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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
21. ブロードウェイのダニー・ロ-ズ これはもうチャップリンですね。「ライムライト」を思わせる。NYを根城にしている芸人の哀歓が、こっちに伝わってくる。売れない芸人ばっかり出てくるけど、そんな彼らがとても愛しい。NYでデリカッテッセンの前で、ミアファローと仲直りするラストは、暖かくて切なくて、ささやかだけど、モノクロの画面も素晴らしい。アメリカのショービジネス界で、陽の当たらない生き方をしてる芸人たちへのアレン一流の暖かい賛歌だ。そういえばスコシーシもナイトクラブの芸人を描くの上手いですね。10点(2003-11-05 00:21:53)(良:1票) 22. カイロの紫のバラ アレンは、下敷きにするのが上手い。これはキートンの「探偵学入門」が下敷きになってるけど、映画好きには、たまらん映画ですよ。あまり何も言いたくない。本当に美味しいもの食ったら、グチャグチャ言わずに「うまい!」と言えばいいし、実際それしか言葉は出てこない。10点(2003-11-05 00:14:39) 23. 世界中がアイ・ラヴ・ユー これはミュージカルのようでミュージカルではない。アレンが敬愛するマルクス兄弟への賛歌が骨子であり、歌あり、踊りあり、笑いありの30,40年代のMGM映画へのオマージュでもある。題名は確かグラウチョマルクスが自分達の映画の中で歌う歌の題名。見て本当に良かった!幸せでした。言うことございません。10点(2003-11-05 00:10:34)(良:1票) 24. テキサスの五人の仲間 へちょちょさん、この映画を登録するとはお目が高い。ふっふっふ。思い出すだけでも頬が緩むほどの隠れた傑作。題名も、始まりも何てことないのに、いや、その語り口の上手いこと上手いこと。キャスティングもいい。ヘンリーフォンダが、ポーカー好きの親父に扮してるのもいいし、何と言ってもポーカーのポの字も知らない貞淑なフォンダの嫁さんが、五人のギャンブラーを相手に大勝負を挑むところ。「頑張れ!」と言いたくなるぜ!10点(2003-11-03 02:17:36) 25. ロンゲスト・ヤード(1974) フェミニストが怒ろうが喚こうが、かまわん。男の映画!女はすっこんでろ。10点(2003-11-03 02:05:44) 26. がんばれ!ベアーズ やれリアリズムがどうとか、こうとか、知った風なことをほざいて、こういう映画をベスト10からはずすような奴の言う批評は信用しないことにしてます。10点(2003-11-03 02:00:07)(良:1票) 27. お熱いのがお好き ビリーワイルダー、ジャックレモン、トニーカーティス、マリリンモンローと来れば、もう無敵でしょ。落語の大名人の噺を聞いたような心地よさ。ラストの台詞は、笑いました。やられた!という感じ。二人の女装に頼りすぎてるという批判もあるけど、とんでもない。モンローを初めとした女ばかりのジャズバンドの中に、ムサイ男二人が女装して入り込むというところが、ミソではないか。二人がどんなに念入りに女装しても、モンローの横に立ったら、グロテスクにしか見えない。その対比の可笑しさ、意地悪さこそ、ワイルダーの真骨頂じゃないのさ。いや~それにしても筋の運びの調子のいいことといったら。ワイルダーが日本ですごく人気があったの、わかるような気がする。彼の語り口って落語なんですよね。問答無用!満点じゃ! 10点(2003-11-01 21:56:57)(良:1票) 28. 燃えよドラゴン 見たあと、何ともいえない興奮を感じた。あのアクション、あの肉体、あのスピード。あの当時、クラスにブルースリーの真似の上手い奴がいて、羨ましかったなぁ。10点(2003-11-01 17:41:59) 29. 悪魔のいけにえ 中学生の時、予告編で見て、すごいショックを受けた。ずっと後、ビデオで見た。凄まじい力業のホラー映画。低予算、ノースターキャストが功を奏して、異様なリアリティがある。ザラツイタ映像も圧巻。見てはいけないものを見たような気持になった。10点(2003-10-31 01:42:53) 30. 大脱走 世の女性よ、よく覚えときな、これが男というものです。「絶対あきらめないぞ」という強固な意志、それがラストのマックィーンの、ひとりキャッチボールに、凝縮されている。まさに男たちの、男たちによる、男達の映画。40年前の映画に、今の価値観で、あれこれ小賢しく揶揄して「大したことないじゃん」的、アンフェアなコメントもいろいろあるみたいだけど、この映画が人間の姿をしていたら、マックィーンみたいに一言も言い訳しないで「ああ、そうかい、坊主」と不敵に笑ってイナシちゃうよ。決めたことはやるという強固な意志を貫く男達をこれほど誇り高く描いてくれたことが嬉しい。やれ男が弱くなったとか、いい男いないのよねと鬼の首でも取ったように、論う風潮があるが、男が女より肉体だけでなく精神的にも強くなる瞬間がある。それは「俺は男なんだ」と確認するためだけに一文の得にもならない、それこそ女から見たら「馬鹿じゃないの?」と言いたくなるようなことに命を張る時だ。そういう時、男は女がどう逆立ちしても敵わない、入っていけない気高さ、誇り高さ、輝き、強さを見せる。そんな瞬間の連なりと凝縮がこの映画だ。女性が、ただの一人も出てこないドラマ作りには、そんな意味があるのではないか?「相棒、男をやろうじゃねえか。チマチマしたことは女に任せておけ。男をやろうぜ」。この映画に出てくる男達がそう語りかけてるような気がする。この映画にコメントを寄せている男性諸氏にも親愛の情をこめて俺は言いたい。「一生に一度くらい、男をやろうぜ、相棒」と。10点(2003-10-28 20:59:45)(良:3票) 31. 必死の逃亡者 ワイラーが撮ると、どんなジャンルの映画も超一級。何も言うこと無し。それにしても、徹底した悪人を演じたこのボガート、おっかないよ~!10点(2003-10-27 23:38:40) 32. 真夜中のカーボーイ じゅんのすけさんの指摘は鋭い。そうなのですよ。病んだ個人主義の徹底した冷たさ、病んだアメリカ社会。どこまでも救いのない映画なんだけど、それだけに二人の友情がかけがえのないものとして心に残る。だから内容の悲惨さにひきかえ後味が爽やかだ。 10点(2003-10-25 14:34:05) 33. アパートの鍵貸します 小道具の使い方の巧みさ、筋の運びの巧さ、暖かい笑いの裏に潜む苦い孤独、粋なラスト。ワイルダーだもの。これが映画というものです。10点(2003-10-25 00:34:23) 34. マーティ キャスト、スタッフが、世間の片隅で、お互いに優しく肩を寄せあいながら作ったような、いとおしい映画。どこまでも地味で、山場らしい山場もないのに、なんというシミジミ感。昔の山田洋次監督の作品、例えば「下町の太陽」にも似た初々しさ、生真面目さ、それに何ともいえない慎ましさと・・・・・とにかく大事にしたい映画。本当に素敵な映画です。ハッピーーエンドではなく、ハッピーエンドを予感させるラストも余韻を残します。10点(2003-10-25 00:27:53)(良:2票) 35. スケアクロウ 主役の二人は、どちらも怖いくらいの名演。冒頭、枯れ草転がる荒野の真ん中のフリーウェイで、男が二人マッチの火をきっかけに旅を共にする。この場面だけでも名作の匂いが香水のように漂う。タイトルの込められた意味も切なく、切なく、優しい。10点(2003-10-25 00:03:18) 36. スティング これぞ映画。これに0点つける奴の気が知れん、悪いけど。 10点(2003-06-16 01:17:38) 37. 我輩はカモである チャップリンがあくまでリアリズムに徹した笑いなら、とことんナンセンス、アナーキーな笑いの代表がマルクス兄弟。そのギャグの発想の途方の無さ、シュールさは、ある部分チャップリンを凌いでいる。これはビデオで見たけど、一度絶対映画館で見たい!いや~笑った、笑った。10点(2003-05-31 02:03:01) 38. チャップリンの黄金狂時代 言うことなし、傑作!10点(2003-05-31 01:58:54) 39. チャップリンの独裁者 便宜上満点をつけたけど、本音を言えば、何点つけても足りないです。人類の財産みたいな映画。またこの世に戦争と言うものがあるかぎり「古く」なることを許されない映画でもあります。多くの方がいみじくも指摘されてるように、ドイツとまだ交戦状態になかったアメリカ、ナチスが猛威を振るっていたこの時代に、この映画を創られることは、アメリカにとっても困ることだった。ヒットラーは、チャップリンがこれを製作中との報を聞き激怒したといいます。何よりすごいのは、まるで神の目のようなチャップリンの視点です。ヒットラーをただ糾弾するのではなく、自分の中にある、そして人間の中にある「世界を征服したい。独裁したい」という欲望、その象徴として独裁者というものを完璧に描いているところ。歴史の結果の悪人としてのヒットラーを描いていない。引き合いに出すのも大人気ないけど、シンドラーのリストのような、テーマパークもどきのナチスの悪の単なる解説とは、天と地の差がある。また、細かい部分でのチャップリンの計算も驚嘆すべきものがあり、例えばヒンケルが執務室で、大きな地球儀の風船を、「世界は我が物」と陶然と悪魔的なバレーを一人踊るところ。地球をお尻で突き上げる皮肉もすごいが、突き上げられた地球儀が、トメニア軍のマークに重なるところ。トメニア軍のマークは×がふたつ。これはダブルクロスといい、アメリカのスラングで「ペテン師、裏切り者」の意味らしい。今はなき、淀川さんが山田洋次監督との対談で「チャップリンは、ヒューマンな人だから、すごい厳しい怖い面もある。本当に悪い奴の苛め方はすごいからね」と言われたのが実感できる。とにかくこの映画でのチャップリンの独裁者をいじめる情け容赦の無さは徹底的です。いま言ったようなことを、大爆笑の中で完璧に描いているのは、もっとすごい。現実に対する緊張感の高さもあるのでしょうが、特に冒頭の十数分のマシンガンのようなギャグの速射はどうだろう!ラストの演説の素晴らしさは言うまでも無い。中学1年の時、超満員の劇場で本作品を見たけど、ラストでその場にいた誰もが拍手したのは、後にも先にもこの映画だけ。映画館で、あんな感動的で割れるような拍手を聞いたのもこのときだけ。あれは忘れられない。10点(2003-05-24 20:37:48)(良:3票) 40. 巴里の女性 ビデオで見ました。いや~メロドラマを作ってもチャップリンは天才なのだ。主人公の女性が、金持ちの情夫に嫉妬して、もらった高価な首飾りを窓から通りに投げ捨てる、たまたま、そこに通りかかって、首飾りを拾って行ってしまった乞食の後を、あわてて追いかけていく(自分が捨てたくせに)。その姿を見て、おかしくてたまらんと涙を拭いて笑う情夫、その演出、その笑い方・・・ただごとでない凄さだ。女の業を女以上に知り尽くしたチャップリンの洞察力に怖くなった。映像的にも鋭い感覚を見せてくれる。列車の通過を主人公の顔に映る光と影だけで表現するあたり、チャップリンは映像作家としても天才なのだと実感した。10点(2003-05-04 21:53:59)(良:1票)
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