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コメント数 2526
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  ジュピター 《ネタバレ》  中学生が考えたような世界の稚気丸出しっぷりは嫌いじゃないです。でも、既視感ある色々なモノを寄せ集めて作り上げました、って、そこから先が見えてきません。  ベースは『マトリックス』と同じで「今の自分は本当の自分じゃない」がスタート地点。そこに『フィフス・エレメント』『砂の惑星』『ジョン・カーター』『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999』『不思議の国のアリス』『美女と野獣』『LUCY』『エイリアン2』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を混ぜ合わせた、そんな映画。ほぼそれで語れてしまうレベル。その先の、この作品ならではの個性が感じられないのが残念です。  ウォシャウスキー姉弟ならば、もっとスタイリッシュに、もっと独特な映像世界を創造する事ができるんじゃ?と。でも、どっかで見たような映像ばかり。3Dを駆使したアトラクション的映像は良かったのですが、でも、そんなのも既にいっぱいあって。  前半のシカゴ上空でのドッグファイトシーンなど、乗っ取った戦闘機と敵側の戦闘機との区別が上手く映像で伝えられていなくて(左右で対峙するそれぞれの戦闘機の操縦者の向きが同一方向っていうのは明らかなミスとして)、つまり撃墜されない方が主人公機、っていう見分け方になるのは雑です。  そんな、全体的に雑に作られた映画で、ご贔屓ペ・ドゥナ嬢なんかいつどこへ行っちゃったのか判らない状態で消えちゃうし(ちゃんと見てたつもりですが見逃しました?)。  何か1つ、作品の個性となる突き抜けたアクセントがあれば、それだけでもっと面白くなったと思うんですよね。それはキャラの性格でもいいですし、映像の見せ方でもいいですし。今のCG大洪水時代にはどっかで尖らないと。  以前に比べてフェティズムが希薄になっちゃったウォシャウスキー姉弟、なんだかリュック・ベッソン化してる気が。妙にベッソン臭漂う映画ではありました。[映画館(字幕)] 6点(2015-03-29 22:30:46)《改行有》

22.  シン・シティ 復讐の女神 《ネタバレ》  タッチは前作と同じノリですが、お話しは前作よりもシンプルになったかな?  あちこちエピソードが飛びまくる前作と違って、今回は1つの話を幾つかの視点から描いてる感じで。  でも、ノワールな素材なワリにコミック原作のせいかなんか、物語は単細胞的であまり面白くないんですよね。薄っぺらいの。  ジョセフ・ゴードン=レヴィットのエピソードなんか、ただのバカのように見えて、と思ったらマジでただのバカで、その上、彼の最期はその後のエピソードに何のフォローもないので、ただの自己完結状態になってしまっていて。彼女を殺されるところまで全くの無能で、ただ不快なだけで終わってしまった感じがします。  ミッキー・ロークは前作と違って殆どドラマを抱えてなくて、もはやキャラものとしての顔になっている状態ですし、ブルース・ウィリスはただのネタみたいな存在ですし。  ミホは前作のデヴォン姐さんの方がヴィジュアルが圧倒的に良かったなぁ。  それでも最近すっかりおっぱい要員と化してるエヴァ・グリーン姐さんの悪女っぷりは楽しませて頂きました。  だけど、私はこの陰鬱な世界を楽しめたりしないので、ここから更に続編が作られたとして、それを積極的に見たいとは思えない感じで。このコントラストきついモノクロに部分的に色付けたタッチも飽きましたしねぇ。デヴォン姐さんのミホの外伝でも作られれば、また話は別ですが・・・[映画館(字幕)] 5点(2015-01-25 19:59:42)《改行有》

23.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》  軽やかに飛ぶ映画。  もったいつけたりタメたり、そういう余計な事はしないで省略できるところは省略する、その飛躍が気持ち良く、そのテンポが心地良く。  物語はありきたり。仲間を集めて成り上がって不協和音が生じて解散して。  エピソードは後半になるほど重く。メンバー間のもめ事。莫大な借金。家族との不和。大切な人の死。  けれど、その語り口はあくまで軽やか。名曲の力を借りてリズミカルに駆け、そして飛びます。  齢八十超の重厚なる巨匠イーストウッドの爽快な、気持ちのいい、心地良い、なんと軽妙なる技![映画館(字幕)] 9点(2014-11-05 22:01:12)《改行有》

