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41.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 この映画を見た男の子の二人に一人くらいは、映画を観終わったあとに腕立て伏せを始めてるのではないだろうか?(笑) 個人的に本作は、ロッキーシリーズやファイトクラブに並ぶ、鑑賞した男子どもを容赦なく筋トレに誘うマッチョポルノ映画だと私は見做している。かくいう私も中学生くらいの頃、本作を初鑑賞してすぐ腕立て伏せに取り組んだ記憶がある。 …まあ冗談はそれぐらいにしておいて、本作は都会の頽廃や若者の鬱屈、狂気を描いた作品だが、意外と鑑賞後の後味は爽やかであることに気がつく。悲劇的な結末が多いアメリカンニューシネマの系譜に位置づけられる本作だが、その結末はハッピーエンドとも解釈できるものになっていて、これが先ほど述べた後味の良さに繋がっている。さらに、狂気や憂鬱をテーマとする作品のわりには、作中で常に流れるBGMは非常に甘美なものとなっている。総じて本作は作品のハードな部分とメロウな部分が絶妙に調和しており、一つの作品の中で長所短所が極端に現れやすいスコセッシの他の作品と比較しても、映画としての完成度が高いといえる。パルムドール受賞も納得の出来栄えだ。これは文句なしで10点![ブルーレイ(字幕)] 10点(2019-02-10 16:07:34)《改行有》

42.  インターステラー 《ネタバレ》 公開時に劇場で見よう見ようと思っていたが、結局見逃した一作。 正直IMAX画面でブラックホールや氷の惑星の美しさを体感したかったと後悔せずにはいられなかった。 宇宙に旅立つまでの描写が長く、説明的で、ここがこの映画の弱いポイントだと個人的には思った。 伏線を張るために仕方ないのかもしれないが、もうちょっと序盤にメリハリのある展開が欲しいと思った。 宇宙空間に突入してからは、ノーラン作品お決まりのノンリニアストーリー(時系列通りに進まない、直線的でない物語)、カットバック盛りだくさんの演出、重厚華麗なヴィジュアルでごり押しする展開に、否が応でも引き込まれた。 文系人間の私には、登場する理論がさっぱりわからなかったが、とりあえずあの開き直ったかのような五次元空間の表現の仕方については、感動というか自然と笑いが零れてしまった。”現代の科学では検証不能、だから俺の好きなように演出するぜ!これがおれのかんがえた五次元空間じゃい!!”というノーランの叫びが聞こえてきた気がした。あの表現や展開について唖然とする方も多いと聞くが、個人的には苦笑いしつつ、まあ検証不能だからそういう可能性もあるかもしれないと思えた次第である。 何にせよ、鑑賞後は宇宙の広大さや深遠さに思いを馳せるいい機会になった。宇宙の未知の領域に対する希望、関心、それから少なくない恐れ。 技術が発展した現代で、その技術で人は宇宙に向かうのでなく、パソコンの画面や携帯の画面にくぎ付けになっている。そうした状況への反発と、もう一度宇宙に対して関心や希望を持ってみないか、というのが本作の隠れたテーマでもある。本作は冷静知的なノーラン監督らしからぬ、熱いメッセージが込められた映画なのだ。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-02-10 15:05:35)《改行有》

