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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ディック・トレイシー これチェコのカレル・ゼーマン監督(動く銅版画のような世界)のコミック版として見られる。コミックの世界の単純さ、原色・ストーリー・人間関係、そういったもろもろの単純明快さが隅々にまで行き渡っている。カメラのヴィットリオ・ストラーロは、陰影のある自然光の画調の人という面もあるが、コッポラの『ワン・フロム・ザ・ハート』と本作で人工的な美しさをやらせても凄いことが分かる。陰影の濃い黄昏の黄色を撮るのがうまかったカメラマンだが、これではコミックとしての原色の黄が美しい。ディック・トレイシーの黄色は、月の光を浴びてるってことでもあるのか。いつも満月。舞台も、倉庫とかキャバレーとか、“いかにも”な場を連ねてコミック性を高めている。特殊な舞台もほしい気もしたが(温室なんか、もう少し膨らませてもいいんじゃないか)、そうするとこの作り上げた特異な世界が壊れてしまうのかもしれない。ほとんど実験映画としての緊張が全編にみなぎっている。[映画館(字幕)] 8点(2014-01-23 09:26:14)

2.  デストラップ/死の罠 どんでん返しの瞬間ってのは、独特の爽やかさがある。いままでのストーリーが、新鮮に更新されるっていうか。映画の観客を引っ掛けるための偽の伏線ぽいシーンもあり、油断は出来ない。雷鳴の中で一瞬浮かぶ女性の姿にドキドキさせられたのも、それ? 実際の舞台だったらもっと面白かったろうというところもあるが(舞台の設定を朗読する)、電話をかけながらカメラの周りをグルグル回る映画ならではの迷宮感みたいなものもある。「世間は露出を好むんだ」なんてせりふ原作のものなんだろうが、『ネットワーク』の監督のものと思っても納得いくな。M・ケインがこそこそと室内を走り回る図が、おかしかったです。[映画館(字幕)] 7点(2013-06-24 10:03:47)

3.  テルマ&ルイーズ いつもヨーロッパの影を引きずっているような監督が、アメリカの中のアメリカ、西部を描いたというのがまず興味。広い空。ちょっとした週末の冒険旅行、馬鹿亭主からの逃避を兼ねたバケーションのはずが、男どもによって延々と延長されていく。馬鹿な男によって回転され続け、やがて静止したような澄んだ世界に入っていく独楽のような女たち。それにしても女二人で旅に出ると、出会う男はみんなこんなどうしようもないのばっかしなんだろうか。なんか女性からの「交渉打ち切り宣言」みたいな映画で、ラストはもうちょっと交渉の余地を残してほしいとも思うのだけど(男は指輪くれたしさ)、良かれ悪しかれ、このキッパリ感が記憶に残しているんだろう。[映画館(字幕)] 7点(2013-06-03 10:06:23)

4.  ティファニーで朝食を 《ネタバレ》 不幸の影のある過去、離れた家族(弟)への愛情、囚人の連絡係に知らずになってしまうお人よしというか少々オツムの弱い「可愛い女」、といったもろもろは、どちらかというとモンローの世界だった。モンローが亡くなるのはこの翌年。なんか時代が決定的に移ろったことを思わせる作品だ。一番それを感じたのはファーストシーン。早朝のニューヨーク、ひとけのない街角に車から降り立つオードリー、開店前のティファニーを覗きながらパンをかじる。まだ名前のつけられていない野良猫のようなヒロインを画面に収めながら、ムーンリバーが流れていくあのシーンで、アメリカ映画は60年代に入っている。このトーンは70年代にもつながっていく。しかしモンローの50年代とははっきり質が変わったように思う。都会生活者のコメディってのはずっとあったが、人間主体でどこの都市でもかまわないようなものだった気がする。しかし60年代になって都市そのものにも重心が掛かってきたんじゃないか。これはニューヨークの安アパートが舞台でなければならない映画だ(『アパートの鍵貸します』も60年)。相手役のG・ペパードってのがつまらないとか、M・ルーニーの“ゆによし”さんが一人で40年代やってる、とか不満はいくらもあるが、時代が変わったことを告げる冒頭シーンの抒情は捨て難い。それと猫で収めていくラストの情感、きっとあの猫にも名前がつけられることだろう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-31 09:44:38)

5.  ディープ・カバー 《ネタバレ》 これはちょいと拾い物。主人公と世間の間に距離があって、霧が立ち込めているような雰囲気。ときどき挟まれるモノローグが、そのノワール感を強める。荒々しさよりも湿っぽさ。潜入していった警官が、次第にアイデンティティを失っていくの。演技や手段に目的が乗っ取られていってしまう。初めてフィッシュバーンがゴールドブラムと会ったとき、即座に「こいつはコップだ」と言うあたりのスリル。ワカル奴とワカル奴との出会い、そのつばぜり合い。相手に信用されるためには、どんどん悪に漬かっていかなくてはならなくなる。分身のような「牧師」警官を配置して奥行きを作ってある。カクッカクッとアップになっていくシャックリのようなズームに面白い味。[映画館(字幕)] 8点(2012-01-07 10:41:13)(良:1票)

6.  テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 これは一つのアイデアだけを核にした物語だけど、ネタが分かればそれで終わりというものと違って、たぶん二度目の鑑賞にも耐えられると思う。かえって二度目の楽しみってのもあるんじゃないかな。H・フォンダの表情やまわりの連中の表情に、一回目に観たときとは違う味わいが出てくるはず。優位に立ったものの表情と、ヤバい立場に置かれたものの表情とがハッキリしている分、その皮肉がおかしい。それにしてもフォンダの崖っぷちに立ちながら浮かべる強ばった口元だけの笑い、うまいなあ。どうしたってカモそのもの。心配するけなげな子どももいれば、ついつい「お父さん危ない」って思っちゃうもん。また途中で鍛冶屋での妻のカットを挿入して観客の心配を煽るんだ。きたねえよなあ。映画のリズムは冒頭のポーカー仲間が集合してくるところから快調で、ただちょっと終わりがもたつく。ジェイソン・ロバーズが婿に説教垂れて、その直後バカにするようにきれいに落とし、そこでパッと切り上げればいいのに、ややだらけた。あと、銀行家がすぐ乗らず、一度追い返してから乗ってくるつながりがギクシャク感じたが、すぐに応じると不自然で、一度冗談ではないかと疑う時間を入れたほうがリアリティありってことか(引っ掛けられた悔しさで、なにか悪口を言っておきたい)。これそのまま江戸の時代劇に移せそう。「おまいさんバクチはこんりんざい駄目だよ」なんて落語に出てくるような夫婦ものが旅籠にやってきて…と思ったが、やはりポーカーフェイスという言葉があるポーカーでないとぴったりこないな。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-27 09:27:20)(良:1票)

7.  天使にラブ・ソングを・・・ 正反対のものを合わせるのがコメディのひとつの方法なんだけど、それによってその文化圏のなかでは何と何が対極に置かれているかが分かるというもの。ここでは歓楽街と修道院。まあ常識的な線ですな。アメリカにおけるカトリックって、ちょっと奇妙な連中だが一応一目は置かれてる、って位置が分かって面白い。尼さんコメディ、ってジャンルがあるか。厳格さの中に見せるしたたかさなんかが笑いの手ね。ヘリのパイロットを「祈りおどし」するあたり。歓楽街(ゴモラ)で「目立たぬように」と指示するとか。どっちも歩み寄って中庸を目指すのがアメリカ。閉じ籠もってはいけない、ってモチーフもある。ゴスペルは最初の一曲だけで、あとは普通のポピュラーソングだった。修道院にあんなデブいるわけないと思ったら、こっそりアイスクリームを食べてたってことか。[映画館(字幕)] 6点(2011-06-24 12:09:31)

8.  テロリスト・ゲーム<TVM> 疾走する密室ってのが、映画で列車が好まれるところなんでしょうなあ。屋根もあるし。宣伝のための列車ジャックってのがユニークで面白そうなところなんだけど、もひとつよく分からない。イラクに核が渡ったということで世界の緊張を高めてくってんだけど、なんか回りくどくない? もっと有効で簡単な手がありそうだけど(ところがその後のアメリカを見るとそうでもなかった)。それとこういうのでは、エリート集団のはずなのに、内通者が出てくるんだな。主人公をピンチにさせる一番手っ取り早い方法で安易です。いろいろあるんだけど、アイデアで新鮮なものはなかった。人質を大事にしているような、おろそかにしているような。[映画館(字幕)] 5点(2011-05-17 09:35:25)

9.  デーヴ 権力者と瓜二つの庶民てのは映画の好きなモチーフで、『独裁者』から『影武者』まであり、権力とは何ぞや、ということを一番考えやすい設定なのだろう。ニセモノが正しい道に戻す、って流れ。政治ってのは常に、庶民の側から見て「向こう」に行ってしまうベクトルを持ってしまっているわけで、それを「こちら」に引き戻したいという気持ちがある。デーヴが嬉々として始球式をこなしているあたりのはしゃいだ気分、このニセモノは庶民の代表として気のいい奴なのである。責任のない有名人として遊んでいた気分が、やがて責任を感じ出すのがホームレスのあたりか。予算捻出とか。『スミス都へ行く』なんかに通じる、民主主義の原点を常に探ろうとするアメリカ映画の姿勢は、素直に偉いと思う。政治権力を常に「こちら」に引き戻そうとする姿勢。まファンタジーだけど、シークレットサービスが「あんたのためなら死ねる」って言うあたりはホロリとさせられた。[映画館(字幕)] 7点(2011-05-11 09:52:51)

10.  天国の日々 映像は美しいですなあ。揺れるようなサン・サーンスの「水族館」に乗せられて、陰影の多い自然光。なんでも旧約聖書が下敷きになってるそうだが、そういった「語られたお話」という印象の濃いストーリー。社会派ではない。ただ映画としての流れがも一つうねってくれなかった。ジワジワと破局に向って進んではいるんだけど、こういう映画はこれでいいのかな、もう少し細工が欲しかった、ってこと。イナゴから火事へのシーンは迫力。けっきょくみんな、良くなろう・浮き上がろう・寂しくなくなろう、として不幸を呼び寄せていってしまう。それを憐れむ者の視点ね。ああ、やっぱり聖書なんだ。[映画館(字幕)] 7点(2011-03-10 12:19:03)

11.  天と地 人は時代を選べないということを感じましたな。「悪い時代」そのものと戦うということ。政府軍の拷問の後で、ベトコンからも裏切り者と言われるあたり、ほとんど不条理の世界。娼婦になる瞬間、ふっと外界の音が遠のいていく効果。たくましいアメリカと武器を売るアメリカが、やがて分裂していく。このアメリカ篇が映画としては未編集的で、ナレーションでつないだり、全然リズムがない。結局物足りないのは、ヒロインがどこか底のほうできれいごとを語っているからではないか。この大変さが嘘だと言ってるのではないが、もっとドロリとしたもの、たとえば「アメリカ兵を利用してやれ」なんて気分をチラとでも出せたら、映画は生き生きしただろう。反対側からも眺めよう、という姿勢はいいんだけど、アメリカ側から眺めることに徹した『プラトーン』の手応えは失せて、やはり「他者」に遠慮してしまうための類型化が増した。アメリカにとってもベトナムにとっても「悪い時代」を経験した、という共通点で理解し合えないか、という基本姿勢は、個人のレベルでは間違っていない。[映画館(字幕)] 5点(2011-02-17 09:54:35)

12.  天使にラブ・ソングを2 インディペンデントじゃなくメジャー作品で、監督や主な出演者がみな黒人てのは、いつごろから存在したんだろうか。けっこう最近だろ? これなんかハシリのころか。あの民族主義少年なんかを笑いのネタにするのなんかも、監督が黒人だからスンナリできたのかも知れない。民族と無縁にありたい、というアメリカ文化のいいところ。話は型通りなんだ。やる気なく流された日々を送っている生徒たちを導いてコンクールで一等賞にするっていう。分かっててもこういうのに弱く、ホロッとさせられる。拗ねてた子が戻ってきたり、母親の許しを得るところなんか、もうちょっと粘っこくしてもよかったか。音楽室でのデュエット、スズメがどうのって歌、あれ最後まで聴きたかったな。[映画館(字幕)] 6点(2011-01-13 10:17:10)

13.  ディスクロージャー 《ネタバレ》 アメリカ映画のいいところは、どんなモチーフ扱っても「個人の組織への抵抗」に絞られていくとこ。悪いところは、それが類型化しても平気ってとこ。セクハラの話というと、だいたい内容が決まってしまいがちなものだが、それをちゃんと根元の「公と私との混同」いうところまでさらってから話を作っている。どんなモチーフからも普遍性を導こうとする。これはハリウッドの美点だと思う。一週間のストーリーってのも締まってていい。一度目の解決のあとにもう一波乱、ってのもサービス精神。「将来のある男と、過去のある女ね」なんて、セリフも練る。まことに類型に収まる典型的なハリウッド映画だが、こういう安定を味わいたい気分のときもあるのだ。話の根底にあるのは、台頭する女性にますます募らせる男の被害妄想か。[映画館(字幕)] 7点(2010-05-27 12:04:57)(良:1票)

14.  デューン/砂の惑星(1984) シルバーナ・マンガーノがはげ頭になって頑張ってたけど、つまんなかったなあ。植民地の人間が立ち上がるのではなく、宗主国側の中から救世主が現れて救うという発想が、どうもね。神がかるのよね。キリスト教の根っこなのか。ワケありふうの親友が出てきてアッサリ死んじゃったり、原作知らないけど、長いのを無理に縮めて、ダイジェスト版にしちゃったんじゃないのか。声がやたら入るのも、ただややこしくしただけでしたなあ。出産のとことか、悪玉の頬のデキモノとか、気持ち悪いとこに凝るのは、監督の困った性格ではあるが嫌いじゃない。世界全体が地味な古風な手触りなのが特徴と言えば言える。つまり「公爵」とか何とか言う呼び名にふさわしいような世界になっているわけ。金属質じゃないSF。ニコゴリふうのバリヤーも珍しい。カイル・マクラクラン君はこれではさして魅力がなく、のちの『ブルー・ベルベット』や『ツイン・ピークス』での、病的な魅力での売りは予見出来なかった。[映画館(字幕)] 5点(2010-05-09 12:02:21)

15.  デスペラード かっこいいということがおかしくもある、ってことを知ってしまった者が、開き直って半分コメディとして活劇を仕立てるスタイル、っていうののハシリのころか。撃ち合いの果て、手近の銃を拾っては撃つが、カラ、カラ、カラ、とか。第一、撃って人が飛んじゃうってのがもうユーモアだわな。派手であるってことは、それだけでもうおかしい。ラテン音楽にそもそも似たユーモアがあるのかも知れない、やたらかっこつけ過ぎるおかしさ。タランティーノがいい顔していることに、この映画で初めて気がついた。[映画館(字幕)] 7点(2009-11-15 11:56:10)

16.  デッドマン(1995) 言ってみれば“もがり”の期間ということか。死の開始から完成までの。冒頭の機関車・主人公・風景のセットが、ラストのカヌーのシーンでも繰り返される。主人公はひたすら運ばれて、フダラク渡海にまで至るわけだ。3人組ってのが好きね、この監督。アメリカはしばらく「自然に優しく」とか、インディアンの生き方を真似ようというのが流行ってたが、とうとう死に方まで教わろうという段階になったようだ。この監督はやはり中・短編系の作家であって、オムニバスでなく2時間を越えると長すぎる印象。そもそも死生観を語ったりするのは似合わない。ちょっと出て殺されるのがガブリエル・バーンなどという贅沢はある。[映画館(字幕)] 6点(2009-11-03 11:55:08)

17.  天国の門 《ネタバレ》 冒頭の卒業式は見事だった。リパブリック賛歌がんがん鳴らして。『ディア・ハンター』もそうだったけど、今は消えた“いい時代”を描くとこの監督は熱がはいるらしい。仲間うちの、何の陰りもなかった祝祭気分。ただそうして過去から見て裁くってのは、どうしても弱く、保守的になる。あんないい時代だったのに、階級差が生まれて争いになってしまった、昔のほうがいい、という具合に建設的なヴィジョンが出てこない。それがラストの弱さにもつながったんじゃないか。主人公はこの虐殺を止めることが出来なかったことよりも、妻の死のほうによりマイってしまう。それは個人として当たり前なんだけど、監督の目もそれに寄り過ぎてしまい、虐殺そのものへのアプローチが甘くなってしまったように思った。もっとも劇場公開時の短縮版の印象だから、アレなんですけど。クリストファー・ウォーケンの控えめな愛(新聞を張った室内)の描き方などよかった。[映画館(字幕)] 7点(2009-09-14 10:12:10)

18.  ティン・カップ スポーツでは、走るもの(球技を含む)と格闘するものがやはり映画に向いており、歩行して棒振るだけのゴルフは難しい。スポーツとは言えないが、走りも格闘もしないビリヤードがけっこう映画向きなのは、キューを構えるポーズが美しいのと、狭い室内ってのがいいんじゃないか。ゴルフは広くて、そういう緊迫感狙いは無理。でこれ、アルマジロ歩く田舎の濃いめの人情世界と、都会的な紳士のスポーツってのをぶつけたあたりがミソか。克己心の話。己れの才能をフルに発揮しようとしないヤツをアメリカ映画は嫌って、チャレンジする話が好きなの。スピード感のないスポーツを見せる工夫として、木の後ろからトイレにぶつけてグリーンに乗せる、とか、刻んでいくヤツと豪快に池越えするヤツとを対比したりとか、苦労してます。[映画館(字幕)] 6点(2009-06-14 11:56:47)

19.  D.N.A. 動物保護運動に押されてアメリカを出たモローが、日本がリゾート化に失敗した島にやってきて…、と百年前の原作を現代風にアレンジしている。でも基本にあるのが、人=理性、獣=本能という、百年前の単純な二分化で、現在この話を描くのなら、やはり主人公を獣人側に据えて語るぐらいの視点変更が必要だろう。百年前だと、獣人たちの“父”への復讐、ってのに共産主義の脅威を重ねて見る気分があっただろうが、今だともっと根源的な、創造主への殺意という「フランケンシュタイン」以来の怪奇ものの伝統にのっとった深みに迫れたはずである。まあこの頃はもう、マーロン・ブランドがB級映画界のシンボルと化していた時代で、その期待されるB級精神に誠実に沿って作られた作品ではある。ショパンのポロネーズを弾くシーンなぞに味わいはあったが、タイトルの、リズム打楽器に乗って単細胞やら多細胞やら目やらがアップしていくとこが、一番興奮できた。[映画館(字幕)] 5点(2009-05-28 12:00:23)

20.  ディープ・ブルー(1999) 《ネタバレ》 『ポセイドン・アドベンチャー』に『ジョーズ』をミックスしたような映画で、ただ基本のモチーフはしっかりSFを守っていて、予想していたより面白かった。アルツハイマー治療の目的で鮫の脳を膨らませたら鮫が高度な知能を持ってしまい、医薬品の材料にされてたまるかと鮫が自由を求めて反乱するって話。SF小説の古典「脳波」にも通じていく設定で、自然界で人間が優位に立っていられるその基盤の脆弱さ、ってなことに思いがいく。ただ肝心の発達した鮫の知能ってのが、強化ガラスを割るために“道具”を使ったりするぐらいで、もっと被実験物が何かを考えているという不気味さを、手を替え品を替え押し出してもらいたかった。けっきょく元からある鮫の原初的な獰猛さが恐怖のメインになってしまっていたような。半分水に浸かった部屋ってのが怖い。下半身が未知の世界に浸かっている、部屋の半分が確認できない、っていうどこか異次元につながっていくようなブキミさ。そして人があっさり死んでいくその唐突さ。ヒロインは償わねばならなかったからなあ。実業家ってのは食われてもいい部類に入るらしい。[映画館(字幕)] 7点(2008-11-07 12:15:05)(良:1票)

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