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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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501.  ツイスター 公開時には中坊なりに「えらく中身のない映画だなぁ」と感じたのですが、今回16年ぶりに再見して印象は変わりました。どうやらこの映画、「雑に作られたハリボテ大作」ではなく、「面白くなりようのない題材を高い構成力でまとめあげた苦心作」であるようです。スピルバーグが子飼の優秀なスタッフを大勢提供しながらも自ら監督しなかった点や、ユニバーサルがワーナーに共同出資を持ちかけてリスク分散を図っている点から見ても、本作が着地点の見えないリスキーな企画だったことが窺えます。。。 考えてみれば、竜巻とは長編映画にとってえらく不向きな題材です。地震、土石流、火砕流、溶岩流、火山灰と災害のフルコースだった『ダンテズ・ピーク』と比較すると、何の前触れもなく現れ、短時間で壊滅的な被害を与えるという竜巻を扱った本作では、映画全体の構成が非常に困難であったことが容易に想像できます。そこで苦し紛れに登場させたのがストームチェイサーという科学者グループだったわけですが、自ら竜巻に突っ込んでいく人々を主人公にしたのでは、生きるか死ぬかという緊張感やドラマは当然薄くなってしまいます。そのためディザスター映画にありがちな湿っぽいドラマはスッパリと落してしまい、夫婦の再生の物語を映画の横糸としたわけです。これはジェームズ・キャメロンの『アビス』と同じ構成なのですが、男女の役柄を入れ替えることで話の印象をガラリと変え、安易な二番煎じにしていない点には感心しました。出演者は知名度よりも実力重視。翌年にオスカー女優となるヘレン・ハントを筆頭に、無名時代のフィリップ・シーモア・ホフマンやジェレミー・デイヴィスを配置するという先見の明には恐れ入りました。。。 ヤン・デ・ボンは企画が本質的に抱える弱点をよく理解しており、ドラマは深掘りせずに徹底して勢いで乗り切るという作戦に出ています。マーク・マンシナの軽快な音楽に乗せてテンポよく見せ場を繰り出し、なんとか2時間をもたせているのです。見せ場に平凡なものはなく、どの場面もアイデアに溢れて目を飽きさせません。人と竜巻との追っかけがしつこく続くラストの力技はさすが『スピード』の監督と言える仕事であり、スピルバーグでもこのレベルは不可能だったのではと思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-08-14 20:30:10)(良:1票) 《改行有》

502.  エンジェル ウォーズ 既存コンテンツをピカピカに作り直すことで成功してきたザック・スナイダーが、はじめて挑んだオリジナルストーリー。今回は自ら脚本も執筆しており、並々ならぬ意気込みで製作された本作なのですが、完成した映画はかなり独特。面白いと判断するか、そうではないと判断するかはまさに紙一重であり、実際、劇場公開時には興行的にも批評的にもかなり苦戦しました。とはいえ新しい試みに対して拒否反応は付き物であり、かつて『フィフス・エレメント』や『V・フォー・ヴェンデッタ』がそうであったように、時とともに評価は安定していくタイプの映画だろうと思います。。。 かく言う私も、最初の見せ場である鎧武者との対決にはポカンとしてしまいました。アクションとは物語の中に存在してこそ盛り上がるものであり、文脈から切り離された所で派手なアクションを見せられても感情がうまく乗っからないのです。しかし、映画を見進めていくことで徐々にこの映画の鑑賞方法が分かり、それからは素晴らしいアクションの連続を楽しむことができました。本作の製作にあたって、監督は『ムーラン・ルージュ』からの影響についてしばしば言及しています。つまり、これはアクション映画というよりもミュージカル映画に近く、本作におけるアクションはミュージカル映画における歌と同様の位置づけにあるようです。それまで普通に喋っていた人が、感情の高ぶりとともに突然歌い出すというミュージカル映画でお馴染みのアレを、本作ではアクションに置き換えているのです。。。 ザック・スナイダーにとっては物語すらその圧倒的なイマジネーションの枷となっていたようで、ミュージカルの手法を採り入れることでその制約から解き放たれた本作の見せ場は圧倒的な迫力と面白さに溢れています。これは駄作と切って捨てるには惜しい完成度であり、今後本作を受け入れる人が増えればいいなと思います。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2012-08-14 20:28:07)(良:1票) 《改行有》

