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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 戦場にかける橋 《ネタバレ》 歴史的な実話を題材にした戦争映画というものは、実話にどのくらい基づいているか正直気になるところです。しかしこの映画はいろいろな意味で史実と大きく懸け離れているらしく、何よりも橋は爆破なんかされていなかったという。そのような切り口からこの映画を語ると、リアリティのない夢物語に過ぎないと映るかもしれません。ところが映画を出来る限り楽しみ味わい、多様な切り口かつ柔軟な発想で臨み史実のひとつにヒントを得た監督デビッド・リーン創作の戦争物語、と受け取ると話は別となります。敵国日本に対しても敬意を払った作風になっており、リーン監督の壮大でヒューマンな演出は賞賛に値こそすれイヤラシさも違和感も取り立てて感じることもない。それでは作り手が最も訴えたかったラストのクライマックスはどうであろうか。河の水位が下がった夜明けから始まるスリリングな演出は、人間ドラマとサスペンスが渾然一体となっており見る者を唸らせる見事な展開である。唯一自分というものを見失わず常に局外者でいようとしたクリプトン(ジェームズ・ドナルド)。敵味方が入り乱れ殺し合い、一瞬のうちにすべてが破壊され無になるという信じられない光景を目の当たりにする。「バカな。信じられない。」と発するその言葉に、戦争という愚かな行為を凝縮させているのは言うまでもない。[DVD(字幕)] 9点(2006-10-19 13:01:00)(良:1票) 2. セブン 陰影に富んだオリジナリティ溢れる映像、不安を煽る先鋭的な音楽、キリスト教の七つの大罪をベースにしたミステリアスな演出などなど…前作の「エイリアン3」でもそうだったが、映像と音楽を駆使して独自の世界観に引きずり込む手腕は、さすがデビッド・フィンチャーという感じだ。二人の刑事が猟奇犯を追いつめるサスペンスとしては、なぜか序盤から新人刑事の妻トレイシーに感情移入させようとする演出。これはひょっとして、終盤何らかのかたちで彼女が絡んでくるのでは、と思っていたのだが…。《ネタバレ》ラスト、七つの大罪の残り二つ、憤怒・嫉妬は強引にこじつけた感じでイタだけない。しかも前作同様、見る者を陰鬱な気分に引きずり落とし、後味はすこぶる悪い(-2)。まぁオレ流炸裂のフィンチャー作品、とでも言えばいいのだろうか。7点(2004-04-26 23:17:18)(良:1票) 3. 西部戦線異状なし(1930) 世界映画史に記録されるべく戦争映画の古典にして傑作。戦争ものとしては分かりやすい展開と演出なので、マイルストン監督の痛烈な反戦メッセージがストレートに伝わってくる。しかも、悪名高いドイツ軍という設定も当時としては良く考えたもので、老練な教師が少年達を戦場に駆り立てる様は大変リアルである。愛国心高揚に踊らされた少年兵達が、予想だにしない最前線に送られた後では時既に遅く、バタバタと戦死するのを待つだけ。有名な、平和の象徴である蝶を手に取ろうとするラストは言うまでもなく、記憶に残る鮮烈なシーンも数多い。とくに、ポール(リュー・エアーズ)がナイフで刺した敵兵と一晩を明かせざるを得ず「もし銃と軍服さえなければ君と友人になれたのに」とつぶやき、苦悩するシーンは生涯忘れられそうにない。文句なしの10点満点。10点(2003-10-21 11:28:34)(良:1票) 4. セールスマンの死(1985) テーマ自体が洋の東西を問わないので、いろいろと考えさせられる作品でした。現代人が直面せざるを得ない数々の問題 … 家族の問題、経済問題、老いの問題等々。ダスティン・ホフマン演じる老セールスマンのウイリーは、そんな数多くの問題に直面しており、彼が選択した解決策は余りにも悲しい。大多数の庶民にとっては、他人事と思えないのではないだろうか…。本作は名優ホフマンの演技が見どころ。とくに一歩一歩“死”に向かう、危なくも悲壮感を漂わす演技はさすがだった。そこには俳優としてのホフマンから、いつしか老いた父ウイリーのみが存在しているというこの凄さ! ! 「レインマン」の時もそうであったが、図抜けた役者だけがなし得る高次元の演技力! ! やはりラストの、ウイリーと長男ビフ(マルコヴィッチ)が通じ合い、抱き合うシーンが圧巻だ。結びの墓前のシーンには、うっ、涙が…。父ウイリーの選んだ道は、長男に、そして家族に対する精一杯の愛情表現だったのでしょう。10点(2003-06-14 20:39:00)
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