みんなのシネマレビュー
なんのかんのさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2336
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123

1.  ファインディング・ニモ 《ネタバレ》 魚だと手足の擬人化がないだけ、アニメの特質とも言える。天然色の海底。ちょっと人形アニメの趣きにもなる。人間社会がすっかり対象化されるのがいい。敵役に徹する。みなに好かれようとしている鮫のエピソードもおかしい。『モンスターズ・インク』の流れか。救出と脱出の物語。短期記憶のドリーのキャラクターもいい。魚族たちが話を伝えていって、協力態勢になっていくの。歯医者のほうも水を汚したりの作戦。ダーラが登場すると『サイコ』のキンキンキンキンがはいり、波止場は『鳥』。あちらでは一般教養として子ども用映画にもヒッチコックが登場するのかと思ったが、分かる客だけ分かればいい、という自己満足なんだろうな。一網打尽後「みんなで下に向かって泳げ!」には、社会派的感動があった。タイトルロールの間をすり抜けたり、ビクビクしている小魚がチョウチンアンコウをパクリとか、休まない。ラ・メールが流れるのもまったく正しい。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-24 09:50:48)

2.  プランサー 《ネタバレ》 トナカイと少女の心の交流もの。傷を負って倒れていたトナカイを、家に連れ帰ってクリスマスまで養生しようとするけなげ。主人公がそういう夢見がちの少女なのに対して、そういうのを「困ったものね」と見守っているような役割りの友人がいいの。決してこまっしゃくれているのではなく、包み込むように存在している。こういうので泣かされるのは「意地悪と思っていた人が親切になる」パターンで、アルバイトをすると「よくやってくれたから」と5ドルに10ドルを加えてくれる。あと「動物の恩返しもの」パターンにも泣かされるが、こういうので一番やられちゃうのが「主人公が失意でいると外で町の人たちがクリスマスソングを歌いだす」っての。とにかくみんなが集まって祝福しだすともうダメ。ウルウル。肉屋に売ると言っていたパパも、トナカイのプランサーを見せる。メデタシメデタシ。少女の夢は肯定されなければならず、現実に勝たねばならない。クリスマスには清らかな気持ちが勝たなくてはならない。[映画館(字幕)] 7点(2014-02-17 09:40:32)

3.  フォーガットン 《ネタバレ》 ミステリーかと思ってたら、政府の陰謀ものかと訂正することになり、それが宇宙人か地獄の使者に訂正され、さらに超絶者ものに移行しかけ、まあぎりぎり「はっきりさせない」というところで手を打って踏みとどまって、なんかとりあえず完成した作品らしく繕えた。「彼ら」の実験、中途半端なんだよな。ヒロインのとこだけビデオや写真を14ヶ月も残したりしてて。実験の対象が子どもと思わせといて、実は母本人だってあたりがミソ。愛が勝つ話になっちゃう。ポーンと昇天していくところを見ると、やはり「宗教もの」と見るのが本筋? 神のためしなんでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-28 09:28:48)

4.  プリティ・ウーマン 男が冷徹な企業買収家ってところがミソ。何も生産しない職業同士なわけ。相手に心を動かしてはいけない仕事をしている者同士が出会って…、という設定がいちおうカンドコロ。人は善くなっていくことが出来る・改善することが可能だ、というシンプルな肯定の精神が底にある。ポロの試合のときの屈辱のシーンなんかうまい。屈辱と同時に自己嫌悪でもあるわけで。支配人やエレベーターボーイなんかの「いい人」の配置ぶりもちゃんとしている。そうは言ってもあのエドワード君はどうも好きになれないけど。もっと違った改心のありようはなかったのか、と思うが思いつかない。設定の限界か。[映画館(字幕)] 6点(2014-01-22 09:44:46)

5.  フラットライナーズ(1990) 黄濁した世界で、『白い巨塔』っぽい話かと思ってたら、このころのアメリカ映画に多かった「死後の世界」ものであった。そして結局キリスト教的死生観に落ち着いちゃう。あちらの映画で無神論者ってのはまず暗いイメージでしか登場してこない。明るい無神論者ってのもいると思うんだけど。それもラストでは「神よ! あなたの領域に立ち入ってしまいました」って改心しちゃうんだもん。がっくり。一見壁に挑戦するようなポーズをとりながら、壁を補強してるんだよね、こういうのって。しかも死後の世界で過去の罪に出会ってしまうってんだから。科学の最先端にいる医者の卵が、ほんとにこんなナイーブな夢を見ると思いますか。しろーとの私には10分も血流が停まってたら脳に障害が残ると思うんだけど。ケヴィン・ベーコンがかつていじめた黒人女性に謝るとこは、もっとまじめにやれー、と心で叫びながらも、ちょっとジーンとしてしまったのが恥ずかしい。夢うつつの境で自転車の集団が走り抜けていくとこも、ちょっと良かったな。[映画館(字幕)] 6点(2014-01-19 09:44:56)

