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661.  サバイビング・ピカソ フランソワーズ以外のピカソの妻たちは、自殺とか発狂とかひどい最期だったらしい。アンソニー・ホプキンスはここでも怪物を演じたってわけだ。映画には「魔の領域もの」ってジャンルがあるみたいで、スターとか芸術家とか、日常とかけ離れた場所に魅せられていくものたちを描く作品群。一般人は、そういうものに憧れ、またこっちは普通で良かった、と胸をなで下ろす、そんなジャンルだ。フィルムってものが、多かれ少なかれそういうかけ離れた秘境を記録して、日常に暮らす我々に提供するものなのだから、非常に正統的なジャンルということになる。ピカソの製作風景が興味深かった。ライトでのペインティングは見事。ゲルニカを製作している下で、女たちが争っている。芸術の偉大さと、それが生まれてくる背景の俗っぽさ、得てしてそういうもんなんでしょうなあ。[映画館(字幕)] 6点(2009-05-18 11:58:51)

662.  ジングル・オール・ザ・ウェイ 《ネタバレ》 おそらく誰も積極的な期待を持たないで見る映画だろうし、作るほうもその線に沿った作品なのだが、オモチャを求めて四苦八苦という中心モチーフはコメディの基本に忠実でよろしい。ブニュエルに脚本書かせれば、もっとコッテリと欲望にたどり着けないドラマを展開して面白かっただろう、などと勝手に想像する楽しみもある。ラスト近く、主人公がターボマンになって飛び回り出すあたりは、このまま変な方向へ弾ければ怪作になれるぞ、と手に汗握ったが、家族愛に収斂してしまうところが、ハリウッドがブニュエルになれない限界なのだった。敵役が、隣家の色男、一緒に人形をさがす郵便屋、いつも邪魔に入る警官と、三段階になってて、それがラストのパレードで全部出尽くすわけだ。ここらへんはキチンとやっている。クリスマス映画というものは、赤・緑それにパレードの黄色など、フィルムに色が着いたことをとても有効に享受している。[映画館(字幕)] 6点(2009-05-13 12:07:02)

663.  ある貴婦人の肖像 《ネタバレ》 登場するほとんどの男性に愛されながら、唯一愛のない男と結婚するヒロイン、イザベル。求婚を断わっても、そのかわりに何かしたいことがあったわけでなく、ただ結婚という拘束から自由でありたかった、という女性だから、マルコヴィッチの、非生活者・趣味人といったタイプが魅力的に見えたのだろう。そもそも19世紀の女性に「何かしたいこと」なんて有り得なかっただろうし。彼に惹かれたということは彼女の自由願望もそう健全なものではなく、どこか現実の人間関係のわずらわしさから逃走する手段めいたものがあったのだろう。愛がなかったからこそ安心して結婚できた。ここに陽光を巡るモチーフが映画としては絡んできて、光を遮断する日傘、日に当たらないようにさせられる娘、といった展開になる。ヨーロッパの闇とアメリカの光の結婚。ヨーロッパの闇に逃げ込んだ光が、それでも愛に向かい合おうとするエンディングと思えばいいのかな。なぜかこのころH・ジェイムズの代表作が3つほど続けて映画化されたけど、「ねじの回転」を映画化した昔の『回転』を越えられなかった。光と影は美しいが、へんにカメラを斜めにしたりするのはいただけない。シェリー・ウィンタースは懐かしく、シェリー・デュヴァルはすっかりおばさんになってた、というのが見た当時の印象。[映画館(字幕)] 6点(2009-05-12 12:13:09)

664.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 もし、“悪ふざけ”の対語として“悪まじめ”って言葉があるとしたら、さしずめこれなんかそう。アメリカ娯楽映画の偉大さは、野暮を排除するところにあったはずなのに、最近は平気で野暮する。かつては、娯楽として徹底させるなかで無意識に何らかのメッセージを忍ばせることはあっても、その手つきを誇示はしなかった。ところが最近は堂々と見せて、とうとう活劇映画の山場を善玉と悪玉の対話で済ますまでになった。悪まじめであろう。それをやっちゃあおしまいよ、だ。船の相互爆破のエピソードもつらかった。「やられる前にやれ」で始めたイラク戦争の自己批判のつもりなのかも知れないけど、あまりにメルヘンチック。ジョージ・ワシントンが「桜の木を切ったのは僕です」と名乗り出るところをそのまま映画化したらこうでもあろうかという恥ずかしさ。どうしてもその話を演出しなければならないのなら、ちょっと三枚目にひとこと言わせる場面を入れるなりして悪まじめにならないよう気配りするのが、かつてのアメリカ映画だった。照れるということを知っていた。今は堂々と野暮をやる。ジョーカーが出てくるときも、もうちょっと粋に登場してほしいのに、ヒョイと出てくる、あの顔で。別にファンファーレを鳴らせとは言わないけど、悪玉としてのツヤがなさすぎないか。これからの時代、思想を語りたいのなら語っても結構。ただ、悪ふざけにも悪まじめにも堕さなかった、かつてのアメリカ映画の栄光を忘れないでいてほしい。[DVD(吹替)] 5点(2009-05-06 12:08:21)(笑:1票) (良:3票)

665.  エビータ(1996) ドラマはエバを描く一方に批判者としてのバンデラスを置き、ラスト近くで両者にそれぞれの言い分を与えて歌わせ、でも結局そうやって何か安全地帯で釣り合いをとっている。その製作側の手つきがやや気になる。おそらく真の主役であるべき、独裁者を支えた“群衆”を詰めてないからだろう。ミュージカルと言うより、歌いっぱなしのオペラに近かった。ミュージカルの不意に歌になる瞬間が好きなものにとっては物足りなく、また期待していた南米色もあまり音楽には出ていなかった。のし上がった頂点でキレイゴトを群衆に向かって歌い上げていく演説の場に、皮肉な迫力があって一番いいシーンではなかっただろうか。彼女は煽動家というほどではなく、シンボルとして生きようと自覚した人間の迫力だったのだろう。[映画館(字幕)] 6点(2009-05-04 11:59:32)

666.  マイケル・コリンズ 殺人と戦争との境目はどこにあるのか、とか、テロリストと政治家とを区別する線は引けるのか、とか現代に生きる以上、気になるところを突いている。大きな敵を前にしての、穏健派と過激派との摩擦は、解消できないのだろうか、とか。つまり政治あるところ常に存在するテーマを扱ってて、さらにリーアム・ニーソンという謎めいたキャラクターを手に入れたのだから、もっと現場を離れた視点・歴史そのものをマナ板に乗せるような視点は持てなかっただろうか。もちろんアイルランド史にはまったく同情するけれども、愛国心ってものを腑分けしていくと、案外「英国帝国主義の横暴」に通じていくものもあったりし、英国だって英国なりの愛国心を対アイルランド政策で発揮しているわけだ。たしかに強大な敵に対して愛国心は抵抗の力として有効だが、愛国心というシステムそのものに潜む“それだけで止まらない”魔性を、冷静に分析する映画を期待したのだが。ジュリア・ロバーツは邪魔だった。[映画館(字幕)] 6点(2009-04-30 12:04:39)

667.  Emma/エマ(1996) ご近所だけが全世界でいられた時代。社交が文化であった時代。あくまで19世紀という枠があって可能な映画だけど、それを認めればまことに気持ちのいい作品。ヒロインはおせっかいというか、小悪魔というほどではないが、仕切り魔、人を操りたくて仕方がない。そうすることで自分は局外に立てる、言ってみれば“物語作者”そのものなわけだ。すべての登場人物に欠点というか俗な部分が与えられていて、彼女がそれを仕切っていく。そしてこうなるだろうと分かっている大団円へと至り、でもけっこういい満足感が見ている者の心に満ちてくる。結局それぞれの身分はおおむね守られた決着になるのだけど、それでも満足できる。この小世界がいとおしくなる。見ている間に保守的な気分に慣らされているからだろうか。パーティ、絵描き、弓、散歩と優雅な毎日。貧しい家への施しや看護もその一部以上のものではなく、屋外での食事の楽しみと同格なのだろう。20世紀の話だったら許せないだろうけど、19世紀だと、なぜか許せてしまうのだ。[映画館(字幕)] 7点(2009-04-29 12:02:38)

668.  素晴らしき日 実に正統的なアメリカのラヴコメディ路線で、公と私がぶつかってしまう一日のドタバタ。雨の曇天で始まり、サッカー会場で晴れ渡るのも正しく、一日の出来事で収めているのも嬉しい。いちいち時間経過が出る。楽しめた。こういう映画は、延長線を引くと日本の小市民映画とつながっていきそうだな。このころのM・ファイファーは、きつい目とくしゃくしゃっとした顔の造作から、ツッパって生きているけどオチャメという役に合っていた。子どものオイタがちょっとクサすぎたのが引っ掛かるけど。携帯電話もすっかり映画の中で役割りを持てるまでに、生活に入り込んだころ。映画の中では、信頼と責任の揺れから恋は芽生え出すらしい。信頼して子どもを任される、信頼されたのに迷子にしてしまって責任を感じる、そうして関係が深まっていく。でも現実社会ではののしり合って終わりの可能性のほうが高い。[映画館(字幕)] 7点(2009-04-24 12:04:18)

669.  ダンテズ・ピーク 前半はジョーズ型、気配で引きずっていく。評判を落とすから情報は伏せよ、と言われる科学者、とか。こういうパニックの前兆ってのは、やっぱりワクワクする。熱湯となる温泉、濁る水道。一度空振りになるかと思わせて噴火する。ここまでの段取りは正しく、いいのだけど、噴火ってのはどうもあんまりパニックとして芸がないというか、酸化した湖でボートが溶け出す、なんてぐらいかなあ、全体が暗い中で進行してるのも、もどかしかった。暗いから、溶岩の流れは強調できて良かったが。こういうパターンでは、だいたい“聖所”に立て籠もって救出されるってのがハリウッドは好きで、このころでは『ツイスター』とか『デイライト』もそうだったけど、つまり非日常の出来事からまた日常に復帰するというより、非日常をバネに何か特別の場所へジャンプする、ってプロットがアメリカ人にはしみ込んでいるらしい。飼い犬が助かり、姑は死ぬ、ってのはハッピーエンドと思っていいのか。最初の地震の時のセリフ「まだこれは咳払いよ、これから歌いだすわ」ってのがいい。[映画館(字幕)] 6点(2009-04-22 12:00:07)(良:1票)

670.  イングリッシュ・ペイシェント メロドラマの背景は非日常でなければならない、それが探検と戦争と二つもそろえば申し分ない。故郷ハンガリーを離れた主人公は、イギリスにもドイツにも帰属できない存在となり、まさに男として愛のみに生きられる絶好のメロドラマポジションを獲得したわけだ。まだ国籍などというものを持たなかった古代人は、砂漠の中でゆらゆらと自由に泳いでいた。これと対になるのは、空中に吊られたビノシュが中世の壁画を眺めるシーンで、空中を泳ぐ彼女の自由さが中世からさらに古代にも通じていく。映画としてはこのシーンが一番優れていた。あとビノシュがケンパケンパケンケンパする音から、砂漠の民の音楽に移っていったりするあたり。やや文学性に寄った映画だったが、大メロドラマを楽しめた。アタマで双葉機が飛んでたので、あれ? 第一次世界大戦か、と思ったら、やっぱり第二次大戦で、北アフリカではそんな感じだったのか。でも第一次大戦が舞台でもいいような古風な味の映画。[映画館(字幕)] 7点(2009-04-20 12:03:40)(良:2票)

671.  告発のとき 《ネタバレ》 良くも悪くもハリウッド映画は明瞭な世界を提示してくれるものだったが、最近はなにかモヤモヤとしてスッキリしないまま終わる傾向がある。現実の複雑さにまともに向かい合えばそうなるわけだけど、ただ溜め息をついてるだけじゃないか、という気にもなる。この映画も構造は至ってハリウッド的で、反発し合っていた師匠と弟子が協力して結果を出す、というパターンの変奏。昔だったらもっと晴れ晴れしいラストになれたのに、現在のアメリカはそれを許してくれない。ドラマは、せがれが壊れていく過程を発見していく父の旅という形になる。善良なせがれが悪い敵に殺される、という形の反戦映画ならそれなりに浄化の気分になれるが、もうアメリカはそんな無垢な自画像を持てなくなっている。それを父親は受け入れていかなければならない。ただ救助信号としての国旗を掲げることしかできない。この圧倒的な無力感が、現在のアメリカの率直な自画像なのだろうか。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-12 12:02:57)(良:2票)

