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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  恋のためらい/フランキー&ジョニー 《ネタバレ》 あちらの戯曲ものってのは、あんまり失敗がないな。セリフが練れてる。孤独というより、なんとはないモノ寂しさを感じる四十代。ビデオに逃げ込む心の固さ。一人になるのが怖いけど、一人になれないのも怖い、っていう都会の時代に、四十代のロマンスを構築してみせる。アル・パチーノとミシェル・ファイファーってんで、もう少し神経質なタッチかと思ったけど、暖か味がある(舞台ではキャシー・ベイツだったそう)。個性を出すのに、鼻の下を擦ったり、ビンのふたを開ける専門家にしたり、印象的なポイントを作ってある。怖い街ニューヨークが背景にあり、ラスト近くで分かるんだけど、それを別の角度から、路上の死体のマークの頭のところにコインを投げ入れる遊びのスケッチなんかもあるのがいい。店の仲間うちの雰囲気の味なんかいかにも舞台的なんだけど、パチーノが現われるシーンの長回しは映画ならではの楽しみ。花屋の前の二人の会話で声が聞こえなくなり…のシーンは、もし映像だけの仕掛けだったら、ちょっとわざとらしく感じたかもしれないが、声が消されるステップを踏んでるのがいいんだな。[映画館(字幕)] 8点(2012-09-20 09:59:16)

2.  こわれゆく女 カサヴェテスの世界では「はしゃぐこと」と「演じること」と「リラックスすること」とが悪循環を起こしている。本作のジーナ・ローランズの妻は、家庭は気楽で居心地よく楽しい場所でなければならない、という強迫観念に取り憑かれている。リラックスしなければいけないという強迫。そこで彼女は精一杯、気楽で居心地よく楽しい雰囲気を作り出そうと演じるのである。夫のピーター・フォークが仕事仲間を連れてきたときのシーン。スパゲッティで接待するのだが、このもてなしぶりが微妙に度を越してしまう。客をくつろがせようとはしゃげばはしゃぐほど、食卓はピリピリしていく。はしゃぎの奥で何か重いものがどんどん膨張していってしまう。当然場はしらけてくる。そういった悪循環。もっと普通に出来ないのかと思う夫も、子どもたちを海に連れて行けば、ついハッピーな気分を強要してしまうし、妻の退院祝いのパーティでも「もっとこう、天気の話とか、普通の会話を出来ないのか」と怒鳴り散らしてしまう。「普通」というものは「普通でないもの」もある程度含んで初めて「普通」になれるのに、彼らは純粋な「普通」を求めてしまうのだ。リラックスしようとすればするほど、何かに向かい演じてしまう。いつも他人に対して構えているような生き方。この夫婦はそれに心底うんざりしているんだけど、それから抜け出そうとする試みが一つ一つ演技を補強していってしまう。まさに悪循環。この映画はヒステリックな赤に彩られながら、じっくりとこの徒労というしかない戦いを観客の前に展開してくれる。映画史上おそらく最もたくましい神経症患者。そうか、コロンボ刑事とグロリアの夫婦か、タフな話になるわけだ。[映画館(字幕)] 8点(2011-08-06 10:28:15)

3.  荒野の決闘 アープがクレメンタインを連れて教会建設地へ連れて行くとこ。日向と日陰のコントラストが美しいし、そのあとの踊りを誘いかけるとこや踊ってるとこも、もちろんすごくいい。アープにとって一番楽しかった思い出になるであろう、という、今から回想しているような、懐かしさやらかけがえのなさやらが満ちている。もともと映画って、そういうものだし。決闘そのものより、そこまでの人の動きの緊張のほうが見せ場なの。アープがバーテンに「おまえ、恋をしたことあるか?」って尋ねると、「ありませんよ、ワシはバーテンだもん」ってとこも好き。西部劇のバーテンは、実存より本質が先行しているのだった。[映画館(字幕)] 8点(2011-02-28 09:18:56)

4.  恋人までの距離(ディスタンス) 会話する二人の自然さの引き出しかたにこそ映画の命がある、っていう姿勢。ちょっとした反応なんか、どこまでが監督の指示なのか分からないけど、素晴らしい。他人だった二人がどこか探り合いながら親しんでいく経過、これほどドラマチックなものはないと監督は確信している。喋っている言葉より、そこにある空気をこそ映画ならば捉えたい、と。「時は流れ去る」というテーマが底にずっとあって、時間をいとおしみ出したときに静かにナガシのウィンナワルツが流れ込んでくるあたり、時というものをハッと意識させられる。駅で今日の日付けが6月16日と分かる。これはジョイスの「ユリシーズ」の日ではないか。あのダブリンをウィーンに移して街歩きをやらせたという趣向なのか。そして泣けるのが、二人が歩き回った場所のそれぞれの朝を捉えたカット、これがいい。最後にヒロインは徹夜の後の眠りに入っていく。実に自然ななんの感情もない純粋な眠りに見えるのが、またいい。[映画館(字幕)] 8点(2010-02-25 12:07:50)(良:3票)

5.  ゴスフォード・パーク ダーッと登場人物があふれる。これ小説だったらそうとう混乱しただろうけど、映画だと、とにかくその中に身を置いてあたりを観察しているうちに、しだいに整理されてくるから大したものだ。上の階と下の階、別々の階級の世界を描き分けていたのが、だんだんと絡まってくる面白さ。マギー・スミスは召使を使って情報を集めるし、上の客であるアメリカ青年は下に潜り込む。マギー・スミスの上流階級の酷薄さは、そのままイギリスが(しょせん芸人風情の)アメリカを見る眼の残酷さでもあろう。監督はそう見られるアメリカを笑い、そう見るイギリスも笑っている。[映画館(字幕)] 8点(2008-06-02 12:14:29)

6.  ゴースト/ニューヨークの幻 《ネタバレ》 自分の死を知るあたりは、このころでは『オールウェイズ』があったりして、新鮮味に欠ける予感が漂いだしたが、三番目の人物が悪人なのね。ウーピー・ゴールドバーグのインチキ霊媒師が出てきてから面白くなってきた。祖母や母は霊能力があったけどあたしはないんでインチキしてる、と自分で思い込んでいるという設定がうまい。ちょっと演技が大袈裟だったが。あと地下鉄の幽霊がおかしかった。縄張りがあるの。とにかく登場する主要な男性はみんな幽霊になっちゃう。このころアメリカ映画界は死人ばやりだった。あちらでも成仏してメデタシメデタシとなる。カールが悪人と分かる前に伏線を出しすぎちゃったか。[映画館(字幕)] 7点(2014-03-10 09:03:47)

7.  ゴッドファーザー PART Ⅲ 《ネタバレ》 パーティで始まる。ファミリーが集まる儀式。三作をワルツがまとめている雰囲気がある。イタリアと言えばカトリックにオペラ。前は教会での祝福と殺戮を並行させたが、これではカトリックが前面に出てきた。法王庁のなかのどうのこうのはもひとつピンと来なかったけど、イタリア人及びイタリア系移民のアメリカ人には、マフィア一家の上昇の果てが納得できるのだろう。ヘリコプターでの幹部殺しあり、祭りのなかでのザザ殺しあり、タリア・シャイアのネットリしたのも怖く、見せどころはオペラだ。『知りすぎていた男』的緊張も加味される。マーロン・ブランドは孫(ファミリー・子孫)のいる農園で死んでいったけど、アル・パチーノは犬がいるだけの赤茶けた何もない庭で一人死んでいくわけ。第一作の年、V・ストラーロはイタリアで『ラストタンゴ・イン・パリ』のM・ブランドを撮っており、コッポラと組むのは『地獄の黙示録』(やはりブランド)からで、コッポラのカメラマンではたぶん本作を含めた三部作だけがゴードン・ウィリス。見てる間は気がつかなかったが、ヘルムート・バーガーが出てたのか。[映画館(字幕)] 7点(2013-10-09 09:52:28)

8.  恋の掟 《ネタバレ》 社交術ってのは、ゲームの教育ってことか。無垢で純粋な小娘への教育、彼女を駒として使うゲームでもあり、そのルールを更新していく残酷さもある。ゲームを終えたふりをして次の手に進むあたりのタノシミ。生きることそのものがゲームであった時代、頽廃なのか洗練の果てなのか、ゲームは戦争となり、同じゲームをしている者同士の共感が、騙し合いのゲームの果ての孤独に追い詰めていく。田舎でのディナーのそれぞれの表情を、話者と話者以外の者とのカットの積み重ねで描いていくあたりなんか好き。せっかく若い恋人たちのために妖しい雰囲気を作ってやるのに、ハープの練習をして「AじゃないBフラットだ」なんてやってるお笑い。A・ベニングは好きなんだけど、ちょっと線が細すぎたか。ゲームの相手も失う極北で、カンラカラカラと豪快に笑ってほしい気もする。[映画館(字幕)] 7点(2012-02-03 10:05:11)

9.  コンチネンタル なかなかウキウキしたダンスを見せない。アステアが最初にタップを踏むのは、自分がダンサーであることをレストランで証明するためのもので、いやいや踊る。いつものミュージカルの、ウキウキした気分から自然に身体が動き出す、というのの逆という趣向。ロジャースのほうも、最初はスカートをはさまれ身動きできない状態で登場する。アステアは着替えるときにウキウキ気分をちょっと出すが、前半はおおむねタメてタメて、二人の心が通じ合う「ナイト・アンド・デイ」までもたせる。こういう愛の確認場面ではタップではなく、組んで踊る優美なダンス、というのが決まり(しかもその前に、同じ場で若者たちの群舞を入れて、こっちのしっとり感を強調)。こういうときはテーブルを乗り越えたりしないの。どちらかというと、ミュージカル映画では、タップやテーブル乗り越えたりする振り付けのほうが見せ場なんだけど、こういう愛の確認の場では、それやっちゃいけないことになっている。前半でタメていたおかげで、解放感。愛の表現として、向かい合うことと追いかけることを同時に踊ると、回転のダンスになるのだろう。この映画では回転のモチーフが繰り返され、回転扉やレコードの上の紙人形の回転へと広がっている。後半の見せ場「コンチネンタル」も、部屋に閉じ込められそうになって抜け出してのダンスということで、やはり解放感が満ちる。この「コンチネンタル」、タップリで見事ではあるが、音楽は切れずに続いているのに、群舞のほうは画面が編集されててつながらない振り付けになってたりして、ちょっとつまずく。ラストの二人はもうしっとりの愛ではなくウキウキ気分の愛だから、テーブルに乗ったりして踊ってもOK。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2010-10-09 09:46:04)

10.  告発 この監督、長回しが好きみたい。あるいはカメラマンの趣味か。最初の弁護士事務所へ駆けつけるとこ、階段上って上司と会うまでを一気にいく。さらに面白いのは、牢のまわりをぐるぐる回り、ときに中に入り込んだり出たりする(スタッフが牢の一面をあわてて外したりはめたりしてるんだろうね、『ロープ』みたいに)。法廷でもくねくねカメラが歩き回った。まあ画面として退屈になりそうなとこだから、動き回ったってだけのことかも知れないが、楽しいことは楽しい。典型的なアメリカの「正義を行なう勇気」ものなんだけど、飽きずに感動してしまうのは、こういう風土が日本にはないからなんだろう。どんな国家にも地下牢は生まれてしまうのであり、問題はそれを暴く勇気の有無なんだよなあ。こういう話で弱いのは、ワルモン役の演技パターンが決まってしまうこと。G・オールドマンいい役者なんだけど、やっぱ「ナチ型」になってしまう。本当に怖いのは、「どうして私の言うことが分かってくれない」と泣きながら、心の底から真人間に立ち直らせようとしてする善意の拷問なのではないか。[映画館(字幕)] 7点(2010-04-29 11:57:47)(良:1票)

11.  恋におぼれて 《ネタバレ》 天文学者の恋。望遠鏡→覗く人、とつながっている。『裏窓』の構造をコメディにしたような設定。最初不鮮明な映像が壁を白く塗っていくにしたがって鮮明になっていくとこは、なかなか映画的なスリルだった。男のほうは未練たらたら、女はひたすら復讐に燃えている。アパートに忍び込んだときも、男は匂いを嗅いでトホホしてるし。猿に口紅つけさせたり香水の水鉄砲したりと、陰湿な仕掛けが楽しい。壁の映像に二人で並んでフキカエをする楽しさ。一緒に並んで映像を見ていると、心が通じ合ってきてしまうものなのだ。作戦が成功していくとこを、実際に見せないで、オバアチャンが聞いた“ラジオドラマ”として伝えるシャレっ気。終盤にもう一つ鮮やかな場面があればもっと良かった。骨折にジンマシンと弱り目のタタミ込みはいい。[映画館(字幕)] 7点(2009-03-25 12:11:33)

