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1. 戦艦バウンティ号の叛乱
《ネタバレ》 戦艦と邦題にあるが、戦闘場面は無いしそんな装備もなさそう。やっている事は商船のようだが、英国海軍の指揮下にあるようなので軍艦であることは確かなようだ。
見ていて、途中までは横暴で悪人的な船長に悪印象があったが、叛乱の後ボートで生き延びていく段になって急に立派で有能な船乗り的な描写になり、見ている側としては騙された感というか、気持ちの持って行き場を失った感じがして、とても困った。
積極的に反乱に加わらなかった生き残り船員の裁判において、その被告が有罪になってしまって、驚きとガッカリ感が襲うが、勝ったはずの船長の握手を裁判長が拒んでいたのと、後に釈放されて船に復帰した被告が皆から握手を求められるのが、対照的でかろうじて満足できる結論だ。
総じていうと、軍というのは厳しい所だが、結局は人間性なのだなあ、という事か。それにしても船長の性格が一貫しているように見えなくて、戸惑うなあ。船乗りというのは海の上と陸の上では人が違うのかな?[地上波(字幕)] 6点(2019-01-27 23:05:39)《改行有》
2. 戦闘機対戦車<TVM>
《ネタバレ》 TSTAYA提供のラジオ番組で、おすすめしていた発掘良品というものの中の一作。
飛行機と戦車が戦ったら、圧倒的に飛行機に部があると聞いたことがあったから、逃げ回る戦車と追いかける戦闘機の戦いなのかと思っていた。それをすっかり逆転した設定、飛べなくなって、地面を逃げ回る戦闘機と、追いかける戦車の闘いにして、戦闘機のアドバンテージを無くしている。おかげでかなり映画が地味になったが、最後の対決時の、騎士の戦いのような真正面からの一騎打ちは、ちょっとだけ盛り上がる。
だが、この物語の本当の敵は、戦闘機でも戦車でもないところにあって、それがこの作品の魅力になっている。
しかし正直言うと、あと10分長くてもいいから、もう一波乱の戦いを工夫してみたら良かったんじゃないか、とも思う。[DVD(字幕)] 6点(2012-11-07 02:29:00)《改行有》
3. 聖衣
《ネタバレ》 昔、『トリノの聖骸布』という本を読んだ。イエスの遺体を包んでいた布という触れ込みで、イエスの全体像が転写されている。その本は初版では真偽は不明としていたが、重販される頃には、科学的に否定された旨、追加されていた。二十数年前、この映画は、てっきりその布のことだと思って見た。なぜなら、そういう紹介をしている本を、昔読んだからだ。……騙された。
”これは、イエスが生前羽織っていた布の物語です。”
キリスト教では、イエスの直接使ったものは残されていないが、その後の聖人の遺したものを、聖遺物と称して霊力を認めていたりする。その中には、亡くなった司祭の腕を切り落としたものがあったり、なかなかおぞましい世界らしいのだが、そういう文化を引き継いだ欧米の人たちには、この布が力を発揮するさまを、素直に受け入れられるのかも知れない。
イエスをその手で処刑したローマ役人の奴隷が、エルサレムに入城するイエスを、見ただけで心酔してしまうのは、聖遺物同様、信者でないと受け入れ難い表現だ。更に、マーセラスが問題の布切れを羽織っただけで、かの人の教えが彼の心を苦しめる。この辺の描写が心的なものなのか、超常的な力があるのか、判りにくい。微妙にどうとも取れる描き方なのだ。後にペテロが奇跡を起こすように、超常的な事を描く世界観で行くのなら、布の力にしてしまえばいい。少なくともペテロが奇跡を起こすよりは、その方が。しかし、そうではなく、もっと精神世界的な物語を期待していた私には、最初はどっちつかずで、とうとうペテロがやらかした、と映ってしまう。
[DVD(字幕)] 5点(2011-10-23 05:00:53)《改行有》
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