24.  G.I.ジョー バック2リベンジ 《ネタバレ》  物語は前作から続いているものの、前作の主役を早々に殺して主役交代、前作に登場したキャラの多くが行方知れずで前作には居なかったキャラが平然と中心に存在、G.I.ジョーの設定変更(前作はアメリカ政府直属の機関じゃなかったでしょ?)、前作ラストで伏線を張った悪役の一人を廃棄、子供っぽいガジェット関係を殆ど排除、笑いの要素も排除。  で、そこまで前作を完全否定して、じゃあ何かこの作品として新たな価値を獲得したのか?っていうと、これがもう全然。  新たな主役となるドウェイン・ジョンソンと、サポートに回るブルース・ウィリス。別に他の映画で幾らでも見られるような役で特に『G.I.ジョー』である事の必然は全くありません。単に銃をぶっ放したり(登場するのはほぼ普通の銃火器)殴り合いしたり、そんなモンはこの人達自身の映像としてそこら辺にごろごろと転がっている訳でしょ? 前作で確立したものを捨ててまで、それらに擦り寄らなければならなかった理由というのがよく判りません。単に作品の個性を殺しただけ。    見応えがあったのは前作のキャラを引っ張ってきた断崖絶壁でのアクションシーンくらい。あそこはこれまでに見た事がないような特異な場所でのバトルとスピードのアクション、奥行きのある構図で3Dも効果的(他のシーンは大した事がありません)でワクワク。  だけどその肝心な前作キャラの忍者二人は今回の物語からは明らかに浮きまくった存在。その上、ビョンホンがいとも簡単に正義になっちゃったりして、とにかく前作を壊したくて仕方ないんだなぁ、って印象。  シリアスなアクションにしては物語は粗だらけで真面目に見ていられるものでもありませんし。核廃絶の交渉から新兵器での脅迫までの流れが全く納得も理解もできない馬鹿馬鹿しさで、そんなところだけ前作のバカっぷりを残してどうする?みたいな。  物語だけは繋がっていても、作品のタッチも空気も世界も一切断ち切れて別物になった今作、前作のオモチャっぽいガジェット満載、子供っぽい暴走バカっぷりが大好きだった私にとっては、最悪の続編でした。[映画館(字幕)] 3点(2013-06-08 14:43:11)(良:3票) 《改行有》

25.  死霊のはらわた(2013) 《ネタバレ》  ホラー映画のリメイクって、オリジナルをよりシリアスに、残酷表現を生々しくすればそれでいいってパターンの勘違い系が多いような気がするのですが、これもそんな一編になっちゃった感じで。  『死霊のはらわた』のオリジナルの面白さはその異様なハイテンションっぷりとか、ブルース・キャンベルが見せるやり過ぎな暴走っぷり、そしてカメラを爆走させたりコマ撮りアニメを使ったりして映像で遊んでみせたりするところだったと思うんですね。  だけど今作はフツーにスプラッタホラー。森の中のカメラ暴走こそありますが、世に色々と出た後では既視感ばかりの、独自性の欠けた感じは否めません。  「リーガン顔の伽椰子がゾンビ状態で感染させまくりで登場人物人体欠損しまくり」まあ、そんな映画。  全編「ひー、あいたたたた!」って映像のオンパレードですが、痛いのと恐いのとは違う訳で。  最後の最後に出てくる本編から浮きまくった存在を含めてオマージュいっぱいではあるんですけど、この作品に限らず(『キャビン』とか)、そろそろジャンル全体、前に進んだ方がいいんじゃないかなぁ?  あと、『フライト』同様、極端な例を用いて教訓を残す道徳映画でもありました。  「麻薬は本人だけでなく、家族や友人も不幸にします」って。  『死霊のはらわた』で道徳映画って、何かの冗談?[映画館(字幕)] 4点(2013-05-03 14:01:18)(良:1票) 《改行有》

26.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》  会話で引っ張って引っ張ってドカン!ってタランティーノ節は今回も健在。ピリピリと張りつめてゆく緊張の糸に痺れ、ぐいぐいと引き込まれます。  でもね、ずーっとそれでしょ。何度も何度も。2時間45分、途中でもうもたれてくるのね。  肉汁したたるコッテリギトギトな肉食系映画、この辺でそろそろ幕?って感じのところから更にコッテリと。見終わった頃にはぐったり。映画の発散するスタミナにこちらが付いてゆききれてない感じ。  ワリと悪役がハマってて、それゆえに逆にちょっと食い足りない感じのするディカプリオ(3パートに分かれたうちの1パートにしか出てきませんしね)、意外に受動的でジミめなジェイミー・フォックスに比べると、それ以外の人々のアクの強さの方が印象に残った気がします。  サミュエルのイヤな奴っぷりは最低で最高ね。  大作映画には無いB級のノリが大スクリーンにかかる違和感こそがタランティーノの醍醐味で、これもまたその違和感を大いに味わえる映画。  でも、この映画の元ネタの1つ『マンディンゴ』はショッキングな内容をウリにしたB級ノリの映画でしたが日本一のキャパを誇った有楽座にかかったんですよね。懐かしきカオスな70年代。[試写会(字幕)] 7点(2013-03-01 20:30:44)《改行有》

27.  幸せへのキセキ 《ネタバレ》 ステキな映画でした。特に何か尖った部分がある訳でもなく(尖っているのはせいぜい息子の描く絵くらいかな)、素材に対して極めて真っ当な描き方をしている感じがします。予告編から受けたイメージを大きく外す事は無く(幼い子供を残して逝った母、動物園付きの家を買う、動物園の再生と家族の再生・・・)、でも、そのイメージを面白く見せるという点について大変良く出来た映画だと思います。妻の思い出から抜け出せないでいる父と、母を亡くした悲しみから心を閉ざしてゆく息子。ともすれば重く暗くなりがちな話が、幼い娘のキャラクターによって明るくテンポよく運ばれ、動物達と動物園で働く人々の存在を介する事で多彩な興味深いドラマを重層的に展開して。ちょっと動物園側の二人のヒロインが能動的にドラマを動かし過ぎた感はありますが(雨の中の抱擁とチケット売り場でのキスにちょっとひっかかってしまったりして)、母を失った状態からその痛みを抱いて前へと踏み出す家族の姿には感動しました。ラストにあんなステキなエピソードを持ってくるのも良かったですしね。役者の放つ魅力いっぱいの映画でした。それにしてもこのひと月半の間に似たような設定の映画を4本(『ももへの手紙』『虹色ほたる』『ファミリー・ツリー』そしてこれ)立て続けに見る事になったのは、個人的に何か意味があるのか無いのか。私の家族って、今やもう2匹のネコだけですけどねー。[映画館(字幕)] 8点(2012-06-10 14:51:17)(良:3票)