672.  インデペンデンス・デイ 出だしは無駄がなくていい。何やら巨大なものが覆ってくる感じ。SFとしては、このまま停まってじっとこちらを観察してるみたいなほうが面白いのだけれど、ハリウッドではそうもいかないのか、攻撃してくる。ここで得体の知れなかった対象物が、単なる“敵”にしぼんでしまう。さらにそのエイリアン姿を見せて、さらにさらにしぼむ。「相手が分かる」ということは、実に興を削ぐ。実際問題、月の四分の一の体積物があんなところにあったら、重力に変調が起こるのではないだろうか、それともよっぽど軽い物質でできているのか。人類の滅亡かという大きなストーリーと、主人公の身辺の世話物的なストーリーとだけがあって、中間部分がない単純さの上に、「共通の敵がいればすべての民族が仲良くなれる」という単純なメッセージが堂々と語れる。アメリカのある種の単純さは嫌いじゃないし美点だと思うことも多いんだけど、ここまでくるとちょっとなあ。かつての『宇宙戦争』でのウィルスを思い出させるコンピューターウィルスが登場するのは、ユーモアなのか先人への敬意なのか。アメリカ映画のUFOのマザーシップ内部は、独特の宗教的空間になっているのが特徴で、あの国が根深く宗教の国であることを確認させてくれる。[映画館(字幕)] 6点(2009-04-10 12:08:39)

673.  フェイク A・パチーノが貫禄のボス役かと思ったら、うだつの上がらぬ中堅どころってのがミソで、人情家ゆえにも一つ伸し上がれないチンピラに毛の生えた程度のマフィア。動物番組を見、クリスマスには部下に金をやり、でもそれを借り、大親分へのカードをドキドキしながら選び、料理をする。ゴッドファーザーのパロディになってしまいそうなところだが、そこはさすがパチーノ、ちゃんとリアリティある人物として造形できていて面白かった。潜入捜査官も憎めなくなっちゃうわけ。J・デップは、子の父としては失敗したが、やくざの息子としては合格してしまったわけだ。自分の家族から、やくざのファミリーへ、しだいにアイデンティティが移っていってしまう。仮面がしだいに本物の皮膚になってしまうような気味の悪さ、ここらへんにだけ絞って100分に納めれば、もっと良かっただろうけど、悪い映画ではない。[映画館(字幕)] 6点(2009-04-04 11:58:44)(良:1票)

674.  ヘラクレス(1997) 《ネタバレ》 とにかくディズニーチームは、自分たちの決められた様式から一歩もはみ出さないと決めているらしく、これで創造の喜びがあるのかなあ、と心配になる。同じギリシャ的なものなら、『ファンタジア』の「田園」がすでにあるわけで、あれも『ファンタジア』の中ではちょっとイメージの自由さが制限されててレベルが落ちるものだったが、それでも何かを創り上げてやろうという緊張が、これに比べればあった。夜のとばりが下りるシーンを比べただけでも、雲泥の差。こっちはつまらないクスグリを入れるんだ。ラストの、火・岩・風などが出てきたところは、ゼウスはあっちだ、なんて滑稽を入れる場所ではあるまい。ミロのビーナス誕生秘話は、かつて『アラジン』でスフィンクス誕生秘話をやったのの二番煎じ。でも、改心する悪女ってのは好きだから、そこは許せる。悪玉ハデスの青い火もちょっといい。音楽はゴスペル調。[映画館(字幕)] 5点(2009-03-31 11:59:23)

675.  片腕マシンガール 井口監督の『猫目小僧』を見たとき、初めて4点をつけた。それまで最低点は5点だったのだが、どうも5点に埋もれさせてしまってはいけない映画のような気がして、4点にした。あの牧歌的な怪物たちがうごめきまわるクレイジーな、どーしょーもない世界、映画から逸脱し続ける怪作にはその点しかないと思ったのだ。しかしあれは本当に監督が意識して作り上げた世界だったのだろうか、マグレということはないだろうか、という疑いがつきまとい、今度新作を鑑賞してみる気になった。もしや改心してマトモな5点級のアクション映画を作ってしまっているのではないか、と危惧していたところ、それは杞憂であった。改心してない。洗練への誘惑に逆らい、またオチャラケた笑いに逃げそうになっては踏みとどまり、最後まで“しょーもなさ”の崖の上を綱渡りして、エンディングまでたどり着いてしまうのだ。自動車修理工場の襲撃から神社のバトルまで、一気呵成に行きたくなるところで、ヒロインたちの友情ドラマをはさんでちゃんとギクシャクさせている。そして血が飛び、肉が弾け、ブラが回転する。悪夢などという上等なものではなく、“ごっこ”の気分に徹底する。これだこれだ、と思い、4点以上でも4点以下でもないところでまたピタリと決めてくれた畸形の映画に、私は心から満足している。[DVD(邦画)] 4点(2009-03-30 12:00:25)(笑:1票) (良:3票)

676.  ザ・ターゲット(1996) こういうののネックは、犯人どもの“ココロザシの高さ”と実行にあたってのヘタクソさとの不釣合い、なんだよね。大陰謀なのに一人の殺し屋まかせにして、またその殺し屋が独自の美学に固執し、どうしてもおもちゃのヘリコプターで大統領を暗殺したがっている。大陰謀なら大陰謀らしくもっと目立たずにやりそうなものなのに、派手に路上で銃撃になったり、やたら脇の殺しをして目立つ。冒頭、襲撃を受けたとこで、一人がコーヒーカップを隠し逃げるあたりの細かさに、ちょっと期待をかけたりもしたのだったが。あの国ではとにかく大統領が絶対なんだなあ、とは思った。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-27 12:04:04)

677.  恋におぼれて 《ネタバレ》 天文学者の恋。望遠鏡→覗く人、とつながっている。『裏窓』の構造をコメディにしたような設定。最初不鮮明な映像が壁を白く塗っていくにしたがって鮮明になっていくとこは、なかなか映画的なスリルだった。男のほうは未練たらたら、女はひたすら復讐に燃えている。アパートに忍び込んだときも、男は匂いを嗅いでトホホしてるし。猿に口紅つけさせたり香水の水鉄砲したりと、陰湿な仕掛けが楽しい。壁の映像に二人で並んでフキカエをする楽しさ。一緒に並んで映像を見ていると、心が通じ合ってきてしまうものなのだ。作戦が成功していくとこを、実際に見せないで、オバアチャンが聞いた“ラジオドラマ”として伝えるシャレっ気。終盤にもう一つ鮮やかな場面があればもっと良かった。骨折にジンマシンと弱り目のタタミ込みはいい。[映画館(字幕)] 7点(2009-03-25 12:11:33)

678.  グリム・ブラザーズ/スノーホワイト(1997) 《ネタバレ》 ホラーとしての童話。一つ一つのモノが象徴性を帯び、あれこれと深読みを誘う楽しみはある。鏡とは? 森とは? って。芯にあるのは、つまりすべて嫉妬。娘の継母への、後妻の先妻への。S・ウィーヴァーは、極端なキャラクターにしてしまわずに、よくやっていたのではないか。七人の小人がハイホーなんて歌う陽気な連中ではない。王子さまが毒リンゴの後でやけに早く到着したかと思ってたら、こいつはダメで、七人の小人のリーダーがその役になる、というヒネリがあった。ディズニーの『白雪姫』の後半の物足りなさに対するアンサーというか、現代的解釈なのでしょうな。旦那は自分の足で探せ、旦那と同じく顔に傷を負って得よ、と。この旦那に連れ子の女の子がいるとオチになるのだけど。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-23 12:00:40)

679.  コンタクト 冒頭は嬉しい。現代の騒音の地球から、しだいに遠くへ過去の音へと退いていく。そして無音の迫力。銀河へ島宇宙へと。純粋なSF映画かと期待する。ところが違って、人間ドラマで薄められた2時間半となった。純粋SFで2時間の映画は作れなかったか。もっと“接触”そのものの興奮だけで詰められなかったか。あの何ものかの巨大な心音のような電波信号音なんかよかったのに、そこまでだったなあ。アメリカで無神論を表明することの難しさはよくわかった。事業が北海道で実行されるってのが、無神論の国ってことで選ばれたのなら嬉しいんだけど、何となく東洋=精神性ってイメージが底にあったようで。ヘルメットのHは、北海道のHなの? シベリアのような北海道。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-21 11:55:22)

680.  ラブ・アンド・ウォー 時代色を決定するのは衣装だな、と思った。典雅なものだけでなく、軍服や看護婦のものまで含めて。建物や道具などは後の時代まで遺物として残ったり博物館に保存されたりするけど、衣装が動くのを見られるのはフィルムの中だけだ。また第一次世界大戦って、生々しさが薄くなっている分、ロマンに向いている。いくぶん世紀末の美意識を引きずっているのも好み。愛し合っているのに別れる、ってのがメロドラマの理想で、このケースはその甘美さをドラマとして早く味わいたいがために、別れる必然性が弱いのに無理に別れたような気もした。坊っちゃんとしてのヘミングウェイ。サンドラ・ブロックは、いつも眠たそうである。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-20 12:00:41)

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