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21. パリで一緒に 《ネタバレ》 楽しいですね。でも、はっきり言って「おバカな映画」なので、まじめに見てしまうと楽しめないかもしれません。それに、映画に関するネタがいろいろと振りまかれているので、それについてはサッパリという人も、苦しいかもしれません。たとえば、「バスタブで執筆する脚本家」というのは、『ローマの休日』も書いたダルトン・トランボのことでしょう。劇中劇の主人公二人が“リック”と“ギャビー”というのも……。実は、こうしたネタ探しの方が楽しい映画なのかもしれません。 出演者では、なんといってもトニー・カーティス! 一応ゲスト的な出演なのに、作中で端役扱い。「名前なんてどうでもいい」とか言われて、笑わせてくれます。この人がいなかったら、かなり評価は下がったでしょうねぇ。 映画をネタにした、いわば「映画の映画」であるためか、ロマンスの方はやや弱いという印象を受けました。しかし、それを補ってあまりあるほど、映画ネタの会話や映像・音楽は楽しいです。なかなかの逸品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-19 08:43:36)《改行有》 22. バウンティフルへの旅 《ネタバレ》 人間というのは、何歳になっても自分のアイデンティティーを確立したいのですね。バウンティフルへの旅は、自分が自分らしかった時代への郷愁。けれどもそこには誰もいなくなり、親友も亡くなってしまった。つまり自分の居場所はなくなってしまったわけです。そうなって初めて、新しい一歩を踏み出すことができました。実際、自分にとって価値あるものがすべてなくなるくらいでないと、新しくやり直すのは無理でしょうね。いわゆる「リセット」です。人生のリセットというと、どうもマイナスのイメージがありますが、ここではプラスに使われているのがいいですね。こんなおばあさんでも人生をやり直せるのなら、自分はまだまだこれからと思わせてくれるのも嬉しい。最後に嫁さんが、ちょっといい人だとわかるのもいい。この「ちょっと」というのが微妙で素敵です。レベッカ・デモーネイはきれいだし、緑の衣装もあざやかで印象に残っていますが、彼女がこのドラマでどのような役割を負っているのか、そこがよくわからなくて残念でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-15 21:57:46) 23. パピヨン(1973) 《ネタバレ》 これは凄い。中身も凄いけど、それを映画にしたというのも凄いです。時間と金と人をふんだんに使って、凄いドラマが展開されます。人間の崇高さと醜さを共に描いて、余すところなし。特にあの修道女はキツイなぁ~。ただ後から考えると、脱獄囚をかくまったと知れたらどうなるかわからないというところも、あったのかもしれません。それだけあの監獄が恐ろしいということですか。さすがにちょっと長いという気がしたので、その分マイナスです。しかし映画好きなら、一度は見ておきたいと思わせる作品でした。[映画館(字幕)] 9点(2010-09-01 18:29:52) 24. ハロー・ドーリー! 《ネタバレ》 こりゃあもう、主役の2人に魅力が感じられないのが痛い。若手3組はラブコメの脇役だから見られますが、肝心の主人公があれではダメでしょう。お互いなんでこんな相手と結婚したがるのか、まるでわかりません。レストランでのシーンも、ドーリーがなんであんなに賛美されるのかわからないので、かえって白けてしまいます。あれじゃあバーブラ・ストライサンドのプロモーションビデオでしょう。ファンなら別でしょうが、そんなもの見たくないんだって。ミュージカルであろうとシナリオが第一であるという、ごく当たり前のことを確認させてくれる映画でした。いい歌もありますが。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-15 11:42:19) 25. ハスラー 酒が飲めないうえギャンブルもしない私にとっては、まったく縁もゆかりも関心もない世界の話でした。ジャッキー・グリーソン演じるミネソタ・ファッツがイカしてた。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-25 19:23:25) 26. バンド・ワゴン(1953) ミュージカルとしては、まあ普通ですか? 公園でのダンスはすばらしいし、三つ子の歌はおかしいし、大熱演のジャック・ブキャナンも楽しいけど、「これ」っていう決め手に欠ける。「ザッツ・エンタテインメント」が聞けてよかったです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-01 19:30:27) 27. パリは燃えているか 《ネタバレ》 これは……映画としては、決していいできとは思えません。オールスター・キャストなのでエピソードが散漫になったり、話の流れが平板だったり(特に前半)。実際のフィルムを使っているのも、画面の調子が変わって「?」となります。 しかし、それでも3時間近くの間見入ってしまうのは、やはり歴史的事実を扱っているところから来るのでしょう。つまり“事実に基づいたフィクション”ではなく、“多少脚色されたドキュメンタリー”という要素が強いと思われます。原作も小説ではなく、ノンフィクションですし。そう考えれば、現実のフィルムを使用しているのは、むしろ必要な措置と言ってよいでしょう。まあ、映画として全然ダメというわけでもなく、ガロア少佐が連合軍と接触しようとするあたりはそれなりにサスペンスがありますし、後半パリへ進軍してからはけっこう盛り上げます。ここでは、ドイツ軍に攻撃するため、あるアパートメントの部屋に入るエピソードがあるのですが、そこに住むおばあさんが面白かった。この映画には珍しく、ユーモアのある場面でした。 フランス人にとってこのパリ解放はきわめて重要な出来事でしょうし、パリバンザイ、フランス万歳になるのは致し方なし。パリを破壊から救ったコルティッツ将軍やスウェーデン領事ノルドリンク氏は、かなり好意的に描かれています(この2人が一番得をしてるでしょう)。そうではあっても、第二次世界大戦の重要な出来事を描いたドキュメントとして、それなりに価値のある映画であると思います。 また、ベルモンドのファンとしては、30年来の見たい映画だったので、念願かなって感無量です(評価には関係しませんが)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-11-16 19:32:32)《改行有》
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