43.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 IMAXにて遅ればせながらの鑑賞。世間での高評価に水を差すようで申し訳ないが、結構な粗が目立つ作品だった。 この内容で7点以上の評価は付けられないと思った。 本作をよく注意してみてみると、クイーンという要素を外してしまえば、本作の物語の骨子は驚くほどありきたりなものだ。とある集団の栄光と挫折、そこからの復活。サイドストーリーには運命の恋人との出会いと別れ、家族との確執と和解まで、実にテンプレート的に盛り込まれている。映画の脚本としては、今からすると非常に陳腐な内容とも言え、そこには新鮮味もなければ深みもない。さらに言えば、クイーンファンなら即座にわかると思うが、本作では史実の順序が入れ替えられていたり、或いは誤解を招きかねない史実の省略を含んでおり、もちろん本作はドキュメンタリーでなく映画であるから仕方がないのだが、しかしそれでも、史実に対しての誠実さをあまり感じることができない脚本となっている。 演出面に目を向けても、フレディ以外の登場人物の描き方が雑。Love of My Lifeというわりにあまりにあっさり付き合い、あまりにあっさり別れるメアリーとの関係、バンドの他のメンバーのあまりに一面的な描写には、とにかく雑な演出という印象しか覚えなかった。クイーンは何もフレディ一人に依存していたわけではなく、他のメンバーの演奏能力の高さや各自が様々なジャンルの音楽を咀嚼してヒット曲を制作できる能力もあって、世界的にブレイクしたバンドであった。たとえば本作ではブライアンメイのレッドスペシャルや、ジョンやロジャーがいかに音楽的な成長を遂げて、ヒット曲を制作できるようになったのかといった部分が見事にオミットされている。結果的にフレディのみがフォーカスされて、他の人物の描写が粗雑になってしまったのでは、と思う。 とはいえ本作はあくまで映画である。限られた時間の中で史実の完全再現など出来るわけがなく、誇張や省略があってもいいと私も思う。ただし、史実の誇張や省略を含んだ映画が、それでも人の心を撃ち抜くためには、何かずば抜けた、それこそ狂気に近い域の演出や脚本や演技が必要だと私は思う。ただ残念ながら、本作でそうした部分を見つけ出すことが私はできなかった。史実への偏執的な拘りよりも映画的ダイナミズムを優先させた脚本はあまり高評価できず、演出も上述したように雑、CG合成だとまるわかりのライブエイドの映像も興ざめだし、ラミマレックの熱演は素晴らしかったものの、私が驚嘆する域までは達していなかった。フレディの振り付けは似ていても、歌唱部分は過去の音源の流用であり、これがもし彼自身で歌唱まで行っていればそれこそ驚嘆するしかなかったのだが…。 長々と書いたが、本作をまとめると映画的ダイナミクスを優先した、エンターテイメント要素の強い伝記映画ではあるものの、一方で不正確な史実の描き方や雑な演出も目立つ作品でもある。また、そうした難点をぶち破り、観客をねじ伏せるほどの狂気的な拘りもない映画である。クイーンに初めて触れる人や音楽ファンでない人たちには大満足の作品かもしれないが、ある程度目の肥えた批評家からの評価が高くないのは、本作のそうした弱点を見抜かれたからではないだろうか。[映画館(字幕)] 6点(2019-02-02 20:41:01)(良:2票) 《改行有》

44.  ダークナイト ライジング 7点か8点かで迷って、結局8点。 いかんな、ノーラン作品は甘めの点数になりがち。 今作の不満点は大まかに二つ。 第一に、作品内でのリアリティが薄れたことによる、物語への没入感の減退。影の同盟や核兵器はやや荒唐無稽な印象が強く、前作で推し進めたマイケルマン風の犯罪劇から物語が離陸したために、物語に上手く入っていけなかった。 第二に、参考にする映画作品を決めていないため、物語も作風もやや散漫になってしまった。ダークナイト以降のノーラン作品は参考にする映画作品を明確に定めて、それを意識した展開や作風にすることで、作品の質を高めていると私は考えているが、本作は参考とする映画作品は定めていないように思える。本作で制作者が決定的に意識した古典作品はディケンズの二都物語。だが、二都物語は有名作品ではあるものの、ディケンズの悪癖であるプロットの破綻や冗長な文章表現が指摘される作品でもある。つまり、本作においては、参考にする古典作品の選定を失敗したために、作品も散漫なものになったのではないかと私は見ている。 ただ、大いに評価できる点も二つ。 一つは、インセプションからの再登板キャストが多い。ノーラン監督の役者への愛着が感じられて好印象。ケイン御大、キリアン、トムハは常連決定だが、ぜひJGLやマリオン姐さんも、今後のノーラン作品への再登板を期待したいところ。 第二が、ラスト付近のバットマンとゴードンのやり取り。あの場面で涙した映画ファンは多かったのでは? バットマンはゴッサムのヒーローだが、バットマンにとってのヒーローはゴードンであった。これ、演じたクリスチャン・ベールとゲイリー・オールドマンとの関係にも当てはめることができるだろう(クリスチャン・ベールの尊敬する俳優は、ゲイリー・オールドマンである)。何より、我々映画ファンにも当てはめることが可能だろう。90年代からエキセントリックな演技で人々を魅了してきたゲイリーは、そこまで映画好きでない人にとっては物凄く怖い悪役の人でしかないだろうが、我々映画を愛する人間にとってはある種のヒーローだった。そういう意趣があの場面には込められており、ノーラン監督の意外な(?)熱い一面が垣間見ることができて、印象深かった。[映画館(字幕)] 8点(2019-01-21 22:42:07)《改行有》

45.  シング・ストリート 未来へのうた 主役2人のカップルがなんと可愛らしいことか。たぶんあの二人は、海を渡って夢を叶えたのだ、と思うことにしている。 気が付いたのはルーシー・ボーイントンは声が異様に若い。顔はどう見ても20歳過ぎだが、声は10代で全然通用すると思った。あれでイギリス英語全開で喋られると、確かにモテるだろうな。ヒロインがモデル志望のませた女の子ということを考えると、意外に良い人選だったのではないか。 物語も良い。劇中曲も良い。不満点はといえば、ラストの貧相なCG、あとお兄ちゃんの描き方をもう少し深くできなかったのだろうかと思う。確かにいい兄ちゃんなのだが、どうもこの手の物語にありがちな人物像な気がして、あまり惹かれなかった。 ラストに表記される「すべての兄弟たちへ」の一言は、とにかく粋である。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-01-21 22:02:58)《改行有》

46.  メタリカ:真実の瞬間 《ネタバレ》 今となっては世界で最も成功を収めたメタルバンドであるメタリカが、迷盤セイントアンガーを発表した時期のドキュメンタリー作品。 私がメタリカを知ったのがちょうどこのセイントアンガー発表時のころで、当時を思い出すと、この映像作品が発表されずとも、バンド内のゴタゴタが多くのメディアを通じて伝えられており、様々な問題がバンドに鬱積していたのだろうなと傍目にもわかっていた。改めてこの映像を見ると、バンドメンバーとの確執だけでなく、健康問題や、巨大ビジネス組織に変貌したバンドそのものの停滞や凋落が複雑に絡まる、厄介な問題にメンバーが極限まで疲弊していたのだとわかる。そしてメンバーたちがそうした複雑な問題を処理し切れず、もがき苦しむ姿が延々と映し出され、大変痛ましく思った。 で、映像作品として本作は面白いのか?という点であるが、これが痛ましい内容にも関わらず大変面白い。 スラッシュメタルの覇者と呼ばれ、頂点を極めたバンドが、いつしかメンバーの意志から離れて巨大な偶像、巨大なビジネス組織、まさにある種の怪物に変貌してしまい、中年にさしかかったメンバーたちは若いころのように自分たちのやりたい音楽をやりたい放題やるということが許されず、軋轢や確執に追い込まれていく。胡散臭いセラピストに大金を払う場面はその金銭感覚に唖然とするしかない。だがこれは、メンバー自身も成功を収める中でいつしか怪物になってしまったという象徴的な場面でもある。レコーディングを投げ捨てて引きこもったり、仲間を口汚く罵倒する場面は、子どもの醜い喧嘩を見ている気分になる。そうしたどん底にメンバーたちが追い込まれてから、復活劇は始まる。メンバーたちは互いの絆を確認し、新メンバーがバンドの空気を一気に変える。痛々しい場面の連続だが、最後にようやくメンバーたちに覇気と笑顔が戻ってくる。もう一度、シーンに踏み出そうとするメンバーたちの姿を描いて、映画は終わる。そう、本作は、決して監督が意図したわけではないが、バンドがどん底に追い込まれてからの復活劇、という物語ができているため、映像作品としてみても抜群に面白いわけである。徐々に徐々にバンドが活気を取り戻していく瞬間を見ると、本当に胸がほっとする。 最後にメタリカの大ファンとしては、新メンバーであるトゥルージロの加入はバンドにとって僥倖だったと心から思う。セイントアンガーそのものは賛否激しい作品にはなったが、ここでのバンドの悪戦苦闘が、のちのバンドの順調な経過や良好な人間関係、デスマグネティックの成功などに繋がると思うと、実に感慨深い。[DVD(字幕)] 9点(2019-01-21 21:50:55)《改行有》

47.  ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト メンバー全員が60代に突入したバンドとは思えないエネルギッシュさに圧倒された。 映像や音源も良質で、時折挟まれる過去のフッテージもなかなかセンスよく編集されていた。 ストーンズの過去の映像作品と較べても、現代的でありつつ、ストーンズというバンドの歴史やエッセンスも抽出しつつ、ライブ劇として成立できている希少な作品だと感じた。2時間があっという間だった。 ストーンズのメンバーたちが70代、80代になってもこういう作品がまた撮影されることを期待して、10点評価で。 それにしてもあの連中、70代80代になっても平気な顔でライブをやってそうな気がするな(笑)スコセッシも何ともない顔で映画を撮り続けていそう。[映画館(字幕)] 10点(2019-01-21 21:39:36)《改行有》

48.  レオン/完全版 家族を殺されたマチルダの、ドア越しに救いを求める表情に衝撃を受けた人は多かったのではないだろうか。自分もその一人だ。 レオンのドアを開けるか躊躇する表情も良い。女子供にも容赦ないスタンスフィールドのいかれっぷりも最高。 レオンとマチルダの間にある、親子の愛とも、恋人同士の愛とも、どちらともいえない曖昧で、しかしながらとても深い愛は、考えれば考えるほど泣きそうになる。特に大人になるとそうだ。 こういう素晴らしい映画は10点つけなきゃ。[ブルーレイ(字幕)] 10点(2019-01-15 11:15:42)(良:1票) 《改行有》

49.  裏切りのサーカス 《ネタバレ》 ちょっと採点が甘いが7点評価で。 原作を読んだ上での評価だが、複雑極まりない原作をよく咀嚼した映画作品だと思う。 原作は曖昧な表現の文章が連続する上に、この映画以上に時系列がいじられていて、読者は頭を抱えながら読み進めなければならない。 たとえば、ジョンハート演ずるコントロールが退職前に何を企んでいたのかも、原作では伏せられている。登場人物の人柄も、映画ではやや単純化されているが、原作はそうはいかない。時系列は入り乱れ、人間関係も錯綜。誰が敵なのかさえわからぬまま、霧の中を歩かされるような、そういう苦しさの中で、主人公は過去の記録を読み漁り、丹念に記憶を再生しながら、その記憶の不審点を洗い出し、二重スパイを追い詰めていく、というのが原作の素晴らしさだった。 映画版では、原作の展開をある程度省略し、簡素化しながらも、そのエッセンスは抽出する事が出来ている。特にゲイリー・オールドマンの抑制された演技は秀逸。原作では主人公スマイリーは背が低く小太りの中年という設定だが、長身のゲイリーを見ても、普通にスマイリーっぽく見えてしまう。 ただ残念なのは、原作最大の魅力である、「過去の記録を徹底的に再調査し、記憶を蘇らせながら、不審点を洗い出す」過程が、この映画ではあまり描けていなかった。こんな地味な場面を映像化して面白くなるか実に怪しいのだが、ここが原作最大の魅力だから、映画版も何としても追及してほしかった。 本作を見て、難し過ぎるといっている方は、原作を読むともっと頭を抱えそう。でも、その迷宮のような世界をどうにかこうにか読み通すことで得られる、スパイの世界の寂寞感や荒涼感、その読後感はなかなかに味わい深い。ぜひ原作にも挑戦してほしい。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-01-12 11:32:08)(良:1票) 《改行有》

50.  ビフォア・ミッドナイト 《ネタバレ》 さらにまた9年が経過。何とあの二人は、夫婦になって、双子の子どもまで授かっていた。 予告編を見た瞬間から、思わず目元が緩んでしまう。 だが本作は甘い展開がほとんどなく、苦み全開。中年夫婦の危機がこれでもかというほど執拗に描かれる。 まさかセリーヌの垂れた乳を見ることになるとは…、そしてそれを見てもまったく興奮しない自分がいる(笑) 二人が繰り広げる大口論と、その前後の所作のやけに生々しくて嫌なリアリティに惹きつけられた。 散々口論して疲れ果て、あの二人の間にも愛はなくなったのか? 子育て、仕事という生活を前にしては、輝いた記憶も愛も擦り減ってしまうのかと思いきや、最後はどうにかこうにかあの頃の記憶を復活させて、二人は仲直りする。 タイムマシンのくだりを最初きいているときのセリーヌの白けた表情のリアリティもまた良い。最後の最後でジェシーを許す表情も。 また9年後の彼らが見たい。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-01-08 13:10:43)《改行有》

51.  ビフォア・サンセット 《ネタバレ》 まあ、あのタイミングで、飛行機に乗り遅れるよと言われても、男の性ゆえ残ってしまうだろう(笑) こういうシチュエーションで世の不倫は始まるのか…と思ったり、思わなかったり。まあでも、男と女だから、そういうことになっても仕方がないか。 あんなにピュアだった学生の二人も、9年経てばこう変わるのか、と鑑賞して思う。二人の顔の皺が印象的。 しかしそれでも鑑賞していると、時間が経った二人にまた会えたという嬉しさが込み上げてきた。 こういう映画ってなかなかないんだよな。[DVD(字幕)] 9点(2019-01-08 12:59:25)《改行有》

52.  8 Mile 《ネタバレ》 いい題材だと思うし、演出や映像にも光るところがあるのだが、結局のめり込むことができなかった、実に惜しい映画。 なぜこの映画に乗れなかったのか考えてみたところ、脚本に問題があるのではないか、と思った。 おそらく本作には、「貧困と閉塞からの脱出」と「白人であっても、ラップで黒人に打ち克つ」という二つの大きなテーマがあると思う。そのテーマ自体はいいのだが、本作はその2つのテーマを同じ分量で描こうとしたために、どちらのテーマも踏み込み不足というか、消化不良を起こしてしまい、さらにはそのような状態で映画が終わってしまう。これが本作に私が乗り切れなかった理由ではないかと思う。 貧困の描写や追い詰めれた若者たちの焦燥、白人が黒人にラップを挑むことへの葛藤は、確かに描写されている。 ただどうにも物語が淡白で、仕事に戻ると言っても結局貧困から抜け出せるのか、バトルには勝ったが次はどうなるのか、という回答が見えてこないため、どこか腑に落ちない。 もしこの脚本が、テーマを一つに絞って、つまるところ「白人であってもラップで黒人に打ち克つ」という点に絞って、シンプルかつもう少し劇的な造りにしておけば、この映画はもっと面白くなったのではないだろうか。実際主演のエミネムも、黒人が圧倒的なヒップホップの世界でのし上がってきた人間なのだから、白人がラップをすることへのコンプレックスや重圧は映画以上に凄まじかっただろう。そうしたコンプレックスや重圧、それに打ち克つ人間をよりシンプルに、よりヘヴィに描いていた方が、より多くの人の共感を集める映画になったのではないかと思う。貧困をテーマにするのは悪くないが、貧困を言い訳に自暴自棄になっている人間や狼藉を繰り返す人間の様子を延々と見せつけられても、あんまりいい気はしないでしょ。[インターネット(字幕)] 6点(2019-01-08 12:13:24)《改行有》

53.  恋人までの距離(ディスタンス) 恋愛映画の中でも特に好きな一本。とはいっても、恋愛映画の中では結構な変わり種で、ほぼ全編主役二人による会話劇。 でもこの会話がいい。ウィーンの街並みを背景にすれば、どんな会話もお洒落に、かつ哲学的に見えてしまうという奇跡が発生してしまう。 本作のこのちょっと気取ったような会話劇を好意的に見れるかどうかが、本作に対する評価の分かれ目になるのだろう。 どうでもいい余談だが、高校生くらいのころに本作を見て、一人で海外旅行してみるっていいなとか、もしかすると、万に一つの確率かもしれないけど、旅先で素敵な女の子との出会いがあるかもなんてアホな期待を抱いたものだ。それで大学生になって、本当にこの映画みたいに、一人で海外旅行に行く事になった。英語はある程度喋れるくらいに勉強した。選んだ街はウィーンではなくロンドンだった。で、素敵な女の子との出会いはあったのか? 残念ながら女の子とは出会わなかったが、宿泊先で中国やポルトガルやオーストラリアから来たあんちゃんたちと出会い、彼らと映画の話で超盛り上がった。そのころ公開していたダークナイトのジョーカーについて、あれはポストモダン的な悪役だ!とか、アナーキー/パンクの文脈で捉えるべき!だとか、そんな馬鹿な会話を夜通ししていたような…。女の子には出会わなかったが、私の拙い英語に付き合ってくれて、お馬鹿な議論もしてくれる素敵なあんちゃんたちとの出会いはあったわけだ。もちろんそれは一期一会。彼らとはその後二度と会っていないし、彼らがいまどうしているのかもわからない。でも一生忘れぬ思い出だ。 外国でいきなり女の子と出会って、一日中会話して、恋に落ちて、そして別れる。 そんな本作を荒唐無稽だとか、或いは非現実的だと斜に見ているそこのあなた。 海外に一人で飛び込んでみたら、意外にこういう展開があなたを待ち受けているかもしれませんぜ。[DVD(字幕)] 9点(2019-01-03 15:50:13)(良:1票) 《改行有》

54.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 アンジェリーナ・ジョリーの出演作では、もしかするとこれが一番好きな作品かもしれない。 荒唐無稽な娯楽作への出演も多い彼女だが、今作では終始重厚な演技を披露している。 警察の杜撰な捜査や非人道的な扱いなど、ぞっとする展開が多い本作だが、 殺人鬼にこき使われる少年の描き方が大変秀逸で、印象的だった。 砂埃舞う寂寥とした荒野に立ち、人骨が埋まった地面を掘り返すよう刑事たちに命ぜられる少年。 人骨が見つかり、刑事から制止されてもなお、とりつかれたように地面を掘り返す少年の姿を見て、いたたまれない気持ちになった。 "All Right"と刑事は少年の肩に手をやって宥めるが、そんなこと言う前に少年を抱き止めてやれよと思った。 罪悪感に追い詰められて必死に土を掘り返す少年、誰からも守られることなく、生き延びるために殺人鬼の悪行に加担せざるを得なかった少年を、 大人は抱きしめてやらないでどうするというのだ。 監督がどこまで意図したかは不明だが、このシーンは展開の非情さと対照的に映像が非常に浮遊的で、映画的な美がある。 あくまでサイドストーリーなのだが、個人的には最も印象的な場面で、この場面を描けただけで9点に値する。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-01-03 12:47:52)(良:1票) 《改行有》

55.  キャロル(2015) 様々な切り口で論評できる作品だが、ラストのケイト・ブランシェットの表情が特に印象的だった。 まさに大女優の一世一代の演技だろう。 何も語りはしない、しかし妖艶とも悠然とも言えるあの表情の中に、様々な感情やメッセージが込められており、圧巻だった。 皆さまは彼女のあの表情からどのような思いを読み取るだろうか?[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-11-23 13:17:29)《改行有》