503.  マシンガン・プリーチャー 『マシンガン・プリーチャー』…直訳すると機関銃牧師。この直球勝負のタイトルに加え、『300』で古代筋肉バカを熱演したジェラルド・バトラー主演と来れば「どんなクソ映画が飛び出すんだ」とワクワクしてしまいますが、内容は実に中途半端でガッカリしました。。。 女房にストリッパーをやらせて一家を養わせ、自分はバイクと麻薬に夢中というホワイトトラッシュの鑑のような男が本作の主人公。この男がキリスト教の力でエクストリーム改心するのですが、改心した途端に建設業で一発当てます。ほんの数年で一財産築いた彼は「この幸せをみなさんにもお裾分けしなきゃ」とボランティア精神に目覚め、内線が続くスーダンの子供達を救おうと奮闘します。しばしば虐殺が起こり、銃弾も飛び交う危険な地でありながら、彼にはまったく弾が当たらない!従軍経験のないただのガンマニアでありながら、地元民兵との戦闘では常に勝利を収める!神に守られているとしか思えない彼は、いつしか子供達の守護神となるのでした。。。 一応は実話という触れ込みの本作ですが、ワンマン経営者特有の「どうも話を盛ってるっぽい感」がプンプンしてきます。当の監督自身もこのインチキ臭い話に乗り切れていない様子で、そのことが映画の出来を中途半端なものにしています。監督を担当したマーク・フォースターは医師の父と建築家の母を持ち、身内にはドイツ赤軍メンバーもいるという、いわゆる進歩的な一家に生まれた文化人です。この来歴から察するにこの人は宗教というものを信じておらず、そのため物語の要となる「信仰」という部分を完全に茶化して撮っています。主人公が教会で熱弁を振るう様などは完全にカルト宗教の扱いでした。おまけに、ヨーロッパ人である監督は、どこにでもズカズカと入り込んで「俺が俺が」と出しゃばるアメリカ人を冷ややかに見ており、主人公の活躍をかっこよく撮ろうという意思がまったく感じられません。そのため本作はドラマの面でもアクションの面でも成功しておらず、かといってバカに徹しているわけでもなく、妙に気合の入ったジェラルド・バトラーの雄姿のみが空回りするという結果に終わっています。[DVD(吹替)] 4点(2012-08-13 00:44:15)(良:1票) 《改行有》

504.  トータル・リコール(2012) 濃厚コッテリだった『トータル・リコール』が薄味のラーメン屋みたいな味に。バーホーベン版を神格化するつもりはありませんが、それでもこのリメイクは失敗だったと思います。CGがほとんど使い物にならない時代に製作されたバーホーベン版には驚くような見せ場がいくつもあったのに、一方で技術的な制約のなくなった時代に作られたはずの本作にはインパクトのある場面がひとつもありません。コロニーは『ブレードランナー』、UFCは『マイノリティ・リポート』の世界そのままだし、劇中に登場するテクノロジーは『アイ、ロボット』で見たようなものばかり。レン・ワイズマンは『アンダーワールド』でも『クロウ/飛翔伝説』のパクリをやってアレックス・プロヤスから苦言を呈されていましたが、本作においてはより露骨な形でこの人のオリジナリティのなさが現れています。さらに罪深いのは、これだけ他作品のパクリをやらかしながら、肝心のバーホーベン版からの影響は皆無に等しいということ。小ネタで義理立てはしているものの芸術面でのリスペクトはまったくなく、そこまで『トータル・リコール』に関心がないのであれば、別の映画を作るべきだったと思います。。。 以上のようなSF映画としての欠点に加え、本作はアクション映画としても面白みに欠けています。見せ場の連続なのに手に汗握らないという娯楽映画の末期症状に陥っており、2時間の連続活劇としてうまく機能していないのです。こちらについても、泥臭くとも訳の分からん勢いだけはあったバーホーベン版とは正反対の仕上がりであり、スタジオは監督の人選を間違えたように思います。。。 役者についてですが、芸達者なコリン・ファレルは無難に主人公を演じており、このグダグダの映画をうまく乗り切っています。ジェシカ・ビールは個性に欠け、いてもいなくても大差のない存在感。ただ一人ネジの飛びまくった熱演を披露しているのがケイト・ベッキンセールで、かつてシャロン・ストーンとマイケル・アイアンサイドが演じた役柄を一人で引き受けたという気負いから過剰な演技に走っているのですが、これが笑ってしまうほどおかしくなことになっていてラジー賞ノミネートは確実ではないかと思います。これを撮っているのはこの人の旦那なんだなぁと思うと何ともカックンな気持ちになり、他人の家のホームビデオを見せられているような居心地の悪さを感じました。[映画館(字幕)] 4点(2012-08-11 01:20:58)(良:1票) 《改行有》

505.  戦火の馬 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』以降四半世紀に渡り、いかにして悪趣味描写を娯楽作に持ち込むかという難題に勝手に挑戦し続けてきたスピルバーグですが、本作ではついに悪趣味を卒業し、かつての健全な娯楽映画に回帰した内容としています。同時に製作した『タンタンの冒険』も同様の趣旨でしたが、そちらは初のアニメ作品ということもあってやや失敗した感がありました。しかしスペクタクルの巨匠スピルバーグ、実写では外しません。90年代以降のスピルバーグ監督作品としては間違いなくNo.1の面白さであり、この人は映画を撮るのが世界一うまい人であることを再認識させられました。。。 主人公は馬。ディズニー映画のように人間の言葉を喋ることも、誰かがその気持ちを代弁することもなく、本当にただの馬を主人公とした映画なのですが、この馬のキャラがきちんと立っていることに驚かされます。擬人化の名人スピルバーグが久しぶりにその腕前を披露したわけですが、演技部門でオスカーにノミネートされてもよかったんじゃないかと思うほど馬が素晴らしすぎます。そんな馬を囲む人々も基本的には良い人ばかりで、良いドラマを観たなぁという気持ちを存分に味わわせてくれます。。。 最近仲良くしているピーター・ジャクソン(第一次大戦オタク)に影響されてか、本作の舞台は第一次世界大戦。これが実に独特な戦争で、初期には職業軍人による伝統的な騎馬戦が主流だったものの、後期には大量破壊兵器と大人数の素人兵士がその主役となり、開戦時と終戦時とではまるで違った様相を示すこととなった戦争でした。大量破壊兵器の登場とともに、かつての戦場には確かに存在していた「戦いの美学」というものが失われ、戦争はただの殺し合いとなったわけですが、本作はそんな時代背景をきっちりと内容に反映させています。当初は軍馬として大事に扱われていたジョーイが、後には交換可能な運搬手段としてこき使われることとなるのですが、戦場における人道のあり方と主人公の扱いを丁寧にリンクさせている脚本には感心しました。。。 不満点を挙げるならば、ヨーロッパ人が当然の如く英語を喋る点と、ドイツ帝国が一方的に悪者にされている点でしょうか。ユダヤ人弾圧のあった第二次大戦ならともかく、三国同盟と三国協商のどちらに正義があったのかについて議論の割れている第一次大戦においてこの扱いは無神経であると感じました。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-08-10 17:43:31)(良:1票) 《改行有》

506.  マッド・シティ 奈良の騒音おばさんを覚えているでしょうか?本来は登場人物数名程度の小さな近隣トラブルだったはずが、これを面白がったテレビ局によって連日全国放送で取り上げられ、さらにはバラエティ番組のネタにされるなど異常とも言える大騒ぎとなった一件ですが、この事件には報道されていない後日談があります。病気の夫の看病や娘の死など、このおばさんには同情すべき点が多分にあったということや、近隣トラブルの原因を作ったのは騒音被害者とされていた隣人の方であったということが裁判の過程で明らかになったのですが、マスコミはこの事実を一切報道しませんでした。一人の女性をさんざんオモチャにして弄んだ挙句に、報道する側の手落ちが発覚すると一言の謝罪も訂正もなしにだんまりを決め込む。これは酷すぎではありませんか。。。 本作は、そんな報道の体たらくを皮肉ったブラック・コメディです。この映画にも直接のモチーフとなった事件があります。武装したカルト教団が51日間もの籠城を行った末に81名の死者(うち25名が子供)を出したブランチ・ダビディアン事件がそれなのですが、この事件においてもマスコミ報道のあり方が議論の的となりました。籠城期間が長期に渡ったため、ネタに困ったマスコミが憶測やデマ、完全なウソまでを平気で垂れ流すようになり、それが事態を致命的に悪化させる原因となったのです。真実を伝えるという役割を担うはずのマスコミが「真実などはどうでもいい。面白いことが重要だ」とひたすらセンセーショナルな方向へと流れていった時、現実世界で何が起こるのか?アメリカ国民がそれを垣間見た事件だったというわけです。。。 本作の主演はダスティン・ホフマン。かつて『大統領の陰謀』でジャーナリズムの崇高さを謳ったホフマンがメディア批判の映画に出演しているという点が非常に象徴的です。頭の弱い小市民を演じるトラボルタとの相性は意外にも良く、芸達者なホフマンが不器用なトラボルタを導いてやっているという構図が二重の意味で笑わせます。残念だったのは演出が一本調子だったことで、同じことの繰り返しなので後半になるとさすがに飽きてしまいます。テーマも役者も良かっただけに、監督の手抜きぶりが残念で仕方ありません。[DVD(字幕)] 6点(2012-08-10 01:46:01)《改行有》

507.  宇宙人ポール 『ホット・ファズ』のチームが手掛けただけあって、相変わらず丁寧な娯楽作に仕上がっています。スピルバーグ愛全開ではあってもオマージュやパロディは「わかる人がわかればいい」という程度に抑えられていて、80年代SF映画に関心のない人でも楽しめる間口の広い内容としている点には好感が持てました。娯楽作としてのバランスの取り方は絶妙で、速すぎず遅すぎず観客の生理に合わせた映画となっています。登場人物は多彩なのですが、振り返ると主人公2人以外のキャラはドン底とも言える人生を歩んできた暗い人たちばかり。ポールは60年間監禁生活を送り、脱出時には解体手術を受ける寸前のところだったし、かつてポールを助けた少女はキ◯ガイ呼ばわりされて60年間を孤独に過ごし、ヒロインとなる女性は30歳を遠に過ぎているのに家の外のことをほとんど知らず、イカれた父親から性的虐待を受け続けていることが暗に仄めかされています。こういうビターな設定を加えたおかげで映画は独特の味わいを得ているし、同時に「宇宙人騒動に参加する人間がマトモな社会人であるはずがない」という説得力ある設定にもつながっています。職を失い、妻子を捨ててまでUFO騒動にのめり込む男の姿を描いた『未知との遭遇』に違和感を覚えた私としては、本作のこの設定には大いに納得できました。。。 とまぁ全体的には満足できたのですが、不満な点が二つほどあります。一点目は、脚本が教科書的すぎて、伏線が見え見えになってしまっていること。作り手が意図したサプライズが観客にとってのサプライズになっていない場面がいくつかありました。二点目は、クライマックスに登場する宇宙船が手抜きだったこと。例えば『ギャラクシー・クエスト』は、クライマックスに本家『スター・トレック』をも超えるスピード感ある見せ場を準備して「SFは最高だ!」という思いを観客にも抱かせることに成功しました。このチームの前作『ホット・ファズ』も、クライマックスにバカバカしくも壮絶な銃撃戦を準備して観客を興奮させました。本作のラストにも、本家『未知との遭遇』と同等かそれ以上のスペクタクルが必要だったと思います。スピルバーグ映画を観た時と同じ感動を観客に味わわせてこそ、真のリスペクトであるはずです。[DVD(吹替)] 7点(2012-08-07 01:10:51)(良:1票) 《改行有》

508.  未知との遭遇 『ジョーズ』の成功で映画を自由に撮れる立場となったスピルバーグが、自身のオリジナル脚本をスタジオに持ち込んで監督した唯一の作品(スピは他に『A.I.』の脚本も執筆しているものの、そちらはキューブリックのアイデアを具体化しただけのもの)。かけられた製作費は『スター・ウォーズ』の2倍、『ジョーズ』の3倍であり、当時としては史上最大規模のSF大作だったわけですが、若干30歳にして一大プロジェクトの陣頭指揮を執り、大勢のベテランスタッフを動かして映画を完成させたスピの手腕は驚異的だと思います。また、彼の演出も絶好調。それまでは『激突』や『ジョーズ』などサスペンスアクションの分野で才能を発揮していたスピが、はじめて大規模な見せ場を含むSFに挑戦した作品だったわけですが、初めての経験ながらも彼の演出は堂々たるものです。後の『ジュラシック・パーク』も『宇宙戦争』も本作の演出を繰り返しているのみであり、この時点でスペクタクル演出の基礎を完成させていたという天才ぶりには驚かされます。才能とは恐ろしいものです。。。 以上、スピ演出のレベルの高さは認めるものの、映画として好きかどうかと聞かれると、個人的にはそれほど好きな映画ではありません。リチャード・ドレイファス演じる主人公ロイがあまりにウザすぎたのがその原因で、子供を3人も抱え、美人で優しい奥さんがいるのにUFO追跡に固執し、騒動の最中に出会ったシングルマザーと良い仲になるという自己中心的な人物を受け入れることができませんでした。この主人公については、小学生だったスピを残して家を出た父親像が投影されており、あえて否定的に描かれているというフシもあるのですが、それにしてもこの人物のウザさは異常。彼が家庭をブチ壊す様を見せられた後にファーストコンタクトだ、宇宙の神秘だと言われても、素直に感動することが出来ませんでした。彼は脇役の一人に留めておいて、より観客が共感しやすい人物を主人公とすべきだったと思います。[DVD(吹替)] 5点(2012-08-06 01:07:21)《改行有》

509.  TIME/タイム 《ネタバレ》 アンドリュー・ニコルの作品は、SF映画として鑑賞すると落胆させられることが多いように感じます。大成功した『トゥルーマン・ショー』や傑作と呼ばれる『ガタカ』ですら世界観の作り込みが甘く、設定に腑に落ちない点が多すぎるのです。例に漏れず本作も、基本的な設定部分はボロボロ。ニコルはこの点を取り繕う気すらなかったようで、冒頭のナレーションで主人公に「なぜこんな世界になったのかは俺にもわからない」と身も蓋もないことを言わせる始末。ニコル作品はSFではなく寓話として観るのが正解で、基本設定へのツッコミは忘れてあげるのが作法のようです。。。 一部の大金持ちが貧乏人の命を搾取してその繁栄を維持している世界。ジュード・ロウ主演の『レポゼッション・マン』と同じく、サブプライム問題で露呈した強欲なアメリカ資本主義をデフォルメした内容となっています。はたまた、人類は不老不死の夢を叶えたがその夢を享受しているのは一部の金持ちだけという構図は、マイケル・ムーアの『シッコ』でも描かれたアメリカの歪んだ医療保険制度を象徴しているとも解釈できます。つまりこの映画が描いているのは未来世界ではなく、現代のアメリカ社会なのです。。。 そんな目の付け所は面白いし、これを『人生の残り時間が通貨となった世界』という図式にまで落とし込んだアイデアには脱帽させられますが、この映画が優れているのってそこだけなんですよね。主人公の行動原理にイチイチ不明な点が多いし(身の危険を冒してまで見ず知らずの金持ちを救おうとした理由は?100万年もの時間の強奪に成功しながらそれに一切手を付けず、ヒロインともども死にかけたのはなぜ?)、キレ者に見えて実はマヌケなタイムキーパーにもガッカリさせられます。特に目を引く見せ場があるわけでもなく、主人公がやることは全てうまくいくのでスリルやサスペンスの演出にも失敗しています。娯楽映画としては赤点寸前の出来なのですが、美しい出演者達(2006年の佳作『アルファ・ドッグ/破滅へのカウントダウン』の出演者多し)は見てて飽きないので5点としておきます。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-05 03:29:12)(良:2票) 《改行有》

510.  リトル・オデッサ かねてから観たい観たいと思いながらもDVDが長らく入手困難となっている本作ですが、中古VHSが50円で叩き売りされているのを発見したので即購入。画質はイマイチ、音声トラックが傷んでいてノイズ入りまくりという悪環境ではありましたが、ともかくようやく鑑賞することが出来ました。。。 監督のジェームズ・グレイは若干25歳にして曲者俳優ティム・ロスや往年のオスカー俳優マクシミリアン・シェル、ヴァネッサ・レッドグレーブを的確に使いこなしており、”何か評価してやらねば”と思わせる仕事ぶりを披露しています。バイオレントな雰囲気作りにも成功しており、ベネチア映画祭銀獅子賞受賞という評価にも納得がいきます。その一方で、この映画は「雰囲気もの」の域を出ておらず、短い上映時間の割には思わせぶりなだけの冗長なカットが多いこともまた事実。「特殊なムラ社会の中で崩壊するひとつの家族」というテーマは後の『裏切者』や『アンダーカバー』にも引き継がれますが、後の作品が娯楽性への目配せが出来ていた点と比較すると、本作は荒削りすぎるように感じます。決して悪い映画ではないのですが、後続作の完成度と比較すると6点が妥当であると思います。[ビデオ(字幕)] 6点(2012-08-05 03:26:02)《改行有》

511.  スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 『NARC/ナーク』で注目を集めたジョー・カーナハンの初メジャー作品。カーナハンは『NARC/ナーク』を気に入ったトム・クルーズ直々の指名を受けて『ミッション・インポッシブル3』の監督に抜擢されるも、作品を完璧にコントロールしたがるトム・クルーズと馬が合わずに途中で降板。その時に受けたストレスをぶつけるかの如く「俺はこんな映画が撮りたかったんだぁ!」と暴走したのが本作なのですが、訳の分からん登場人物が入り乱れる内容を器用にまとめており、相変わらず抜群の構成力を披露しています。また、コメディを基調としながらも湿っぽいドラマが同時進行しており、引くほどのグロテスクな暴力描写も含まれるというおかしな味わいの内容なのですが、そんな無茶な内容を不思議な統一感でまとめてみせた手腕も見事なものです。同時期にトニー・スコットが『ドミノ』で同様の試みをして失敗しており、カーナハンが本作で披露した技って実はかなり高度な芸当だと思います。こんな映画を撮れる監督は世界に10人もいないのではないでしょうか。。。 とまぁ監督の技見せとしては素晴らしい作品なのですが、観客が楽しめる作品かと聞かれれば、正直微妙なところです。後の『特攻野郎Aチーム』もそうだったのですが、この監督は娯楽的な盛り上�げというものを不得意としています。見せ場の作り込みは良いもののそれを見せるタイミングが今一つで、本質的には娯楽映画に向かない監督さんだと思います。カーナハンを切って、後にヒットメーカーとなるJJエイブラムス(当時はテレビドラマのプロデューサーという印象が強かった)を『ミッション・インポッシブル3』の後任に据えたトム・クルーズの判断は正解だったようです[DVD(吹替)] 6点(2012-08-03 01:06:18)(良:1票) 《改行有》

