みんなのシネマレビュー |
|
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
21. スター・ウォーズ/帝国の逆襲 テアトル東京のいちばん前に陣取ってまで期待して見た前作にちょっとがっかりした事もあって、これはシリーズで唯一、既に見ている『ジョーズ』『未知との遭遇-特別編-』との名画座3本立て、音もマトモに出てない、ちっこいスクリーンで見たんですけど、これは面白い、ロードショーで見ておけば良かった!と思った映画でした(『特別編』でやっとこさ、大スクリーンで見ました)。前作から一転、ひたすら逃亡と敗北の物語で、映画全体のトーンが暗くなっていますが、前作ではちっとも迫ってこなかったドラマが、ずんずん響いてきました。ハデな戦闘シーンは序盤の雪上戦のみで、後はドラマ中心の展開、絶望へと向うような展開の中で、ベイダーが秘密を語る・・・うわー、早く続き見てぇ!って感じでした。今となっては、これがシリーズ最高だったのね・・・と。[映画館(字幕)] 8点(2003-12-07 22:12:33) 22. スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 どんどんネタバレしちゃうから注意だ。 「凄くお金がかかった二次創作」感は今回も拭えず、でも『スター・ウォーズ』のファンを存分に楽しませるだけの要素に溢れているのも確かで。 前作の(そしてルーカスの作ったEP1~3の)流れからして、今回の作品が『帝国の逆襲』をなぞってゆくのであろう事は容易に予想できたわけで、やっぱりそう来たか、って思わせつつ、わざと外してきたり意外な方向に持っていったりして、一筋縄ではいかずに翻弄させてくるあたり、楽しめました。 でもそれはもちろん全シリーズを見ていてこその楽しみ。この一作だけで見れば、なんだか外してゆくばかりのストーリーにイライラさせられるのも事実で。『帝国の逆襲』でミレニアムファルコンがハイパースペースに入れないスカを何度か繰り返す、アレのスケールの大きい版を何度もやられちゃうっていう。後になって考えてみれば、あの展開は本当に必要だったのか?って疑問に思える点が幾つも。そしてその分、尺も長く、そしてその分、ダレて。いや、『スター・ウォーズ』好きならばダレもしないでしょうけれど。 後半のかなり多重状態の展開は、あっちのキャラは一体何してんの?、久々に出てきて一体何やってたの?状態を生み出し、群像劇を上手く捌ききれてない感じがしました。 そう、今回は群像劇としての側面が強くなっていて、初登場キャラにもそれなりのウェイトを与えているので、特定キャラの活躍って面は薄くなってます。そこが面白味にもなっていれば、物足りなさにも繋がっている、諸刃の剣。アジア人大活躍だな、みたいな。しかし東洋人はどうしても地域的なモノを意識してしまって。 そういう点で今回最大の問題点はカジノシーン。あんな既存のカジノイメージをまんま持ってきちゃったら、それこそ『宇宙からのメッセージ』の宇宙アロハ、宇宙ちゃぶ台の世界ですがな。シャンパンの栓ポーン!とかダメでしょ。 それでも前作に比べても『スター・ウォーズ』な映像はいっぱい見せてくれた感じがしましたし(今回は宇宙を舞台にした画が多くて)、今の映像技術で新しい『スター・ウォーズ』の映像を見せてくれるのは嬉しい事で。それにジョン・ウィリアムズは大変にツボを押さえるメロディを鳴らしてくれていました。そこでそのメロディを鳴らされたら、そりゃ泣くわ、みたいなシーンがいっぱい。 1作目からリアルタイムで追ってきてる身には、今なおこれだけの映像を見せてくれる、40年に渡ってこれだけの娯楽を提供し続けてるって点で偉大なシリーズである事を心から実感させてくれるのでした。 ・・・・・あと、たとえ敵を作ったとしても私ゃディズニーの味方だよ。 【追記】最速でレビュー書いたモンで、世の流れを見ると自分のレビューとは反応がかなり違うみたいねぇ。『スター・ウォーズ』ファンからは不評、むしろ新規ファンが楽しんでる、と。 