28.  幸せの教室 《ネタバレ》 トム・ハンクスの監督作品な訳ですが、どうも俺様っぷりを発揮してしまったといったところでしょうか。トム・ハンクスばかりが目立つ、彼以外の扱いがやたらぞんざいな感じで、それはヒロインのジュリア・ロバーツにすら及びます。ジュリアは大事な役どころな筈なのですが、映画が中盤に至っても冒頭から何ら変化のない状態で延々と更年期障害的イライラを見せるばかり。その上で「酔った、色々あった」という理由で唐突に教え子であるトムに積極的に抱き付きキスをするという超展開でその違和感にポカーン。トムの生活ばかりを追っている状態なので周囲の描写がひたすら唐突だったり雑だったりする印象なんですよね。明らかな伏線だと思った事がちっとも実を結んでゆかず、なので集団のドラマとして盛り上がるべきところがまるで盛り上がってゆきません。同じ大学、講座の生徒達に与えられたハンパな伏線の出来損ないみたいなモノは一体なんなのやら。辛うじて伏線が回収されるのは「醤油」くらいのモノです。コメディとしてクスリと笑える程度のものはありますが、ロマンティックとかハートウォーミングとか、そういうのを期待すると意外なまでのユルさ、ペラペラさにガッカリって感じです。予告編から浮かぶ「どうせこういう映画なんだろうな」って安直なイメージ、そこにすら到達できない感じの残念な作品でした。でも、この映画の最大の問題はトム・ハンクスのメイクでしょうねぇ。ドーランべったりみたいなフラットなメイクでまるで被りモノみたいな不自然さ。正直なところキモいです。決して衰えを見せたくないという監督にして主役の俺様っぷりがそうさせてしまったんでしょうかねぇ・・・。[映画館(字幕)] 4点(2012-05-13 20:44:07)(良:2票)

29.  ジョン・カーター 《ネタバレ》 原作が『スター・ウォーズ』や『アバター』『ドラえもん』なんかの元ネタな古典『火星のプリンセス』ではあるのですが、古典だから古いセンスで映像化しようって思ったのかなぁ? 映像テクノロジー自体は最新鋭だけど(もっともCGの質は少々低め)、映画そのものはなんだか今から60年くらい前の退屈な史劇みたい。古代ローマ帝国みたいなコスチュームの人々のダルい話がダラダラ続いたかと思うとアクションシーンで突如超展開ってパターンを繰り返し。色々と盛り込み過ぎなエピソードの多くが結局は横道脇道のように思えてしまい、一本の映画にまとめるのならば、もう少し整理して映画が目指す方向をきっちりまとめようよ、って感じがしてしまい。主人公が囚われ繋がれては解き放たれるというパターンを繰り返し、そこにメッセージ性が存在している、にしてもいちいち捕まるので「あーまたかー」って。それで流れが止まって面白くないんですよね。この監督ならこれまでの実績からもう少しぐいぐいと引っ張ってくれそうに思ったのですが、いかんせん脚本と美術デザインが弱かったですか。異星人にしろ建造物や飛行艇にしろチラリと見たらもうそれで十分なありふれたデザインで、ずっと視覚的に魅せてくれるシロモノではありませんでしたからねぇ。新たな解釈の元で斬新なデザインで、みたいな方向には向かわなかったのかな。クラシカルだけれども良いな、って思ったのは音楽くらい。実写だとミョーに野暮ったいっていうのはディズニーの伝統ではあるのですけども、別にそんな伝統、引っ張ってくれなくていいのにね。[映画館(字幕)] 4点(2012-04-18 21:57:09)(良:1票)

30.  シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム 《ネタバレ》 前作からずっと「原作から離れた全く新しいイメージのホームズです」って状態だったのに、クライマックスで「滝の上にホームズとモリアーティを立たせるな!(笑)」と突如として原作シリーズを読んだ事のある人間を楽しませるような展開になって、むしろ映画だけじゃラストの展開が意味不明になってないかなぁ?なんて心配になったりして。この映画、ホームズファンをどうしたいんだ? まあ、それはともかく、肉弾戦型ヒーロー、とりあえずドカーン!とやらかさにゃ話は進まないってパターンは相変わらず、前作であんなに頑張って救ったヒロインを早々に退場させちゃったり、森での逃走以降がぷっつりテンション切れちゃって、そこから後が蛇足的にグダグダしちゃったりするあたりは不満ですが、二作目ともなると、このホームズとワトソン君にも愛着が湧いてきて。ホームズがボケてワトソンがツッコむってパターンを(ちょっといしいひさいち版みたいだ)存分に楽しませて貰えれば、それで十分なのかな。ロバート・ダウニーJr.にはどうか、アッチの社長との演じ分けを頑張って頂きたいところですが。ロンドンの風景も音楽もステキだし、冒険活劇ホームズもアリでしょう。あまりゲイっぽさは出さなくていいと思うケドね・・・。[映画館(字幕)] 7点(2012-03-25 16:31:12)(良:1票)

