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21. チャップリンの独裁者 ◆僕は、大学で法学を勉強しています。憲法の時間はいつもたいくつです。なぜなら授業の内容が、「憲法の理念」や「文言の解釈の仕方」、といった堅苦しい事ばかりを、先生が淡々としゃべり続けるだけだからです。 ◆そんなことから、いつのまにか「憲法を学ぶこと」=「理論と判例を暗記すること」という方程式が、僕の中で出来上がっていました。テスト一週間前、僕はひたすら判例と理論を暗記し、なんとか「S」の評価を取りました。 ◆それから半年あまり、あんなに苦労して覚えた憲法の内容は、頭からほとんど抜けてしまっていました。いったい、僕が学習したことのなにが「S」なのでしょうか?僕に憲法の何が身についているというのでしょうか? ◆そんなことを考えているとき、僕は彼に出会いました。彼の前では僕の「S」評価は単なるお飾りに過ぎませんでした。彼は映画のなかで、憲法が最も大事にしている理念の一つ、「表現の自由」を、まるで手足のように使いこなしていました。 ◆将来僕は教師になりたいと思っています。憲法の時間がきたら、僕は黙って教室を暗くし、一本の白黒映画を子供たちに見せようと思っています。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-30 23:00:14)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 22. ビッグ・フィッシュ 《ネタバレ》 一面の水仙をバックに愛を伝えるシーンは胸にせまるものがありました。いや、せまるというよりは寄り添うといったほうが合ってるのかもしれないです。作品全体がとっても温かくて、ストーリーを追うごとに少しずつ心に汗をかきます。そして最後、父親がみんなに見送られるシーンでその汗が涙腺を通ってこぼれ落ちます。胸が切なくて、張り裂けそうになって泣くというよりは、気がついたら微笑みながら泣いていた、そんな湯たんぽのような映画でした。老夫婦が一緒にお風呂に入っているシーンが大好きです。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-26 00:44:45) 23. 情婦 テンポがものすごく良かったですね。役者の卓越した演技、それからところどころに入る気の利いたジョーク。証人喚問での論戦もおもわずうなずいてしまう。陪審の判断が下されるところなんか手に汗握りました。ウィルフリッド・ロバーツ卿、お疲れ様でした。どうかお体に気をつけてください。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-26 00:33:52) 24. 市民ケーン 《ネタバレ》 影の使い方が印象的だった。オペラ歌手の妻が「もう歌いたくない」と泣きついたのに対してケーンは「君はただ歌っていればいいんだ」というシーンがある。まるで彼女を押さえ込むかのようにケーンの影が彼女に覆いかぶさっていた。彼女はケーンをしっかり見つめながら、顔を影からゆっくりと出す。ケーンの権力とそこから抜け出したい彼女の心理がそのシーンから伝わってきた。 映画の見方を教えられた作品だった。[映画館(字幕)] 9点(2005-10-25 21:08:09)《改行有》
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