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プロフィール |
コメント数 |
1682 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。 |
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1. ルビー・スパークス
《ネタバレ》 どだい、世の中に100%自分の思いどおりになるものなんて存在しません。人間関係なら尚更です。もし、限り無くソレに近いモノがあるとすれば、個人作業で完結する純粋な芸術の分野くらいではないでしょーか。
その意味では本作の主人公は文学者で、かつ自分の書いたとおりにひとりの人間という実在の存在を操れる、というその行為自体は、結局のトコロ「芸術家が自分の芸術を思いのままに為す」ということを表している様にも思われます。そして、それは本作では最終的に破綻して終わります。その意味するトコロは何か?
あくまで個人的な解釈ですが、それは結局「芸術家も神ではない」とゆーことかとも思いました。芸術家もひとりの不完全な人間であるからこそ、そもそも100%の完全を求めてはならない、と同時に、だからこそ自分の内なる世界に在るものだけで自分の芸術を完成させようなどとしてはならない、という戒めとでも言いますか。それはもしかしたら芸術家に限らず、万人の万の事に言えるコトかも知れませんが。
個人的には、このラストはあまり好きではありません。ちょっと脈絡が繋がっていない(取って付けな)様にも思えるのですよね。後半のスリル溢れる部分の盛り上がりが秀逸だっただけに、率直にそこはやや残念に感じました。[DVD(字幕)] 6点(2020-12-16 01:21:46)《改行有》
2. ルース・エドガー
《ネタバレ》 まずまず込み入った話であると同時に、100%の明確な真相が描かれるということも無い、少しモヤっと感が残る様な作品である。ただ、幾つかの状況証拠と、そして母親が隠した花火が無くなっていたという点を鑑みて、一連の事件はルースがウィルソン教師を陥れるために行ったものだ、という前提で話を進めたい(とは言え、だとしてもどこからどこまでが企みであったのかという点に関しては、私もはっきりとは分からなかった部分が多いのだが)。
しかし、そういった些末な部分が不明瞭なこと以上に、とにかく本作、ルースという人間が何を考えているのか、彼が何者なのか、というのが全くと言ってよい程に明らかにならないのがより深刻なのである。恐らく、彼が真実に感情を吐露しているのは終盤のウィルソンとのやり取りくらいで、他は、これも終盤の母親に魚を贈るシーンでさえ、彼が実際に何を意図しているのかなど分かったものではない。彼が為した所業、そして最終的に勝ち得た状況を鑑みるに、率直に本作、確かにかなり「恐ろしい」映画であるとも言える様に思う。
そんな本作だが、これが完全なサイコ・ホラーになってはいないのは、むしろ彼の周囲の大人達が率直に極めて「醜い」ということにある様に感じられる(それがエクスキューズになっている、というか)。所詮は彼を「貰い子」としか見ていない父親も相当に酷いと思ったが、私がより問題に感じるのは母親の方である。終盤、彼に確信的な疑いを抱きつつも、彼の言い分を信じる様に見せかけて、彼女は問題をただ棚上げしてしまう。もし彼が犯罪を犯したのならば、それを社会に罰させるかどうかは家族として考慮の余地があるかも知れないが、少なくとも真実を最後まで追求するのが親としての最低限の義務ではなかったか。そのものズバリ、彼を自分の考える「箱」に押し込んでいることを隠そうともしない(問題外な)ウィルソン教師を含めて、彼の周囲の大人に共通するのは、彼が真にどういう人間であるかを理解・受容しようとしないことだ。だから彼が思いの丈をウィルソンにぶちまけるシーンは、実は私が本作で唯一感情移入することが出来た場面だと言える。
一見は、アメリカにおける黒人差別をテーマとするごくごく普通に社会派な作品にも見えるのだが、実は本作のテーマははっきりと、より幾らかの「普遍性」を含む様に思う。その意味では類似する内容の他の作品よりも、少し高度でやや文学的とも言える様な優れた見応えがあったかとも思われる(もちろん、単純にサスペンスとして結構よく出来ている作品だということも重々あるのだけれど)。[映画館(字幕)] 9点(2020-06-05 23:19:55)(良:1票) 《改行有》
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