31.  人生万歳! 《ネタバレ》 毎度、神経質なニューヨーカーである自分を自嘲的に(でもその自嘲すらも気取って)披露してみせるアレン節にはウンザリ、なのですが、今回は本人が演じてない分だけ楽しめました。これ、アレンがやってたらウザくてウザくて仕方なかったでしょうねぇ。彼は偏屈と言うよりは卑屈に見えるだけだもの。バカみたいに生きていても、その輪の外からシニカルに俯瞰してるよりは楽しいよね、っていうワリとシンプルな話というところが良かったです。主人公は達観しているように思えながら、そして、周囲に影響を与えていったように見えながら、実のところ、主人公の方が影響を受け、生き方に変化をもたらした、男と女の常識に囚われていたのは主人公だった、っていう。南部の保守的な一家を襲う激しい変化、その跳躍っぷりこそが主人公が老いてもなお獲得できていなかったものなのかもしれません。だからオチは喪失から跳躍する事で得られたモノを描いてたりするワケですが、そして、それはインチキくさい話ではあるのですが、まあ、そういう運もまた人生、という。タイトにまとめた軽妙なコメディゆえ、いつものクサ味に辟易する事なくスッキリと見られた一編でした。[映画館(字幕)] 7点(2011-07-18 15:45:24)(良:1票)

32.  ジュリエットからの手紙 《ネタバレ》 陽光の映画でした。いかに光を捉えるかに腐心しているような映画で、そのまばゆく照らされた、まるで全てのカットが絵葉書のような世界だけでもうウットリ。その意図が暴走し過ぎちゃったのか、一部にハッキリとCGで作り出された事が丸出しになって興ざめしてしまう空の色があったのは残念ではありますが。その、まばゆい光の中で輝く役者さん達(この映画のヒロイン、アマンダ・セイフィールドが出演していた『マンマ・ミーア!』は、本来、この映画の光が作り出す色をこそ求めていたんではないかなぁ)が織り成す物語は、ベタベタに甘いです。ぬる~いです。人生なんて、そんなに甘いモンじゃありません。もっと深い深い苦悩や業や性に支配されてるモンなのです。んでも、多分、そんなこたぁ百も承知の上で、あくまでど真ん中のラブストーリーとしてポジティブに愛を謳い上げています。イタリアの美しい風景を更に彩る音楽もひたすらに心地よい旋律を刻み、劇中に登場する携帯電話と現代的なデザインの車と(雰囲気を壊すちょっと無粋な)歌を除けば、一体いつの時代に作られたのかも判らなくなるようなクラシカルなタッチ。主人公が手書きノートとノートPCとを併用しているあたりのアンバランスさに、時代性と普遍性の葛藤を垣間見たりもしますが、王道、オーソドックス、シンプルである事を美徳とし、それがきちんとプラスに作用している映画だと思います。熟成された渋みは足らないけれど、余計な雑味に惑わされる事なく存分に酔えるワインみたいな作品でした。[映画館(字幕)] 8点(2011-05-25 07:56:42)

33.  少年マイロの火星冒険記 《ネタバレ》 毎回、ゼメキスのところのフルCG作品の特徴はとてもリアルな人物造形。だけど、今回この作品にそれが合っていたかと言うと甚だ疑問です。アニメチックな火星人の造形とのバランスが取れてません。主人公の少年がちょっと生意気なガキなので、リアルな見た目だと殊更馴染もうとする気になりません。エンドクレジットでどうだとばかりにモーションキャプチャーのための撮影風景を見せつけるあたり、それって違うんじゃない?って思いがひしひしと。だったら実写でやろうよ・・・。でも、それより気になったのはカビの生えたようなアメリカ的価値観から見た絶対的アメリカ至上主義。「火星人は地球人よりも劣った存在で、支配者の下で夢を見ることもなく冷たい暮らしを送っています。だから地球人の正しい価値観によって啓蒙しなければなりません。」 今時、臆面もなくよくもこんな物語で映画作れちゃうよなぁ、って。地球人はアメリカ人に、そして火星人は他の、色々な国に容易に置き換えられてしまうような、逆に凝り固まった価値観によって描かれているような映画。主人公と行動を共にする肥満キャラもアメリカ映画によく登場するジョン・ベルーシ的、ジョン・キャンディ的、ジャック・ブラック的な喋りまくるウザいキャラで辟易。実のところ、そういう設定まで含めてアメリカンレトロSFなセンを狙った感じがあるのですが、デザインに魅力はあっても、物語はもう少し今日的な視点で描いて欲しかったと思います。火星人ヒロインは魅力的でしたけど。[映画館(吹替)] 5点(2011-05-21 00:34:28)