レイとカイロ・レンの関係を「レイロ」って言って二次的に楽しんでる層を見ると、以前『ズートピア』で「ニクジュディ」層が生まれた状況とよく似ていて、それってとてもディズニー的、個人的には好ましい『スター・ウォーズ』になっていってるのかな?って思います。ある層にとっては悪夢のようですが(ナンバリングから外せ!って言ってる層とかね)。 もう1点上げてもいいかも、と思うけど、それはある層にとっては嫌がらせのようにも映るでしょうしねぇ。[映画館(字幕)] 7点(2017-12-14 23:08:35)(良:4票) 《改行有》 23. 素晴らしきかな、人生(2016) 《ネタバレ》 ウィル・スミスの抜け殻演技は、なんかやる気無さそうにも見えちゃって、主役なのに薄~い感じに思えてしまうのが残念。でも、エドワード・ノートン、ケイト・ウィンスレット、マイケル・ペーニャ、ヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイって主役クラスな人々がそれぞれにいい味を見せているので、その多彩さを楽しめます。 さて、物語は予告編から予想したものとは違って、最初から種明かしをした上で進行してゆきます。娘を亡くして生きる気力を無くしてしまった男の前に、周囲が(彼を思って、と言うより会社の存続のために)舞台役者を使って「死」と「愛」と「時」を登場させる、って(『クリスマス・キャロル』が元ネタなのは明らかですね)。あのリアクション薄いウィル・スミス相手にそれで面白い物語が進行するのかいなぁ?って感じではありましたが。 これが、実はウィル・スミスだけの話ではなくて、その仕掛けた側の人達それぞれの話でもある、って広がりが見えてくると共に映画に奥行きが出て、興味深く見る事ができました。そして、「もしかしたら」という更なる予想が生じて、こうあって欲しいと思った結末、その通りのラストを迎える事で心が満たされて。 決して幸せな映画ではありません。それぞれがそれぞれのハッピーエンドを迎えてめでたしめでたしになる、そういうほんわかしたノリにはならないのは、娘を亡くした男って起点からしても明らかで。停滞していたそれぞれの苦悩、葛藤が「死」と「愛」と「時」の登場によって動いてゆく、そのさまが感動を呼びます。1つにはまとまらない、それぞれ散り散りな進行ゆえに大きな感動のうねりって訳にはいかないのが難点ではありますが。 でも、『素晴らしき哉、人生』は「人生は素晴らしい」って映画ですが、この作品は「人生ってたいへん」って映画なわけで、決して「素晴らしきかな、人生」って話ではないと思います。邦題を付けた人はこの映画のどこを見て素晴らしい人生を感じ取ったのかなぁ?[映画館(字幕)] 7点(2017-03-01 21:59:51)《改行有》 24. スペル 《ネタバレ》 何が「スペル」なんだか。予告編でも禁句がどうのこうの言ってましたが、実はちっとも映画の内容に関係がありません。『ファイナル・デッドサーキット3D』の酷い吹替といい、このセンス皆無な配給会社によって配給された映画は不幸です。さて、これは『スパイダーマン』じゃなく『シンプル・プラン』でもなく『死霊のはらわた』のサム・ライミが帰ってきました、って映画で、恐さよりも笑わせて貰ってナンボというシロモノでした。70年代に『大地震』や『ジョーズ』で見た、昔懐かしい金文字ピカピカのユニバーサル映画のマークで始まって、ババーン!と大仰なタイトルが出て来る時点で、あー、マジメに見るタイプの映画じゃないんだなぁ、って。それは入れ歯びょーん!で確信に変わりました。ホラー表現がいちいち笑っちゃうくらいに大騒ぎ状態。ああ、このバカバカしい感じ、長らくサム・ライミから消えちゃってたように思われてた、このセンスこそが最高だよね、って。でも、残念ながら物語がついてきません。ラスト丸判り状態で(あれはむしろ80~90年代スラッシャー映画の定番オチです)教訓話としてオチているワケでもなく、不条理モノ状態になっていて、バカホラーパワーに比べてキモチ良くねーなー、と。ハエとかカートゥーン系落ちモノとか小ネタは笑えるけれど、キングの『痩せゆく男』にも似た物語は楽しめなかったのが惜しかったです。ヒロイン役のアリソン・ローマン、頑張ってましたけどね。[映画館(字幕)] 7点(2009-11-06 21:16:44) 25. スパイダーマン3 《ネタバレ》 あああ、3作目にしてやっと「スパイダーマン」ってモノの魅力が判ったような気が。これは地球や国家の危機を救ったりするようなヒーローの物語ではなくって、思いっきりお金をかけた昼メロですね。次から次に起こる事件はひたすら主人公のプライベートに関するもので、ごくごくパーソナルな感情のオンパレードの世界。怒涛の惚れた腫れたくっつく別れる三角関係憎悪復讐和解ワールドは、まるでお昼に放映されているおばさま向けドラマのようじゃありませんか。そう割り切って見ると、前2作からの積み重ねもあって結構楽しめました。また、相変わらずのCGワールドですが、前作よりも技術は格段に向上して(アクションシーンでの人間の動きが全部CGっぽさ丸出しだった前作に比べて、ライブとCGとの見分けが付きにくくなってましたもんね)、今回は怪獣映画的な視点もあって、いい感じ。ただ、あっちこっちエピソードを広げまくっているせいで物語や映像が上手く繋がってない、強引に引っ張ってるような箇所が見受けられたのが残念でした。それにしても、あれだけ色々とケリを付けちゃうと、次に持ってくる昼メロネタは残ってないような気もしないではないですが。[映画館(字幕)] 7点(2007-05-02 21:25:58) 26. スリーピー・ホロウ ティム・バートン久々のダークファンタジーが戻ってきて、その世界にワクワク。冒頭の、灰色の畑の中に立つパンプキンヘッドの案山子を見ただけでも「わーい!」状態。でも、映画は少々オリジナリティが欠けてるよーな感じ、他の映画、コッポラの『ドラキュラ』や『スノー・ホワイト』『ヤング・シャーロック』なんかを連想しちゃいました。特に、少年(ワトソン)の前から馬車で去ろうとするクレーン(ホームズ)、カトリーナ(エリザベス)の部屋の窓を見上げる・・・とゆー一連の映像、『ヤング・シャーロック』そっくり。パロディ? でも、闇の中に存在する退廃的な美の世界には、やっぱりうっとりさせてもらいました。首がころころ~、にうっとりしてたワケじゃないですけど。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-09 14:20:20) 27. スペース・パイレーツ ずんずくずくずん、って感じのテーマ曲が印象に残る(いや、リズム部分だけですが、って音楽担当ブルース・ブロートンじゃん)B級SF映画。当時の映画雑誌で読んだのですが、本来大作として製作されるハズが予算が大幅カットされB級転落、という事で、ちょっと不幸な映画。でも「もこりん」としたロボット達がぼこぼことアクションをするさまは、なかなかに味わいがあります。怒涛のクライマックスはSF映画史上、最も長時間(?)なバトル。今となってはレア&超カルトとなってしまっておりますが、公開時に劇場で見られたのは幸運だったのかもしれませんし、別にちっとも、んなこたぁないのかもしれません。B級だけあって、ちっこい劇場での上映でしたしね。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-08 23:01:39) 28. スプラッシュ 素敵な人魚物語。若さ溢れるトム・ハンクスと、キュートだけど水の中での演技で根性見せるダリル・ハンナ。宇宙人や不思議な生物がスクリーンを占拠していた80年代前半ならではの、夢いっぱいなファンタジーでした。物語は当時のこのテの映画のまんまのフォーマットで意外性ゼロでしたけど。今の二重アゴなトムと、『キル・ビル』のコワい殺し屋なダリルとで続編を作ってくれたりすると、ブチ壊しで面白いかもねー。