みんなのシネマレビュー
R&Aさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
   「」

   
     










    


  










  


 












投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234

21.  シューテム・アップ こりゃ、たまらん。銃撃戦のてんこ盛り。『トゥモロー・ワールド』に続いてまたしても赤ちゃんに翻弄されるクライヴ・オーウェンが終始難しい顔をしながらひたすらかっこよくむちゃくちゃハードボイルドで強烈にスタイリッシュなガンアクションをキメまくる。なのにそこには常に「おバカ」がある。こんなにも「おバカ」と「かっこよさ」が同居してしまっていいのだろうか。これでもかってくらいにいろんな銃撃戦がある。「かっこいいー!」と「んなアホな!」を同時に言葉にしたいのだが口がひとつなので「んなアホな!」になってしまうのが心苦しい。車を正面衝突させるのになんでシートベルトをはずすんだろう(咄嗟に『ペイバック』の正面衝突シーンでのメル・ギブソンのマウスピースを思い出した)と思ったら、おいおいおいおい。そう来ますか。大笑い。あと、銃撃戦のオンパレードなので当然人がガンガン死にます。この映画のおかしなところはかっこいい銃撃戦のあとにはちゃんと死体を映しているところ。ふつう映さんでしょ、この手の映画は。でも死体の処理までわざわざ描く。空中での銃撃戦の後の死体にはあきれてしまった(そこまで徹底しますか!)。たまたま『ランボー 最後の戦場』のすぐ後に観たんだけどどちらも徹底的に人が殺されまくるのにその「暴力」の描き方が対極。あえてその残酷さを強調する「ランボー」に対し、マンガチックに、いわば死を軽んじたような描き方。でも死体をしつこく映し続けるってのがミソ。たんなるファッションでもたんなる「おバカ」でもなくシニカルな後味という深い味わいまで持つ特異な「おバカ映画」。サイコー![映画館(字幕)] 7点(2008-06-24 11:48:33)(良:4票)

22.  ジェリー いろんな解釈ができる?うん、まあ解釈は自由ですけど、ガス・ヴァン・サントは観客をどこかに導こうとしているわけでも何かを言いたいわけでもなく、解釈の自由を提供しているわけでもないと思う。観客には何も求めない。ということは商業映画にあらず、まさに実験映画。二人の男が歩く。だだっ広い荒野をひたすら歩く。その姿を延々と撮る。それだけ。その中から画面に「何か」を出現させる試み。二人がまだ危機感を覚えない初日に走るシーンがあるのだが、完璧に二人を収め続けるカメラの異様なまでの滑らかな動きに一種の恐怖感を感じる。何をも見逃さないとするカメラ。雲が流れる空、光の度合いの変化、それでも何も起こらない、そんな中で響く足音は恐ろしいまでに二人の不安を、あるいは焦りを見せ付ける。広大で美しい絶景はそのあまりの広大さと美しさによって絶望を見せ付ける。とんでもない作品である。この作品は後年、ガス・ヴァン・サントを初期ガス・ヴァン・サントと後期ガス・ヴァン・サントに分ける記念碑的作品になる。[DVD(字幕)] 7点(2008-02-20 13:15:06)

23.  処刑人 冒頭の教会シーンが異様に意味深なんだけど、てっきり過去に何かがあって何かを成し遂げようとする兄弟の話なのかと思ってたら全然違った。うーん、この教会のシーンはいったい何だったんだ?頭の切れるFBI捜査官のデフォーが殺人現場からプロファイリングしてゆく過程で、我々も殺人シーン(というよりアクションシーン)を見てゆく。そこでそのガンアクションのかっこよさとデフォーの頭の切れっぷりを同時に堪能する。さらにやりすぎデフォーに大笑いする。銃撃戦再現シーンのデフォーは完全に『プラトーン』のセルフパロディでしょ。女装は衝撃。何が衝撃って見た目の強烈さもたしかに衝撃なんだけど、何よりもその必然性の無さが衝撃的。笑うところなんだろうけどあまりに気持ち悪くて半笑いだし。予想とはずいぶんと異にする展開の作品でしたがじゅうぶん楽しめました。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-08 14:32:53)(良:1票)