34.  幸せの始まりは 《ネタバレ》 ひたすら会話によって進行してゆくラブストーリー、その都会的なイメージ、オシャレな雰囲気を楽しめばいいのでしょうが・・・。基本クサいジェームズ・L・ブルックス、80~90年代にこの映画を見たのならば楽しめたかもしれませんけど、アメリカの都会派なんてのが単なる幻想に思える今はなんだかイライラしてくるばかりなのですが。面白いって言えば面白いのですが、それは会話から生まれる小ネタを楽しむって部分で、基本的にどのキャラにも感情移入はできませんでした。だって、全員が全員、揃いも揃ってカリカリと神経質で。そして「自分がいかに神経質か」を無神経にまくしたて主張し合う映画だったりして。まるで登場人物全員にウディ・アレンが憑りついたようなシロモノなワケで。考えただけでウンザリでしょ。「沈黙は金」とか言いつつ、やっぱりお互いまくしたてなきゃ相手の本質は判らん!って感じの映画で、とにかく自分がいかなる存在かをいかに言葉で表現して相手に伝えるか?ってところがキモになってるのが見てる私には「大変にウザいわぁ」って状態でした。会話の映画という事で、携帯電話もキーアイテムになっているのですが、携帯で会話してるシーンが多い映画って、それだけでイラつきますしねぇ。大勢の中で携帯で話してる人って、その場から浮いてるようでリアルでもイメージはあまりよろしくないですもんね。ビジュアル的にはリース・ウィザースプーンの劣化が気になりました。華やかさが引っ込んでアゴだけが個性になってきちゃったなぁ。[映画館(字幕)] 4点(2011-02-23 00:16:26)

35.  シュレック フォーエバー 《ネタバレ》 東京国際映画祭で鑑賞。『ヒックとドラゴン』を51回見た結果、セットで必ずくっついていた長ったらしい予告編を合計5時間57分見るハメになった映画。本編の方がずっと短いわ!って状態ですが、実際にはあの予告編は物語の半分もバラしてはおりませんでした。ディズニーへの皮肉に満ちているように思えながら、その実、ディズニーよりも余程保守的な道を歩んで、シリーズを重ねるごとに「小市民的な幸せこそが最高」と小さな枠に納まり退屈なキャラになっていったシュレック。今回もそのスタンスは予告編からして丸出しで、とても面白い映画にはなりそうにないと思っていました。ですが、完結編ゆえか、小市民的キャラなりの頑張りっていうのを見せてくれるので、つまらないという程ではなく。脇の方がよっぽど魅力的だったこれまでと違って、シュレックを立てる展開になっていて、その置かれた状況により、これまでのキャラ同士の関係がリセットされているがゆえの緊迫感や笑いが生まれて。ただ、もちろんそれは、これまでのシリーズを全て見ている事が前提となる面白さなのですが。獲得した地位をいかに守るかというスタンスばかりで作られるのでは、これ以上続ける事も苦しいので、ここらが潮時なのかもしれません。シュレックというキャラ、そして作品世界のサイズを最後に再確認して幕を閉じるといった風情でした。ラストシーンからエンドクレジットにはシリーズが重ねたその9年の時を感慨深く思った(一作目も東京国際映画祭で見ていて)ものの、そりゃ作品の面白さとは別のセンチメンタリズム。[試写会(吹替)] 6点(2010-10-28 23:27:44)(良:1票)

