。どこぞから野良犬までついてくる。さらに行商に捕まった態度のでかい老婆と可憐な孫娘も同行。『荒野のストレンジャー』かと思わせといて『ブロンコ・ビリー』な映画。レオーネっぽくもありシーゲルっぽくもある。家族を奪われた男がいつのまにか(擬似)家族に囲まれている。イーストウッドが家族を守るために出てゆこうとするように家族たちはイーストウッドを守るために戦う。真っ黒な唾を頭に吐きかけられて唸っていた犬も、「またかよ」ってな諦め顔になってゆく(ように見えるんだけど、笑)。詰め込んだ脚本も散漫さよりもイーストウッドの映画を2本観たようなお得感のほうが強い。よくまとまったなと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-05-28 16:40:01)

20.  愛のメモリー デ・パルマ版『めまい』。『知りすぎていた男』ぽいシーンもあるし『レベッカ』ぽいシーンもある。でもヒッチコックの二番煎じという印象はない。むしろヒッチコック独特の変質的な描写がなくて良い。しかもデ・パルマのお下品さもない。ミステリーは冒頭からジョン・リスゴーの役回りとか察しがつくし、フィレンツェでのそっくりさん登場もなんとなくその後の展開を予想できちゃうし、けっきょく予想の範疇を出ることのないミステリーで、筋は面白いとは思えないんだけど、霞みがかったような画質はミステリーであることよりもメロドラマであろうとしているし、実際まんまとのせられてラストのわざとらしいスローモーション+カメラぐるぐるに思いっきり感動させられてしまった。急転直下なエンディングなような気もするが、物語に占めるフィレンツェでのシーンの無邪気なまでの長さといい、その脱線具合が結果としていちいち意表を突いていて観ているこっちはけっこう楽しめたりする。これがデ・パルマの狙いなのか知らないけどコレは面白いと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-03-24 19:05:38)(良:1票)

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