24.  ジョンQ-最後の決断- 『狼たちの午後』を彷彿させる社会派ドラマではあるが、社会派ドラマについてまわるリアリティを追求せずに、登場人物たちを極端にキャラ分けする寓話的とも言える手法で見せてゆくというのは昨今のメジャー映画事情に明らかに逆行していて、そのぶん非常に分かり易い。この分かり易さこそが良きハリウッド映画だったのではないだろうか。主人公はただ子供を助けたい一心で犯罪に及ぶのだが、映画は極端なキャラクターでもって歪んだ社会を次々と露呈させることで主人公の行為を許容させようとする。営利最優先の病院経営者は病気の人間を助けるという病院の本来あるべき姿を消し去り病院システムの問題をさらけ出させる。名声に執着する警察署長は早急さにこだわりより良い解決策を考えることもなく警察の本来すべき仕事をせずに警察システムの問題をさらけ出す。ガードマンも金に見合った以上の仕事をしようとしない姿は金が全ての社会をさらけ出し、メディアの主人公の訴えには腰が重く事件が起きてはじめて動く姿にはやはり金銭および名誉至上主義をさらけ出している。主人公の会社も保険会社も社会問題を露呈させている。この映画のいいところは、ここまで明確なキャラ分けをしているにもかかわらず、さまざまな問題はすべて社会にあるのであって人にはないとしているところ。だから主人公も誰も憎まない。ただ、いくらリアリティを求めないにしても病院長の心変わりは急変にすぎる。もうひと粘りしてほしかった。[DVD(字幕)] 6点(2008-01-25 12:32:02)(良:1票)

25.  Gガール/破壊的な彼女 唐突にできた空き時間にシネコンに飛び込んだはいいが限られた空き時間ではコレしかなかったので半ば仕方なしに観たというのが正直なところなのだが、大当たりとはいかないまでも拾い物をしたという満足感は大いに得ることができた。スーパーヒーローといっても当然長所ばかりであるはずもないのだが、これまでのあらゆるスーパーヒーローの短所は必ずと言っていいほど負の一面、あるいは暗黒面として描かれ、ヒーローたちは自問自答し悩むのだ。しかしGガールの短所ともいえるヒステリックな嫉妬心は、あくまで普通の女の子としての短所であり、けしてスーパーヒーローであることと結び付けようとはしない。そして普通の女の子としてスーパーパワーを使うのだ。だから突拍子もない無茶苦茶な行為もそこには不自然さはなく、むしろ人間的でイヤミも嫌悪もなく爽快感すら呼び起こす。ラストがまたいい。資質に合った仕事に出てゆく者と送り出す者。男と女の凝り固まった概念を取り除けば、こんなにも自然なカタチを形成できるのだ。[映画館(字幕)] 6点(2008-01-23 16:07:09)

26.  ショコラ(2000) 《ネタバレ》 主人公母娘がたどり着いた町の全体像が映し出されたとき、そのおもちゃのような家々がぎっしりと立ち並んだ様にティム・バートンを想起した。ここから始まるお話がおとぎ話であることの啓示ととった。実際、このお話は実にメルヘンチックで登場する人物たちも実に判りやすく色分けされている。閉鎖的な社会がある放浪の母娘によって開放されるという大筋。でもおとぎ話ゆえに彼女たちを排除しようとするのは社会ではなく町長ただ一人なのだ。そこには異端者の悲惨さは無い。そのことは異国の地で自身に満ちた振る舞いをする主人公を見てもわかるとおり。だから最後の大団円もイマイチ乗れなかった。もう一つの筋は放浪者が放浪を止めるという筋。娘が放浪に疲れている。しかしそれでも放浪の自由さを見せ付けて終わるのだと思った。なぜならハルストレムは『ギルバート・グレイプ』で町に縛り付けられていた青年(ジョニー・デップ)をキャンピングカーで生活する少女と共に旅立たせたから。しかしこの作品では放浪をまるで魔法にかけられたゆえの行いのように描き、放浪から安住への変化をしてハッピーエンドとする。しかも船上生活者までもが地上にあがる。なーんか納得しかねる。ただ、ここで深読みすると、これはおとぎ話、おとぎ話って残酷なお話を子供向けに可愛らしく描くことが多い。店の扉がなかなか直らなかったのが最後ようやく直ります。それまで誰でも出入りできた開けっ放しの出入り口に。これって放浪という自由を手放した者が自ら閉鎖的社会の一員となることの暗喩というちょいとビターなお話なんでは。いや、深読みすればね。[DVD(字幕)] 5点(2007-12-03 19:04:38)

