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741.  マラノーチェ 《ネタバレ》 題は「最悪の夜」ってことで、どこでその言葉が出てくるかっていうと、激しいホモのセックスシーンがあって、翌朝「うーん、ケツが痛い」って言いながら主人公が街を歩いているときに「最悪の夜だった」って出てくるの。変な映画見始めちゃったなあ、と半ば後悔しながら見続けていると、今度はラスト近くに本当の最悪の夜がやってくる。アメリカに不法入国したメキシコ人が、別の捜査で来た警官に過敏に反応してしまい、逃げ回り射殺される展開。白黒画面に緊張したサスペンスが走る見事なカットの連続であった。そう言えばこの監督『サイコ』をそのままのカット割りでリメイクしたこともあったっけ。サスペンスへの興味はデビュー作からあったんだ。それと異郷の地で言葉の通じない男同士の出会いって設定は、『パリ・ジュテーム』でそのまままた使ってた。ホモの愛の世界の微妙な味わいはよく分からないけど、優越した立場になってしまう白人の、不法移民に対する疚しさみたいなものも描かれていたような。[DVD(字幕)] 6点(2008-08-06 09:21:56)

742.  ヘアスプレー(2007) メタボメタボとヒステリックに叫ばれている中、でぶでぶした女の子がどこ吹く風とコロコロ踊ってるのを見るのは愉快である。でぶの人はだいたい主人公のドジで愉快な友人役と決まっていたものを、それを中心に持ってきただけで新鮮。そして60年代風音楽がカラフルに展開していく。キャスティングの妙。だってクリストファー・ウォーケンとジョン・トラボルタが仲良く夫婦愛を歌って踊るんだぜ。ミシェル・ファイファーの根性まがり女も楽しい。ただ、この作品ならこの曲と記憶されるような決定的ナンバーなり、ユニークな振り付けなりがないのがちょっと寂しい。デモのシーンなど、ここは大事なところだから真面目に演出しました、って感じだったが、ああいう場面こそ、もっとミュージカル的に盛り上げて、それでメッセージが濃く伝わるのではないか。とはいえラストのコンテスト会場シーンはたっぷりで満足。あの姿のトラボルタにダンスのキレを期待するのは酷だな。[DVD(字幕)] 7点(2008-07-24 10:45:01)(良:1票)

743.  コレリ大尉のマンドリン 戦っていたのはドイツ・イタリアのファシスト連合とギリシャなのだが、そこに漂っている空気は、イタリア・ギリシャの南欧古代文明地域連合と北方のドイツ新興陰気文明の対立だったりする。こりゃどうしたってドイツは分が悪い。でも一人一人はいい奴なんだよ。風呂場の中でしか歌えない内気な奴だったりして、飲むといい声でサンタルチアを歌い、ねえ戦争終わったら文通しようよ、なんて言う。言い古されたことだけど、戦争がいけないんだ。ドイツってのは、集団になると戦争に向いちゃう国民性なんだな。その点イタリアは向いてない。連合軍がイタリアに上陸したとラジオで聞くと、これで帰れるぞと歓声がわく。流れ着いた機雷の爆破、コードが足りなくて怪我しちゃうとか、いちいち戦争に向いてない。マンドリンが似合う国民性だ。でも残念ながら日本はドイツ系だなあ。[映画館(字幕)] 6点(2008-07-22 09:21:11)

744.  ドラキュリア 「おい、様子を見てこい」って言われると、みんなで一緒に行けばいいのに、一人ずつ順番に行って一人ずつ順番に血をツーッと吸い上げられてしまう。みんなで行けば怖くない、ってのは真実だなと思った。処女の生き血は現代では入手困難なので、吸血鬼も大変なのだった。アメリカを舞台にすると南部のカトリック地帯でなければならないのだった。[映画館(字幕)] 5点(2008-07-20 12:07:54)(笑:1票)

745.  タロットカード殺人事件 『ロスト・イン・トランスレーション』見たとき、スカーレット・ヨハンソンにはコメディエンヌの素質があるのではないかと思ったものだが、それを本作は証明してくれた。ちょっと半開きの口もとやハスキーな声、それまではセクシーと捉えられていた要素が、そのまま“お茶目”の要素に横滑りしている。コメディの登場人物はしばしば己れのドジによって窮地に落ち入るが、途方にくれたときに、人の口もとは半開きになるものだ。マジックのステージに上げられてもじもじしているところなど、かわいくすらあった。ボケとツッコミの迷探偵コンビものをウディ・アレンとこなす。ほどほどの笑いとほどほどのハラハラを織り込んで、けっして限度を踏み外さない上品な仕上がり。喋りちらしているようで、ちゃんと伏線を張っているシナリオも礼儀正しい。[DVD(字幕)] 7点(2008-07-18 10:11:32)(良:1票)

