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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456

21.  狩人の夜 変な映画であることは間違いないです。サイコサスペンスのようでほのぼのとした児童ファンタジーのようでもありジャンルが不明瞭である点は独特の魅力ではありますが、ちぐはぐな構成であるような印象も受けます。この時代の映画にしては映像もカメラワークも当時のハリウッドスタンダードから逸脱した凝りようでそれが成功しているかはともかく古臭さは感じません。序盤の空撮は天にいる神が地上を見守っていることを表現しているんでしょうか。でもそんなに大した内容でもなく結局ロバート・ミッチャムのエキセントリックなキャラクターを楽しむだけの映画のような気がします。超然としているようで金目当ての俗っぽい行動だったり、子供相手にムキになる姿は恐ろしいというよりなんだか滑稽で可愛らしいところもあります(笑)。聖書を揶揄するような台詞もリリアン・ギッシュもまた聖書について語る役回りである以上、社会風刺やキリスト教への批判が目的というよりはロバート・ミッチャムの悪魔的キャラクターを演出するためのフレーバーでしかないですね。ラストの民衆の暴動はフリッツ・ラングのMをやりたかったんでしょうか、それも大して意味がなく終わってしまいます。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-22 23:06:18)(良:1票)

22.  素敵な人生のはじめ方 事前情報が何もない状態で見始めたのですが、事実上モーガン・フリーマンが本人役みたいな設定なんですね(笑)。この設定が絶妙で低予算ということもあってか、まるでモーガン・フリーマンが実際に近所を回って撮られたドキュメンタリーを見ているようなリアリティを感じられます。モーガン・フリーマンが出演している新作をあまり見なくなった現代の方が、この映画が製作された当時よりも劇中の姿に重なってより現実味を感じられるかもしれません。登場人物はほとんど移民で内容的にはただのアメリカンドリーム賛歌という気もしますがシンプルに人生を肯定するメッセージはやはり気持ち良いものです。登場人物一人ひとりを愛おしく思えるような温かい作りも殺伐とした現代だからこそしみじみ心にしみるものがあります。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-02 23:34:20)(良:1票)

23.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 これが映画史上最高傑作だなんて過大評価もいいところですし、こんな展開リアリティがないじゃないか、結局勝ち組のエリート銀行員が刑務所の負け組の中で上手くやったってだけじゃないか、と正直いろいろ文句も言いたくなります。一番の欠点は劇中での時間経過がほとんど感じられないところですね。とてもじゃないですが20年間ものスパンの物語には見えません。それでも細かい瑕瑾を無視してでも突っ切る終盤のカタルシスは確かに他の映画ではなかなか味わえないものだと思います。たぶんそれはアンディとレッドのみが救われるというだけでなく報われることのなかった他の囚人たちの分の人生をアンディとレッドが代わりに背負うような作りになっているからですね。初めは個々のエピソードがバラバラにしか思えなかったのに、それらが全部クライマックスで回収されていくところが気持ちいいんですよね。まあそれでも所詮内容は勧善懲悪でしかないのでそれほど深みはないのですが、エンターテインメントとしては上出来でしょう。冒頭の刑務所の空撮はおっと思いました、この頃は普通のドラマ映画にCGが使われることもないから全部本物を撮影してるんだなあという感動もあります。[インターネット(字幕)] 6点(2023-09-26 23:51:33)

24.  68キル 作品のテーマは股間に従って生きるのはやめろってことですかね(笑)。まあその辺りのドラマも主人公に共感できるような描き方で意外とちゃんと作られた映画だと思います。冒頭はちみつにハエが飲み込まれそうになっているショット、これが本編を象徴するようなショットになっているかと思っていたら結局あまり関係ないようでよく意味がわからないショットです。金のないカップルが強盗に走る、ホラー映画のドント・ブリーズのようなシチュエーションですがこっちはホラーでなくラブコメ調なのでそれほど緊張感はありませんがゴア表現は結構派手にあります。カメラワークは平凡ですが簡単に先が読めるような展開ではないので退屈はしません。低予算で外国への輸出はあまり意識されていない米国内向けの作品という感じですが、今時等身大のアメリカ人が見られるという点では逆に貴重な作品かもしれません。[インターネット(字幕)] 6点(2023-08-20 23:31:39)