27.  ショーガール ヨメさんの、もう観ることもないだろう数少ないレーザーディスクコレクションにこれがある(なぜこれなんだ?)。映画はこれと『ラストエンペラー』だけ(なぜこの組み合わせ?)。深夜テレビも含めて何度か見たことのある私はひたすら「なぜ?」を繰り返すのだが、好きなんだそうだ。でもわかる気もする。もともと舞台劇好きだから、ショービズの裏側ってのはそそられる題材なのかもしれない。それになによりもストーリーがシンプルで解かりやすい。そもそも彼女が映画をあまり好きではない理由の「ドンパチがイヤ」「恋愛ものは腹がたつ」「誰かが病気で死ぬとかかわいそうで見てられない」というこの3つを見事に外した映画でもある。つまりひねったストーリーやら安易な驚きや感動で観客に媚びた映画ではないということになる。裸は裸を売りにしたビジネス界のお話なんだからあって当たり前だしエロさは然程無い。うーん、なんでラジー賞なんだろう。[ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-25 11:38:04)(良:1票)

28.  深夜の告白(1944) 結末を最初に見せて回想録で綴ってゆくという手法はこの後ワイルダー自身の『サンセット大通り』を含めて多くのフィルム・ノワールに有効な手法として取り入れられることになる。さらに夢のハリウッドにおいての冷酷な女の登場は当時としては驚愕に値しただろう。そんなパイオニア的価値も評価しつつ、でもこの作品の面白さはやはりエドワード・G・ロビンソンの絡ませ方だろう。この人物が登場するたびにサスペンスは盛り上がり、しゃべることで暗いムードを一掃しテンポをつくる。マッチというアイテムを使って作品にユーモアを与え、最後にはそのユーモアのアイテムを哀愁漂うものに変えてみせる。と、脚本の巧さが際立っていますが、当時としては珍しい屋外ロケ、しかも夜!というのも犯罪映画の雰囲気を盛り上げている。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-05-08 11:06:06)

29.  ジャイアンツ ロック・ハドソンとエリザベス・テイラーの出会いが描かれる冒頭の東部でのシーン、そしてガラッと情景が変わる西部へ。このあたりが実に期待を抱かせる素晴らしい画作りに溢れていて好きです。その後人種差別という避けては通れぬ暗い影を主人公が堂々とあからさまに見せ付ける。妻の訴えで偏見が消えてしまうというような生易しいものではない空気をじゅうぶんに見せ続けたからこそ、ラストのレストラン騒動が心地よい。ただこの映画はそれだけの映画ではなく、妻に恋する一牧童のジェームス・ディーンのストーリーも描かれる。とくに中盤からはジェームス・ディーンがメインといってもいいくらいに画面を支配する。後半になってくるとまるで別の映画のようにテーマが拡散してゆく。ジョージ・スティーブンスのこの映画にかける情熱は称えたい。ホントにじゅうぶん伝わってくる。が、この作品は欲張りすぎてただ壮大さだけが残ってしまった感が拭えない。ジェームス・ディーンが名優であることを再認識させるものとはなっているが、この作品ではもっと脇に徹するべきだったと思う。[DVD(字幕)] 6点(2007-03-22 11:43:39)(良:1票)

30.  Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004) 見たのはずいぶん前ですが、まず「やるじゃん」と思ったのが第一印象です。オリジナルの日本ゆえの湿っぽさがなくハリウッドらしい軽さと風格がある。日本のこの手のコメディは、まじめにストーリーを進めつつその中にほろっと笑いを取り入れる、だけに終わらずにかなり強引な笑いをとるためのキャラで無理やり笑いをとるという、演出外の笑いがどうも好きになれないんだけど、このハリウッド版は同じことをしていても実に作品に馴染んでいる。たぶん日本版は妙にリアルなもんだからリアルじゃない笑いとのバランスが悪いんだ。一方ハリウッド版は主演二人を見ても、もう夢物語。赤いバラの束があれだけ似合う親父はいません。日常と非日常の違い。だから突拍子もない笑いがすんなりと受け入れられる。なんでもかんでもまねっこしちゃうずうずうしさも含めてハリウッドらしいリメイクだと思う。[DVD(字幕)] 6点(2006-12-06 13:54:13)

31.  16ブロック 恥ずかしながら中盤までブルース・ウィリスだと気づかなかった。似てるなぁとは思って見てたのですが(汗)。拳銃を取りにある家に入る。あきらかに主人公の自宅だと思わせて。トイレに入るモス・デフに便座をあげろと言うとあがってると。そこで意味深に男の写った写真に目を移す。当然私の脳裏に『ラスト・ボーイスカウト』のあの場面がよぎる。あっ、ブルース・ウィリスだ!とやっと気づく。自分を擁護するわけじゃないけど、このブルース・ウィリスの変身ぶりには恐れ入る。渋いっス。警察官と犯罪者のコンビ、白人と黒人のコンビ、警官同士の戦い、どこにでもあるありふれた駒を最大限に駆使して頭脳戦、心理戦、銃撃戦とひっきりなしに見せてくれる。その合間に挟まれるバスの人質とのやりとり、アパートの住人とのやりとりは戦いの(観ている側にとっての)小休止。個人的にはこの小休止をもっと短く端折ってくれても良かったような気もしますが、総体的には楽しめたので、ぎりぎりの7点ってことで。[映画館(字幕)] 7点(2006-11-13 12:29:25)

32.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 大金が人を狂わせるというごくありふれた、まさにシンプルなテーマを兄弟の対比によって繊細に描かれる。ダニー・ボイルの『シャロウ・グレイブ』をより身近にしたような感じ。何人かの方が触れられているコーエン兄弟の『ファーゴ』もたしかに彷彿させます。ただしコーエン兄弟の映画は登場人物たちがコーエン兄弟の手によって弄ばされているかのように転がされるが、この作品は普通であれば普通であるほどに誰もが持ち得る悪意が悪いほうへ悪いほうへと転ばせているようで、自分にもあるだろう卑しい心を見透かされているような居心地の悪さを覚える。昔住んでいた家を買い戻すために大金が欲しい兄、借金返済のために大金が欲しい兄の友人、とは異なり、明確な使途が無い弟夫婦。より良い生活をしたい、そのためにまじめに働く弟夫婦は、大金を前により良い生活をしたい、もっとよりよい生活を、もっともっと、、という際限の無い欲望に取り付かれてしまう。殺人をも肯定させてしまう心情が怖い。ラストがちとドラマチックに過ぎるような気がする。[DVD(字幕)] 6点(2006-11-09 14:38:29)(良:1票)

33.  白い嵐 《ネタバレ》 『パーフェクト・ストーム』みたいな映画かと思ったら全然違った。漫画のようにわかりやすくキャラわけされた少年たちといい、金持ち父ちゃんのわかりやす過ぎる横暴さといい、内容がけっこうシリアスなだけにもうちょっと繊細な人物描写をしてほしい。だいたい主人公とされる少年すらも、いったいどうゆう性格なのかがつかめにくい。白い嵐の迫力は堪能できたが一瞬の出来事で、パニック時のそれぞれの行動もそれまでの人物描写がしっかり描けていないので悲劇に対し素直に悲しめない。まあ、私の場合は冒頭に書いたように見る前から間違った構え方をしてしまったというのも作品の評価に影響しているかとも思いますが。[DVD(字幕)] 4点(2006-10-18 15:38:03)

34.  知りすぎていた男 イギリス時代の『暗殺者の家』を自らリメイク。リメイク映画のお手本でオリジナル作品に縛られない自由な演出が成功しているが「縛られない」というだけでも並みの監督ではないことの証明になっていると思う。サスペンスとは似つかわないゆったりとした「ケ・セラ・セラ」が作品に緩急を与え、その歌声が物語を盛り上げ、その歌詩が母の想いとリンクする。この効果的な歌の使われ方は天才的です。歌手ドリス・デイの起用と合わせて極めて完成度の高い作品。今までのヒッチコック作品のレビューでヒッチコックらしいとからしくないとか書いていたかもしれないが、どっちにしろこの人は天才だというところに落ち着きそうです。それはヒッチコック作品を見れば見るほど確信を帯びてきます。[DVD(字幕)] 7点(2006-08-01 10:35:57)

35.  ジーザス・クライスト・スーパースター 《ネタバレ》 レコードのヒットから始まりコンサート、舞台劇、そして映画化という流れで登場した作品。イエスの最後の七日間をロックに乗せて綴ってゆく中で時代考証を無視、というかわざとむちゃくちゃな衣装と設定にしているのは、それ自体がロックということでしょうか。マグダラのマリアがアジアンな顔立ちなのは、またイエスとマリアの愛をとりわけ際立たせたところには、ジョン・レノンとオノ・ヨーコを連想しちゃったのですが、自分で言うのもなんだがあながち的外れではないような気がしてるのですが・・。オープニングで役に入る前の人たちを映し出したようにエンディングで役をおりる人たちを映し出すのですが、そのときのマリア役の人の視線に劇中の物語を凌駕する物語を感じます。ダンスそのものに斬新さも無ければダイナミックさも無いのが不満ですが、それ以外ではけっこう気に入ってます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-06-23 19:14:27)

36.  始皇帝暗殺 《ネタバレ》 タイトルどうり、荊軻による秦王政暗殺未遂事件の映画化であるが、暗殺者と標的の間に女を一人入れることでドラマチックなストーリーにしている。標的は後の始皇帝であり、この人物がいなければ中国の統一は無かったと評されるほどの大人物であるにもかかわらず、その暴君ぶりや実績以上に男女の想いがメインに語られてゆく。壮大な歴史劇にはせずに「人」に焦点を当てた描き方は個人的には好きです。しかし全く立場の違う男二人と、その二人を出合わせる役目の女という三者が食い合いをしてしまっている。存在感がダントツのコン・リーが脚本上でもメインに描かれてこそ事件の主役たちが活きてくるのにって思った。それか女を削って史劇に撤するか。[ビデオ(字幕)] 5点(2006-04-05 19:32:45)

37.  白い恐怖(1945) 《ネタバレ》 時代が求めていたもの、それは銀幕の美男美女スターによるラブロマンス。ヒッチコックは大衆とハリウッドを裏切らず、とりわけヒロインを眩しいくらいに美しく撮りながら、同時に映画への前衛精神も失うことなくこの作品を作り上げた。牛乳のシーンやラストのピストルのシーンなどの仕掛けのアイディアがいかにもヒッチらしい。ダリが作った夢のシーンは、予算の都合でロケが叶わなかったらしいが、やっぱりロケでやってほしかったなぁ。セットであることで独特の幻想的世界を構築してはいるんですが、なーんか違和感を感じる。普通、セットの夢なんか見ないし。記憶喪失の男の夢が真犯人に直結するご都合主義もホイホイと夢が分析、解明されてゆくご都合主義もテンポの良さと軸がロマンスであることでさほど気にならない。で、やっぱりバーグマンが綺麗。[DVD(字幕)] 6点(2006-02-03 16:50:30)

38.  シンデレラマン 「絶対よそにはやらない!」と子供を抱き寄せるシーン。この映画の劇場予告編でこのシーンが使われていましたが、予告編なのに泣いちゃいました。もう観る前から泣く準備は整っていました。本編が始まる前にパンフレットの流し読みで既に涙を止めるダムは決壊間近。本編が始まってすぐに、泣くところでもなんでもないところでダム決壊。何度も泣いた後、いよいよ「絶対よそにはやらない!」がきた。いったいいつ涙は枯れるんだろうと自分でも驚くほど泣いた。涙の理由は後日に再見した『ジョー・ブラックをよろしく』で判明(レビュー追記済み)。かーすけさん(↓)のおっしゃるとおりで観る者の境遇によるところが大きいと思われます。それでもここまで私の涙腺スイッチを完全網羅したこの作品は私の中で感動作として強烈に刻まれました。貧乏よりも盗みのほうが恥かしい。物乞いよりも約束を守れないほうが恥かしい。ボクサーとしてのプライドよりも男としてのプライドを持った行動に感動。そしてラストもボクサーとしてではなく家族の為でもなく、民衆の希望の光であることを裏切らない為、つまりやっぱり男としてのプライドを持って戦う。それが家族の為でもある。妻も家族よりも自分よりもそのプライドを尊重するに至る。泣いた。大いに泣いた。でもボクシングシーンは疲れた。細かいカットと鈍い音とフラッシュで見せる壮絶なボクシングシーンに疲れた。しかし涙の量を考慮して、そして大恐慌時代を見事にカラーで見せた画を考慮して、7点進呈。[映画館(字幕)] 7点(2005-11-28 16:53:23)(良:1票)

39.  シン・シティ 私は『キル・ビル』を漫画の映像化と評しましたが、この『シン・シティ』も同類。ただ、前者が架空の日本の漫画だったのに対し、後者は実際にあるアメコミの実写映像化した作品。 例えば、原作小説を映画化したものには、ストーリーをそのまま映像にしているだけで映画的魅力に乏しいものもあれば、映画的魅力を出すために、あるいは作家の個性を出すためにストーリーそのものを変えてしまうものがある。でも漫画やアニメを実写映画化する場合は、必ずと言っていいほど原作が別のものに変換されている。たしかに映画的魅力を出すためだったり作家の個性を出すために変換されているものもあるけど、大半はそのまま実写映画として昇華させるのが不可能だから、という理由にすぎない。ところが『シン・シティ』はデジタル処理を駆使してそれを見事にやってのけた。これからこんなのばっかりが続々と作られるのはイヤだけど今作に関してはパイオニア的価値として十分に評価できると思う。そして今作はロドリゲスとハードボイルドの相性の良さを証明した。さらに、お下品系?大人の女を撮らせたら、今ロドリゲスに敵う人はそうはいないだろうと思った。[映画館(字幕)] 7点(2005-11-07 16:00:42)

40.  シザーハンズ 《ネタバレ》 一人の異端者を商品的価値でしか見出せず、自己顕示欲を満たす道具としてしか利用できない大衆。そんな非道徳的な価値の上でしか存在を許されない異端者の孤独と哀しみを御伽噺として昇華させたバートンの真骨頂。冒頭からそそりまくる非現実的なパステル調の整然とした町並みを、上辺だけ着飾った社会の象徴として皮肉に描いたところに、いかにもなバートン色を感じる。最初は赤ん坊のごとき純真無垢さも手伝って、異形を個性として認めてもらえたかのように社会に溶け込みつつあったが、妬みや欲の渦巻く人間社会はそのはけ口を弱者(異形の者)にぶつける。道徳の存在しない動物本能としての異形排除と人間しか持ち得ないエゴの塊が襲いかかる。バートンが在籍していたディズニーのアニメ映画ならば、異形は煌びやかに変身してハッピーエンドを迎えるが、そうならないからこそ、いつまでも雪を降らせつづけるエドワードの姿が印象的に残り続けるのである。哀しすぎる御伽噺。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-20 18:34:13)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS