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1.  チェンジング・レーン 人間は元来、非理性的な生き物だ。表面上筋の通った信念や行動様式も、いかに理性的と見える選択も、心の奥底のドロドロとした得体の知れぬ何かに突き動かされた帰結だ。だからこそ現実には完全な悪人も、全き善人もいはしない。自分の利益しか考えぬ悪党も時として善行を施すこともあるし、良識を弁えた善人も時に人を害する蛮行に出る。こうした人間観は非常にリアリティがあるが、サスペンスとは相性が悪い。なぜならサスペンスは個々の登場人物がそれぞれの目標に向かってどこまでも合理的に行動するものだからだ。前述の人間観はクライマックス 直後に表出すれば、劇は人間ドラマに一転し感動が生まれるが、初めから終わりまでそれで押し通すとサスペンスの器は壊れてしまう。それがこの映画。息詰まる駆け引きとなるべきところが、子供の喧嘩レベルの嫌がらせにしかなっていない。人間ドラマとしても中途半端。演出次第でもっと良くなっただろうという印象なので1点おまけ。6点(2003-11-17 23:58:57)《改行有》

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