36.  ジェニファーズ・ボディ 《ネタバレ》 このテの映画を見る力、語る力がないゆえ、かなり的ハズレな事を書くかもしれませんが。映画を見ていて、ジェニファーはニーディの抱くコンプレックスの象徴、ニーディが超えなければならない(と思い込んでいる)障害だと思いました。容姿にしろ性格にしろ、ニーディとはかけ離れた存在のジェニファー、彼女が悪魔に乗っ取られた状態は、即ちニーディにとって勝利する事によってコンプレックスを克服し、道が拓けるものの暗喩だと。だけど、そうなると果たしてジェニファーは本当に悪魔に乗っ取られていたのでしょうか? ニーディは劇中、何度も幻覚を見ており、映像となっている事象がそのまま真実ではない可能性を示唆しています。とするとニーディは果たして正常だったのでしょうか? ニーディこそが実は恐ろしい存在だったのではないでしょうか? 冒頭とクライマックスに立場が逆転する描写が存在する事で、その不安が強調されます。だけど、更に考えて、そもそもジェニファーは存在したのでしょうか? ニーディと対を成すようなジェニファー、ニーディと二人で一人の人間を形成していたようにも思えます。自分の中にあるセックスに対する好奇心と恐怖が象徴されているのが悪魔のジェニファーなのではないでしょうか。これは深く考えてゆくと、どんどんと恐ろしくなってゆく映画だったりします。エンドクレジット部分だって、単純な復讐なのか、彼らは本当に悪魔と契約したのか、ニーディの思い込みによる暴走ではないのか・・・??? だけど一方で『エクソシスト』『キャリー』『プロムナイト』などのオマージュがいっぱいなホラー映画であり、青春とセックスとスプラッタというベタで固めたシロモノでもあり、セックスと酒とドラッグを戒める教訓めいた話のようでもあり、なかなか捉え様のない、私にとってかなり難解な映画として認識されてしまいました。[映画館(字幕)] 5点(2010-08-03 22:45:50)(良:4票)

37.  シャッター アイランド 《ネタバレ》 ※ネタバレです。鑑賞後にお読み下さい※ 最初に日本側で付けた「先入観で見ると云々」「ラストの衝撃を人に話さないで下さい」のせいで、めちゃくちゃ先入観モードに突入してしまい、最初の3分ほどで早々と「これってつまり、~~~って事なんじゃない?」って結論に達してしまい、それは10分も経たないうちに確信に変わり、あとの2時間、ひたすら耐えるモードになってしまい。逆効果ですよ、あれ。でも映画は1時間もすればみんながみんな「そういう事なんでしょ」って思えるような状態で。で、そのオチを前提に見て楽しめるのか、って言うとねぇ。結果的に謎として配置されたものがちっとも謎として機能しておらず、ドラマがきっちり語られるのはラスト10分ほど。その10分のために耐える映画で、そしてその10分も決して気持ちのいいものではなく。スコセッシ&ディカプリオでなければ途中で投げ出したくなるような映画。というか、これ、スコセッシが撮るべきレベルのものなのかなぁ? 創造された世界とディカプリオの熱演とで辛うじて退屈はしないで済む、って状態になってはいるんですが。人の記憶ってものの重さを描くのに、謎になってない謎がジャマをし過ぎ。それにしても戸棚~、「モンスター」に「ゾンビ」って訳付けるなよなー。その言葉がスタンダードになったのは70年代だっての。余計な推理しちゃったじゃないか。なんつーか、日本側で足を引っ張ってます、この映画。[映画館(字幕)] 5点(2010-04-09 13:30:27)

38.  シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 「『ホームズ』ってなんで『ヤング』といい、犬アニメのヤツといい、これといい、映像化されるとアクションアドベンチャーになっちまうワケ?」と見る前はちょっと苦々しく思ってたのですが、見終わって「まあ、面白ければいいや」と。アドベンチャーワールドと化したロンドンを舞台に繰り広げられるミステリーアクション、既存のキャラをヒネる事で生まれる面白さも手伝って、ワクワクドキドキ楽しめました。イメージで動きを予告して、実際は超速!ってアクションや、凝った編集も楽しく、独特な雰囲気の音楽がこれまた良くて。ホームズはちょっとアイアンマンの社長とイメージがダブっちゃうし、筋の運びが雑だったり(捜査シーンがいちいちアクションやスペクタクルになってドーン!とオチ付けて終了、みたいな)、議員を全滅させたからって世界が変わったり、征服できたりするかぁ?みたいなツッコミどころはありますが、演出、美術デザイン、編集、音楽、特殊効果に独自の色を持っていて、魅力的な作品世界を創造する事に成功していたと思います。最後にあの名前が出て来るなんてのも定番ではありますが、やっぱり続編を期待しない訳にはいきませんね。ところで『ヤング』の方の続編も、ずーっと待ってるんですけど、マダ?[映画館(字幕)] 8点(2010-03-14 17:37:03)(良:1票)

39.  しあわせの隠れ場所 《ネタバレ》 出来過ぎなハナシではあります。マイケルを受け入れる一家の悪意なき善人っぷりときたら、見ているこちらの方がハラハラしてしまいます。まるで人を疑うという意識が欠落している人々のように見えて、危険な場所にいちいち飛び込んでしまうシーンにドキドキ。かと言って、上流の人々の常識知らずっぷりをシニカルに笑う映画って訳でもないんですよね。一方でマイケルにしても悪い事をするでもなく素直な性格で。しかもこれが実話だっていうのだから、アメリカ人って良くも悪くもおめでたいと言うかなんと言うか・・・。もっとも、そこにあえて色々な疑念を抱くよりは、素直に映画を受け止めてこそ吉ではあるのだろうと思います。本当は周囲に渦巻く偏見や悪意だってもっとキツいものだったでしょう。でも、あえてそこをサラリと流したあたりに、この映画の狙いがあるのでしょう。無償の愛を与え、また受け入れた先にこそ、夢や理想が花開く世界があると。そのピュアっぷりを消化して堪能してこそな映画(その分、ラスト近くの尋問から家出あたりのエピソードがジャマではあるのですが)。もっとも、最大の問題は、映画化が早過ぎるのではないの?という事。この映画の存在が、ここに描かれた実在する人々のこれからの人生を縛り付けやしないのかな? そんなの余計な心配?[映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 17:34:58)(良:1票)

40.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 随分前にビデオで見たきりでしたが、今回スクリーンで見る機会を得て、これでやっとレビューが書けるかな、と。希望が絶望へと転じるように見せかけつつ、実は希望の種を決して捨てなかった、積み重なってゆくエピソードが最後に美しく開花するような、いい映画です。だけどキング好きで先に原作を読んでいた私にとってはじれったい映画。勿体ぶってタメてみせてから、ほらどうよ?って展開を繰り返すので、初見では効果的でも、原作を読んで展開を知っていたり、二度目以降だったりすると、どうも少々あざとさを感じてしまうんじゃないかなぁ。私はかなりあざとい映像化になったもんだなぁ、と思ったもので、今回映画館で見ても印象はやっぱりそんな感じで。サラリと描かれた短編(キング作品は原稿用紙にして500枚以内は短編扱いなので)な原作に対して、感動巨編化したわな、みたいな。これだけ支持を受けている以上、そうする事自体が悪いとは言いませんけど。原作を読んで浮かんだアンディのイメージはサム・シェパードあたりで、今だったらクリスチャン・ベールあたりな感じで(つまり寡黙なシブ面)、ティム・ロビンスの童顔な感じがちょっとイメージ違い、なんて思ったりもしました。もっとも、今回スクリーンを見ていての最大の難点は「ティム、誰かに似てるなぁ、誰だろうなぁ」と考えていて、途中で答えが出てしまった事で。メガネ外した宮川大輔やん、って。いちいち頭の中で「あかーん!」って。[映画館(字幕)] 7点(2010-02-09 15:53:03)

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