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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. カウボーイ&エイリアン 徹底的にアクションの爽快感を追求するのか、それとも観客に「考えさせる」社会派を気取るのか。UFOに飛び移るような痛快なシーンを撮りたいのか、それとも人間が協力して宇宙人をやっつける頭脳戦を描きたいのか。全部やりたくて、どれも中途半端に終わっている。西部劇の舞台に宇宙人が突然来襲するというその破天荒さを生かしたストーリー展開があってよかった。ダニエル・クレイグとハリソン・フォードというキャストにも期待したし、2人とも力演したが、この脚本の前では刀折れ矢尽きた。最後に致命的なのが宇宙人のしょぼい造形とその無能さ。どっかで観たことのある何か。こんなのじゃ全然ドキドキできないぞ![映画館(字幕)] 5点(2011-10-30 10:42:17) 2. ガルシアの首 《ネタバレ》 うーん、「戦争のはらわた」や「ワイルドバンチ」には劣るかな。主人公が最後の行動に出る動機付けが少し薄い。ペキンパーだから、当然そうなるだろうという予測は立ったけれど。 生首を必死で奪い合うギラついた男どもの滑稽さ、ジリジリと照りつける太陽と生首の腐臭で頭がおかしくなっていく主人公、スローモーションの銃撃戦で飛び散る血しぶき。ペキンパー印の生々しさは溢れている。生首と次第に奇妙な友情を通わせる展開も独創的で面白い。 ていうかそもそも生首もって飛行機に乗れるのか?ノンノン、テロリストが跋扈し、手荷物検査が厳しくなるのはもっと後の時代ですよ。この時代も最早「古き良き時代」だ。[DVD(字幕)] 6点(2010-11-23 20:02:47)《改行有》 3. かいじゅうたちのいるところ 《ネタバレ》 名作「かいじゅうたちのいるところ」の映画化という意味では、非常に良くできた作品だったと思う。子どもの頃に読んだ時のわくわく感やかわいいんだけどちょっと怖い「かいじゅう」の雰囲気は良く表現できていた。ダイナミックなかいじゅうおどりやかいじゅうと子供で作る砦の壮大感も子供の気持ちを捉えられるのではないか。主役の子供の演技もわざとらしくなくて良いし、ちょっと悪ガキだが可愛い。 何よりも良いのは音楽。予告編で「Wake up」(Arcade Fire)を聴いて泣きそうになり、これは観に行かなきゃと思ったが、全編を通じて素晴らしかった。子供の声を効果的に使いながらもパンクな曲調を維持し、子供の持つエネルギーや破壊衝動をうまく掬い上げている。 でも、結局このお話のキモは「やっぱりおうちが一番」というどちらかというと陳腐(親には都合が良い(笑))なメッセージであるだけにそれを超える深い何かはないし、期待しないほうがよいだろう。子供が観るにはちょっと怖いかもと言う意見もあるが、僕は子供がいたら観せたいなと思った。[DVD(字幕)] 7点(2010-01-24 20:09:27)《改行有》 4. 悲しみが乾くまで この作品でビア監督の映画を観るのは3作目になるが、どんどん次の作品が観たくなる監督だ。アップやブレを多用した独特の撮影方法が、登場人物の心の揺れを遺憾なく表現しているし、脚本に無駄が無く、どの作品も2時間程度にうまく纏めているのが良い。 この映画もベニチオ・デル・トロとハル・ベリーという2人のオスカー俳優の演技力を活用し、地味ではあるが、心を打つ作品に仕上がっている。洗面所やリビングでの家族間のプライベートな会話の使い方がうまいのは女性ならではだと思うが、男性の心の動きにも不自然さが無いのは優れた監督である証拠だと思う。ビア監督の映画はどれも大切な人を失った喪失感とその癒しの過程がテーマになっているが、「癒し」ばかりに焦点を当てた甘い作り方にならないところも、私が共感できるポイントだ。「癒し」と「甘え」の間のギリギリの狭間を衝く手腕はたいしたものだ。 この視点を大切にしながら、次はサスペンスやスリラーにも挑戦してくれないだろうか。素晴らしい映画ができそうな気がする。[DVD(字幕)] 8点(2009-07-05 15:17:29)《改行有》 5. カポーティ 《ネタバレ》 役者に救われている映画。最後まで全てが消化不良に終わるのだが、皆いい演技をしており、退屈はしなかった。シーモア・ホフマンのアカデミー賞受賞にも納得がいく。 しかし、それにしても映画の持つメッセージがはっきりしない。おそらく、あえて不明瞭な感じに作ったのではないか?でも、なぜ? 天才肌で不可解なカポーティの心象風景をハーパー・リーやジャックのナビゲーションで旅するというわけでもないし、カポーティとペリー・スミスのやりとりから劇的な何かが生まれるというわけでもない。全てはただ淡々と描かれるのみ。警句を振りまき、セレブにちやほやされて喜ぶ俗っぽいカポーティもいれば、本を出版するために二人の死刑を望む嫌らしいカポーティもいる。かと思えば、鋭い才気で死刑囚の心に切り込み、その心中を鮮やかに描き出す大作家の面目躍如たるカポーティもいれば、二人に会いに行くことにおびえ、彼らが死刑になってしまうことに対して心底済まないと感じるナイーブなカポーティもいる。彼がホモだということは、その声や仕種から暗示されるものの最後まで明らかにはならない。 この映画の面白さは、彼の多面性を描きつつも、そんな彼に同情し、共感することを許さない厳しい姿勢にあるのではないか。もやもやした後味の悪い映画だが、人間ましてや天才なんてそんなに簡単には描ききれんのよとでも言いたげな監督の姿勢は理解できた(?)気がする。 でも、本当にそうなのか?あああああああああ、もやもや。本当はどんな人だったんだろう?「冷血」を読むところから始めてみようと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-02-29 02:06:35)《改行有》 6. ガタカ SFという分野にとらわれることなく、観て欲しい作品。セットがチャチだとか(個人的にはそれほどでもないと思うが)、そういんじゃなくて、彼らの思いを考えながら観て欲しい。今回でこの作品を観るのは3回目だが、年々感動の程度が増していくのが分かる。他と比較されるのが当たり前の「会社員」になったせいかもしれない。友情も愛情も嫉妬も憎しみも怒りも全てが無理なく詰め込まれた至高のストーリー展開。もっと詳しく言えば、自己同一化とかアイデンティティーとかそういうところの話が出てくるんだろうが、私の拙い表現能力ではそこまで伝えることができないのが残念だ。 観る前はたぶん9点だろうなと思っていたが、これはもう10点つけるしかない。ラストには嗚咽しながら泣いた。[DVD(字幕)] 10点(2008-01-28 00:14:25)(良:2票) 《改行有》 7. カプリコン・1 《ネタバレ》 ご都合主義的展開も散見されるし、宇宙飛行士の逃避行の部分は冗長の嫌いはあるが、サスペンス・アクションとしては許容範囲内と思われる。アメリカの国家的プロジェクトである火星行きがでっちあげという導入部からして、ストーリーに引き込まれてしまった。特にラストのスカイアクションのシーンは他のレビュワーさんが褒めておられるとおり、素晴らしい出来である。キャストの中では、冷静なマッド・サイエンティストを演じきったハル・ホルブルックの怪演が特に光っていた。長いことしゃべっても、観てる側を全然飽きさせない。また、緊迫感あふれる音楽もGOOD!ヘルメットやヘリコプター、あるいはカプリコン1の放送など、人間の顔が見えない「組織」のもつ恐怖を暗示した小物使いもいい味を出している。ただし、もっと登場人物の心理面に焦点を当てた展開だと、もっと面白かったかもしれない。ということで、7点献上。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-09 00:55:26)
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