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1. 女神の見えざる手
今年観た映画のなかで、おそらくいちばん心を動かされた作品です。冒頭のジェシカ・チャステインのアップからひきこまれて一瞬も退屈な時がなく、最後のシーンまで一気に観ました。部下役のアリソン・ピルはニュースルームのときから好きだったけど、この作品のなかでも切れ味のある演技を披露しています。滔々とまくし立てていく脚本が本当に素晴らしく、それを受けてたっているジェシカ・チャステインに脱帽です。はりめぐらされた伏線も見事に回収されています。二回観ないとわからないかも。本国では銃の権利はデリケートな問題であるので評価は賛否両論とのことですが、日本人である私たちにはまっとうな映画だと思えます。他の国々の人もたぶんそうだろうと思う。時を経て高く評価される映画だと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-11-02 07:34:39)
2. 名探偵登場
《ネタバレ》 ミステリ好きなので、いつかは観ないとと思っていた映画。BSでやっていたので観賞。豪華キャスト、まだ若いピーターフォークのつやつやの顔、若く美しいマギースミス。探偵キャラクターもポワロ、ミスマープルに始まり、チャリーチャン、サムスペード、ニックチャールズ、イギリスミステリにはおなじみの「執事」、そして大富豪役にはなんとトルーマンカポーティ。よだれのでるようなキャストで、ものすごく期待しました。ストーリーはどんでん返しのどんでん返しの最後にまたどんでん返しとサービス精神は旺盛なのですが、各キャラクターに対する愛情が感じられず、どうみても外見だけを借りた別の探偵さんたちの集まりで、ニールサイモンはあまりミステリを読まないんじゃないかしらと思いました。結局この映画はミステリ好きではない人には面白いかもしれないけれど、とことんミステリを愛しているひとには苦々しいだけの映画になってしまっていると思います。少なくともわたしにはそうでした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-15 11:14:18)
3. めぐりあう時間たち
感想を一言でいうなら、誰にも見せたくない映画。ヴァージニア・ウルフの書くことへの狂気に戦慄を覚える。出演俳優が脇役にいたるまで高水準なので、こういう難しい脚本も映画として成り立ち得たのだと思う。脚本はとても示唆的でものごとをはっきりとうちだしてはしていないので、観客は推理しながら観ていかざるを得ない。それが鬱陶しいというひとにはむかないだろう。でもわたしにはとても心に残る映画だった。こと映画に関しては脚本第一主義のわたしだが、今回の映画はこの映画に関わるすべての人たちの技術・心意気が混ぜ合わされ、むずかしい脚本を助けているという感じがした。精巧につくられたガラス細工のようにすべての要素が一瞬の均衡のうえに成り立っている。ストリープ、ムーア、キッドマン、ハリス、全員の演技が匂いたつように素晴らしかった。娘役のクレア・デインズは大物の予感。。
[DVD(字幕)] 9点(2006-09-22 08:34:28)《改行有》
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