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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 情婦 《ネタバレ》 脚本が練れており、テンポ良く畳み掛ける法廷ミステリー。演出力と俳優の力で魅せる映画の見本のような作品。 皮肉屋の弁護士と口達者な看護師のやり取りは漫才調で、物語に極上のユーモアを織り交ぜている。階段昇降機、注射、ブランデーなど小道具の使い方も絶妙。 クリスチーネの一人二役を演じるディートリッヒの鮮やかな変身。私には何度観ても同一人物とは思えないのである。 ブログ移行等、多忙のため一時中断し久々のレビュー。やっぱりワイルダー映画は面白いわい。[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-12-01 14:13:00)《改行有》 2. シャイニング(1980) 《ネタバレ》 舞台設定は面白い。カメラワークが秀逸で、冒頭の滑らかな映像美は見事。 タイプライターで小説を打ち始めた途端、主人公の表情が険しくなる。このおっさん、変貌が早すぎ。J・ニコルソンの怪演というより自己満足の顔芸。 ホテルそのものが悪霊の佇まいだが“館の怪異”が食い足りない。全体的な印象は「柳の下のエクソシスト」だな。音楽も時に鬱陶しい。 ジャックとダニーの追いかけっこが大きな見せ場となっているが、怖さの超人を目指すかのようなニコルソンの芝居を長々と見せられればスリルに慣れるし飽きる。足を引きずりながらということもあり冗長だ(撮影技法のアピール?)。妻役S・デュヴァルはコメディーが似合いそうで、恐怖に相応しい配役と感じない。最期の“いきなり氷漬け”も、なんかコメディー。 ホテルに着いたジャックが徐々に変貌した方がジワジワ迫りくる恐怖を醸すと思うし、ダニーを追い回す展開をテンポよくすればホラーとしての迫力は高まっただろう。[CS・衛星(字幕)] 2点(2019-03-17 11:29:40)《改行有》 3. シェーン ワイオミングの雄大な自然を舞台に、父・母・息子・流れ者それぞれの繊細な思いを描く。人間の物語と大自然を融合した音楽は印象深い。 親子の情愛・夫婦愛を中心に据え、ジョーイのシェーンに対する思慕、マリアンのシェーンへの複雑な思い、それに気づくジョーの葛藤、牧場主と農耕民の軋轢、少年の精神的な成長等…さまざまな要素が詰まった叙情豊かな名作。 時代遅れになりつつある放牧と、畑作中心で定着する農耕という新旧二項対立の図式は、普遍的な問題意識の提示でもある。 一度は捨てた銃でトラブルを解決したシェーンだが、自身も農民の前では時代遅れであり居場所がないことを自覚し立ち去って行く。拳銃の音を意図的に大音量で表現し、その怖さ・暴力性を訴えている。 J・ウェインのような偉丈夫とは対照的な優男A・ラッドの起用は理にかなっており、作品の内容に相応しい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-06 15:04:05)(良:1票) 《改行有》 4. シャレード(1963) 「ヒッチコック映画よりヒッチコック的な映画」といったらいいかな。ラブ・サスペンス・ユーモアの要素がたっぷり詰まった傑作で、ハラハラドキドキのテンポも程よい。脚本・監督がうまいのはもとより、主役良し、脇役良し、音楽良し、タイトルデザイン良し、加えてファッションの魅力あり。J・コバーンの死体のシーンはちょっとドッキリで、これも良し。ダイハツから同名のクルマが発売された時はもちろん買いましたよ。バックナンバーは「333」じゃなかったけど・・・。[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-05-25 22:22:27) 5. 市民ケーン 「バラのつぼみ」という言葉の意味を探るニュース記者、その過程で暴かれるケーンの生涯。ラストシーンで明かされる真実。O・ウエルズの評価がやたら高いが、「市民ケーンの真実」を観ると、脚本家H・マンキウィッツの功績が大きいようだ。いかに裕福で成功した(と思われる)人生を送ろうとも、主人公には満たされないものがあったはず。両親と離れることも知らず、夢中でソリ遊びをしていたのだろうか?その後の寂しさ、喪失感は察するに余りある。音楽(B・ハーマン)は合わないなあ。少年時代に大切なものを失った体験・・・。それぞれの「バラのつぼみ」を抱えて生きている人は多いのではないか。他人にはどうでもよいことが、本人にとって重大なことって結構あるんですよ。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-12-23 20:04:10)
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