25.  ザ・フライ ジェフ・ゴールドブラムもジーナ・デイヴィスも微妙に正統派の美形からずれたタイプなのが作品のグロテスクな雰囲気に合っていて良いですね(失礼)。今見ると確かにスーパーヒーローものっぽい展開ですが社会の中で活躍はせずに個人の苦悩に主眼が置かれているところがジャンルの違いですね。SF設定を採用していながら物語の中心になるのはラブストーリーなわけですが、それがこの映画の美点であり物足りなさでもあります。機械に依存せざるを得ない人間の恐ろしさのようなテーマをもうちょっと掘り下げても良かったと思います。個々のイメージはエイリアンやターミネーターの二番煎じに見えるところもあります。グロテスクな表現は設定上必然性があるので単なる悪趣味にはなっていないのは良いです。この作品で主に描かれるのは蝿と人間という生物同士の融合なわけですが、ベッドの中で主人公の背中に電子部品が張り付く場面等機械と人間の肉体の融合という自身の作家性を無理やり挿入しているような印象を受けます。リメイクとして完成度の高い映画ではありますが、この監督の作家性が十分に発揮された作品とは言い難いと思います。[DVD(字幕)] 6点(2023-08-19 23:57:44)

26.  ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE IMAXで見ました。序盤の砂嵐の場面は画面の大きさと音響のおかげで作品世界への没入感がすごかったです。ただそれ以降は迫力があるアクションシーンでもIMAX環境が最大限活かされているとは思えませんでした。クリップやライターのような小道具の伏線としての使い方はうまいです。キャストはパリス役のポム・クレメンティエフが最高ですね、彼女が完全に美味しいところを持って行ってます。しかしとにかく長い…。単に上映時間が長いというだけでなく一つ一つのアクションシーンもやたら長く延々と続くので始まりはワクワクしますが段々とダレてきていつ終わるのかという気分になってきます。ストーリーは現代的なテーマとしてAIの支配に対抗する人間を描いているように見せかけて全部それっぽい雰囲気だけで実態はただトム・クルーズがモテモテで終始美女に囲まれているだけの内容のような気もします。まあそれでも人間同士の信頼関係の重要さを中心に据えたドラマは一応見てよかったと思わせるだけのものはあります。[映画館(字幕)] 6点(2023-07-28 23:24:07)(良:1票)

27.  BROTHER 久石譲の音楽は他の北野武監督の作品では情緒性の強さがミスマッチで好きではないのですが、この映画では感傷性が比較的抑えられたジャズ調の音楽がハードボイルドな雰囲気に合ってていいですね。あくまで劇中のヤクザは理想化されたおとぎ話でしかないにせよ文化や血縁を超えた絆が描かれるのでこれは良いおとぎ話だと思います。いつもの遊びのシーンもこの映画では異文化交流としての意味合いが付与されています。どんなに成り上がったところで根底にあるのは子供の頃の貧乏だった時期への郷愁なのも良いです。…と考えたところで気づいたんですがこれって結局スカーフェイスの二番煎じではあるんですよね、そこは減点要素です。それでも娯楽性と作家性の両立という点ではアウトレイジシリーズよりも上手くいっていると思います。[DVD(邦画)] 6点(2023-07-16 20:22:00)(良:1票)

28.  風と共に去りぬ おお今見直してみるとフェイブルマンズで語られていた地平線が上にあると面白い絵になる、地平線が下にあっても面白い絵になる、その考え方を忠実に守って撮られているんですよね。あれはジョン・フォード監督秘伝の奥義というよりもハリウッドで広く伝わっていた教えだったことがよくわかります。当時のハリウッドの最高の技術のすべてが注ぎ込まれたカラー撮影と美術と衣装、ほとんどオーパーツみたいな作品です。スカーレット・オハラの堅苦しい風習に縛られない自由なキャラクターは今でも古びていません。何せこの時代に自分で事業まで始めちゃうバイタリティーです。しかしその割りに異様に土地に執着しているのが歪ではあります。軍隊や戦争が美化されているわけではないあたり、なおさら一番正当化したいのは奴隷制そのものだったという考えが見えてきます。逞しく自由に生きようとする理想と他者を踏みにじってでも利益を得ようとする貪欲さ、まあ良くも悪くもアメリカという国そのものを描いている映画だと思います。[インターネット(字幕)] 6点(2023-06-26 23:57:42)

29.  レッド・ロケット ショーン・ベイカーは実力のある監督です。ロングショットで映される風景のスケール感、限定された音楽の使用、貧しい寂れているはずの地域をファンシーで色彩豊かな空間として捉える一方で登場人物が世界のどこかに実在していると確かに感じさせるリアルな人物造形も両立しているのは大したものです。しかし子供が主役だったフロリダ・プロジェクトに比べるとこのファンタジックなアプローチが題材に対して適切なのかは疑問です。ありのままの姿を肯定するだけなら良いのですが、この映画は男性のための都合の良いファンタジーに近づきすぎ、より多くの人間に評価される余地を自ら失っていると思います。2016年大統領選挙の様子がテレビで流されていますが、それに対する劇中の人物たちの態度が曖昧なように最終的にこの映画が何を伝えようとしているのかもよくわかりません。フロリダ・プロジェクトと同じように唐突なエンディングですが、前作のような切実な幻想シーンとしての説得力を持てていないのです。[映画館(字幕)] 6点(2023-06-14 23:12:02)

30.  M3GAN ミーガン 冒頭の雑な両親の死に方やミーガンの試作機が炎上する場面での登場人物の馬鹿っぽさ、この時点で真面目に見るべき映画ではないのかもしれないと不安になりますが、それ以降は両親を亡くした姪を引き取ることになったジェマの葛藤やミーガンとケイディの交流の中で現代社会における子どもとのコミュケーションの問題が丁寧に描かれており悪くないです。この映画は確かにターミネーターの要素もあるわけですが、内容的には1作目よりもロボットの方がより良い親になれるかもしれないというターミネーター2の方が近いんですよね。アイザック・アシモフのロボット三原則も三原則自体の矛盾によってドラマが生まれるのですが、この映画も人間を守るという目的のための行動が結果として人間への加害へと繋がるというジレンマが面白いです。この問題を真面目に掘り下げていけばジャンルの枠を越える傑作にもなれたと思うのですが、終盤になると既視感溢れる安易なホラー映画的殺戮劇になってしまうのがつまらないです。社員がミーガンの情報を盗み出そうとしてたシーンの顛末があれだけで終わるのも期待外れの展開です。まあこの映画のスタッフは単純なエンターテイメント作品を目指していただけでそこまでの野心もなかったのでしょうし、グロテスクな描写も控え目なのでホラーにあまり興味のない方でも楽しめる軽い娯楽映画としては悪くない出来だと思います。[映画館(字幕)] 6点(2023-06-10 23:53:15)

31.  FALL/フォール これも映画の最先端の形の一つではないでしょうか。新しい映画とは常にこれはどうやって撮ったんだろう?と興味を湧かせるものです。落下場面ではちょいちょい合成っぽさは目立ちますが、VFXが用いられてるとは思えないほど高所を感じさせる自然な映像で本当に怖ろしさを感じます。サスペンス映画としては鳥やめまいのような古典もきっちり踏まえた上で作られてるのも好印象です。お話は冒頭で主人公が大切な人を失い、そのトラウマから再起しようとする定番のやつです。風刺という程ではないものの過激さを求める配信文化の悪影響という問題意識もベースに、スマホ、ドローン、自撮り棒、現代的なアイテムを使ったオリジナル脚本のエンターテインメント作品としては上出来でしょう。頂上にある夜間照明が良いワンポイントとして機能していますね。序盤の小ネタの伏線回収に、点滅に合わせての場面転換も洒落てますし、幻覚と現実の区切りとしても効果的に使われています。ただ終盤になると主人公の不自然なまでのタフさと無駄にひねった展開で映像のリアリティに比して物語が非現実的なものになってしまうのは大きな欠点です。途中までは複雑な女同士の友情もちゃんと描いていてドラマ的にも評価できそうだったのですがそこはやっぱり減点せざるを得ないです。[DVD(字幕)] 6点(2023-06-06 23:56:50)

32.  65 シックスティ・ファイブ 序盤からスケールの大きなロングショットが見られCGや美術も結構クオリティが高いと期待できますが、中盤暗い閉所の場面が続きこれはやっぱりそこまで予算に余裕はなかったんだなとがっかりというか納得しちゃいます。ただ王道のティラノサウルスとの戦いもちゃんとありますし、娘の記録映像や熱湯が噴き出す間欠泉といった序盤の伏線はちゃんとクライマックスで活かされてますので大きな期待をしなければ十分楽しめる展開です。しかしあの四つ足恐竜はなんでしょうか?少なくとも実在する肉食恐竜はすべて二本足ですのでこの映画のためにデザインされたオリジナルの生物であるのは間違いないようです。考えられるのは70年代頃までの恐竜映画で使われた手法として、本物のトカゲやワニを巨大な恐竜に見立てて撮影してたことへのオマージュじゃないかと。このスタッフですのでちょっとホラー風味ではありますが、全体的に70年代以前の低予算の冒険映画やSF映画みたいな雰囲気ですのでそういうのが好きな方へはおススメです。今時珍しく底なし沼まで見られます(笑)。恐竜の滅亡から現代文明までの諸行無常を簡潔に見せるエンドクレジットも良いです。下手に感傷的にしないこの終わり方だけで結構評価が上がりました。まあ半年もしたらほとんど内容を忘れてそうではありますが、そこまで悪くない佳作だと思います。[映画館(字幕)] 6点(2023-06-01 23:27:59)(良:1票)