56.  セブン 昔から散々怖い映画だと言われ、ビクビクしながら観た作品。 で観てみると、意外にハードボイルドで、けっこうちゃんと刑事ものとしての骨格がある作品だと感じた。 アパートでのチェイスシーンなんて、普通にアクション映画然としていて、意外にも思えた。 ビジュアル面はかなり渋いながらもスタイリッシュで、公開から何年経っても古さを感じない。ブラッドピットの熱血ぶりとモーガンフリーマンのいぶし銀の組み合わせも、実に素晴らしい。 ラストの後味がなぁ…と思いつつも、それがあってこそ記憶に残る作品だとも思う。 都市の退廃、20世紀末に漂った厭世観・終末観・混沌ぶりを味わうにはもってこいの映画だ。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-11-23 13:01:25)《改行有》

57.  フェイス/オフ 顔を入れ替える…このアイデアからして「んなアホな」という展開の本作。 しかしまあ荒唐無稽な展開のオンパレードなのだが、しかし華麗で熱の入ったアクションと、トラボルタとケイジの濃い演技(顔芸?)で乗り切ってしまった稀有な一作。他の方も書いておられるが、顔の入れ替えという設定、そして自分以外はみんな敵というシチュエーションに主人公が追い込まれ、そんな孤立無援からの反撃というプロットが、多少の荒唐無稽も気にならぬほど観客を物語に釘付けにした大きな要因ではなかろうか。 まあ二丁拳銃はかっこよかったぞ、ということで8点。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-11-23 12:51:44)《改行有》

58.  カサブランカ 中盤、ブルガリアの若い夫婦を助けたシーンあたりから、ボガートのダンディズムに大興奮! これですよ、男はこうでないと!義理人情と痩せ我慢、超カッコいいじゃん! フランス国歌を歌うシーンもジンときた。それを強行するラズロも、演奏を認めるリックもカッコいい。 えっ、アメリカ贔屓?連合国のプロパガンダ?そういう野暮なことはあえて言わない、気にしない。 たとえプロパガンダだったとしても、良くできた映画ですよ、ええ。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2018-09-25 12:09:41)《改行有》

59.  コラテラル 《ネタバレ》 映像やアクションシーンの素晴らしさは評価できるのだが、個人的にはヒートやインサイダーほどの評価を与えられないというのが素直な感想。脚本の基本設定に無理があって、どうもマン作品の特徴である「プロフェッショナルな男」が上手く演出できていないような印象がある。凄腕の殺し屋にしては殺しの手段が粗っぽく、衒学趣味があり、移動となるとなぜかマックスの運転に頼り切り。そこがプロっぽく見えないので、どうも変てこな印象を受ける。また、運転手のマックス演ずるジェイミー・フォックスも、素人っぽさを出そうと実にもさい演技をするのだが、これが鑑賞中はけっこうなストレスだった(確かに一般人の役柄だからそういう演技になるのは仕方ないが…) あと本作で特徴的なのは、デジタルカメラ撮影による映像。本作の撮影が業界的にフィルムからデジタルに切り替えていく契機にもなったそうだが、確かに様々な夜景や都市の風景が映し出される映像は美しい。ただ個人的には本作の映像のツヤツヤした質感が苦手だった。ヒートのような青を基調とした深みのある映像の方が個人的には好きだったかな。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-09-14 18:46:29)《改行有》

60.  インセプション 《ネタバレ》 「夢の中に潜入する産業スパイ」この設定だけで完全に持って行かれた映画だ。単に夢に潜入するだけでなく、夢の中の夢に潜入するという設定が新たに出てきて、これにも度肝を抜かれた。よくこんなアイデアを考え付くなと感嘆するしかなかった。8点評価としたのは、アクションの描き方が凡庸(雪山のシーンはボンド映画のオマージュなのはわかるが、まあ凡庸 苦笑)なのと作中の日本に関する描写がやや不十分だったため(ちょっとリアリズムに欠けてたかなと)。ここが完璧になっていれば文句なしの10点評価だった。[映画館(字幕)] 8点(2018-09-02 12:52:56)

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