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プロフィール
コメント数 1893
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ぼくとアールと彼女のさよなら 《ネタバレ》 クラスの片隅で決して目立たず、ただひたすらその日を平穏にやり過ごすことを目的に日々を送る冴えない男子高校生、グレッグ。唯一の友達アールとともに名作映画のパロディを創ることを趣味にしていた彼は、ある日、母親から衝撃的な話を聞かされる。幼馴染で学校の同級生でもある女の子、レイチェルがなんと白血病と診断されたというのだ。しかもかなり深刻な状態らしい。「そんなこと急に言われても知らないし、だいいち彼女とは友達じゃない!」――。そう反論するグレッグだったが、母親に強引に押し切られて彼女の家へとお見舞いに行くことに。「別に来てほしいなんて頼んでないし、同情なんてされたくない」――。彼の訪問を受けたレイチェルは、さも鬱陶しそうにそう言うのだった。そうして始まった二人の交流。義務と惰性だけの上辺だけの付き合い。でも、二人の間には次第に友情のようなものが芽生え始め、周りからは付き合ってると誤解されるように。グレッグは周りに流されるまま、アールとともになんとなく彼女のための映画を創り始めるのだが…。冴えないオタク青年が、白血病を患う幼馴染の少女との交流を通じて次第に成長してゆくさまをポップに描いた青春ドラマ。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、これがかなりの掘り出し物でした!末期の白血病を患う彼女と過ごす儚い青春の日々と言う、〝世界の中心でなんか叫ぶ〟的な感じのいわゆるベタな難病ものと言ってもいいのでしょうけど、見せ方がとにかく巧い!!映画オタクのこの主人公が絶えず、自らの行動に映画オタク的な自己ツッコミを入れるので、そこら辺の青臭い難病ものにならずに済んでるんです。「ここで普通の恋愛ものなら僕たちは良い感じになるんだろうけど、僕は主人公じゃないのでそうはならない」って何度も観客に言い訳するとこなんてナイスなヘタレ具合(笑)。主人公とアールが創り続けてる名作映画のパロディや何度も差し挟まれるクレイアニメもポップで馬鹿々々しくてセンス抜群!対するレイチェルも等身大の魅力が炸裂してて大変キュート。仕草や趣味の一つ一つがとにかく可愛くて、こりゃ誰でも恋に落ちますわ~。でも、そんな彼女も抗癌剤の影響で髪の毛が抜け、後半はどんどんと弱ってゆきます。「先に言っとくけど、彼女は死なずに回復するから」と観客を安心させといて、最後はまさかの展開。いやー、これにはやられちゃいました(だいぶズルいけどね笑)。久々に映画を観て泣いちゃいましたわ。観終わった今も、レイチェルの健気な笑顔が頭から離れそうにありません。壁紙に描かれたリスの落書きなんてもう思い出しただけで…。ユーモア溢れる展開で観客を楽しませておいて、締めるとこではきっちりおとす、なかなか完成度の高い青春ドラマの秀作でありました。お薦めです。[DVD(字幕)] 9点(2020-07-20 01:31:35)

2.  ボーンズ アンド オール 《ネタバレ》 彼女の名は、マレン。まだ18歳になったばかりの何処にでもいるような普通の女の子だ。物心ついたころには母親はおらず、厳格で厳しい父親と2人暮らし、高校でもとくに目立つ存在でもない。そんなマレンだったが、彼女には人とは違う特徴が一つだけ。それは、定期的に人を襲い食べてしまいたいという衝動を抑えられないことだった――。そう、彼女は社会の闇の中に少数ながら存在する〝人喰い〟だったのだ。これまで厳格な父の元でひっそりと暮らしてきたマレンだったが、ある日、また例の衝動を抑えきれなくなってしまう。お泊り会でクラスメイトの指を思わず食べてしまったのだ。当然父とともにすぐさま逃亡。だが、逃亡先の隠れ家で目覚めると唯一の頼れる存在であった父親が、「もうお前の面倒を見るのに疲れてしまった」とのメッセージを残していなくなってしまう。突然のことに途方に暮れるマレンは、母親はデトロイドに居るとの父の言葉だけを頼りにたった一人、旅に出る。途中、同じく〝人喰い〟である青年リーと知り合った彼女は、彼の車で遠く離れたデトロイドへと向かうことに。優しく面倒見のいいリーと旅を続けてゆくうちに、マレンはいつしか彼にほのかな恋心を抱いてゆく……。かつて、同性カップルの刹那的な青春を瑞々しく描いた佳品『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督とティモシー・シャラメが再びタッグを組んで挑んだのは、そんな人喰い同士の孤独な旅路をリリカルに描いたロード・ムービーでした。一言でいうと物凄く気持ちの悪い映画でしたね、これ。それはグロさとか不快という直截的なものではなく、なんとも言えない良い意味での気持ち悪さ。この作品、物語としては物凄くオーソドックスな青春ロードムービーのように描かれているんです。父に捨てられた女の子が会ったこともない母親を捜して旅に出て、道中で出会った青年と恋に落ち、色んな経験や葛藤を重ねながら成長してゆく……。でも、そんな2人が旅の途中で繰り返すのは殺人と人肉食。しかもそれを2人の恋が深まってゆく絆のように描いている。正直、なんじゃこりゃですよ(笑)。なのに四つん這いになって犬のように人肉を喰らった2人が食後、血だらけで抱き合うシーンとかだんだん愛おしくなってくるから不思議。ここらへん、この監督のセンスがなせる技なんでしょう。そんな2人の間に入ってくる人喰いじいさんの存在も、長年の孤独な生活から心を病んでしまったということが分かりなんとも言えない魅力を放っておりました。そして、ようやく出会えた母親とか、もう夢に出そうなぐらい強烈!最後、どうしようもなくなってしまったマレンがとった文字通り骨まで喰らう愛。これは究極の純愛だと、僕は思う(笑)。とにかく唯一無二のいい意味で気持ちの悪い映画でございました。[DVD(字幕)] 8点(2024-02-07 10:36:37)

3.  炎の裁き 《ネタバレ》 1991年、12月23日。テキサス州、コルシカナにおいて一軒家を焼く火事が発生する。子供部屋で出火した炎は瞬く間に家全体へと拡がり、手の施しようのないまま全焼してしまう。当時家に居たのは失業中の父親トッドと、産まれたばかりの赤ん坊を含む3人の幼い子供たち。母親のステイシーは夜勤に出ていてまだ帰宅していなかった。消防車が来るまで懸命に子供を助けようとしたトッドだったが、炎の廻りは予想以上に早く、不幸にも3人の子供たちは帰らぬ人になってしまうのだった――。当初は被害者として扱われていたトッドだったが、その後事件は予想外の展開を見せる。なんとトッドが、自らの子供3人を焼き殺した放火犯として逮捕されたのだ。そうして始まった裁判では、トッドの過去の犯罪歴や妻に暴力を振るう粗暴な言動、そして彼と揉め事を抱えていた隣人たちの証言によって追い詰められ、最終的に彼は死刑判決を受けてしまうのだった……。果たしてあの日、いったい何があったのか?彼は本当に娘を殺したのか?そして彼はこのまま死刑となってしまうのか?実話を元に、そんな痛ましい火事の真相を巡って翻弄される人々の葛藤を描いた法廷劇。という、冤罪の疑いのある死刑囚の再審請求を巡るお話なのですが、普通ならここで彼の事件の再調査を担うことになるのは理想に燃える若手弁護士と相場は決まっているもの。だけど今回、この事件の再調査を行うのは何処にでもいるような平凡なおばちゃんというのが本作のミソ。もちろん頑張って裁判記録や当時の証言者に当たってみるのだけど、死刑反対派ってだけの何の権限もない単なるおばちゃんなので、そりゃもちろん調査は難航するわけですよ。しかも彼女だって自分の子供たちまで巻き込んでるわけですから、そりゃ世間の白い眼を浴びて当然。それでも地道な調査の結果、彼の冤罪の可能性が濃厚となり、決定的な証拠も掴めそうになるクライマックスは非常にサスペンスフルで見応え充分でした。死刑執行が明日に迫る中、ぎりぎりのタイミングまで尽力する主人公。きっと最後には執行延期の連絡が届くはず……。でも、ここで大きくネタばれすると、物語は非常に重い結末を迎えてしまいます。果たして何が正しかったのか?自分は死刑存置論者ですが、それでもこの結末は深く考えさせられました。監督は、社会性の強いエンタメを得意とするエドワード・ズウィック。彼の演出力は相変わらず高く、特に死刑囚独房で幻想の娘と一人会話を交わすトッドには胸打たれるものがあります。当初はこのトッドに冷たく当たっていた看守が次第に彼に同情を寄せていく描写も巧い。ただ最後、テキサスの共和党知事の実際の映像を流すシーンは非常に政治的主張が強いので、恐らく賛否が分かれるところ。自分はちょっとやり過ぎに感じてしまいました。とは言え、いろいろと考えさせられる密度の濃いヒューマン・ドラマの逸品と言っていいでしょう。[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-22 07:33:31)

4.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 メキシコ国境地帯で凶悪な麻薬組織と日夜命がけの攻防を続けているFBIやCIAの姿を描いた社会派アクション。監督は重厚でリアルなサスペンス描写に定評のあるドゥニ・ヴィルヌーヴ、男勝りの主人公を演じたのはエミリー・ブラント、そして一癖も二癖もありそうなベテラン捜査員を演じたのはベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンという二大個性派俳優。とにかく全編に漲るこのただ事じゃない緊張感には素直に圧倒されました。冒頭の敵のアジト襲撃シーンに始まり、アメリカ・メキシコ国境で突発的に起きるリアルな暴力描写、捕まえた組織の人間を容赦なく拷問にかけるような先輩捜査官に必死に抵抗する主人公の葛藤、どれも満足のいく見事な出来栄えだったと思います。特に野獣のような狂気性を内に秘めたベニチオ・デル・トロの他を圧倒する存在感は凄かったです。ただちょっと残念だったのは、クライマックス。このデル・トロ演じる〝暗殺者〟が組織のボスを殺すためにアジトに忍び込むのですが、その過程がけっこう簡単に行きすぎるのがいまいちリアルさに欠けるかなと。ボスのアジトなんだから、さすがにもっと厳重な警備がされていると思うのですが。とはいえ、なかなか見応えのある作品でございました。7点![DVD(字幕)] 7点(2017-07-05 21:52:53)

5.  ホビット/決戦のゆくえ 《ネタバレ》 ロードオブサリングの感動再び!と勢い込んで観たものの、原作のボリュームを考えるとこちらも同じような枠組みで3部作にするのは無理があったんじゃ…、と思わせ続けた本シリーズもとうとう完結。という訳でけっこうハードルを下げて観始めたせいか、僕的にはけっこう面白く観ることが出来たっす。まあ、いろいろと突っ込みどころは多々あれ(あれだけ引っ張ってきたドラゴンが冒頭10分であっさり死んじゃうトコとかけっこう失笑しちゃいました~☆)ど、戦闘シーンの迫力なんかは抜群の安定感で素直にハラハラドキドキ。当初の予定通りシンプルに2部作として製作していたらきっと完成度の高いシリーズになっていただろうに、そこらへんはやっぱ色々と大人の事情があったんでしょうね~。クライマックスが終わった後の大団円の超あっさり終わってしまうトコとかなかなか投げ遣りな感じがして、P・ジャクソンの「俺は普通に2部作で撮りたかったんだよ!」という嘆きがそこに滲み出ているような気がしたのは僕だけかしら?フロドもゴラムも出てこないし…。と、前シリーズに比べるとやっぱり見劣りしちゃうけど、普通に独立したファンタジーとして観ればけっこう面白かったかな~。ジャクソン監督はこれで肩の荷が下りただろうし、次はどんな凄い作品を撮ってくれるのか期待を込めて7点![DVD(字幕)] 7点(2015-08-03 21:30:21)(良:1票)

6.  僕たちのラストステージ 《ネタバレ》 1930年代、その飄々としたキャラクターとナンセンスなギャグの数々で人気を博したお笑いコンビ、ローレル&ハーディ。何本もの映画に出演し、舞台は軒並み大盛況、チャップリンやキートンと並び称された彼らも時代の流れには逆らえず、1950年代にはすっかり落ち目になっていた……。これは、そんな彼らの「ラスト・ステージ」を哀愁たっぷりに描いたヒューマン・ドラマ。実在した彼らを演じるのは、実力派のスティーブ・クーガンとジョン・C・ライリー。この二人の芸達者ぶりはさすがで、良い時も悪い時も含めてずっと一緒に頑張ってきたであろうこのコンビを伸び伸びと演じていて非常に好印象。ホテルの受付であろうが駅の雑踏であろうが常に人を笑かそうとするところなんて、もはやお笑い芸人の性なんでしょうね。この二人の相性がばっちり嵌まっていて、最後まで好ましく観ることが出来ました。ただ、お話の方は余りにもオーソドックス過ぎて、若干物足りなく感じたのも事実。実話を基にしたとは言え、もう少しドラマティックな見せ方をしても良かったのでは。最後まで安心して観ていられるけど、特に心に残るものはないという、なんだか良くも悪くも吉本新喜劇のような作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-07 23:10:42)

7.  ホワイト・ボーイ・リック 《ネタバレ》 1984年、長びく不況によりすっかり寂れてしまったアメリカの工業都市、デトロイト。人々の生活は荒み、街の隅々にまで暴力や麻薬が蔓延していた。銃の転売でなんとか生計を立てる15歳の白人少年リックもまた、先の見えない自分の人生に嫌気が差していた。根拠のない大口ばかり叩く父親はろくに働かず、麻薬中毒の姉は売人の彼氏の元へと家出、向かいに住む祖父母は人目もはばからず悪態ばかりつき、そして自分自身もまた学校にも行かず地元のチンピラたちとつるむどうしようもない日々。そんなある日、リックは突然現れたFBIの麻薬捜査官からとある提案を受ける。「今勢力を拡大しつつある黒人ギャング集団の囮捜査に協力してほしい」――。多額の報酬に惹かれ、依頼を引き受けるリック。密売人となった彼は、黒人たちから〝ホワイト・ボーイ・リック〟と呼ばれ徐々に信頼を得ていくのだった。捜査終結とともに彼の役目は終わるはずだった。だが、なんとしても貧困から抜け出したかったリックは、そのまま裏社会へどっぷりと沈み込んでゆく…。17歳にして全米屈指の麻薬王となった少年の栄光と転落の日々を実話を基にして描いたクライム・ドラマ。主役の少年を演じるのは本作がデビュー作となるまだ無名の新人なのですが、彼がほんと何処にでも居るような平凡な若者顔なので物凄くリアルで説得力抜群でした。そう、この時代のこの街にさえ生まれていなければ、彼もまた友達や彼女と平凡な青春を謳歌していただろう普通の若者に過ぎなかったはず。人生の落とし穴は何処にでも転がっているという事実に、改めて恐ろしさを感じました。この後、彼は8キロのヘロイン所持で捕まり、なんと仮釈放なしの終身刑を言い渡されてしまうのですから。情状酌量により仮釈放が認められたのは収監から30年後。人生の大半を刑務所の中で暮らすなんて、考えただけでも恐ろしい。転落のきっかけとなったのが、FBIの囮捜査だというのもなんとも皮肉です。彼の自業自得だと簡単に切り捨てることはさすがに出来ず、なんだかいろいろと考えさせられてしまいました。ちんけなダメ男をナチュラルに演じた、彼の父親役のマシュー・マコノヒーの深い愛情が唯一の救いです。ただ、事実を追うことにこだわり過ぎたのか、ドラマとして幾分か冗長に感じてしまったのが本作の惜しいところ。もう少しドラマティックに演出しても良かったのでは。とはいえ人生のリスクというものを改めて考えさせられる興味深い内容の作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2020-03-22 22:51:56)

8.  ホテル・エルロワイヤル 《ネタバレ》 カリフォルニアとネバタの州境に建つ一軒の寂れた安ホテル、その名もエルロワイヤル。ある夜、このホテルで偶然一夜を過ごすことになった、5人の客たちと1人の従業員。饒舌な家電セールスマン、初老の神父、落ちぶれた黒人女性歌手、気の強そうな訳あり女性、彼女に拉致監禁されている謎の女、そして何らかの秘密を抱えていそうな気弱なホテルのフロントマン――。一見、何の関係もなさそうなそんな彼らだったが、それぞれの目的のためにこのホテルへとやって来たのだった。突如として降り始めた大雨の中、彼らは各々の目的のために行動し始める。すると、このホテルに隠された本当の秘密が明らかとなり、やがて第一の犠牲者が…。何の変哲もない一軒の安ホテルに集ったそんな宿泊客たちが次々と巻き起こす騒動をスラップスティックに描いたクライム群像劇。という明らかに初期のタランティーノを意識して制作されただろうそんな本作なのですが、冒頭から舞台となるこのホテルのいかがわしさが炸裂してて摑みはばっちりでした。それぞれの部屋番号を割り振られた宿泊客のお話が順番に展開されるのもいかにもタランティーノ的で、時系列をいじくったお話の持っていき方も手際がよく、これは面白くなりそうという雰囲気をびしばし感じました。特にホテルのフロントの隠し扉を抜けると秘密の通路があり、それぞれの客室のマジックミラーとなった鏡の裏側へと繋がってるというのはいいですね~。うーん、なんという夢のようなホテルなんでしょ(笑)。そこから覗かれる、それぞれの客たちもみな胡散臭くて全員キャラが立っているのも大変グッド。と、途中までは面白く観ていられたんですけど、中盤辺りから急速に失速しちゃうのが本作の残念なところ。本家のタランティーノに比べてお話の密度が薄すぎるんですよね、これ。なのに、明らかに長い!この密度で140分は明らかに長すぎます。途中から出てくるクリス・ヘムズワース演じるイカれたカルト教団のボスも、なんだか取って付けたようで違和感しか感じませんでした。もう少しいらんエピソードを削って全体的にコンパクトにまとめてくれたらもっと面白くなったかもしれないのに、残念![DVD(字幕)] 6点(2019-07-11 19:50:14)

9.  ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ 《ネタバレ》 メキシコ国境で日々ぎりぎりの闘いを強いられている麻薬取締官の姿を重厚に描いたシリーズ第二弾。確かに見応えはあったんですが、前作ほどではないかなぁって印象。前作ではエミリー・ブラント演じる新人捜査官の目を通して狂気の世界を描いていたので、何も知らない観客の善悪の境界線を揺さぶる脚本が非常に秀逸だった。対して本作、もはや狂気しかなく、ちょっとひいちゃいます。もう少し観客が感情移入出来るキャラが欲しかったですね。でも、このひりひりするような濃密な世界観はやはり見応えありです。ベニチオ・デル・トロの存在感もやぱ凄いです。[DVD(字幕)] 6点(2019-06-07 13:53:26)

10.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 昨年一番の話題作を今回満を持して鑑賞。クイーンは確かファースト・アルバムと世界に捧ぐ?(あのウィウィルロックユーとウィーアーザチャンピオンの入ったやつ!)の二枚を十代のころに買ったくらいのファン。それ以外の曲はあんまり知らないながらも、それでもやぱ有名な曲がかかるとテンション上がりますよね~。ただ、映画としては僕はそこまで嵌まらなかったですかね。もともとこの監督とは昔からいまいち相性が良くないみたいで、有名なやつもいくつか観ましたが僕はそこまでって感じだったので今回もそんな感じでした。映画館で観たらまた違ったかもですけど。次は僕の大好きなプリンスの生涯を誰か映画にしてくれないかな~~。[DVD(字幕)] 6点(2019-06-01 21:29:58)

11.  僕のワンダフル・ライフ 《ネタバレ》 最愛の飼い主に再び巡り会うため、何度も何度も生まれ変わりを繰り返す犬のお話。監督は名匠ラッセ・ハルストレム。いかにも彼らしいきれいな映像や魅力的な人物造形、心温まるストーリー展開は安心感抜群で、初期の名作『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』を思い出しながら鑑賞いたしました。と、まぁ良かったんですけど、さすがに後半の展開はちょっと無理あり過ぎでご都合主義感が半端ないっす。[DVD(字幕)] 6点(2019-01-10 19:26:07)

12.  ポゼッション(2012) 《ネタバレ》 妻と離婚し、愛する二人の娘と離れ離れに暮らすことになってしまった大学のバスケットコーチ、クライド。それでもそんな娘たちと共に過ごせる毎週末を楽しみに、それなりに充実した日々を送っていた。次女、エミリーがフリマで謎の箱を手に入れてしまうまでは――。夜な夜なその怪しげな箱へと語りかけるエミリー、心配するクライドをよそに、次第に彼女の周りでは不穏な出来事が起こり始める。突然寝室の中に乱れ飛ぶ蛾の大群、冷蔵庫の食べ物を漁る謎の生き物、そしてエミリーの喉の奥にはいつの間にか〝それ〟が潜んでいた…。という、極めてオーソドックスでベタベタなエクソシスト作品。うーん、もうちょっと新しい切り口が欲しかったですね。確かに、奇をてらうことなく正統派なホラー映画を創ろうと頑張ってるのは分かるのだけど、あまりにもこちらの予想通りの展開が続くため、現代の映画としてみれば少々古臭いという印象が否めない作品でありました。最後のオチも、後味の良さを優先したのか、次に誰がその箱を拾い悪魔へと取り憑かれてしまうのかも分からずじまいで、ちょっと物足りなかったです。ただ、悪魔に取り憑かれる次女エミリーを演じた女の子がびっくりするくらい美少女で、そんな彼女が身体をはって、蛾を呑み込んだり白目むいたり絶叫したり、果てはパンチラまで見せてくれると言う、体当たりな演技で頑張っていたので、彼女の努力に免じて+1点っす(え、誰がロリコンだって?笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-03 21:55:18)

13.  ホワイトハウス・ダウン 《ネタバレ》 大統領警護官の採用面接を受けるため、政治マニアの年頃の娘と共に、世界の政治の中枢であるホワイトハウスへと訪れたSP、ジョン。しかし、偶然にもそこには世界壊滅を目論むテロリストの凶悪な計画が進行中だった。権威の象徴であるホワイトハウスがあっという間に爆破され、瞬く間に占領されてゆくアメリカ中枢。絶体絶命の危機へと陥った大統領と、そして愛する娘を救うためジョンはたった一人で立ち上がるのだった!いやー、さすがエメリッヒ、相変わらずバカでしたね~。数日経てば(数時間?笑)すっかり忘れてしまいそうな、超オーソドックスでベタなストーリー展開は頭空っぽにしてぼちぼち楽しめました。超自己チューな理由で世界を破滅させようとするテロリストが簡単にホワイトハウスへと侵入し、中東から全米兵を撤退させま~すというあり得ない政策を打ち出した大統領がバズーカーをぶっ放し、「大統領が死んだので次の大統領は君ね。あ、また死んじゃった。じゃあ、次は君で」という超適当な政治家の皆さん、そして核戦争を阻止するために現場へと急襲したにもかかわらず「ホワイトハウスの前で可愛い女の子が懸命に旗を振ってる。お、俺には空爆なんて出来ん!すまん、世界の何百万もの罪なき人々!」と簡単に引き返しちゃう爆撃機のパイロット…。さすがに大味(おバカ?笑)すぎて、「う~ん、これはちょっと…」という部分もあったけど、いかにもエメリッヒらしいエンタメ作品としてそこそこ良かったんじゃないでしょーか。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-26 06:44:27)

14.  ホビット/思いがけない冒険 《ネタバレ》 ロードオブザリングの興奮再び!と期待しながら鑑賞したのだけど、さすがに原作のボリュームを考えればこれも同じように三部作にするには無理があったのでは。確かに映像的にも素晴らしいし、ストーリーもRPG世代にはワクワクするものだけど、いかんせん前三部作に比べたら、登場人物の多彩さ、物語のスケールの大きさ、悪役たちのゾクゾクするような恐ろしさなど、どうしてもやっぱりこちらは小粒感が否めないかなー。番外編ということで一作に纏めたほうがすっきりとして良かったんじゃ…、との思いが否めないけど、それでもエンタメ映画としては相変わらずの安定感。三時間近くあるのに、普通に面白いしね(特にゴブリンの洞窟のあのごちゃごちゃ感が良かった!)。次作に期待を込めてということで6点![DVD(字幕)] 6点(2013-08-12 15:34:00)

15.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 恐らく確信犯的に狙って、恐ろしく自己中心的で傲慢なドキュメンタリーを作ろうという監督の嫌らしい熱意が、たぶん監督の意図しなかったであろう乾いたユーモアさえ感じさせるとっても新しいドキュメンタリー作品として結実してしまった快作。もう監督の考えに合わない人間は徹底的に悪として描く手法ははっきり言って卑怯だけど、なんだかここまで突き詰められると爽快感すら感じる。手法は違うけど、小林よしのりの『ゴーマニズム宣言』の映画版といったところか。ぼろくそに描かれたチャールトン・ヘストンや議員たちにはお気の毒だけど(笑)。その後の、マイケル・ムーア作品がどんどんと政治色が濃くなって全く笑えない詰まらない作品ばかりになってしまったことを思うと、これは奇跡の一品だったんだろうね。[DVD(字幕)] 6点(2013-04-30 17:37:14)

16.  ポセイドン(2006) 《ネタバレ》 良くも悪くも普通のパニックアクション映画。多少、クサいかなという演出も多々散見されるけど、それでも普通に楽しめる作品に仕上がっている。ただ、過去の名作をリメイク&秀作をいくつも作り続けてきた名監督の作品としては物足りなさが残るのも事実。[DVD(字幕)] 6点(2012-05-20 20:22:56)

17.  炎のデス・ポリス 《ネタバレ》 砂漠のど真ん中に建つ孤立した警察署を舞台に、金融詐欺師の男と彼の命を狙う殺し屋、同じく彼を狙う頭のイカれた刺客、汚職に手を染める悪徳警察官、そして正義感の強い新人女性警察官、彼らの血みどろのバトルをノンストップで描くクライム・アクション。アクの強い演出や警察署という閉鎖的な舞台、軽快でノリのいい音楽に殺伐としたシニカルな雰囲気と、初期の頃のタランティーノ&ロドリゲスコンビの作品にかなり影響を受けてるのが丸わかりの本作。でも自分はこーゆー感じは嫌いじゃないんで今回鑑賞してみました。まぁやりたいことは分かるんですけど、本家に比べて圧倒的に実力不足感が否めない内容でしたね、これ。とにかくストーリーが分かりづらい!無駄に多い登場人物と説明不足な脚本のせいで、いまいちストーリーが頭に入ってこないんです。こんなおバカな内容ならもっと単純なお話にして素直に楽しませてほしかった。そんな多すぎる登場人物たちもそれぞれ頑張ってキャラ立ちさせようとしているんですけど、いまいち成功していない。特に物語の鍵となるイカれたサイコパス殺し屋とか、演技も演出も若干すべってて見ていて痛々しい。いかにもタランティーノと言った、全編にわたる無駄話の応酬もセンスがないせいで普通に無駄話のままで終わってて終始退屈。最後の投げっぱなし感が半端ないオチなんで目も当てられない。こーゆーのを観るとやはりタランティーノは偉大だったんだなと再確認させられますね。このシニカルで乾いた世界観はそこそこ好みだっただけに残念!![DVD(字幕)] 5点(2024-03-07 10:01:03)

18.  ほの蒼き瞳 《ネタバレ》 19世紀アメリカを舞台に、士官学校で起こった猟奇的な殺人事件の謎に挑む若き日のエドガー・アラン・ポーを描いたミステリー。この監督の作品は何作か観て、世界観の作り込みや画の撮り方などは凄く拘りが感じられて大変良いとは思うんですけれど、毎回ストーリーがなんとも残念な印象。本作はそれが顕著に表れてる感じでした。大まかなストーリーは分かるものの細かい部分に「?」が多すぎていまいち入り込めなかったです。最後のオチも「なんじゃそりゃ」って感じで全く腑に落ちない。全体を覆う、おどろおどろしい雰囲気は嫌いじゃないだけに残念!![インターネット(字幕)] 5点(2023-01-23 05:45:07)

19.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 2008年11月26日、インドのムンバイで暮らす人々はその日も昨日と同じような平穏な一日になると信じていた。だが、彼らの日常は呆気なく崩れ去ることに。武装したイスラム過激派の若者たちが突然、人々にその銃口を向け始めたのだ。なるだけ人が集まるところを標的に次々と引き金を引く若者たち。家族や恋人とともに平穏に過ごしていた人々の日常は、瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのだった。それは多くの外国人観光客が集い幾多の地元住人が働くタージマハル・ホテルも例外ではなかった。その日が初出勤日だったシーク教徒の若者、長年ここで働いてきたベテラン料理長、幼い子供を抱えたアメリカ人夫婦、女好きのロシアの大富豪…。周りの人々が次々と犠牲になる中、彼らは如何にしてこの災厄に立ち向かっていったのか――。本作は、実際にあった凄惨なテロ事件を背景に、その日たまたまそのホテルに居合わせた人々を描いた群像劇だ。冒頭から忠実に再現されたであろうテロ事件の、その目を見張るような臨場感には圧倒されるものがあった。逃げ惑う人々に躊躇なく銃口を向ける犯人の若者たちには戦慄させられる。人は、どうしたらここまでの憎しみを心に宿すことが出来るのだろうか――。ただそうした事実の重みとは別に、僕はそこまでこの作品を評価することは出来なかった。何故なら人間性への洞察が一面的で非常に浅いのだ。犯人は一様に冷酷無比で人の命などなんとも思っておらず、対照的に被害者となる人々はみんな善人でいい人という描かれ方が最後まで徹底しているのだ。人質になる人々の中には自分が助かるためなら他人を犠牲にすることも厭わない人だっていたはずなのに、そんな人は一人も出てこない。あの女好きのロシア人さえ、最後は見ず知らずの女性のため危険を顧みずに行動する。だからといって皆で団結して犯人に毅然と立ち向かうのかといえば特にそんなこともなく、ただ泣き叫んで逃げ惑うばかり。それは犯人側も同じで、今日が人生最後の日として神のためにより多くの人を殺そうというのに誰にもその悲愴感や圧倒的な狂気性が感じられない。ピザを食べて和気藹々と冗談を言い合ったかと思えば、次の瞬間には容赦なく人を殺しているという一貫性の無さ。最後まで観て、この作品のテーマとは果たして何なのだろうと思わず考え込んでしまった。実際にあった事件を忠実に再現すれば、テーマ性など観客が勝手に考えてくれると思っているのであれば、あまりにも浅はかというほかない。『ホテル・ルワンダ』や『ユナイテッド93』などといった、圧倒的な現実に押し潰されそうになりながらそれでも立ち向かってゆく人々を描いた秀作群と比べるとどうしても物足りなさを感じざるを得ない。[DVD(字幕)] 5点(2020-09-09 22:40:23)(良:1票)

20.  ボーダーライン ソマリア・ウォー 《ネタバレ》 カナダの小さな町で高級ナプキンの営業マンをしている冴えない青年、J・バハダ。本当は作家志望の彼は、書き上げた原稿を出版社に送り続けるも没続きの鬱屈した日々を過ごしていた。そんなある日、彼は伝説的ジャーナリストのシーモア・トルビンという男に出会う。「本当のジャーナリズムを知りたければ、紛争が起こっている現地へと行くことだ」というトルビンの言葉に感銘を受けたバハダは、考えた末にとある決断を下すのだった――。「長びく内戦から無政府状態へと陥り、凶悪な海賊が普通に跋扈する最貧国ソマリアへと向かい、現地で得た情報を糧に本を執筆しよう」。ダメ元で依頼したソマリアのラジオ局から奇跡的に招待を受けたバハダは、最低限の資金だけを手に何もかもを捨ててソマリアへと旅立つのだった。だが、そこは人の命など羽毛のように軽い危険な地。銃を持った海賊や民間兵がそこら中にうろうろし、強い麻薬が当然のように売られている世界だった。果たして彼は無事に本を書き上げ、生きてこの地から帰ることが出来るのか?危険な紛争地へと無謀にも渡ったそんな一人の青年の極限の体験を実話を基にして描いたサバイバル・ドラマ。ちなみにベニチオ・デル・トロが出ている某シリーズとは何の関係もございません。内容の方もいったいコレの何処がボーダーラインなのか、最後まで観てもさっぱり分かりませんでした。ここらへん、こんな安易な邦題を付けた日本の配給会社に猛烈な抗議を送りたいところ。ただ、そういうのを抜きにしても、なんだか演出が全体的に中途半端な作品でありましたね、これ。ブラックな笑いを狙ったシニカルなシーンがあったかと思うと急にリアルな紛争地のシーンに戻ったり、自分はジャーナリストだという嘘がばれそうになる主人公の緊迫感溢れる描写があったかと思うと唐突にスラップスティックなアニメになったり…。作品としてのトーンに統一感が皆無で、最後までなんとも落ち着かない。観客を引き込む物語のフックが弱いのも本作の弱点。ただ、監督自らの体験を基にした自伝的作品だけあって現地の臨場感溢れる描写はなかなかリアルでした。主人公をサポートする通訳役を、『キャプテン・フィリップス』でも海賊役を演じてアカデミー賞にノミネートされた人が演じているのですが、この人こんな役させたら本当に巧いですね~。もはや本物の海賊にしか見えないんですけど(笑)。主人公をそそのかす大物ジャーナリストを演じたアル・パチーノも胡散臭さ爆発で大変グッド。それだけに内容の方がなんとも惜しい。[DVD(字幕)] 5点(2019-11-04 00:23:31)

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