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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  彼奴(きやつ)は顔役だ! 《ネタバレ》 ラオール・ウォルシュの映画には「裏切り」が描かれることが多い。そしてそれは西部劇よりも犯罪映画でこそ活きてくる。最たる作品が『白熱』でこれはもう傑作中の傑作です。この『彼奴(きやつ)は顔役だ!』でも「裏切り」がドラマを作ってゆく。二人の戦友のうちの一人に女を奪われ一人に権力を奪われる。前者が人間ドラマ、後者が犯罪ドラマを作ってゆく。前者よりも後者が面白いに決まっている。後者が生んだレストラン襲撃シーンは後に『ゴッドファーザー』に継承されることになる。そしてラストシーン。前言撤回。前者のドラマがここに名シーンを生むのだ。銃撃後、外に飛び出してからのキャグニーを捉えるカメラの横移動がもうそれだけで哀しさに包まれている。階段を斜めに駆け上がったかと思うとすぐに転げ落ちる。そのリアルな転げっぷりと雪の積もる背景が哀しみを倍増させている。[映画館(字幕)] 7点(2011-10-07 11:39:48)(良:1票)

2.  恐怖省 マイクロフィルムをマクガフィンにしたスパイサスペンスにして典型的な巻き込まれ型。代名詞としてはヒッチコックなんだけど、ヒッチコックが先なのかラングが先なのか、どうなんだろう。登場人物が多すぎることと病院から出所するシーンから始まる何やら謎めいた過去を持つという設定の主人公のせいで純粋にサスペンスを堪能しにくい作りになっている。そういう意味ではヒッチコックに軍配が上がりそうなんだけど、物語を楽しむことに限定すればラングもけして負けてない。さらにサスペンスの弊害となっているだろう複雑な構成はもはやラングらしさとも言える「不安感」を出すことに貢献している。そしてモノクロを活かした光と影の演出は流石、絶品です。まあでも、もうちょっとすっきりとしてくれたほうが・・いいかも。[DVD(字幕)] 6点(2011-09-06 14:24:09)

3.  キッド(1921) 母親が子を捨てるまでのドラマが冒頭にある。つまりこれから始まるチャップリンと子供のドラマにおける設定説明的なものなんだけど、ここだけ見てもその語り口に唸らされる。どうして捨てなければならないのか、その説明が一切の言葉も無く成される。たった一つの画、一瞬の表情、些細な体の動きで。映像で語るとはこういうこと。演出とはこういうこと。そしてサイレントで活きるチャップリンの技とそのチャップリンをも凌ぐ勢いの子供の動きと表情が楽しい。大昔に見たときは子供が施設に連れて行かれようとするシーンの大袈裟な泣きの演技がくどいなと思って、チャップリン映画の中での私的評価はイマイチだったのだが、つい最近見たベロッキオ『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』にこの映画が上映されるシーンが出てきてちょうどその泣きのシーンに見る者たちが大泣きしたり拍手したりしているのを見て、あるいは最近子供と映画(アニメだけど)をいっしょに見るようになって思うに、やっぱりここぞというときの大袈裟な動きというのは(特にサイレント映画の場合)演出としてありなのかもと。子供のように映画に一喜一憂し、感情を露にしながら見るというのはたぶんステキな鑑賞方法であって、そこんところを刺激してくれる演出はやっぱありなんだと思った。[DVD(字幕)] 7点(2011-08-05 14:12:41)

4.  キラー・エリート(1975) 《ネタバレ》 序盤のコンビ(ジェームズ・カーンとロバート・デュバル!)の描き方が商売女を絡めてくるところも含めて74年(この作品の前年)のマイケル・チミノ『サンダーボルト』を彷彿させる。そこから二人が目的地に着くとどうも60年代から70年代にかけて大量に作られた冷戦下でのスパイ映画の色を帯びてくる。ここから意外な展開に。カーンが撃たれて病院に。手術風景が事細かに描かれる。延々と。なんなんだこれは。その後のリハビリシーンも長いがそれはまだわかる。しかしこの手術シーンはいらんやろ。そしてその後はアメリカ・アクション映画ではじめて取り入れられたらしいカンフーが登場。これが場違い。それでも政治や上層部の腐敗が背景となるフライシャーやシーゲルあたりの70年代アメリカ・アクション映画の匂いをプンプンさせておりじゅうぶん楽しめた。と思ったら宿命の対決の伏線をこれでもかと散りばめていながらなんてあっけない、しかも早々の結末に愕然。しかも映画はここからまだ続く。クライマックスは主人公は見てるだけ。えらく抑揚のないクライマックスであった。どうにもこうにもチグハグさが目立つ作品ではあるが、先に書いた70年代アクション映画の匂いってやつでけっこう楽しめたように思う。ニンジャは見なかったことにする。[映画館(字幕)] 6点(2011-03-04 18:18:48)

5.  キック・アス 《ネタバレ》 この監督の『レイヤー・ケーキ』が全くのれなかったのであまり期待もしてなかったし、前半のいろいろを見てても『レイヤー・ケーキ』同様に流行のいろいろをうまく取りまとめただけの軽薄な真似っこ映画にしか見えなかったのだけど、痛快極まるヒットガール登場で俄然面白くなってくる。ぐずぐずの主人公の映画に豪快に人を殺すヒットガールが息吹を与える。その素晴らしきキャラのヒットガールを前半出し惜しみしているのも後々効いてくる。防弾スーツの前フリがキュートに描かれていたので当然ヒットガール復活を我々は期待し、そこにドカーンと登場というわけだ。よ!待ってました!このタイミングが素晴らしい。そこから次。主役の座はヒットガールに入れ替わる。「復讐」が始まることを告げる『夕陽のガンマン』のテーマ。震えた。もう真似っこだろうが軽薄だろうが安易だろうがどうでもよくなった。震えちゃったんだから。しびれちゃったんだから。どうしようもないではないか。[映画館(字幕)] 7点(2011-01-14 14:52:24)(良:2票)

6.  恐怖のまわり道 《ネタバレ》 ニューヨークのクラブのピアノ弾きと看板歌手は恋人同士。この歌手が夢を追いかけてハリウッドへ行っちゃう。見る前にもらったチラシにファムファタルものだとあったのでてっきりこの歌手がファムファタルなのだと思ってたんだけど全然そんなふうにはならない。お金がない男はヒッチハイクで恋人のいるハリウッドを目指すのだがなかなか女は出てこない。と言ってる間に最初の事件(事故)が女無しで起こる。まったく予測不能状態でようやく第二の女が登場。こいつが運命の女であった。強烈。運命の女というには強烈すぎる(もうちょっと見た目なんとかならんかったのか)。しかし歌手の恋人の話なんかどっか飛んでっちゃうくらいにこの男の運命は大きくひん曲がっちゃうわけで、まさしくファムファタルものなのだ。いつまでたっても目的地に着かないロードムービーでもある。不運の主人公を演じたトム・ニールが数年後、実生活で奥さんを殺しちゃったとかでカルト化しちゃった映画でもあるらしい。が、それ以前に夜の雨がモノクロの画面に映えるフィルムノワールの傑作である。[映画館(字幕)] 7点(2010-12-06 16:33:31)

7.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 今、中東を舞台とするならばどうにもカメラを揺らさなければいけないらしい。でもまあこの作品の揺れはまだ許せる。それは揺らすことが単なる「かっこつけ」と自覚しているように思えたからかもしれない。揺れる画面からリアルを得ようなんて思ってない。そもそも味方に全く弾が当たらないのはリアルじゃない。かっこいい銃撃戦が撮れればOK。その潔さがいい(製作にマイケル・マンの名前があるけど影響あるのかな)。あと、見せるべき一瞬を揺れない画面でとらえていたんじゃないだろうか。そのかわり細切れカットが鬱陶しい。男世界に女性捜査官を登場させ、また大いに女性であることを強調していること、そしてじゅうぶんに活躍の場を与えていることは見栄え的にも実に良かった。そういった娯楽の部分はいいのだが、サウジと米国の関係の解説から始まることからも社会派でもあろうとしており、それはべつにいいんだけども、その社会派たろうとするための、同じセリフを互いに発していたという皮肉に満ちたオチ、それ自体もあざといんだけど、そのオチの伏線がしつこい。「なんて言って慰めたのか」と何度も質問する必要なんてない。観客には聞こえない耳打ちでじゅうぶん伏線になってる。[DVD(字幕)] 5点(2010-10-14 16:36:15)

8.  キャット・ピープル(1982) 1942年のオリジナル作品とはストーリーも作風も大きく変わる。人間とセックスすると豹に変身し、人間を食べると元の姿に戻れるという、科学的根拠のない、漫画や童話の定番的(お姫様のキスで王子の姿に戻れるとかいうやつ)なわかりやすい約束事がドラマを盛り上げてゆく。その約束事は兄によって実演される。どんなことが起こるのかわからないことで悩んでいたヒロインというのがオリジナル作品の前半であり、ついに見せるその段階においても直接的には見せなかったオリジナルに対して、このリメイク版は兄の存在によってバンバン見せる。作られた年代の差がもろに出てるなと。終盤に兄が消えてからの展開がどうもまどろっこしいのだが終わってみればナスターシャ・キンスキーの禁断の愛を描いたメロドラマだったわけで、その決着の仕方は嫌いじゃない。[DVD(字幕)] 6点(2010-03-09 15:08:21)

9.  恐怖の足跡 《ネタバレ》 私も例の映画の元ネタであることを知ったうえで観たので、もし知らなかったらはたしてオチに驚いたのか、そのあたりは今さら知るよしもないのですが、この作品の公開当時ならばじゅうぶんに驚けたように思います。でもけしてオチだけの映画ではなく、オチを知ったうえで観てこそ、主人公のこの世界に存在することの違和感、孤独感がいっそう引き立ってみえたような気がします。廃墟となった遊園地の遠景が実に怪しく実に寂しく、よくまあこんなにもドンピシャなロケーションを探せたものだと感心。あまりくわしくは書けませんが例の映画にはまだいろいろな意味での「救い」があったのですが、これはただそのことを知らされるだけなので、悲しい後味を残します。[映画館(字幕)] 6点(2009-10-21 13:29:47)

10.  宮廷画家ゴヤは見た 《ネタバレ》 『アマデウス』のゴヤ・バージョンを想像してたら全然違った。ゴヤはいなくてもいいくらいの役回り。単にゴヤの生きていた時代のお話ってだけ。でもゴヤの描いた絵がこの時代を切り取っているからこそ生まれた作品なのだろう。宮廷画家だからこそ異端審問を免れたといえるような、人を悪魔に見立てたような風刺版画はまさに「宮廷画家ゴヤは見た」である。今の視点で見るからこの世界のイビツさが際立つのではなく、その時代を生きるゴヤの目にもはっきりとそのイビツさが映されていたというところにそのイビツさに真実味が加わる。教会は神の名の下に天使を裸に剥き腕がちぎれんばかりの拷問を行う。ゴヤは見た。美しい顔が歪む様を。正義はその都度変貌することを。人間があまりに弱く愚かなことを。見応えがあった。ゴヤのモデルとなった二人の男女が時代に大きく翻弄される展開はちょっとわかりやす過ぎる気もするしドラマチックに過ぎる気もするが、まあ娯楽映画としてこの異常な世界を見せるにはこれくらいのドラマを見せないといけないのかもしれない。[映画館(字幕)] 6点(2009-04-07 16:44:03)(良:1票)

11.  キャット・ピープル(1942) 《ネタバレ》 狼男の女版みたいなもんだが、ホラーというよりサイコサスペンス寄り。女が実は豹に変身するキャット・ピープルなのだということを取っ払っても、一人の女のトラウマを抱えた恋愛悲劇として成立するところに面白さがある。言い伝えられるモンスターというのは案外こういったトラウマや恐怖心から生み出されることが多く、この作品はそれを逆手に取ったようなカタチとなっている。直接的な恐怖シーンが一切無いのはこの時代なら当然の制限に従ったに過ぎないのだろうけど、だからこそ昔の映画の表現にはさまざまな試行錯誤と創意工夫がみてとれるのが面白い。(鑑賞環境は覚えてないけど、たぶんビデオかな)[ビデオ(字幕)] 7点(2008-10-29 12:56:21)

12.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 あらすじだけ見るとよくあるB級学園ホラーなんだけど、で、実際そんなアホっぽいノリで始まるんだけど、謎の伝染病が発生してからのノリが凄くいい。仲間内の騙し合いとかありふれた展開が繰り広げられるのかと思ったら、あるにはあるんだけど意外とそこには力が入ってない。変な心情描写とか無くって、かといって今どきのホラーにありがちなむやみに観客を驚かせたり予想できない急転直下な展開にしてみせたりといったこともしない。古風なまでに王道。なんだけど全然飽きさせないのは、往年のホラー映画のいろんなところを頂戴しまくっているというのもそうなんだろうけど、それ以上に細やかな点でのヘンテコリンな配慮が抜群に面白い味付けになっているところにあると思う。最初の感染者のもういやがらせとしか思えないように血を吐きまくるとか、汚された車の掃除とか、セックスの後に男の大事なところに殺菌クリームかなんかを塗ってたりとか、みなさんのおっしゃるパンケーキ少年もそう。これで怖かったら言うことないんですけど・・。あと、エンディングが凄かった。ゾーッとするようなことが展開されてるんだけど、めちゃくちゃのどかに見せちゃってる。ハッピーエンドのノリで。ということで限りなく7点に近い6点。 [DVD(字幕)] 6点(2008-09-12 14:16:26)(良:1票) 《改行有》

13.  キャプティビティ 《ネタバレ》 この映画の予告編でけっこう魅力的なシーンがあって、その一つは窓から見える南国の風景だと思ったらノイズが走って、つまり画像であって、コンクリートむき出しの壁になるというシーンなんだけど、その風景を見せる意味というか前後に興味が沸いたのだが、実際にはただそのシーンがあるというだけのものだった。あと、ポスターなんかにもある砂時計シーン。ドライヤーの『吸血鬼』か『刑事ジョン・ブック/目撃者』か。いや、ディズニーの『アラジン』からの引用で実写で見せるとこんなに怖いんだよというシーンなのかとも思ったんだけど、これもなんだかなあ。全然怖くないよ。最近『フォーン・ブース』や『セルラー』でスピード感溢れるシナリオや設定そのもののアイディアが面白かったラリー・コーエンとは思えない意外性の無いスリラー。意外性が無いといってもこちらが思うだけで一応意外性を狙ってる節があるからイタイ。その狙ったであろう意外性のせいで怖さを半減させてしまっているから尚イタイ。[DVD(字幕)] 4点(2008-06-11 13:44:35)

14.  キング・コング(1933) 1976年版を映画館で観た世代ですから、「キングコング」といえば美女とラブラブなのにその恐ろしい容姿のために悲恋に終わるラブストーリーというイメージを持っていたのだが、オリジナルを観てビックリ。全然違う。初代の『キングコング』がこんなにも面白い作品だったなんて!!まずなんてったって怖い。その怖さは最後まで変わらない。そしてアップになったときの顔が怖い。顔が面白いって人もいるみたいなんだけど、たしかにちょっと間の抜けた顔なんだけど、それがかえって怖い。コングのやることなすこと全部怖い。怖いというか獣として自然な振る舞い。けして擬人化されない。崖のくぼみに隠れた男を手探りしてるとこなんか妙にリアルでめちゃ怖い。1933年という時代を考慮せずとも面白いと思う。惜しむらくは、パニックを盛り上げる演出でもあるのだろうが延々とかかる音楽が耳障りな点。音楽無いほうが絶対怖いのに。[DVD(字幕)] 6点(2008-04-22 14:17:50)

15.  キャスティング・ディレクター ショーン・ペンの役柄自らの深層心理をそのまま言葉に変換させたような哲学チックなセリフの洪水は圧巻。役柄の個性がよく伝わる。深層に迫れば迫るほどやるせない自己の露見。共感はできなくとも理解はできるゆえにこちらもイラつく。住む世界が異なる少女(アンナ・パキン)の存在が清涼剤のごとく作品をなごませる。他の演者たちはかなり豪華なのだが、いまいちパッとしない印象。嘘と虚構に満ちたハリウッドの片隅にいる男の苦悩。ということなんだろうが、画面には苦悩も不安も映されない。なので面白いと思えなかった。[DVD(字幕)] 4点(2007-12-19 12:06:56)

16.  キッスで殺せ! 《ネタバレ》 リンチの『マルホランド・ドライブ』は間違いなくこの映画の冒頭シーンを引用してますね。探偵マイク・ハマーが活躍するハードボイルドものなのですが、40年代に代表されるハードボイルド探偵ものとの差異は暴力描写でしょうか。強烈なインパクトをもって登場する女との出会いから映画は始まるが、その鮮烈な印象が消える間もなく女は殺されてしまう。尋常ではない金の匂いと好奇心から、真相に迫ろうとする主人公とそのまわりの人間に容赦ない暴力が降り注ぐ。そしてその暴力の頂点ともいえる「マンハッタン計画」「ロスアラモス」「三位一体」から連想されるものを前にして、なんと主人公は真相追及を放棄する。探偵映画なのに探偵が事件を解決せずに逃げるのである。斬新であるとともに、人間の力の及ばないものが存在するという衝撃がそこにある。そして暴力を超えた暴力によってこの映画は終わらされる。より緊張感のあるハードボイルドにバイオレンスとポリティカル・アクションとSFを混ぜ合わせたら、とんでもないフィルム・ノワールが出来上がってしまった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-10 16:32:20)

17.  北国の帝王 無賃乗車を絶対許さない車掌と意地でも無賃乗車をする男の戦い、、て書くとコメディですね。でもひたすら熱い男同士のバトルが描かれる。この車掌が容赦ない。無賃乗車した者を殺しちゃうんだから。この二人以外に重要な役回りで一人の調子のいい詐欺師が絡んでくるのだが、結局この3人は最後まで出会ったときの関係のままで何も変わらない。主人公と詐欺師の間に親子、あるいは師弟のような関係が芽生えてきそうな展開はあるが、結局何も生まれない。ストーリーに抑揚がないのだ。主人公と車掌の関係はどうだろう。こちらも男の喧嘩にありがちな敵ながらどこか通じるものを見出したり認め合ったりといったものがありそうな展開を見せるも、やっぱり何も生まれない。ストーリーに抑揚がないのだ。なんで高評価なのか知らないが、ストーリーは全然面白くない。あえてストーリーの抑揚を抑えてひたすら男の意地のぶつかり合いだけが延々と映されるのみ。しかし、だから面白いのかもしれない。いかにもアルドリッチ的男くさい映画。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-08 12:06:13)

18.  キー・ラーゴ 『マルタの鷹』同様にどこか緊迫感に欠けるのはボガートのクールなキャラのせいだろうか。いくらアメリカ軍将校という設定でも、丸腰の人間が銃を持つギャングと対峙すればもうちょっと怯んでくれないと。いや、そもそも足の不自由なバリモアも若き未亡人バコールも全然怯まない。これがハードボイルド映画ならいいが、そうじゃない。反対にギャングの親分G・ロビンソンはハリケーンにびびりすぎだってば。人質もこの親分を見習ってびびらなければ。南国の暑さも「暑い暑い」とセリフにあるだけで全く暑さが伝わらない。ホークスの『三つ数えろ』の温室でのボガートの汗がにじむシャツのように、ちょっとの工夫でその暑さは表現できるのに。[DVD(字幕)] 4点(2007-01-15 15:44:51)

19.  ギャング・オブ・ニューヨーク 移民、ギャング、ニューヨークとくればスコセッシ。でも初期のスコセッシはここにはいない。ニューヨーク創成期の一代絵巻なんてスコセッシには向かない。もっと小さく狭くいってほしい。大作を作るならもっとユーモアのセンスを磨かなくては。アカデミー賞を獲りにいくのはべつに構わない。でもこの作品はそんな想いが透けて見えてなんとも痛々しい。無難な出来なのかもしれないが消極的にも見える。[DVD(字幕)] 3点(2007-01-12 13:41:52)(良:1票)

20.  ギフト(2000) 夫の死を予見しておきながら死なせてしまった過去。何故か与えられてしまった特別な力を裏切った過去。だからこそ彼女はその特別な力を発揮すべく占い師として人々に道を示す。だからこそ魔女と呼ばれようとも冷たい視線を浴びようとも、あるいは自分に敵意を向ける男が助かることになろうとも、そしてそこに自らの危険があろうとも、真実を導かずにはおれない。大いなる力を持つものには大いなる責任が伴う。後に『スパイダーマン』に継承されるテーマがはっきりと浮かび上がる。ビッグネームの脇役たちの存在感がありすぎて作品の空気に合ってない気がするが、ホラー演出に磨きがかかり、洗練された映像にサム・ライミの新境地を見る。[DVD(字幕)] 6点(2006-11-10 13:41:38)(良:1票)

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