|
21. ウォルター少年と、夏の休日
ウォルター少年の成長モノと見れば中々良い出来。
何を考えているのか分からないぼんやりとしていた序盤に比べて、ラストのクルマからの脱出や二人に条件を語る勇ましさにはやはり演技は上手いのかなと感じさせる。
見る前は母親の愛に飢えている少年が最後に母親の愛を確認する映画かと思いきやなかなかイイ裏切り。
ケインとデュバルも良かった、身体も若い頃のように上手くはいかなくなってセールスマンを追っ払うくらいしかすることがなかった二人が最後の最後まで「本当の男」のままでいられたのもウォルターとの出会いがあったからだろうが、そういった二人の変化ももうちょっと分かりやすく描いても良かったかなと思う。
特にケインの出番がもうちょい欲しかった。デュバルには酒場のシーンがあったし、スピーチの最初の部分を語るシーンも良かったから。
結構イヌ達や回想シーンなど子どもっぽい作りも意外性があって面白かった。
ビッグフィッシュを確かに感じさせるけど、アメリカでは公開はこちらの方が先でしょう。日本ではタイミングが悪かった。
この創りでは最初から全部真実と丸分かりなので、個人的には結局二人の過去はよく分からなかったというぼんやりしたラストにしたほうが面白かったと思うけどな。8点(2004-08-02 01:34:34)《改行有》
22. ヴェロニカ・ゲリン
製作者は美化したくなかったのかもしれないが、ジャーナリストとして誰も書けなかった真実を描きたいという「情熱」も、幼い子どもを持つ母親として子ども達が安心して過ごせる未来を願うという「想い」も何も感じられなかった。
こういう視点をぼやかしてヴェロニカが死ぬのは冒頭で分かっているはずなのに、終盤で長々と描く必要性が分からん、その後の音楽も場違い甚だしいし。
ブラッカイマーのプロデューサーとしての手腕は認めるし、シューマッカー監督はやや好きな部類に入る監督だったが、この二人の手によって、この映画は創られるべきではなかったような気がする。
題材がいいだけに、もっと社会派の監督に創ってもらいたかった。
死後、一気に憲法改正までいくのだが、生前この問題に関わった周囲の人々をもっと描かなければまるで感動もない。
動かなかった人々を描き、彼らがヴェロニカの情熱や勇気で動いてこそ感動するというものだろう。
ただギリガンがボコスカ殴るシーンだけは良かった、あそこだけはリアリティがあった。3点(2004-06-01 23:18:51)(良:1票) 《改行有》
|