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381.  愛がこわれるとき 《ネタバレ》 だんだんと旦那がパラノイアと分かってくるあたりがいい。いかにも楽しげな新婚生活。服の汚れを謝るのも微笑ましい。と思っていると、タオルの掛け方から缶詰の向きとか、潔癖の過剰さが露わになってくる。嫉妬狂を扱ったブニュエルの『エル』を思い出す。マニアっていいんだな。どうしても旦那のほうに肩入れして見てしまうんだけど「幻想交響曲」を流すってのはつまんなかった。ヒロインが海に消えてからは、視点が代わる。ここらへんからは旦那とヒロインとの知恵比べとなる。男装させたり舞台衣装つけて踊ったり、いささかプロモーションフィルム的でダラケた。愛する妻を見つけた夫が、タオルを揃えたり缶詰を整頓したりしてるとこを想像するとおかしい。何も殺さなくてもいいとおもいません? 愛ゆえの襲撃者は怖い。愛を捧げ尽くした男の物語。[映画館(字幕)] 6点(2013-09-06 09:54:56)

382.  ハートに火をつけて 愛は屈折する。一途な愛ってのははたから見ると滑稽になってしまうもので、現代ってのは「はたから見る」時代だから、そういう話が多くなってしまうのか。D・ホッパーが木の陰からドキドキしながらJ・フォスターを見守ってるあたりおかしい。募る愛に苦悶するとサックスがむせび泣く。この湿った音色がかえってカラッとしたギャグになってしまっている。異様にくどく身元調査をさせるの。殺し屋としての執拗さが、そのまま恋する男の執拗さに、質感が同じまま横滑りしてしまった男。C・シーンがあっさり処理されてしまうのも嬉しい。テクノ芸術の現代から、羊のいる開拓時代へさかのぼっていく旅のようでもある。情熱は隠すことが出来ない、ってなセリフがありましたな。なんか公開にあたって揉めてた映画。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-27 09:56:45)

383.  密殺集団 疑わしきは罰せず、って言ってもモヤモヤは残り、かつて田中角栄が嘱託尋問の無効を主張したときには、そんな! 逃がすな! とか思ったし、でも再審請求の裁判のときなんかは、そうだ! 慎重にやってもらわねば! とか思うし、こっちもかなりいいかげん。ふらふらしてる。裁くって難しいんです。だからこういう映画、判決に悩んだ判事が秘密の裁判を行なう組織、なんてのも想像される。日本でも似たような時代劇が創造される。「悪い奴を逃がしてるかもしれない」という不快のほうが「無実の人を裁いてるかもしれない」という不安を凌駕してしまってるんだな。ストーリー上は一応「いけないことだよ」と言ってるんだけど、心理上は彼らの言い分のほうに説得力を置いていたようで、あんまりいい後味ではない。ラストの廃倉庫のタルコフスキー的水はちょいとよかった。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-06 09:18:37)

384.  虚栄のかがり火 冒頭のB・ウィリスの長回しの印象がどうしても強い。酔いどれてホテルに到着してから会場に行き着くまで。カートに乗ったりエレベーターに乗ったりしつつ、わざと失敗を許されないようなアクションばかり織り込んでいる。お盆を引っくり返したり、ケーキを手づかみで壊して壁に投げつけたり、「長回し」というドキュメントを見ている感じで、これでいいのかな、とか思ってるうちにT・ハンクスの物語に入っていき、やがてウィリスも絡む。検事や黒人宗教家をもっと膨らませ、全体をグツグツ煮立ってる「虚栄の都市」として笑い飛ばせればよかったのに、あんまり笑いが弾けてくれない。デモのふりして自宅に帰ったところのパーティシーンなんかけっこう良かった。猟銃撃っても、みんなただ笑うばかり。判事までは笑い飛ばせなかったところが弱点。「裁く人」になっちゃって、説教しちゃう。B・ウィリスは良かった。どこか一途になりきれない雰囲気があり、人物にゆとりが生まれてる。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-03 09:54:19)

385.  グレムリン 製作総指揮がスピルバーグで、当時はその名前の牽引力は強く、それが全然スピルバーグの世界と違うところにいろいろ発見もありました。全体ヒステリックな感じ。ネバネバドロドロ志向。とにかく気色悪さのほうを選ぶ。ジュースにしちゃったり、電子レンジでの爆発とか。プールでの大増殖から乱痴気騒ぎになるのはスピルバーグも好きだが、こっちは陰性の活気なんだ。騒いでいるのが小悪魔なんだから仕方ないんだけど、ヒステリー志向と関係あるんじゃないか。ディズニーの「ほのぼの」からはずいぶん遠くまで来たなあと思い、こういうのが悪いと言い切る自信はないけど、ヒステリーの忘我状態を楽しむ・暗いはしゃぎの世界ってのはその後増えましたな。スクリーンを引っ掻いてやってくる一瞬は面白かった。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-29 09:33:42)

386.  グリーン・カード 《ネタバレ》 本当は夫婦でない二人が、出会いから結婚して現在に至るまでの来歴を作っていくあたりがミソ。スキー抱えた写真やら、アフリカとの間で往復した手紙やらを捏造しつつ、その歴史を追体験するように、だんだんその気になっていってしまう。まず多民族の都市ニューヨークをスケッチして始まり、入国管理の非人間性を描いた社会派映画でもあるわけ。ラストもニューヨークに住めぬ二人はフランスで落ち合うことを暗示して、これがオーストラリア人監督の見たアメリカ。自然保護運動を絡めたのはちょっとうるさかった。パーティの席でピアノを弾かねばならなくなったときの切り抜け方が楽しい。二人に愛が生まれるまでの間に、もっと何度も揺り戻しがあっていいんじゃないか。面接室へ走るとき、公園の中のグリーン地帯をたっぷり通過させる趣向。自然を通って、喧嘩した二人も浄化され、愛は蘇るのよ。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-18 09:22:42)

387.  キンダガートン・コップ シュワルツェネッガーが幼稚園の先生をやってるってとこに、面白味の大半がかかってて、面白くなくはないんだけど、だいたい予想の範囲内ってとこね。笛吹いて鍛えてくってのには閉口。そしてリンカーン演説でアメリカ精神を真っ直ぐに謳いあげていく、非常時の娯楽映画って感じで、そういう気分だったのか、当時のアメリカ。犯人が子への愛ゆえってとこが、切ない。というよりも、孫への愛に狂う母親の影響ってとこ。狂えるママって怖い。だいたいほかにも脇の若くない女優陣がよかった。中年以降の女優ってアメリカ映画はうまく使える。邦画はうまく使おうとしない。もったいない。途中幼稚園シーンに、も少し犯人側の動きを入れてもいいんじゃないか。コメディとアクションが、うまく融けあってくれてなかった。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-15 09:37:21)

388.  リトル・マーメイド(1989) 北欧トーンを南洋に変えたのがミソ。人魚を褐色のお肌にして、音楽もカリプソ風。楽器の見立て、ちょっとせわしなかったけどディズニーの味。王子にキスさせるためのムードを盛り上げていくとこも楽しい。魔女が太ってるの。ディズニーではだいたい悪の側のキャラクターが魅力的で、これもそう。タコ。表情が豊かになる。海老の執事も怯えながら笑いを浮かべるあたり、いい。フランダースがつまんない。アンデルセンって19世紀のカフカだと思ってる。先がけて疎外のテーマを語っている。しかしその地上の世界と海の世界との断絶を、ディズニーは憧れの力で乗り越えられる、とする。断絶があるからこそ姫の憧れが輝くのであって…、などと注文をつけても、これはもう作者の立脚点の違いで、仕方なかろう。良くも悪くも、ディズニーの型はしっかり完成してしまっている。声が戻るとこはホロッとしたけど、もっとミュージカル的な手はなかったか。王子のキスが間にあわない、いう展開はいい。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-13 10:02:37)

389.  ナバロンの要塞 《ネタバレ》 ずっと担架で運んできた怪我をした仲間に偽の情報を吹き込んでおいて、やがて自白剤を使うであろうドイツ軍を混乱させようと考えるG・ペックを、D・ニーヴンが非情すぎると非難する。ここらへんもっと突っ込めば「戦争における非情さ」で芯のテーマになれる問題だろうが、エンタテイメント映画を逸脱するのでサラリと描き、怪我人の内心の屈曲には触れずに、彼はチームの成果をベッドから見て喜ぶだけ。女性スパイの処分の場も「軍人は抵抗できぬ女性を射殺できるか」という戦場における非常さの問題に突っ込みかけるが、ここもなんとなく「戦争とはやり切れぬものだ」という詠嘆どまり。エンタテイメント作品ですから、という言い訳でずいぶん逃げてるなと思ったけど、「エンタテイメントをそれだけで終わらせない姿勢」と思えばよいのか。ただ各エピソードが寸断されてる印象があり「話を膨らます」展開に乏しかった。ペックとA・クインの軋轢は、最期の海で銛で救助する場面でうまく生かしてまとめた。第二次世界大戦ではギリシャものってのがあるんだな。最近ではニコラス・ケイジの『コレリ大尉のマンドリン』てのがあった。ノンキというのとは違うけど、独特の色調が加わる。地中海的おおらかさ?[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-11 09:22:27)(良:1票)

390.  動く標的 《ネタバレ》 アメリカ映画では、正義を行なう個人の勇気がしばしばクローズアップされ感動させられるが、「出来ねえよなあ」と思わせられることも正直言って、ある。さて本作のラスト、これどう解釈するか微妙なところなんだけど、それまでのアメリカ映画だったら正義に向かうハーパーをはっきり描いたろう。しかしこれでは銃を構えた犯人が「無理だ」と銃を下ろし、ハーパーも「無理だな」と立ち止まるところでストップモーションになる。これ「正義を行なわない結末」と思ったんだけど、それでいいんでしょ。標的になりながら数歩歩いたことは「アメリカ的勇気」だけど、法律上の正義は放棄した、と解釈した。車中での会話で若いころの希望や現在の状況を改めて思い、悪い奴(不法移民斡旋宗教家その他)は司直の手にゆだねたり死亡したりしてるし…などの言い訳も浮かんだろう、それほど人間正義絶対で生きてるもんじゃないよ、と主人公が心中ぼやいて通報義務を捨てた瞬間のストップモーション。ハードボイルドの主人公像とうまく重なるものを感じた。事件をクリアに理解できてないので間違ってるかも知れないけど、そこが新鮮だった。妻のJ・リーは朝食の卵の黄身を、ハーパーが去ったため、ハードボイルドどころか、一つ一つ潰してたっけ。見てる間は分からなかったが、悪の店の歌手は『エデンの東』のアブラさんだった。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-03 09:19:14)

391.  ドアーズ ヒッピーにサイケの60年代後半。ドアーズってよく知らなくて、“タッチ・ミー”は知ってる、あと“ジ・エンド”を『地獄の黙示録』で知ってるぐらい。あんまりピンと来ないんですが、群衆としての聴衆ってのをポイントに観てた。冒頭、映画学校でのナチの群衆が提示され、当時ベトナム戦争への興奮と、それの裏返しのようなラブ&ピース運動への興奮とがきれいに吊りあってしまっている「興奮する群衆」の気味悪さみたいのがあった。少年時代に目撃したインディアンの交通事故がトラウマになってる。土着の原住民がよそから来た文明に殺されるアメリカの原罪みたいなものが、同じ東洋人顔のベトナム人に通じていく。世界は傷ましさで満ちていて、その傷ましさを拒絶しきろうとして生きていかねばならない現代の傷ましさ、みたいなものがあった。メグ・ライアンは付属品だった。コンサートシーンに気合いがあり、それも駄目になっていくほどいい。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-02 09:17:53)

392.  今夜はトーク・ハード 昼はさえない高校生、夜になると地下室からこっそり海賊放送する人気DJ(親にとっては心配なウツのせがれ)。昼はクラーク・ケント、夜はスーパーマン、と当時のノートに記しているが、今ならブロガーだな。ネットの世界でなら万能者。青春像は普遍です。ひとりひとりが電波を通じてかろうじてつながり合おうとしている。DJが彼と分かったときの周囲(クラスメイトや親たち)の反応をちゃんと見たかった。自殺少年への詫びが、次第に抗議の興奮に盛り上がっていくあたりが、まあ眼目。学校の不正はわざわざ要らなかったんじゃないか。C・スレーターはA・パーキンスの道を歩むのではないか、と当時心配している。目つきが危ない、と。[映画館(字幕)] 6点(2013-06-28 09:59:25)

393.  ニュー・ジャック・シティ ほとんどが黒人、脇はイタリアンと東洋系で、ホワイトアングロサクソン、いません。善玉悪玉を人種で分散させるような配慮、いりません。何も黒人が白人やっつけるとこを黒人見たかったわけじゃなく、うちらだけで全部やっちゃうさっぱり感がウケたんでしょう。それで「ドラッグはいけない」という教訓もちゃんとついて、音楽はもちろんラップ。イキのいい映画ってのは、どうしても犯罪ものになってしまうのか。やるかやられるかで命がかかってるし、やたら走るし。冒頭の空撮がいいよ。ラストの青空も意表をついた。でも話はちょっと小粒の印象。[映画館(字幕)] 6点(2013-06-21 09:24:47)

394.  夜の道 『ウィンチェスター銃’73』見たとき、ダン・デュリエの悪漢がよかったので、彼が出る映画を待ち伏せていたら本作が放映された。列車強盗団のリーダーで『ウィンチェスター銃』のときよりネチっこさは欠けたが、いるだけで嫌らしさが匂い立ってくるような下卑た笑いは、やはりいい。目的がそちらのほうだったので話は二の次に見ていたが、J・ステュアートがアコーディオン弾いて歌ったりアップルパイ注文したり、“おいら陽気なカウボーイ”って話なのかと最初はビビッた。しかしそれは世を忍ぶ姿で、正義に燃える男なのだった。『ウィンチェスター銃』も兄弟の確執が潜んでいたが、これもそうで、西部劇ではよくある設定なのか。よかったのは鉄道風景、谷の脇の崖を走っていくあたり堪能した。安い客は、剥き出しの貨車のようなところで運ばれるのだ。列車強盗ってのは、汽車とそれに追いつく馬と銃があって、西部劇の主要要素が凝り固まっている。給水塔を倒して列車を停めるスペクタクルもあるが、終盤精錬所で争い、女性がロープウェイ状の運搬機に乗って空中を逃げるってのがあった。逃げ出すところまでしか映さないのだが、その後を丹念に追えばスピルバーグ的な場面になる。スピルバーグも若いころこんな映画をたくさん見て抱いた欲求不満を、自作で解消していったのかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-20 09:48:09)

395.  キャデラック・レコード ~音楽でアメリカを変えた人々の物語~ 民俗音楽の研究家が南部黒人農夫の唄を収録する。レコードとはもともと記録のことだったわけで、とりあえず記録する目的で収める。農夫はそのことで自分の唄が価値を持つことを知り、町に出てくる。「レコード」の歴史として正しいスタート地点。アメリカ黒人ポップス史の年表を繰っているような映画だ。適度に当時の黒人の扱われ方の描写を織り込み(警官には殴られる・レストランを借り切っても給仕してくれない)語っていく。もっと「人間」が描かれたら、と思うものの、そしたらたぶん音楽史を背景にした普通のドラマになってしまい、時代が発酵しているような気分を捉えられなかっただろう。年表を繰る楽しみに限定した。ウルフなど次々と現われてくる癖のある男たちもいいが、中盤で登場するエタのビヨンセに聞きほれた。前半のフツフツ発酵する濃すぎる時間で、こちらが自然にノビのある女声の歌を求めていたのが分かる。言葉の正確な定義を知らないので間違っているかもしれないが、男たちがブルースの路線で自分たちの音楽を広げていたのに対し、エタはゴスペルの晴れ晴れしさを行ったのか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-12 09:43:57)

396.  ファミリー(1983) 映画館内でズルズル鼻をすする音が満ち溢れた記録は、私が体験した中ではこれか『チャンプ』か。母さんが癌で死ぬってんで10人の子どもを養子に出していく実話。可哀想なのはパパで、いちおうアル中などの欠陥があることになってるけど、もう家庭にとって必須の要素でなくなってるんだね。昔のアメリカ映画だったらパパを軸にし、長女が母親役になって次第に成長していく話になっただろうが、パパがもう駄目な時代なの(なぜか政治ではレーガンによる強いアメリカを目指していたころ)。こうして子が親を選べる時代が来たら、ってなことを考えた。家族が宿命にならない世界。それを親の側が許せるだろうか。子の幸せを願う親のエゴだけは、なかなか否定できないんじゃないか。そんなことを考えました。ちょっと“テン・リトル・インディアンズ”を思ったのは不謹慎でしたな。てんかんへの偏見を訴えるために、知恵遅れへの偏見を持ち出さざるを得なかったのは欠点。[映画館(字幕)] 6点(2013-06-11 09:47:25)

397.  絶叫屋敷へいらっしゃい 《ネタバレ》 金曜日に見るにふさわしい映画で(土日だったらもうちょっと歯応えがほしい)、二日たてばきれいに忘れてしまい、次の週に引きずらない。お化け屋敷もの。落とし穴あり、滑り台あり、迫り来る壁あり、でも庭にジェットコースターがあるのは珍しい。テーブルにおもちゃの汽車がまわる仕掛け。仕掛けのある家の面白さってのは何なんだろう。初めて招かれたよその家に対するある種の緊張を具象化するとこうなるのかな。ブラジル人二人組はなんか中途半端でした。若者グループと警官がピストルを突き付け合うとこ、彼らが老判事を見てワッハッハと笑うとこ、結婚の誓いをもぐもぐと口ごもるとこ、再度乗り込んで警官たちがニッコリ笑って「判事」というとこ、などなど。アメリカは麻薬に対してはほんとに厳しい。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-30 09:47:45)

398.  アンディ・ウォーホル/スーパースター スーパースターってのは、ウォーホルの造語だったそうだ。なんか意味が違ってきてる。今はスターの中のスターって感じだけど、この人のは、スターを超えて、って感じ。ウォーホルのドキュメンタリー映画。この人の表情はヤク中だとばかり思ってたけど、ああいう表情で防御しなければならない立場に自分を追い詰めていった、って感じもある。自分から大衆=マスコミと関係を持ち続け、彼らがそうしてほしがる「微笑」の対極へ対極へ押されて行っちゃった、っていうのか。微笑も駄目だが奇人を装うことも陳腐になってしまう、そういう恐ろしい時代を、彼も加担して作ってしまったのだ。芸術家は奇人を装って大衆から隠れていればよかった、たとえばダリなんかの時代はまだ牧歌的だった。家族とファクトリーの連中とは会わせなかった、っていうとこ、なんか痛ましい。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-28 09:57:55)

399.  トイ・ソルジャー だいたい立て籠もる話はその設定だけで好きになっちゃうんで、『わらの犬』あり『狼たちの午後』あり『ダイハード』ありと、永の年月見てきたもんだが、これはあんまり立て籠もった甲斐がなかった方。ワルモノがコロンビアから逃げ出して来るんだけど、ずっと追跡されててヒョッコリ学園にやってこられるもんかな。あるいはラスト、軍の突入となれば犯人側はまず人質を固めると思うんだけど、外を走り回って死んでっちゃうのがトンマ。そういうのはいいとしても、不純な要素が死んでいって、アメリカの純潔な部分が残るように見え、古めかしいヒロイズム讃歌が聞こえてくる。ま、黒人が残っただけでもヨシとするか。こういうので多いのが、有色人種がしばしば尊い犠牲になってみんなに哀悼されつつ消えていくパターン。それはなかった。内部情報を伝えに外に出た主人公が、軍隊にとどめられるあたりちょっとハラハラした。ああいう仕掛けをもっと欲しかった。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-24 10:37:55)

400.  マーニー 《ネタバレ》 ヒッチコックが好んだ「心の闇」もののサスペンスはこれが最後となった。掉尾を飾るとはいかなかったが、味わいはある。いいとこが一つでもあれば可と思っており、これは三つはある。①無人となった会社で金を盗むとこ。画面を壁で分割し、左側に掃除婦が入ってくる緊張。ずっと無音のところ、ポケットに忍ばせた靴が落下。入れ替わりに入ってくる男とマーニーがぎりぎりですれ違う。彼の掃除婦への呼びかけの声の大きさで、掃除婦耳が遠かったと分かる。そんなシーン。②旦那の家のパーティに次々に客が訪れ、カメラがゆっくりゆっくりドアに近づくと、最初の事件の会社の経営者が立つ。これはもうヒッチお得意の段取りで、昔はチック症のドラマーに迫ったりしてた。いいんだ、この「じわじわ接近」。③終盤の怒鳴り声の応酬で盛り上げた頂点で、マーニーが突然子どもの声になるとこ。彼女のトラウマを一瞬のうちに提示し、女の子に母の愛を奪われたと嫉妬していたシーンなども思い出させ、ドキドキしつつ哀切。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-09 09:22:01)

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