512.  ダークナイト ライジング IMAXシアターにて鑑賞。 関係者の想定以上によく出来てしまった『ダークナイト』の続編。傑作になることを義務付けられた完結編という相当な重荷の中、上がりまくったハードルをきっちり超える映画に仕上がっています。アクションはより派手に、ストーリーはより重厚に、世界が見たがっているバットマンを正確に理解した映画となっているのです。『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』『マトリックス・レボリューションズ』等、要らないものを足しすぎて失敗する完結編が多い中で、ここまで過不足なく綺麗にまとめられた完結編は珍しいと思います。とにかくクリストファー・ノーランの仕事が圧倒的。日本のオタク以上に厄介なアメリカのオタクを納得させてきたストーリーテリングの手腕はさすがのものだし、アクション演出は前作以上に的確です。『ビギンズ』の時には演出に固さがあったものの、娯楽部分の演出はどんどん巧くなってきています。007を思わせるスカイアクションにはじまり、ウォール街襲撃に、バットマン再登場に、ゴッサム陥落にと圧倒的な見せ場が連続するのですが、CG全開のマーブルヒーローとは一味も二味も違うリアリティある見せ場には大変恐れ入りました。。。 物語については賛否が割れているようですが、私は良い内容だったと思います。最大の武器であった財力とテクノロジーを奪われた時、ブルース・ウェインはどう戦うのか?というのが本作のテーマ。なかなか面白い点に目を付けたなぁと感心しました。第2のロシア革命を目論むベインという敵にも、完結編に相応しい重厚さがありました。無目的な狂人であったジョーカーでは完結編の主役は務まらなかったはずであり、バットマンとは相要れぬ信念のために突き進む怪人こそが、サーガの幕引きには適任だったと思います。。。 そして最期に一言。どんなに扱いが悪くてもシリーズに出演し続けたキリアン・マーフィの度量は素晴らしすぎる![映画館(字幕)] 9点(2012-07-29 01:08:11)(良:1票) 《改行有》

513.  バットマン(1989) 10数年ぶりの鑑賞でしたが、ヒーローを現実世界に引きずり出そうとする最近のアメコミ映画にすっかり慣れてしまっていたので、コミックの世界の完全再現にこだわった本作にはかえって新鮮さを感じさせられました。この映画がすごいのは、わざわざ説明をしなくてもすべてが自然に成り立っているということ。ジョーカーが毒入り化粧品や毒ガス散布でゴッサム市民を虐殺しようとするトンデモない話なのですが、その動機や目的は一切語られません。悪人であるジョーカーと舞台となるゴッサムシティが完璧に作り込まれているので、もはや悪事の理由を説明する必要すらないのです。背景や理由をくどくどと説明するブライアン・シンガーやクリストファー・ノーランの映画とはまるで違い、画だけで観客を納得させる構造になっている点には感心しました。。。 だからといってこの脚本が頭空っぽというわけではなく、目に見えない設定部分は徹底的に理詰めで考えられています。例えばバットマンの設定。仮面をかぶって犯罪者をこらしめて回る大富豪などマトモな人間であるはずがないので、常人を装いつつも激しい凶暴性を内包した狂人という設定としています。この映画のブルース・ウェインはノーラン版と違って社会正義を一言も口にせず、己の暴力衝動を充たすために犯罪者をターゲットにしていることが明確化されています。恋人ヴィッキーに正体を明かす場面は象徴的で、彼はバットマンであることを誇ることはなく、「やめようにもやめられないんだ」とあたかも悪い中毒のようにヒーローとしての自分を語ります。バットマンの働きに感謝したり、その活躍を応援したりするゴッサム市民が一人も登場しないのも意図的な演出でしょう。。。 以上、本作が図抜けた映画であることは認めるのですが、娯楽作としてはそれほど楽しめないことが難点。バットマン・ヴィッキー・ジョーカーの三角関係が物語の核となるのですが、生粋のオタクで恋愛に不慣れなティム・バートンがこの部分をまったく扱えていません。さらにはアクション演出ももたついており、スリルや迫力をまったく感じさせない見せ場が連続します。もうちょっと引き締まっていれば見違えるような傑作になったかもしれないだけに、本作製作時点のバートンの未熟さを残念に思います。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-20 01:10:31)《改行有》

514.  ヒットマンズ・レクイエム ゴールデングローブ最優秀男優賞受賞にアカデミー脚本賞ノミネートと本国では高く評価された一方で、日本ではDVDスルーとなった本作。かなり陰惨な内容を捻じれた笑いで包んでおり、独特の雰囲気を作り出しています。誰一人として普通ではない登場人物、微妙にズレた会話、際どい人種ネタ、綺麗に回収される伏線と脚本の出来は上々で、役者もピタリとハマっていて完成度はかなり高いのですが、ストレートな映画ではないので好き嫌いは分かれると思います。[DVD(吹替)] 7点(2012-07-17 00:57:19)

515.  インモータルズ/神々の戦い 脚本が平凡な上に監督がストーリーテリングに無関心なようで、お話しはまったく面白くありません。前半は「つまらん映画だなぁ」と思いながら観ていたのですが、ギリシャ軍vsハイペリオン軍の合戦がはじまると突如として面白くなりました。圧倒的兵力を見せつける敵にひよった自軍を鼓舞する演説はこの手の映画にありがちなのですが、本作はこれを意外なほどかっこよく演出してみせています。多くの兵が入り乱れる合戦は大迫力だし、満を持しての神様戦隊登場は笑ってしまうくらいかっこよく決まっていました。ここまでやってくれれば大満足、前半のつまらなさはクライマックスですべて帳消しになりました。。。 美しさを伴う残酷描写にスーパースローの多様と、ターセム・シンの画作りはザック・スナイダーとよく比較されますが、コミックのカットの忠実な再現を目指すザック・スナイダーに対して、動く絵画を目指すターセム・シンの画作りはより高度。『ザ・セル』を観た時には”小さなリドリー・スコット”という印象を受けたのですが、本作を観るにターセム・シンは映像派と呼ばれる監督群の中でも独自のポジションを確立しつつあるようです。そろそろまともな脚本を受け取って、ラッセル・マルケイ化する前に代表作を作って欲しいものです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-07-16 16:46:53)(良:1票) 《改行有》

516.  シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム 前作に比べてアクションの比重が増し、よりジョエル・シルヴァー色の強くなった第2作。とにかく爆破アクションの連続なのですが、ひとつひとつの見せ場が緻密に作りこまれていて単なるバカアクションに終わっていない点がシルヴァーらしいと言えます。ハイライトである兵器工場での戦闘では、素晴らしい見せ場の連続に大興奮させられました。俳優のチョイスもシルヴァーらしく、前作のヒロインを早々に退場させ、代わってスウェーデン版『ドラゴン・タトゥーの女』のノオミ・ラパスをヒロインに据えるというチャレンジングなキャスティングがなされています。ブラッド・ピットやダニエル・デイ・ルイスの登板が噂されていたモリアーティ教授も蓋を開ければシェイクスピア俳優ジャレッド・ハリス(名優リチャード・ハリスの息子)に落ち着いたわけですが、この辺りにも「スターは一人か二人いれば十分。あとは実力ある中堅・ベテランで固めるべし」というシルヴァーイズムが現れています。こうしたキャスティング面でのこだわりも本作においては吉と出ており、作品としては一定のクォリティに達していると思います。。。 ただし問題もあります。前作と同じく観客が推理に参加する形となっておらず、ホームズの長台詞を一方的に聞かされるのみというストーリーの展開方法にはややストレスを感じました。ホームズはもはや19世紀のジェームズ・ボンドと化しており、シャーロック・ホームズである必要性がほぼなくなっている点も問題。映画としては面白いのですが、シャーロック・ホームズというコンテンツの扱い方には再考の必要があると思います。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2012-07-16 02:35:01)《改行有》

517.  ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD- リドリー・スコットやマーティン・スコセッシといったハリウッドの巨匠達から愛される脚本家ウィリアム・モナハンの監督デビュー作ということで期待の大きかった本作なのですが、案の定、よくできたクライムサスペンスでした。ヤクザの世界から足を洗いたい主人公と、それを許してくれない闇社会というありがちな物語でありながら、キレの良いセリフ回し、印象に残る選曲、スコセッシ譲りの暴力描写によって水準を超える仕上がりとなっています。俳優陣の配置も絶妙で、ヤクザのボスをレイ・ウィンストンに演じさせて重量級の存在感を発揮させる一方で、デヴィッド・シューリスの飄々とした個性によって作品に独特の軽さを出しています。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの終了とともにめっきり見なくなったキーラ・ナイトレイが引退した元スター女優というセルフ・パロディのような役回りで出演しているのですが、「脱ぎの仕事も文句を言わずに引き受けていた」という自虐的なセリフで笑わせます。。。 問題に感じたのは、主人公が元スター女優のボディガードであるという設定が本筋とうまく絡んでいないという点。結末から振り返ってみて、主人公の恋の相手がセレブリティである必要性が感じられません。彼女に張り付いているパパラッチを利用した反撃作戦でもあれば面白くなっただけに、もうひと捻りが欲しかったところです。 [DVD(吹替)] 7点(2012-07-16 01:49:52)(良:1票) 《改行有》

518.  レインディア・ゲーム 《ネタバレ》 隙だらけの包囲網から逃げきれない主人公と、主人公の嘘八百を信じまくる強盗団、どちらもバカにしか見えませんでした。挙句に待っているのはデ・パルマ作品並みに強引なオチと、当時売り出し中だったベン・アフレックのパブリックイメージに配慮して主人公を無理矢理善人にするラスト(車泥棒で服役した男が金を配って回るという…)、こんな雑な話をコメディではなく真剣なクライムサスペンスとして撮っている点がなんともカックンでした。。。 救いはジョン・フランケンハイマーによる演出がマトモだったことで、アクション演出はかなりしっかりしています。編集にマイケル・カーンを引っ張り出してきたことで全体のテンポもうまく整えられており、少なくとも退屈はしない映画となっています。当時ハリウッドの脱ぎ要因だったシャーリーズ・セロンは、ヌードの必要のない本作でも気前よく脱いでくれてるし。ま、一度見れば十分な映画ですが。 [DVD(吹替)] 5点(2012-07-06 01:53:16)《改行有》

519.  ルーザーズ 《ネタバレ》 アクションコメディの割に込み入った内容、おまけに説明が駆け足なもんで、何度も話を見失いそうになりました。32話からなるアメコミ原作を100分程度に圧縮した作品であるため脚本にムリが生じた結果なのでしょうが、原作の再現にこだわって一本の映画として破綻寸前にまで追い込まれるくらいなら、映画用に適度な改変を加えるべきだったと思います。謎の美女アイーシャの正体が判明する場面や、ルーザーズの一人が裏切る場面なども事前のフリのマズさからサプライズになっておらず、ストーリーテリングという点においてこの脚本は失敗しています。ルーザーズ達のコミカルなやりとりも作り手が意図したほど楽しくはなく、悪い意味でピーター・バーグ(『ハンコック』『バトルシップ』)らしい脚本だと言えます。。。 一方で、見せ場が素晴らしいのが本作の救い。製作費2,500万ドルというハリウッド映画としては小規模な作品なのですが、アクションのノウハウを知り尽くしたジョエル・シルヴァーが背後に控えているおかげで大作並みの満足度が得られます。ゾーイ・サルダナやクリス・エヴァンスなど俳優陣のハマり具合も完璧、久々に見かけたジェイソン・パトリックも楽しげに悪役を演じており、見てくれはよく出来ています。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-05 23:16:29)(良:1票) 《改行有》

520.  ヒットマン(2007) “組織に裏切られた暗殺者が逃亡の過程で人間性を取り戻す”、これまで何度見たかわからないほどありふれた物語です。おまけに設定はあまりに雑(生まれた直後からの暗殺者育成なんてコストかかりすぎ、後頭部にバーコード入れてスキンヘッドじゃ目立ちすぎ、影なき暗殺者が組織のロゴマーク入りの道具を持ち歩くなetc…)。しかししかし、これはゲームを原作とするアクション作品。細かいことには目をつむって、ひたすらにビジュアルを楽しむべき映画です。。。 こんな具合にお母さんのような優しい目で鑑賞していたものの、肝心のビジュアルに面白みがないという困ったことになっています。バカバカしくも手の込んだアクションの連続を期待していたのに、ド派手な銃撃戦はたった一回のみ。代わりに繰り広げられるのはイーサン・ハントの真似事なのですが、これでは主人公がヒットマンである必要がなくなっています。ティモシー・オリファントの身のこなしはなかなか様になっているし、オルガ・キュリレンコはエロくてかわいいけど、映画全体が方向性を誤っているのではどうしようもありません。[DVD(吹替)] 4点(2012-07-04 02:11:37)《改行有》

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