6.  ブロークバック・マウンテン 雲、自然光、羊。ああこれは映画の風景だと思う。聖地であり避難所である。この山に追い詰められる物語なんだから、ここの自然描写がカナメ。知ってしまうイニスの妻アルマ(ミシェル・ウィリアムズ)がいい。平凡な妻に訪れる惑乱。「釣り道具忘れてるわよ」。あそこらへん、強ばった笑顔にしてもいいのだが。ひっそりと隠さねばならぬ恋の味わいは、今こういう変化球でなければ出来ないらしい。マイノリティの生きる辛さのほうに焦点が当てられてはいた。余談になるが、現在ほとんどの異常性欲(同性愛からSMまで)は市民権を獲得したようだが、ロリコンだけは許されていない。少女に主体的な性的決定能力はないという判断だろうが、そりゃ相手が6歳だったら「合意の上での性交」じゃないだろうと思うけど、16歳なら人によって成長もそれぞれ、OKのケースもあるんじゃないか。…なんか異様に力がこもってしまった。[DVD(字幕)] 6点(2013-11-02 09:26:36)

7.  プロデューサーズ(2005) 「春の日のヒトラー」のイメージがまずあって出来た話じゃないかな。ショービジネスとナチって、大衆相手(大衆操作)というところで似通っている。風刺とか皮肉とか言う以前のこの「似通ったイメージ」をなんとかしたい、という作家としての欲望がまずあったのではないか。目的のある明るさ。冒頭の失敗した新作、「またちゃんとつまらなかった」と皆が笑いながら出てくるところがおかしい。『バンド・ワゴン』はファウストだったが、これはハムレット。ミュージカルナンバーとしては、ばあさんたちの歩行器も使っての群舞が印象的。どうってことはないんだが、牢の中でそれまでのあらましを歌い演ずるのが、おかしい。ブロードウェイミュージカルをシンシンに置き換える。[DVD(字幕)] 8点(2013-10-22 10:19:37)

8.  ファミリー(1983) 映画館内でズルズル鼻をすする音が満ち溢れた記録は、私が体験した中ではこれか『チャンプ』か。母さんが癌で死ぬってんで10人の子どもを養子に出していく実話。可哀想なのはパパで、いちおうアル中などの欠陥があることになってるけど、もう家庭にとって必須の要素でなくなってるんだね。昔のアメリカ映画だったらパパを軸にし、長女が母親役になって次第に成長していく話になっただろうが、パパがもう駄目な時代なの(なぜか政治ではレーガンによる強いアメリカを目指していたころ)。こうして子が親を選べる時代が来たら、ってなことを考えた。家族が宿命にならない世界。それを親の側が許せるだろうか。子の幸せを願う親のエゴだけは、なかなか否定できないんじゃないか。そんなことを考えました。ちょっと“テン・リトル・インディアンズ”を思ったのは不謹慎でしたな。てんかんへの偏見を訴えるために、知恵遅れへの偏見を持ち出さざるを得なかったのは欠点。[映画館(字幕)] 6点(2013-06-11 09:47:25)

9.  プラスティック・ナイトメア/仮面の情事 《ネタバレ》 これ「大方の予想をくつがえす意表をつく結末」って宣伝で、まあそういうので本当に意表をついてくれるのは少ないんだけど、これなんかどういう「大方の予想」を宣伝部は想像してたんだろう、ってことのほうに興味が行ったぐらい。顔の整形のとこ見せちゃうのは、フェアにやりたいって作者の良心の現われなのかな、あれは伏せといてもアンフェアじゃないと思うよ。ラストでばらせばいいんで、スリラーで迷宮感出せなかったら、いくらフェアでもしょうがない。演出も、不安におののく主人公の顔に、いくつかのイメージカットがダブってきたり、陳腐。廃船のセットのとこだけ雰囲気がよろしい。秘書がもしかして自分の浮気相手かと確認するあたり、ちょっとおかしい。[映画館(字幕)] 5点(2012-12-21 09:57:08)

10.  フレンチ・コネクション 警察ものの場合、たとえオールロケでも、犯罪現場や捜査会議室なんかは繰り返し映され、光景に馴染みのある・なしの濃淡が生まれてくるのが普通だ。本作にはそれがない。観客にとってすべてのシーンが「ゆきずりの場所」であり、そこをノンストップの電車のように突っ走っていく。警察ものの真の主役は都市そのもの、と割り切った映画。匿名の街角が連なっていく。張り込みと追跡の背景としての都市が流れていく。そのザラついた摩擦感が味わい。一番好きなのはフェルナンド・レイをポパイがホテルから地下鉄まで追跡するシークエンス。人混みの中に見え隠れする紳士の姿、そして車両に乗ったり降りたりの騙し合い、レイの人を食ったキャラクターが生かされていた(これを初めて観たころはまだブニュエル映画を知らなかったはずだが)。音楽がけっこういい。低弦のユニゾンがモゾモゾッとうごめいて、やがてジャズが乗ってくる。このモゾモゾッに、なんか文楽の太棹三味線的な、映像に対する合の手の味がある。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-04 09:44:24)(良:1票)

11.  フォー・ザ・ボーイズ 《ネタバレ》 アメリカ人にとってはジーンと来るものがあるのかも知れないけど、もう少し批判精神があってもいいんじゃないか。90年代の作品なら軍隊慰問ってもののイカガワシサを描くのかと思ってると、そういう映画じゃなかったのね。ベトナムで受けないところで、やっと対象化するのかと思ってると、ベット・ミドラーの「イン・マイ・ライフ」で一同しんみりしちゃう。爆撃で息子の死につなげて、彼らは裁かれない。J・カーンがカメラを気にする、なんてのもちょっと面白く膨らませられそうなモチーフなんだけど、ただ彼の性格のイロドリに終わっている。赤狩りの扱いも単純すぎて、やはりイロドリ程度。でもこういうのを褒め称えるってとこにアメリカ精神の一典型がハッキリあるとは確認できる。ミドラーは全編気持ちよく歌っており、懐メロで綴るアメリカ戦争史と思えば、大味も気にならぬ。[映画館(字幕)] 6点(2012-08-14 09:47:58)

12.  フィッシャー・キング この監督はもっとヒネクレたもので勝負すべきで、ピュアなものを肯定したい気持ちになってたのかな。R・ウィリアムズが出るとすぐそういうトーンになっちゃうんだ。でもそこはじっと我慢して『ブラジル』の線で行ってほしかった。中世志向もグロテスク趣味というよりロマンの味付けどまり。通勤の人たちのワルツのシーンのみ買う。これ脚本にはギリアムはタッチしてないのね。全体として監督が慣れない世界で窮屈に仕事している感じで、そこから世界が広がれば次のステップになるんだけど、なんかこの窮屈さから抜けられなくなってしまった印象。[映画館(字幕)] 5点(2012-07-17 09:59:25)

13.  ブリジット・ジョーンズの日記 あれは太っているのか。たしかにおしりのアップは迫力あったし、キチキチのものを着てるときは、縁でお肉が盛り上がっているけど、いかにも演出でそう見せてるって感じで、「太っている」に分類できるほどの立派な「太っている」ではないんではないか。せいぜい妥協して「太り気味」。あれが「太っている」では、ちゃんとした「デブ」に失礼であろう。小柄のせいもあるかも知れないけど、どうも最後まで納得いかなかった。ラブコメのヒロインとして許される範囲内での「太っている」だったのだな。可愛くなくちゃヒロインは張れないし、そこらへんのギリギリのせめぎ合いが映画のブリジット嬢を造形していった過程を考えると、それなりの創造の苦労が思いやられる。女性観客が自分を投影でき、しかしあまりにリアリズムではまずく、ある程度憧れの対象でもなければならない、という「連続しつつかつ非連続」という難しい造形。そこを体の部分的な太りで乗り越えたのであろう。そう思って再度肉付きにのみ注目して飛び飛びに観賞したら、やっぱり太ってるか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-01 09:22:33)(笑:1票)

14.  プリンス・オブ・シティ 正義の定義が不明確になった時代、逆に言えば明晰な不正と言うものがつかみづらい時代でもある。微温的な悪の時代と言うことか。たしかに主人公の警官は自分の今までしてきたことに対して疚しさを持っている。それがあまりいいことではなかったと思っている。そこで摘発する側に協力するわけだけど、ここで囮になってもっと汚いことをするわけだ。同じようなことをやっていても、所属によって悪になったり正義になったりする。観客も身を寄せる絶対的正義のないこの物語の中で不安定に浮かんだままだ。仲間の人懐こさを丹念に見せられると、主人公の裏切れない心もよく分かってくる。機構の隙間に迷い込んでしまったものの目に映る「正義」の曖昧な本性、そこらへんがテーマと見た。カフカ的ですらあるテーマを「雰囲気」に逃げず、あくまでも監督の手触りの感じられる世界に投影するのが、この人の実直さ。仲間うちの信頼が決して正義とは重ならないことを承知していながら、まだ確かな手触りが感じられるそのほうに寄っていく主人公。設定は納得できるが、やや演技過剰気味のヒステリーになってしまったか。ラストで若い警官に侮蔑を受けるシーンが印象的。[映画館(字幕)] 6点(2012-06-25 09:44:24)

15.  フロント・ページ(1974) 《ネタバレ》 これ起こっていることは深刻でほとんど社会派もの映画の題材だよね。刑の執行を強引に行なおうとする行政側と、逃亡した死刑囚。それに新聞記者が絡んで、日本だったら熊井啓がムッツリ描く世界。ブンヤ魂の描写にしても、首にタオル巻いてたりしてもっと汗臭く泥臭く描く。それらを一歩離れて笑いで描くところが、アメリカの大人の文化。こういう映画や戯曲が生まれる成熟には、日本はまったくかなわないと思う。広い意味での粋がある。主人公も自分のブンヤ魂にウンザリしていて、まっとうな暮らしをしようと判断した直後だった。でも事件が起こるとじっとしていられない。しかし目の前で娼婦が愛人のためにとった行動を見て、ああ愛のある世界がまっとうだ、とそっちの新婚旅行方向へ舵を切り直そうとする。しかしそれをさらにまた編集長が引き戻していくわけ。この「分かっちゃいるけどやめられない」ブンヤ稼業の業のようなものを、笑って見ている大人の目がある。この監督の新聞記者ものでは『地獄の英雄』も傑作だったが、ブンヤ映画で名作が生まれるアメリカは、大人の国ってことなんだ、いや、これはもう過去形で言わなければならないか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-02 09:55:58)(良:1票)

16.  フライド・グリーン・トマト 老婆の語りということで、何らかの物語的変形が加えられている可能性があるわけ。本当にあったこと・こうしてやりたかったこと・こうであるべきだったこと、が混ざりあっている妄想世界としての豊かさがある。マイブルーヘブンが流れ、完璧だった兄の死によって女の友情が代理として浮かんでくる。ただこのヒロインがあんまり魅力がないんだ。「野生児的問題児」なんだけど、生命力に欠ける。南部というとKKKが出てくるんだな。対する現代編、とりわけK・ベイツの家庭が薄っぺらで減点。ふたりのオスカー受賞作品にちょっとずつ触れるのがあちらの敬意の表わし方なんだろう。「ホラー映画のデブ女じゃないの」とか「町に車で出て行くとき…」とか。ホラ話で良かったのは「カモが飛来した日に寒くなりみな脚が凍りついてしまい、湖ごと飛び立った後に窪地が出来た」っての。[映画館(字幕)] 6点(2012-05-17 10:24:04)

17.  フランス軍中尉の女 《ネタバレ》 なるほどなるほどと思って観ていたんだが、あとであのヒロインの心理考えてみて、イマイチ分からない。けっきょく何だ、恥で身を固めることによって世間と対決していこうとしていたってことなのか? 一種の男性恐怖症か? というより、男に対する激しい侮蔑があったってことなのか? 聡明さゆえの不幸。清冽な孤独の中で生きようとしながら、しかし科学者に恋してしまったってことなのか? と焦点を定めづらいところへもってきて、話の二重構造がまたややこしくしている。現代編と並行しているだけなら、それなりに理屈として分かる気もするが、わざわざ「19世紀編を演じている役者」という設定にしたことは、「演じる」ということが重要な意味を持ってるってことで、それがヒロインの偽の「フランス軍中尉の女」を演じ続けようとしたことと関係づけているみたいなんだけど、どうもうまく対比できなく、現代編が19世紀編に関わっていってしまう形になるから、ピタリと決まってくれないんだ。やがてノーベル賞を獲るハロルド・ピンターの脚色なんだから、こっちの読み取り力が悪い、と思ったほうがいいのかも知れないけど。[映画館(字幕)] 6点(2012-05-14 10:53:09)