746.  アザーズ 冒頭のヒロインの悲鳴が、終わってみると意味深長で。召使たちが怪しく、ヒロインも怪しく、観客はどこにも足を落ち着けられずに、この家を見守ることになる。最初のうちは姉のいたずらという可能性を残しているところも膨らみ。死者の写真は気味悪く、二階からの音も効果満点。でも終わって一番怖かったのは、カーテンを閉め切って太陽の光を避け、暗い部屋で息を殺してじっとしている存在って、いまここに集まっていた映画館の観客である我々のことではないか、と思ったとき。キャーッ。[映画館(字幕)] 7点(2008-07-14 10:49:41)

747.  プラネット・テラー in グラインドハウス 《ネタバレ》 タランティーノ版は楽しめなかったが、基本的にゲテモノは好きなのでこっちはちょっとは楽しめるのではないかと思って見たら、すごく楽しめた自分が恥ずかしい。まずほとんど筋が分かってしまう架空映画の予告編が楽しい。本編、前半はさしたることなし。病院に次々とドロドロした人が担ぎ込まれてくるあたりからか。ゲテモノテイストがはっきり立ち上がり、またヒーロー、エル・レイの安っぽい活躍も始まる。無意味に壁面で一回転したり、二丁拳銃をクルクル回して周囲に“こいつタダモンじゃねえ”と感嘆させたり、かつて映画にあった安っぽさゆえの活力を再現しているその情熱。「不手際をお詫びします・支配人」でクライマックスに跳ぶ離れわざ。またこれは、なぜかイロっぽいシーンを含む巻から紛失していった映画上映史上の謎を後世に伝える役目も果たしていよう。ラストはもう一気呵成で、ヒロインが塀を飛び越えるとこ、ブリッジで砲撃をかわすとこなど、たまらなかったです。ミーミレミファミレ、ミーミレミファミレの心地よく下品なテーマ音楽が、今も頭の中で鳴り続けている。[DVD(字幕)] 7点(2008-07-05 11:19:02)(良:1票)

748.  シッピング・ニュース この監督は北へ帰りたがる。『サイダーハウス・ルール』のメイン州よりさらに北のニューファンドランド。淡々としていながら暴力の影がつきまとっている映画。娘に対する母の、兄の妹への暴力から、夫の首を切った妻、さらに遠く海賊の暴力までが潜んでいる。先祖の悪行をドロドロと引きずっていると感じる主人公は、下手すると横溝正史の世界になってしまうところだが、その過去からの解放として家の消滅が描かれるのか。この村、船を壊して若者を出させないなど、なんか「砂の女」的な不気味さもある。“人情の村”の癒やしと拘束。そこらへんあまり焦点を定めずに描いたところが、中途半端なような、作品としての膨らみのような。主人公が出来事を「見出し」にして呟くところがおかしい。[映画館(字幕)] 6点(2008-07-03 12:16:04)

749.  バーバー 《ネタバレ》 日常からの脱出をもくろむ小市民の悲喜劇。半分近くインチキかもしれぬと疑いつつも、ドライクリーニング話に投資してしまうまでの閉塞感がある。事件を起こした後も、犯罪が露見することをさして恐れていない。今と変われればそれでいいと思っているのに、常に疑いはよそへそれ、彼は床屋に取り残されてしまう。弁護士に俺が殺したと言っても、取り合ってくれない。もう自分の床屋からの脱出はあきらめ、娘のピアニストの夢に賭けるのだが、彼女には才能がなかった。まあ、幻滅のつるべ打ち。日常ってこんなにも手強いものだったのか。ところがひょんな逮捕によって、やっと床屋以外の場所へ旅立てることになる。床屋の椅子のような電気椅子。いままで客が座っていた場所にやっと自分が腰を下ろせた、という皮肉な安堵感、ここらへんがコーエンの味ですか。ベートーベンのピアノソナタの緩徐楽章が、彼が求めてやまなかった慰安の世界を暗示する。[映画館(字幕)] 7点(2008-06-29 12:15:05)(良:3票)

750.  金色の嘘 ヒロイン、シャーロット(ユマ・サーマン)は“なにも企んでません”といったキョトンとした顔のときに、かえってすごく怪しく見える。ヘンリー・ジェイムズの世界って、いつもアメリカとヨーロッパがお互いを探り合っているような関係が底にあり、本作でもイタリア男に代表されるヨーロッパがアメリカを手玉にとってるようでもあり、真実手玉にとったのはアメリカの父娘だったようでもあり、結局したたかだったのは誰でしょう、ってナゾナゾみたくなる。ヨーロッパを発つときに精一杯の見得を切る弱さもあれば、新聞に載る写真では生き生きと輝いている強さもあって、何重もの屈折が仕組まれているよう。企みを秘めた社交って設定、あっちの人は好きね。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-28 12:13:09)(良:1票)

751.  チョコレート(2001) 男三代のカチカチの家の息苦しさ。とりわけ祖父の重さ。伝統。しょうがない女だったと言われているが、母の不在が大きい。子を愛していたことに遅れて気づき、父を愛していなかったことに遅れて気づく不幸。椅子の血の汚れと、車の座席の血の汚れ。これはすでに崩壊した家のホームドラマでもある。しかし差別の意識はこんなにも簡単に拭われるものだろうか。すべて祖父一人に、伝統に、過去に責任を押しやって、主人公をきれいにしすぎた気もする。南部ジョージアの匂いをさらりと出しているのはいい。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-23 12:12:23)(良:1票)

752.  ビューティフル・マインド 人づきあいの悪い数学者は、まあパターンどおりの演技だし、妻の役柄もさして面白いとは思えなかったが、国家における軍隊と人間における精神分裂病(統合失調症)とが、同質のものとして描かれているその一点で、この映画を褒める。被害妄想が限度を越えて結晶したもの、国家の場合それは常に過剰防衛に走る軍隊だし、人の場合は精神分裂病だ。冷戦下の軍隊のほとんど妄想の域に達している想像力の暴走は、精神病となだらかにつながっている。小屋の秘密基地で、雑誌の中からパターンを探す徒労の半生って、そのまま軍隊の情報部なのではないか。伝記映画としては凡庸。ラストの式典はいらない。ノーベル賞を貰うなんて妄想の最たるもので、どこの精神病院にも何人か必ず受賞者がいるだろう。彼はもっとそのことに半信半疑で、また妄想が出たと不安がるほうが自然では。[映画館(字幕)] 8点(2008-06-22 12:13:00)(良:1票)

753.  雨に唄えば シド・チャリシーが死んだ。『バンド・ワゴン』もとても好きな映画で、彼女のダンスシーンはどれも完璧だけど、ただミュージカルの相手役としてのドラマをこなすには、やや愛嬌が欠けていた。デビー・レイノルズが愛嬌を振りまいた後で、都会の女(ギャングの情婦)として踊る『雨に唄えば』のクールな彼女のほうが、印象としては強烈。それにしてもあれは奇跡のような映画だったなあ。初めて見たとき、映画館を出ても心のウキウキが止まらないので、ただただ道を歩いてたら(とうぜん頭の中ではタップを踊っている)直線距離にして7kmほどある家まで着いてしまい、直射日光の炎天下の日だったのでバファリンが必要になったものだ。ミュージカルの楽しさが映画の秘密を握っているのではないか、とそれ以来疑っている。たとえば発声練習の早口言葉からダンスになっていくあの一瞬のスリル、ああいう日常の光景の中で不意に踊り出す瞬間に、映画の秘密があるような気がしてならない。アステアやケリーのミュージカルを見るたびに、その秘密を見極めてやろうと思うのだが、でも見始めるともう向こうに完全に乗せられてしまって、分析しようなんて気持ちはどこかにすっ飛んでしまう。映画がサイレントからトーキーになったのは退歩ではないか、としばしば思わされることが多いが、でも『雨に唄えば』を思い起こすと、その考えを打ち消さなければならなくなる。[映画館(字幕)] 10点(2008-06-19 12:19:19)

754.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 おとぎ話と現実とがぶつかりあうのかと思っていたら、歴史をおとぎ話に呑み込ませてしまったような映画だった。悪役の大尉が歴史上のファシストを再現するというより、童話の憎々しい継父の造形で、幻想と現実とが対立するというより並行している感じ。別にそれでもいいんだけど、フランコがまだ生存中に作られた『ミツバチのささやき』より緊張に欠けるのは仕方なく、こうして内戦の歴史の記憶が過去の物語になっていくのだろう。興味深かったのは、生まれてくる息子への大尉の思い込みの強さ。もう妊娠中から男の子と決めている。男から男へという父権の強さが、カトリックの国ではいまでも重苦しいということか。そう思うとアルモドバルの女性映画の見方にも、また新たな視点が加わってくる。話の終わらせかたも、同じスペイン映画の『汚れなき悪戯』をちょっと思い出させ、やはりカトリック的なものを感じた。実はこの映画で一番感動したのは、手のひらに目玉のある化け物の登場で、江戸時代の百鬼夜行図にも、両方の手のひらに目があるのっぺらぼうがいる。そっくり。バケモンの想像力において世界は一つだなあ、と感動した。[DVD(字幕)] 7点(2008-06-17 12:18:36)(良:3票)