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-08 21:54:07) 29. スピード(1994) 《ネタバレ》 途切れた高速をジャンプするためにバスを加速させるあたりで、うわーん、面白い映画見てるよー!って泣けてきたんですけど、バスが空港で飛行機にどどーん!した時点で物語の流れが切れちゃったんで、残りの部分は蛇足的な感じになっちゃいました。まだ犯人逮捕されてないのに、のこのこ外に出ていっちゃう「ワイルドキャットのお姉ちゃん」、それを疑問に思わず、みすみす彼女を人質に取られちゃうジャック、あそこまでガンガンと活躍をしておきながら、いざって時にマヌケな状態になっちゃう二人のアタマの悪さにゃ、がっかりだー。しかし、地下鉄パニックって、この時期、これと『ダイ・ハード3』『マネー・トレイン』と見せられて、ハリウッド、ネタ切れもいいとこってカンジでした。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-08 21:24:31) 30. スタンド・バイ・ミー 《ネタバレ》 キング作品の場合、私は始めに原作ありき状態だったりするので、映画化されたものが、原作を超える感動を与えてくれる事があんまりなかったり、どうしても見方が厳しくなってしまったりします。でも、この映画は原作と比較しても十分に良くできた作品でした。忠実な映画化で、なおかつ文章では描けない情感がたっぷりあって。4人はそれぞれに原作以上の存在感を持っていて、中でもリバー・フェニックスの素晴らしい事! でも、ラストは、原作が描いた厳しさを全部描ききってしまって欲しかったな、と思いました。リバー・フェニックスに重きを置いたゆえの展開、よりドラマティックな描き方なのでしょうけれど。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-07 23:52:21) 31. スターシップ・トゥルーパーズ こんなにステキな戦争、こんなにカッコイイ戦争に、君も参加してみないかい?って映画でした。その実、ぐちょぐちょのでろでろですが。個人的感情も、色恋沙汰も、みんな戦争にドカン!とぶつけりゃ幸せ、みたいな単細胞バカ映画、そしてその裏にはたっぷり盛られた皮肉。『トップガン』が『愛と青春の旅立ち』しながら『プラトーン』して『グリーンベレー』して、でも、それらを全部トイレに捨てて笑ってみせるような。バーホーベン、やるなぁ。でも、人体グチャグチャ系映画が苦手なので、もう二度と見たくないですけど。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-07 23:04:41) 32. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 《ネタバレ》 アナキンとお姫様がごろごろ~みたいなトコは、まあ置いといて、クライマックスで戦争らしい映像が見られたのが良かったです。これまで、戦争!って感じ、あんまりしなかったですからねぇ。前作はかなりローカルな話でしたし。ジェダイがオビ=ワン達を救いにやってくるあたりまでは、この映画、どうなっちゃうの?って感じがしてましたけど。画面の端っこまでパキッとしたDLPの映像は、細かいディティールまで澄んで見えて綺麗でした。でも、デジタル撮りって質感安っぽくなりますね。カップル用の冗談みたいなゴンドラスピーダー、ただのハリボテにしか見えません。CGではない、数少ないセットもなんだかテレビドラマのセットみたいに映りますし。何はともあれ、次回作で全てが終わるのですが、その期待は盛り上げてたんじゃないかな、と思います。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-07 22:50:58) 33. スクリーム(1996) 某事件のせいで、ちっこい劇場で公開の予定が、遅れて何故か大スクリーンでの上映になった映画。ホラー映画を笑いつつも、きちんとホラー、っていうのが面白かったです。ゆるゆるしたセーター姿のドリュー、可愛かったし。ただ、隣りに座ったカップルのお兄ちゃんの方が、どうやらホラーのない世界から来た人のようで、くるぞくるぞ~、というシーンでずるるるっ!と身をかがめ、きたー!ってシーンでがく~ん!と揺れるので、こちらまで椅子がぐらぐら、ミョーにステキな臨場感で見られた映画でした。彼女の方は、ちょっと呆れてた感じですが、その後、あの二人、どうなったのかなぁ。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-07 21:26:28)(笑:1票) (良:1票) 34. スカーフェイス 《ネタバレ》 暴走しまくった末に「あー、やっぱりね」という最後を迎える映画、なのですが、バカなトニーで済ませてしまえるほど安直な物語って訳ではなくて。移民から成り上がる、大きな存在になるという野望、それを実現していって、物に囲まれた豪華な暮らし、だけど孤独。どこまで行ってもカラッカラに乾き続けてるトニー。彼の乾きを癒すのは、冷たい死くらいしかなかったんでしょうね。狂犬が燃え尽きる物語って感じでした。余談ですけど、電ノコシーンの時、テレビに映ってた映画は『大地震』でしたね、ってホントにどうでもいいハナシでした。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-07 20:53:00) 35. スーパーマン(1978) 70ミリの画面いっぱいにシュゴーっとクレジットが出てくるメインタイトル部分が最高にキモチいいのですが、映画的にはスーパーマンとして目覚める前の、青年時代の叙情的な映像が好きです。ここがあるので、単純なヒーローものを超えた風格を感じます。スーパーマンになってからは、ちょっとがちゃがちゃした印象で、ダム決壊の特撮なんかは当時としても、ええ~?って感じのチャチさなんですけど(岩がポポロン転がしたみたいにころころと)、ロイスとのランデブーや、スーパーマンの飛行シーンの飛行感覚、ジョン・ウィリアムズの名スコアに彩られて映画的快感を味わいました。エンドクレジットがとっても長いんですけど、劇場でずーっと音楽をしみじみ聴いていた記憶があります。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-07 16:51:24) 36. スノー・ロワイヤル 《ネタバレ》 今回もまたリーアム兄さん怒りの鉄拳炸裂・・・って映画とは、ちょっと違ってたわ。 オフビートというかダウナーというか、『ファーゴ』と『ジョン・ウィック』を足したような世界で(ちょっと『スリービルボード』的でもあるかしら?)、いっぱい人が死んでゆく、だけど笑いを散りばめた、ブラックな映画ね。 派手なアクションを速いテンポで繋いでゆくような映画ではなくて、ロングショットで淡々と描くようなシーンが多くて。 どこに行くにもファー付き作業着なリーアム兄さん、ヘンな個性が集まった不真面目なマフィアの人びと、ちっとも役に立ってなさそうな警察。まとまりが全くない群像劇みたいな映画で、リーアム兄さんの映画って括りだと、ちょっと物足りないかな。前半こそリーアム兄さんが復讐に燃えてガシガシ進んでゆくんだけど、中盤以降は物語があっちこっち迷走を始めて、混乱劇状態になっていって。 それでも、幾度となく反復される街に向って疾走する映像とか、死者を告げる字幕とか、セオリー通りには進まない物語とか、映画の作りに対する興味はいっぱい湧いてくるので、退屈することは無くて。めちゃくちゃ面白い!ってワケでもないケド。 アタシ的には、まだ子供なのに、なんだか達観したカンジのマフィアのボスの息子がスキ。 タランティーノ的なカンジをウリにしてるけど、タランティーノ作品よりは色々と大人しめね。[映画館(字幕)] 6点(2019-06-09 21:02:00)(良:1票) 《改行有》 37. スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》 1本でも多くの映画を真剣に真面目に見る、よりは好きになった映画をいっぱい愛する方がいいと最近思うのですね。そんな事を書くのはツイッターでこの映画を「教会ってモノにピンと来ないから楽しめなかった」って感想に対して「積極的に映画を理解しようとしないのは勿体ない」って批判する意見を見かけたので。 この映画、キリスト教圏の国に向けて作られてます。教会とかキリスト教の信仰の実態とかをキリスト教圏以外の人間に判りやすく解説するとかいう事は一切していません。描かれるのは教会で行われた複数の神父による複数の児童虐待事件に対する記者達の取材、その奮闘ぶりで、その外側は全く描かない、何が起きたのかを映像で説明したりしません。全ては事後の取材の姿のみで構成される映画。なので事件の当事者すら取材対象としてほんの少し登場するだけ。 そこからこの事件の恐ろしさを実感し、記者達の挑戦の困難さを理解できるのは実際にキリスト教圏に暮らし、日常の中に教会が存在している人だと思うんですよね。万物に神が宿る八百万の神の国、お寺や神社に年に何度かお世話になる程度の国、神様も仏様もごっちゃであちこちのお祭りにでかけたり参拝したりする国の人間がピンと来ないのは当たり前で。そこで何もアカデミー作品賞の映画だからって必死に理解する必要なんてあるのかいな?みたいな。それよりは好きな映画を愛した方がよっぽど映画と人にとって幸せなんじゃないかな? さて、正直眠い映画でした。ピンと来ないってトコだけじゃなくて、テクニック面に面白さを感じられなくて。このテの社会派映画の持つパワーっていうのがこの映画は希薄なんじゃないかって。ワリと「劇映画」のセオリー通りの画で構成されていて、記者が取材で街を歩くシーンが重ねられる部分での振り付けっぽさ(背景のエキストラの動きまで含めて)とか、ああ、作られた画だねぇ、って。 編集部の縦の構図なんかは面白いのですが、ならばもっと徹底されてたりする方がいいのに、みたいな。 『大統領の陰謀』や『ザ・ペーパー』のようなパワーある作りではなくて、良い言い方をすれば実直な作りなのですが、悪い言い方をすれば平凡。 アカデミー賞はタブーに挑戦した映画としての評価なのかな、って感じですが、まあ、そこら辺を無理矢理理解しようとする時間があるのなら自分の好きな映画を探す作業に移った方が有意義かと。[映画館(字幕)] 6点(2016-05-04 22:01:09)(良:1票) 《改行有》 38. スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 エピソード4をテアトル東京のシネラマ最前列で見たくらいのリアルタイム世代ながら元からそんなにハマってないシリーズでして。 4、5、6のエピソードの引用によって展開はどんどん先読みできるし、お馴染みのセリフや小ネタを散りばめて、まるでファンが作った二次創作みたい。ファンを喜ばせるのはいいとして、そこから先は?って考えると、ちょっと心許ないかなぁ、と。 なんか微妙に違和感を抱くのですよね。1、2、3がCGに溺れてしまったようなシリーズだった事を思ってでしょうか、ロケセット中心になってあまりCGに頼り過ぎない作りになっています。それが結果として「遠い昔、遙か彼方の銀河系で」ではなくて「最近、どっか地球上のロケセットで」な世界に感じてしまって。 旧シリーズもロケセットを多く使っていましたが、マットペインティングを多用する事で異世界感を醸していた訳です。今回は冒頭のスターデストロイヤーの残骸が横たわる風景こそ、その世界観を強く打ち出していますが、以降は奇を衒うような風景は描かれず、ごくごく自然な世界として描かれ、星ごとの特徴も地球の常識の範囲内。 更に物語は人間中心で明らかな東洋人顔も参入、一方で雑多な異星人たちは背景に留める程度の扱いになってしまって、それが従来シリーズとは違う感じがして。『宇宙からのメッセージ』にアロハシャツが出てきちゃう違和感、アレに近いかな。 これまでのシリーズでルーカスは民族、兵器、風景、生活など雑多な世界を描いてきました。