12.  今夜はトーク・ハード 昼はさえない高校生、夜になると地下室からこっそり海賊放送する人気DJ(親にとっては心配なウツのせがれ)。昼はクラーク・ケント、夜はスーパーマン、と当時のノートに記しているが、今ならブロガーだな。ネットの世界でなら万能者。青春像は普遍です。ひとりひとりが電波を通じてかろうじてつながり合おうとしている。DJが彼と分かったときの周囲(クラスメイトや親たち)の反応をちゃんと見たかった。自殺少年への詫びが、次第に抗議の興奮に盛り上がっていくあたりが、まあ眼目。学校の不正はわざわざ要らなかったんじゃないか。C・スレーターはA・パーキンスの道を歩むのではないか、と当時心配している。目つきが危ない、と。[映画館(字幕)] 6点(2013-06-28 09:59:25)

13.  恋する人魚たち シェールとボブ・ホプキンスの、家族観の違いが面白かった。シェールは娘たちと一対一であろうとするが、ボブは家族ワンセットで愛そうとする。そのズレ。あとは母と娘の葛藤もののモチーフがあり、ソツのない映画ではありました。ケネディ暗殺の日ってのが、アメリカ人にとっての共有体験確認日のようで、あの時どこで何してた? ってのが知り合ったときの会話になるんだろう。偉大な大統領だった、ってののほかにカトリックの大統領ってことも印象強いみたい(おそらく未来ではオバマも同じように特異な大統領として歴史の刻み目の目印とされることとなろう)。ウィノナ・ライダーのおでこの血管が気になったが、彼女より牧瀬里穂の十年前のような妹が気になる(なんてロリコンチックに当時記録してたが、クリスティーナ・リッチである)。[映画館(字幕)] 6点(2013-03-18 09:53:44)

14.  心の旅 脳障害の記憶喪失から立ち直っていく話。未知の人たちをいかにファミリーとして受け入れていくか、ってところが眼目と思ってたら、仕事人間が真人間になるストーリーで、やや興ざめ。病院から退院するのを怖がるヘンリー。親の決めた知らない家へ嫁がされる花嫁のようなH・フォード。この人もともと何かに怯えているような感じがあるから自然。字も読めなくなってる。字の読めない者にとっての街の風景なんてもっと展開できたのでは。自分の過去もだんだん分かってくる怖さと面倒くささ。その面倒くささを振り捨てて再出発するとなると、その基盤はファミリーなんだな。シナリオのJ・エイブラムスは当時23歳だったそうで、基本の伏線の張り方なんかを、一生懸命型通りにやっている。ジュースをこぼすとか、犬のお座りとか。妻のA・ベニングは好きなんだけど、これはちょっとテレビ的だったかな。[映画館(字幕)] 6点(2013-02-06 09:59:16)

15.  氷の微笑 自信ありげな女たちと振り回される男。上になり下になり、でも下になるのは怖い。本能が剥き出しになってる不気味さみたいの、シャロン・ストーンにありました。粘つく感情的なものが一切感じられないような。社会生活の下にあるもの、支えているのではなく、落とし穴として。車の追っかけが少しくどかった。観た日の日記には以下のようにも書かれているのだが、細かい記憶がないので、どの程度合っているのか検証できない。無責任にそのまま記すと「M・ダグラスがヒジテツを食らうとこからあとは、キャサリンを失ったニックの妄想と取ったらどうか。まだ出版されていない新作の中で主人公の同僚がエレベーターで殺されるのをベスは知るわけがなく、またそれをキャサリン自身が実行するはずもなく、たまたまそこを読んだニックの妄想と考えるしかない」のだそうだ。[映画館(字幕)] 6点(2012-03-26 12:23:17)

16.  コクーン 《ネタバレ》 視力検査で一番下のを読んでパッと車のカバーを取るとこと、ディスコでフィーバーするとこで場内に拍手が起こった。コメディタッチの部分は、なかなか楽しめた。あれで全編覆ってくれれば、もっと良かったのに。悪童三人組風の主人公たちを受け入れちゃえば楽しめる。「お隣の宇宙人」を素直に受け入れてしまうおかしさ。「実は私たちナントカ星から来たナントカ星人なのよ」「うん、そうだと思った」。そして終盤になってくると、東洋と西洋の死生観の違いを、しみじみ感じた。日本だったら、ご先祖様のいないとこには行けぬ、という反対者が出たに違いない。妻への愛じゃなくて。集団で昇天しても、あちらは個人と神の契約なんだね。ユングの言う「全体性への回帰」ってのも、東洋のご先祖様のいる世界とは、ちょっと違うみたい。ということで、このころからは宗教的なものを語るにも、SFの仕掛けが必要になったのだった。あの世の新解釈。かわいそうなのは死んじゃった宇宙人二人。[映画館(字幕)] 6点(2011-06-15 12:12:30)

17.  心のままに 《ネタバレ》 カメラのファン・ルイス・アンシアってスペイン出身の人(ときにアンチア表記)、『愛の選択』って映画の室内撮影がすごくきれいだったので覚えておいてやったのに、これはあんまりどうってことなかった。単に照明担当者が有能だったのか。で内容。リチャード・ギアの持つくすんだ陰りのようなものが、精神病に合っていた。ウツになりかけるあたりはそれらしい。必ず次にウツが来ると分かっている躁状態の危うさみたいのが、けっこう怖い。ヒロインは高所恐怖症だと言った時点で、ラスト高いところへ上がることを義務づけられてしまったな。[映画館(字幕)] 6点(2011-02-25 10:29:46)

18.  告発のとき 《ネタバレ》 良くも悪くもハリウッド映画は明瞭な世界を提示してくれるものだったが、最近はなにかモヤモヤとしてスッキリしないまま終わる傾向がある。現実の複雑さにまともに向かい合えばそうなるわけだけど、ただ溜め息をついてるだけじゃないか、という気にもなる。この映画も構造は至ってハリウッド的で、反発し合っていた師匠と弟子が協力して結果を出す、というパターンの変奏。昔だったらもっと晴れ晴れしいラストになれたのに、現在のアメリカはそれを許してくれない。ドラマは、せがれが壊れていく過程を発見していく父の旅という形になる。善良なせがれが悪い敵に殺される、という形の反戦映画ならそれなりに浄化の気分になれるが、もうアメリカはそんな無垢な自画像を持てなくなっている。それを父親は受け入れていかなければならない。ただ救助信号としての国旗を掲げることしかできない。この圧倒的な無力感が、現在のアメリカの率直な自画像なのだろうか。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-12 12:02:57)(良:2票)

19.  コンタクト 冒頭は嬉しい。現代の騒音の地球から、しだいに遠くへ過去の音へと退いていく。そして無音の迫力。銀河へ島宇宙へと。純粋なSF映画かと期待する。ところが違って、人間ドラマで薄められた2時間半となった。純粋SFで2時間の映画は作れなかったか。もっと“接触”そのものの興奮だけで詰められなかったか。あの何ものかの巨大な心音のような電波信号音なんかよかったのに、そこまでだったなあ。アメリカで無神論を表明することの難しさはよくわかった。事業が北海道で実行されるってのが、無神論の国ってことで選ばれたのなら嬉しいんだけど、何となく東洋=精神性ってイメージが底にあったようで。ヘルメットのHは、北海道のHなの? シベリアのような北海道。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-21 11:55:22)

20.  コン・エアー 《ネタバレ》 飛行機というのは、大仕掛けの割りに、もひとつ面白味に欠けるなあ。列車や車と違って、窓外の風景が生かせない。一生懸命速く飛んでても、スピード感が出せない。飛行中は外に出られないから、車のドアにつかまったりとか、列車の屋根に上ったりとかの、アクションの工夫の余地がない。けっきょく閉じ込められた環境という一点だけ。オリガミが後で生きるのかと思ってたら、ただツルが飛行機を予告しただけだった。マルコヴィッチやブーシェミといい顔を揃えているのに、極悪人という役柄の宿命か、物足りない。思わずうなるアイデアがないので、退屈はしないが空回りの印象。車を引っかけたまま飛行機が飛んでいく図はよかった。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-18 12:02:56)(良:1票)

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