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1. ゴースト・ドッグ
《ネタバレ》 下の方のレビューの方々の間でも問題視されていたけれど、主人公が正確に武士道を理解していたかどうか、って問題。いや、これは、ズレてますよ。誤解してます。でも狙ってるズレだと思う。いちいち挿入される「葉隠」の引用、これが、どうも物語ともずれてるし。で、このズレが、違和感となってしまったらこの映画は楽しめないんだろうな。私にはツボにハマってしまった。ばかばかしくて面白かった。ディテールのこだわりもたまらんです。イヌの表情、アニメばかり見ている敵役たち、いいところで飛んでくる鳥。思い出すとくくっと笑ってしまう。主人公と少女が語る、『羅生門』というアンソロジーの中では「藪の中」が一番よかったわ、という会話。さりげなく黒澤へのオマージュ、入ってません? 武士道ときたら黒澤ってことかしら。それもまた誤解のような気もするんだけど。そこまで狙ってる?[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-13 23:20:17)(笑:1票)
2. コーヒー&シガレッツ
《ネタバレ》 久しぶりのジャームッシュ。最初の数話の感想。「ああ、いつもどおりのとりとめのない会話だなあ。でも、年取るとこのテンポ、ちょっとツライかも。」でも途中で(軽いネタバレです)「あれ? これはズレとズラシの対話なんだ」って気づいた。楽しみどころはそこだって。かみ合わない対話。そのズレ具合を追っていくんだなって。それに気づいたら、どのエピソードも俄然面白くなった。(理屈で納得しないと先に進めない。頑固親父のよくないところです。)そしたら、エピソード同士も相互関連していて、しかもお互いにズラシてるじゃないか。なるほどなあ。少しずつ撮りためたって割りに計算されているじゃないの。これは何度も見直したくなる。(そして、見返すたびに評価の点数が一点ずつあがっていきそうな気がする…)
しかし、私には、この映画の中のコーヒーも煙草も、あんまりおいしそうには見えなかったなあ。だからってこの映画の面白さには関係ないんだけどさ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-01 23:43:12)《改行有》
3. コレクター(1965)
うーん。評価に苦しむ作品だなあ。ドラマとしては息の詰まるような圧迫感がうまく出ていて、緊張感のあるいい作品だ。しかも犯人の孤独と苦悩がしっかり描けている。でも、実際にこの手のことが事件になっている今の時代に見ると、どうにも手放しでこの作品を褒めたくなくなる。実際この作品を愛好していた男が似たような犯罪をしたというドキュメントもあるし。評価がすごい難しい。しかし、ドラマとしては…やはり傑作だ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-17 12:49:09)(良:1票)
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