33.  シャザム!~神々の怒り~ ラドンなのにゴジラみたいに青い炎を吐くとはこれいかに。それはともかく、安定して面白い娯楽作品としては上出来の作品です。既存のDC作品のパロディ要素を盛り込んでも本体が迷走気味なのがこのシリーズの不幸です。まあ他の作品を見なくても単体作品として十分楽しめるのがDCのいいところです。それでもやっぱりDCが生んだ最高のスターは姉さんですね〜。彼女が出るだけで映画が救われます。[映画館(吹替)] 6点(2023-03-28 23:54:03)

34.  フェイブルマンズ 映画愛などほとんど語られないのはいいことです、偉大な映画史などという大風呂敷を広げず、あくまで個人の実体験をベースに描いている慎ましさはこの映画の美点です。理想的な昔の家族や学校生活という描き方でもなく登場人物はみな弱さを持った人間として描き、安易なノスタルジーや一方的な断罪に陥らないバランス感覚も持ち合わせている。悪い映画ではないのですが、かといって斬新な視点もありません。結局は老人の昔話といえばそれまでです。自身を史上最高の映画監督の薫陶を受けた存在として描けるのはスティーヴン・スピルバーグの特権ではありますが、地平線がどうのこうのというアドバイスが現代において何らかの意味があるとも思えません。個人的な体験の域から出ていないのはこの映画の弱点でもあります。撮影はいつも通りのヤヌス・カミンスキーだなあとややうんざりしました。初心に戻るような内容ですのでキャストだけでなくスタッフも新鮮な顔触れを用意するぐらいでちょうどよかったのではないでしょうか。[映画館(字幕)] 6点(2023-03-12 22:49:02)

35.  キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン マーティン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、この三人の座組もいい加減見飽きてしまい新鮮味がないですね。演技も終始顰めっ面をしているだけでワンパターンです。レオナルド・ディカプリオについては中年太りもひどいですし、いい加減ハンサムで女を魅了できる人物を演じられる年齢じゃないって気づいてほしいです。史実ではアーネスト・バークハートはモリーと結婚した時にはまだ20代みたいです、どうりで違和感があります。一方モリー役の女優リリー・グラッドストーンは落ち着いてリラックスした演技をしており良かったと思いますので、惰性ではない新機軸のキャスティングがもう少し欲しかったところです。内容は歴史劇や犯罪ドラマというより夫婦の物語が中心になっていますね。インディアン側の主要人物が女性、白人側は男性という風に分かれていることもあり人種間の対立というより家庭内の不和のような狭い領域の問題に感じてしまいます。そのため上映時間が長い割にずいぶん地味でスケールが小さいと思ってしまいました。尺が長いのは単に情報が整理できていないだけではないでしょうか。この映画で描かれた史実の面白いところって白人が常にインディアンより優位な立場にあるわけではないという視点を与えてくれることにあると思います。モリーがアーネストと最初に夕食を共にするシーン、そしてラストの二人の会話は緊張感があって良いです。この二つのシーンでは白人よりインディアンの方が優位に立っているからです。しかしアーネストとモリーが結婚していざ事件が起きていくと完全に白人側が優位になってしまい、インディアンは脅えるだけで物語も白人側にイニシアチブが移ってしまうので退屈なのです。[映画館(字幕)] 5点(2023-11-05 22:36:20)

36.  ザ・クリエイター/創造者 邦題について最初はザ・クリエイター/創世者というタイトルで途中で創造者に変更になったという経緯があり、なんでなのかなーと気になっていたんですが実際に見てその理由が納得できました。ちなみに香港や台湾ではA.I. 創世者のタイトルで公開されているみたいですが、確かに日本ではこっちに合わせなきゃギャレス・エドワーズ監督に合わせる顔が無いですね(笑)。そんな監督には悪いのですが正直映画自体の出来は微妙でしたね。お話としてはAIを安易に敵とはみなさず米軍の軍事介入を批判する等、一応現代的なテーマを扱おうとはしているもののビジュアルに関しては新しいものが全くないのです。そもそも監督自身が80~90年代のSF映画に憧れ、ブレードランナーが舞台の黒澤映画をイメージしたと語ってる通り既存の映画のビジュアルに似せようとしかせず後ろ向きな努力を感じてしまいます。せっかくのオリジナル脚本のSF映画なのにオリジナリティがまるでないのは皮肉な話です。肝心のストーリー構成も場面が飛び飛びになり今主人公がどういう状況に置かれ何を目的にしているのかがよくわからないまま進むので感情移入ができません。海外のレビューでまるでAIが書いたみたいな脚本という評価を見かけたのですが、言い得て妙だと思ってしまいました(笑)。作中のAIに関しても人種や民族問題の暗喩のようで現実のAIとはあまり関係ないような描き方です。アジア=AIのような描き方はリスペクトしているようで安易なオリエンタリズムに陥ってはいないでしょうか。作中世界の技術レベルもよくわかりません。パソコンはあるみたいですがインターネットとかは発展してるのでしょうか。近年のAIの発展は膨大なネット上のデータの蓄積のおかげなのですが、機械学習にはまるで触れられません。その点に関してはミーガンの方が現代的なAI像を描けていたと思います。結局この監督はゴジラやスターウォーズのような既存コンテンツを最高にカッコいいビジュアルで映像化する能力はあるのですが、オリジナル作品を独力で構築する才能はないと思います。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-23 22:08:26)

37.  MUD -マッド- 現代版スタンド・バイ・ミーという触れ込みで変に先入観を持って見たのが悪かったのかもしれませんが、正直全然違う映画じゃないかと思いますね。あちらが過ぎ去った過去の記憶を描いているのに対しこちらは現代のアメリカの田舎の現実を描いておりむしろ対照的な作品と言えます。似てるのって子役の髪型と顔つきくらいですかね。あんまり子供目線の物語というわけでもなく色々な年齢層の人物にスポットが当てられています。それも子供が危ない大人の世界を垣間見るというよりは、子供の存在が大人が悪ぶってカッコつけるための小道具として利用されてるだけのような違和感があります。まあ年上のお姉さんへの恋心だけは本物かもしれませんが、それはそれで今度は女性を一人の人格として尊重して描く気がないということでもあります。表面的には男らしいアウトローへの憧れを否定していながら結局は否定しきれていないのです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-20 23:20:26)

38.  怪物はささやく CGの出来自体は良くドラマ部分から逸脱することもなく自然で、この監督がこれ以降アメリカに拠点を移して活躍していくのも納得ですが、果たしてこの内容でCGを多用する必要があったのかは疑問です。いっそ全編アニメーション映画として作るか、あるいは下手に怪物を視覚化しない方がより含蓄のある内容になった気もします。その辺は悪い意味でハリウッド的なセンスの持ち主なのかもしれません。やはり児童文学原作のためか大人が見るにはちょっと食い足りない内容かなとも思います。おとぎ話と違って現実は単純でなく複雑だなんて言われなくてもわかってますので改めて説教されても鬱陶しいだけですし、明かされる真実も別に大したことはないです。では主人公と同じぐらいの年齢の子供にはおススメかというと、暗くて難解な作りのため好んで見ることも考えにくいのが困りものですね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-15 23:56:03)

39.  アイアン・ジャイアント 50年代のアメリカの風俗へのノスタルジーの側面が強く、そこを楽しめなければ単純な子供向け以上の内容ではないと思います。似たような話を何度も見たことがあるような映画です。それは日本のロボットものに限らず、たとえばギレルモ・デル・トロ監督のシェイプ・オブ・ウォーターなんかは時代設定も被ってますし、ピーター・ジャクソン監督のキング・コングやティム・バートン監督のシザーハンズあたりも近い内容かもしれません。要するにオタク系監督は同じような話ばっかり好みすぎですね。なりたい自分になれというテーマの結末があれなのはちょっとひどいと思います。その後の展開も伏線があるとはいえ都合が良すぎて冷めてしまいますね。デザインの割にロボットがハイテクすぎるのも違和感があります。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-09 23:52:45)

40.  ワース 命の値段 こういう社会派映画がモンスターバースの脚本家マックス・ボレンスタインの手によるものであるというのには驚くと同時に悪い意味で納得してしまうところがあります。結局この映画は補償する側から語られる話でしかなく、プロパガンダとまでは言いませんが美化して描いているのではないかという疑念が生じます。個々の被害者のエピソードには印象的なものがあります。特に同性愛パートナーの補償を受けられなかった男性のそれは今の時代に取り上げる価値のあるエピソードでしょう。しかしそれでもやはり視点は主人公マイケル・キートンから動かず個人の側から見える景色は描かれず群像劇のドラマとして構成できていません。これなら劇映画ではなくドキュメンタリーで十分な内容だと思います。[DVD(字幕)] 5点(2023-10-06 23:29:06)

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