755.  ガウディアフタヌーン なんかスリラーと紹介してる記事もあったけど、こりゃコメディ。ジュディ・デイビスがコミカルなのって珍しいか。あともクセモノ女優を揃えてある。ガウディを背景にしてるのが正解で、あの建築のそこはかとないユーモアと質が似ている。一見歪んでいるように見えて、これはこれで調和がとれてる、って話。直線ばっかじゃつまんないって話だ。男装する母と女装する父とが母性愛を競い合うんだもん。ヒロインのアパートの大家の騒々しい家庭が、マットウな家庭として対置されて、あれもあればこれもあると世界が広がっていく。スペインの明るさ。警察に“父親”の人相を告げるとこ「髪はカツラで肩まで、身長はヒールを履いて云々…」ってのがおかしかった。マジシャンの場、映画の中の舞台ってのは、なぜかワクワクさせる。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-16 10:13:56)

756.  TOKKO―特攻― やさしい叔父さんと狂信的なカミカゼとがつながらない、という個人的疑問から出発しているのが、ドキュメンタリーとしての強みになった。兵士サイドが特攻戦法をどう受け入れたのかの説明としては「どうせ遅かれ早かれ死んでしまうのなら、少しでも有効に」っていうのが一番納得がいく。ほとんど整備もろくにできてない戦闘機で、毎日飛んで生きて帰ってくる確率を考えれば、そう判断するほうが合理的だったろう。しかしこういう“外道の戦法”を常態化させていった軍の上層部サイドの説明にはならない。この若き“英霊”たちをいわば人質にして空疎な精神主義を煽った面があり、これはどう考えても許せない。そしてこの“外道の精神主義”が、都市空襲や原爆の使用という虐殺に関してアメリカ軍側の心理的負担を軽くし(ジャップは命を軽んじるクレイジーな連中だ)、踏み切り易くしたという責任もあろう。出撃途中で敵機と遭遇し、爆弾を使い切ったので引き帰した、というエピソードがよかった。証言する人の表情や語り口がよかっただけに、アニメの使用は疑問。[DVD(字幕)] 6点(2008-06-13 12:19:46)

757.  デス・プルーフ in グラインドハウス テレビつけたら物マネやってて、そのマネされてるのが知らない人で、観客席が沸くほど楽しめずボーッと見てた、って感じ。ま、こんなチープな感じのB級映画って漠然と類推は出来るんだけど、パロディから本家類推してもしょうがない。見世物としての面白ささえ、懐かしさを共有できないと不発気味。こんなところにしか次の手が打てないまで、いま映画は行き詰まってるんだろうか、と暗くなってしまった。『キル・ビル』のときもちょっと思ったけど、この監督、自家中毒を起こしてるんじゃないか。遊び心を忘れぬ子どもというより、骨董趣味に閉じ籠もった老人のように見える。[DVD(字幕)] 5点(2008-06-09 12:14:54)(良:2票)

758.  サイン 《ネタバレ》 アメリカってホントに無神論はいけないのね。無神論者って、即すさんだ人なの。この徹底ぶりがどこから来るのか、プロテスタント移民という歴史だけでは説明できないような気がする。それはともかく、うっちゃりがあるぞ、うっちゃりがあるぞ、と思わせといて、そのまんま赤狩り時代のSFものを再現する魂胆、アイデアをひねりすぎた結果なのか、全然ひねらなかった結果なのか、よくわかんない。家に籠もって何か世界が大変なことになってるらしい、と思うあの感じは、たぶん9・11でアメリカ人が体験した感じなのだろう。もし私が水に弱いエイリアンだったら、もっと山岳地帯や砂漠地帯に拠点を作ってから仕事を始める。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-08 12:15:58)

759.  ディナーラッシュ いろんな人間模様が重なり合う話って、職場や住宅地でもできるけど、こういう街の一部が一番似合う。肩書きがはずれて、誰もが社会的な輪郭を曖昧にしている空間、役割から一時的に解除されている互いに匿名の人たち。そこに面白味が生まれる。カツラで匿名に変装したつもりの料理評論家は、そういう人たちの中でかえって正体を見抜かれる。役割を演じているから。あと仕事をしているのは、経営者とコックとギャングだけか。別に意味はないけど、停電でさらに異空間の感じを深めた。「ニューヨークでは死体2つで売上げが3倍になる」ってのがいい。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-06 12:15:06)(良:1票)

760.  ゴスフォード・パーク ダーッと登場人物があふれる。これ小説だったらそうとう混乱しただろうけど、映画だと、とにかくその中に身を置いてあたりを観察しているうちに、しだいに整理されてくるから大したものだ。上の階と下の階、別々の階級の世界を描き分けていたのが、だんだんと絡まってくる面白さ。マギー・スミスは召使を使って情報を集めるし、上の客であるアメリカ青年は下に潜り込む。マギー・スミスの上流階級の酷薄さは、そのままイギリスが(しょせん芸人風情の)アメリカを見る眼の残酷さでもあろう。監督はそう見られるアメリカを笑い、そう見るイギリスも笑っている。[映画館(字幕)] 8点(2008-06-02 12:14:29)

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