ゴチャゴチャとしてあらゆるデザインで溢れていて。それこそが『スター・ウォーズ』の宇宙だと考えると、今回は世界がやたら狭い感じがします。宇宙空間の描写も少なく(宇宙に出たところですぐハイパードライブに突入しちゃいますし)、「地球のどっか」感が拭えないんですよね。もっとハッタリをカマしてくれてもいいのよ?みたいな。 それでもやっぱりお馴染みのオープニングには心躍りますし、レイとBB-8が魅力的で(レイはもう少し陽気でもいいんじゃないかと思いますが)、なので以降のシリーズにも少しは期待が持てるかな。 ちなみに今回はTOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン7の最前列で見ました。[映画館(字幕)] 6点(2015-12-26 13:54:43)(良:3票) 《改行有》 39. スター・トレック/イントゥ・ダークネス 《ネタバレ》 昔からあまり思い入れの無い『スター・トレック』、元々こんなモンってイメージ。毎回そこそこ、今回もそこそこ、みたいな。 前作こそ色々とやってみせて「お、ちょっともしかしてこれからの『スター・トレック』って・・・」って思ったものの、今回は話のスケール小さ目、キャラ中心で、ああ、やっぱりねぇ、って。結局内輪モメ話になっちゃうっていうのは『叛逆』がありましたっけ。 でも見せ場の連続で退屈はしませんし、カーンネタって事で『カーンの逆襲』に連動したシーンなんかも登場して楽しめました。今のVFXの技術によってエンタープライズ号がドーン!って存在感を見せるのもまた楽し。 このままのノリでまた続いていくのもいいんじゃない?って。 J・J・エイブラムスってシネフィルだのマニアックな人には評判悪いけど(日本で言うと山崎貴みたいな感じ)、そんな連中の話をマトモに聞いたところで行きつく先は退屈な袋小路でしかないので、このままでいいんじゃない?と思います。 『スター・ウォーズ』に過剰な期待したってねぇ。どうせプリクエルからして「あの程度」だったわけだしね。[映画館(字幕)] 6点(2013-09-22 22:32:52)《改行有》 40. スノーホワイト(2012) 《ネタバレ》 最初から期待値下げまくって見たらワリと楽しめました。って言っても素直に見るって姿勢には欠けまくってましたが。白雪姫、塔に幽閉されててクラリス(『カリオストロの城』)みたいだな、と思ってるそばから動物戯れ系でナウシカ?みたいになって次にサン(『もののけ姫』)かよ!シシ神様かよ!みたいな状態で。ジブリ臭いわぁ、んでも映像的には全編ほぼ灰色で『ロード・オブ・ザ・リング』風で、あと『ネバーエンディングストーリー』の悲しみの沼の展開そっくりとか『ハリー・ポッター』のディメンター風とか、で最後の方は『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスね、みたいな。既存ファンタジーのイメージ寄せ集めって感じではあります。前世紀末に作られた『スノーホワイト』では色々とドラマを抱えたシガニー・ウィーバーに感情移入して悲しい話だなぁって感じになっちゃいましたが、今回のシャーリーズ・セロンには特に感情移入できる程のドラマも無く、ただキレイなだけのフツーの悪い人って感じで。でも、何より失敗したのは、途中で「クリステン・スチュワートってジェットジャガーに似てない?」って思っちゃった事で。もう以降はジェットジャガーが頭にこびり付いて「頑張れジェットジャガー、負けるなジェットジャガー!」みたいな感じになっちゃって。んでも、だからこそ楽しめたんじゃないかと思ったりもして。大体、甲冑身に着けて戦う白雪姫なんて、ネタとしてしか見られんわさ。アリス、白雪姫と甲冑着させたハリウッド、次はシンデレラかドロシーでも武装させますか?[映画館(字幕)] 6点(2012-06-21 21:08:59)(笑:3票)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS