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プロフィール |
コメント数 |
250 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。 評価はもちろん主観です。 評価基準 各2点ずつで計10点 1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか? 2.視覚的に何かを象徴できているか? 3.プロットの構成は適切か? 4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか? 5.作品のテーマに普遍性はあるか? |
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1. 黄金(1948)
よれよれでボロボロの服、ボサボサの髪や髭の小汚さ、ロケ中心でナイトシーンも明るすぎず自然です。1940年代のハリウッドでここまでリアリティを追及している作品は貴重だと思います。ハンフリー・ボガードほどのスターが文字通りの汚れ役を演じているのも珍しいですが、無名時代は悪役での出演が多かったのであまり抵抗はなかったのかもしれませんね、逆にそれが彼の強みになったのでしょう。この作品に限ったことでもないですが、ハリウッドでも隣国のメキシコ人だと安易に英語を喋らせずにちゃんと現地の言葉を喋らせる傾向がありその点も違和感を感じさせにくいです。ドン底にいる男たちが人生の逆転をかけて人間のエゴを剥き出しにするような営みに参加する、この映画のプロットはいわば現代のデスゲームものに似ているんですよね。そのため現代人でも共感しやすい内容だと思います。デスゲームが現実の競争社会の寓話であるように、黄金探しも良心と欲望の狭間で揺れ動く人間の弱さを描く寓話なわけです。今見ると素朴すぎるきらいもなくはないですがやはり人間の強さではなく弱さを描く物語にはいつの時代にも通じる普遍性があると思います。[インターネット(字幕)] 8点(2023-04-17 23:45:53)
2. オール・ザット・ブリーズ
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の映画MEMORIA メモリアの中で科学と詩を両立させるのは難しいという旨の台詞があったと記憶してますが、この映画はそれを成立させた一つの成功例だと思います。映像はアンドレイ・タルコフスキーの作品を思わせ、ナレーションは解説というより詩的であることを志向しています。印象的なショットがたくさんあります。冒頭暗闇の中ネズミが蠢くゴミ捨て場をローアングルで捉えたショット、街の風景に波紋が重なりそれが水面に反射した像だと徐々にわかるショット、ムカデが水たまりの中から這いあげると上空の旅客機が飛ぶ姿が映し出されるショット。カメラは動物の目線から人間の社会を見つめるよう促し、これほど多くの生き物が同じ世界を生きていることに気づかせます。また動物への愛情や淡々としながらも見え隠れする死や暴力のイメージ・巨視的な文明観といった要素に私は志賀直哉の小説も連想しました。総じてこの映画は今描くべきことと今まで描かれなかった新しさを感じました。この映画はインドだから描けるテーマに留まらず、まさに全人類的な問題を扱えているからこそ傑作だと思います。[インターネット(字幕)] 10点(2023-04-08 00:34:10)
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