18.  フック スピルバーグは最初のうちは母子家庭専門だったが、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』でお父さんが出てきてオッと思わされ、本作で父親がとうとう主人公になった。中年のピーターパン。こう考えればいいのか、現実を舞台にした作品では父親が邪魔、ファンタジーでは母親が邪魔。監督作品の神話構造を考える上で興味深い。も一つ作品としてスカッとしないのは、パロディどまりだからかな。白髪のフックに、ブヨブヨのピーターパン。どっちかと言うとテリー・ギリアム向きだった。S監督は少人数の子どもを扱うのはうまいが、集団になるとダメね。セットも貧相だったが、演出も悪かった(ああいうセットの遊園地のアトラクションっぽさに、ある種の懐かしさを出したかったのかも知れないが)。仮想の食事のシーンあたりはいい。ティンカー・ベルとの合成は、当時としてはうまかった記憶。子ども時代は早く過ぎ去るから大事にしないといけないよ、という気分が底にある。[映画館(字幕)] 6点(2012-04-12 12:18:49)

19.  プリティ・リーグ 《ネタバレ》 姉妹で急ぎ足になる帰り道のとことか、スカウトが妹の肩の筋肉に触って「いけるかも」と思う変化とか、走りながら列車にカバンをホイホイ投げ入れていくとことか、至って職人的な腕を持った監督で、もう「女性監督」という肩書きで売りにする時代じゃないな、と思わせた映画。当時のニュースで彼女らを紹介していったシーン、マーラのとこでロングになるのが傑作。クソガキを登場させるつなぎ方とかね。テーマは「戦争と女性の社会進出」のお話で、男がいない時代のつなぎとしての・二流の・副次的な・キワモノとしての女性野球。ミニスカートをはかされ、屈辱的とまではいかないまでも、オアソビ的な設定。これに対してヒロインたちはマッスグに反発するんじゃなく、「よーし、それならその中でやってやろうじゃないか」となる女性ならではのしたたかさが見どころ。適度に男の顔も立てながら(ライフの写真)、自分たちのほうへ引きずり込んでいってしまう。酔いどれ監督も次第に生き生きしてくる、というわけ。ワンシーンだけど、実力はあってもどうにもならない黒人女性への目配りも欠かさないところに膨らみがある。後半旦那の帰還あたりから、ちょっと甘くなったか。今の日本なら女子サッカーを念頭に置いて観ることが出来そうだ。[映画館(字幕)] 7点(2012-01-25 10:09:46)

20.  不意打ち 《ネタバレ》 タイトルのところはかっこいい。が、そこまで。家庭用エレベーターの中に宙吊りで閉じ込められた老婦人の恐怖、って設定があんまり生きてこないんだ。なんせ中盤でエレベーターのドアがお婆さん自身によって開けられ、密閉感が減じる。一応飛び降りられない高所ってことになってて、彼女の視線からだとずいぶん高いんだけど、据えたカメラ目線で見るとそれほどでもなく(腰を傷めてることになってるが)、スリラー演出上、中盤で開けちゃった意図が分からない。入り込んできたチンピラが力ずくで初めて開けたほうが効果あるのに(閉じ込められた場所が防御の場所になってたのに、という展開の妙)、あんまりそういう計算はなく、ただ若者の無軌道ぶりだけが前面に出てて単調だった。彼女自身が息子にとっての檻だった、という皮肉も、だから生きてこない。先に忍び込んでた浮浪者らもチンピラによって家に閉じ込められるが、その閉塞感も薄い。いくらでも逃げられそうなのに、ただグズグズしてるだけに見えちゃう。「閉じ込め」がこのスリラーのモチーフなのに、それをちゃんとやってくれないので、空気が抜けっぱなしでぜんぜん圧力が高まらない。この作品の価値は、『風と共に去りぬ』のオリヴィア・デ・ハヴィランドと『ゴッドファーザー』のジェームズ・カーンが共演してる映画があるの知ってる? と人に言えること。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-23 10:46:13)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS