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プロフィール
コメント数 271
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 歳をとるごとに趣味と呼べるものがだんだん少なくなり、今では多忙ななか映画を鑑賞することがひとときの楽しみとなっています。
無数の作品の中から良作を探し出すツールとして、本サイトのお世話になっています。

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61.  JFK 《ネタバレ》 「JFK暗殺」という、オリバーストーン監督らしい着眼点と豪華な俳優陣で製作された本作。 確かに尺は長いが、暗殺現場と当日の社会情勢を取り混ぜながらギャリソン検事が真相(この場合は軍需産業と政府機関による陰謀説)に迫っていく過程をスリリングに描いており、長さを感じさせなかった。 特に終盤でケビン・コスナーが演じる法廷シーンは本作のクライマックスであり、それまで描かれた証言や状況証拠だけでは勝訴できないにも関わらず、少なくても「オズワルド単独犯説」は何者かによってでっち上げられた蓋然性の高さを訴えるに十分なシーンだったし、それこそが監督の狙いだったのだろう。 ここでのケビン・コスナーの長セリフは印象に残る名シーンになっている。 こうした深刻な社会問題をエンタテイメントとして、しかも関係者がまだ多数実在しているタイミングで製作できるオリバーストーンや、それを許す米国という国の懐の深さに感心すると共に、一筋縄には行かない国家の闇を見るようで、決して後味はよくなかった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-22 11:33:27)《改行有》

62.  ザ・ウォール(2017) 《ネタバレ》 米軍兵士とイラク兵のスナイパーが崩れかけの壁を隔てて対峙する戦争サスペンス、という事前知識のみで鑑賞したが、なかなかどうして最後まで飽きずに観せる展開だった。 画面に登場する人物は(最後の救出シークエンスを除いては)米兵の2人のみ、という徹底ぶりで、プロットや展開の工夫によっては、それだけで90分のドラマを成立させることができるのかと感心した。 そもそも数百メートル先で動く兵士の「膝」や「水筒」まで正確に狙い撃てるスナイパーが、実際に存在しうるのかは甚だ疑問ではあるが、それを受け入れなければ本作は成立しないだろう。 本作のクライマックスで、スナイパーがなぜ「そこ」を狙ったのか、なぜ無線で米兵「自身」のこと聞き出そうとしたのか、その理由が(すなわち「ザ・ウォール」は「ザ・トラップ」だったと)分かるくだりがあるが、背筋が寒くなるような怖さを感じた。 また、米兵が被弾するシーンでは、まず弾が先に身体に当たり、少し遅れてから乾いた銃声が聞こえるという「当たり前」をきちんと再現していた。 そして終盤、スナイパーが自分の出自を告白したり、この壁が何の建物の一部だったかが語られるシーンがあるが、戦争という営みが、まともな人間を狂気に変えるという、まさに「プライベートライアン」のミラー大尉に通底する恐ろしさも本作が伝えたかったところだろう。 90分の作品ということもあり軽い気持ちで鑑賞したが、意外にも深みをもった戦争映画の佳作であり、その意味ではオススメできる作品だった。[インターネット(字幕)] 7点(2020-03-09 13:23:28)《改行有》

63.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 「良心的兵役拒否者」という戦争映画としては異色のテーマで、実話がベースになっている作品。 敬虔なクリスチャンで知られるメル・ギブソン監督らしい着眼点だ。 前半は主人公デズモンド・ドスの育った家庭(特に第一次大戦でのPTSDを抱えた父親との確執)や、後に結婚するに至る恋人とのエピソードを語り、 中盤ではデズモンドが愛国心から兵役を志願する一方で「決して銃に触れない」と宣言したことから惹起される上官や仲間からの迫害にも決して屈しない姿を描き、終盤では衛生兵としての戦場での大活躍が描かれるという安定した展開。 不謹慎の誹りを恐れずに言えば、監督得意のグロ描写に期待して鑑賞したのだが、リアルな戦場描写は期待通りだった。 ハクソー・リッジ(日本では前田高地と呼んでいたらしい)での上陸戦のシーンは、最前線での白兵戦の凄惨さを見事に再現している。 白煙で視界の悪い戦場で、いきなり機関銃の雨にさらされ、訳も分からないまま次々と死にゆく米兵たち。 鉄兜ごと頭を撃ち抜かれたり、爆発で手足をもぎ取られたり、その地獄絵図の中を駆け回る衛生兵はモルヒネを打つことくらいしかできないという凄惨なシーンがこれでもかと続く。 実際、極限状態に置かれた皇国・日本兵の捨て身の攻撃は、米兵にとって脅威であったに違いない。 劣勢のなか一度撤退を決めた米軍にあって、ただ一人戦場に残り「神様、どうかあともう1人助けさせてください」と、まだ敵の銃弾が飛び交う中、息のある兵士を次々と救出し続けるデズモンド。そうして(驚くべきことに日本兵も含め)数十人もの命を救ったデズモンドは、最後は真の英雄として讃えられる。 「戦争」という合法的な殺人を目的とする非人道的な場面にあって「汝殺すなかれ」とのキリスト教の教えをどう実践するべきなのか、という問いに対する一つの答えが本作なのだろう。 しかし、他のレビュアーも指摘しているとおり、主人公がなぜあれほどまでに頑なに信念を貫けたのか。多くは特定の信仰をもたない日本人にはなかなか理解しづらいだろう。 しかし本作は、人間にとって信仰とは、信念とは、本当の勇気とは、そして真の強さとは……と様々考えさせられる良作である。[インターネット(字幕)] 7点(2019-06-05 17:51:18)《改行有》

64.  ミスト 《ネタバレ》 若干の予備知識ありで鑑賞したにも関わらず、スーパーに立てこもる人々に迫り来る脅威にドキドキしながら引き込まれた。 「霧」という舞台装置を上手に使い、見えざる脅威を少しづつ明らかにしていく展開は秀逸と評価できる。 この手のシチュエーションホラーではよくある展開だが、本作でもはやり非常事態における「人間同士の諍い」をメインテーマに据えている。 特にある狂信的な女性が、危機が深まるにつれ群衆の共感を得ていく様子は、私たち日本人には異様に映る。 自然現象のほとんどを科学的な理解の内にいれている(と思い込んでいる)人ほど、人智を超える現象を目の当たりにしたとき、一種宗教的な感情に引き込まれやすいことを本作では上手く表現している。 また人々が不安と恐怖に陥る状況下で、その場にリーダシップをとれる人物がいるかどうか、またその人物が冷静な判断ができるかが実際には重要な鍵を握るわけだが、本作ではそれが決して簡単ではないこともよく表現できている。 本作の主人公は一見そのリーダータイプと思わせながら物語は進行していくわけだが、本作ではそうした予定調和に納めないところに独特のユニークさがある。 話題になっている救いのないラストの展開だが、妻も犠牲になっており、頭上を闊歩する巨大な異生物を見てしまった主人公の絶望の後では、十分にありえる行動だと納得できた。 そうした意味で、本作はどのジャンルにおいても類似性を見ない、特異なサスペンスホラーとして一定のクォリティーをもっており、佳作といえる。 ※蛇足だが、ダラボン監督ということもあり、後の「ウオーキング・デッド」のキャストが数多く出演していることは意外な発見だった。[インターネット(字幕)] 7点(2018-02-21 11:21:59)(良:2票) 《改行有》

65.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 鑑賞後の率直な感想としては微妙だった。 反乱軍スパイによるデス・スター設計図の奪取ミッションを描いた、エピソードⅣの前日譚と位置づけられるスピンオフだが、 最新のVFX技術を駆使して40年前の作品の前日譚を描くというチャンレジは成功していると思う。 既視感のある宇宙船や登場人物そして音楽により、本シリーズの世界観が踏襲されているため、来年公開のエピソードⅧを 待ちきれないファンにとっては楽しめたと思う。 特にターキン提督やレイア姫のアーカイブ映像とCGを駆使した登場には驚かされた。まだ多少の違和感は否めないが、この手法がさらに進歩すれば、スピンオフ制作の自由度はかなり増すだろうと思われる。 しかし肝心なストーリーについては、特に前半は様々な登場人物や惑星を登場させるために、若干とっちらかった印象は否めず、 主人公ジンや「ローグ・ワン」チームの人物背景の掘り下げが浅いため、後半のおける彼らの自己犠牲に感情移入しきれなかった。 この辺りの受け止め方で本作の評価は変わってくるだろう。 スパイという設定が実際には「荒くれ者チーム」だったという微妙な設定変更に加え、これだけの英雄譚だったわけだからエピソードⅣで誰かが「ローグ・ワン」の活躍に言及するシーンがあればもっと感動もあったと思われるが(強いて言えばエピソードⅤのスノースピーダー編隊に名前が継承されてはいるが)この辺がこうした「後付けストーリー」の限界なのかもしれない。 とはいえ、特別出演?のあのアナキン君の成れの果て(特に最終盤の無双シーンは鳥肌モノ)が見られたので、及第点は付けさせて頂く。[映画館(字幕)] 7点(2016-12-24 11:51:34)(良:1票) 《改行有》

66.  最高の人生の見つけ方(2007) 《ネタバレ》 余命宣告されてからの「やりたい事リスト」というテーマ自体は目新しくはないが、モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンという二大名優の共演が見所の本作。 印象に残るのはピラミッドでのワンシーン、死んだ後で天国の扉の前で問いかけられるという二つの質問をモーガンがジャックに投げかける。一つは「人生に喜びを見つけたか」もう一つは「他者に喜びを与えたか」。ジャックは二つ目の質問に答える代わりに、疎遠になっている娘の話をする。それを聞きモーガンはあることを決意するわけだが、このあたりは本作の邦題である「最高の人生」には、他者にどれだけ喜びを与えたかということも深く関連していることを象徴するシーンだった。 もうひとつ、ジャックとの旅でモーガンは忘れていた妻に対する愛情を取り戻す。夫婦の倦怠は誰しも訪れるわけだが、身近な大切な人との結びつきこそが「最高の人生」に不可欠であることも思い出させてくれる。 ジャックもラストで首尾良く「世界一の美女とキス」できたり、エベレストのくだりも含めて、意外な形で二人の「棺おけリスト」は成就していくわけだが、こうした意外性の中に人生の重要なテーマを印象に残すことに成功している佳作。  [インターネット(字幕)] 7点(2016-11-20 13:28:29)《改行有》

67.  アウトロー(2012) 《ネタバレ》 冒頭の犯行シーンから、元軍人スナイパーの逮捕、そして意味不明の「ジャック・リーチャー」を呼べ……と、導入からのサスペンス演出には見事に引き込まれた。 原作未読だが、最初から犯人を明かしながら、その企てを女性弁護士と主人公が協力しながら解き明かしていく王道のサスペンスに、無敵ともいえる主人公の素手でのアクションが加わり独自の世界観を確立している。 トム・クルーズもイーサン・ハントとは違うキャラクターづくりに成功しており、役者としての幅の広さをまた一つ披露した作品になった。 そしてヒロイン役の女性弁護士、特徴的な顔立ちでどこかで見た顔……と思っていたら「ゴーンガール」の妻役だったことを思い出したが、芯が強く、知的で魅力的なキャラクターを演じている。 捜査当局に内通者がいる展開も、最後まで上手にミスリードしたところは原作の秀逸さにもよるのだろう。 ありがちなラブシーンも排除し、ジャック・リーチャーというキャラクター一本で押し通す硬派な作りだが、掘り出し物の上質なサスペンスアクションに仕上がっている。 ただ一点、ありふれた邦題は興行的には損をしたと思う。今年続編が公開されるが、毛色の違うキャラクターで複数のシリーズをこなすトム・クルーズははやり稀代の千両役者なのだろう。[インターネット(字幕)] 7点(2016-07-27 11:23:38)《改行有》

68.  クリード チャンプを継ぐ男 《ネタバレ》 本作の魅力のひとつは、もう見られないと思っていたロッキーの「その後」が見られることだ。地元でレストランを営み、街の人からも「チャンプ」と愛され、エイドリアンやポーリーの墓前で独りごちる姿は、想定の範囲内とはいえ映像で見られるとうれしい。そして、もう一度ロッキーが戦うストーリーを作りたいという制作陣の欲求と、老ロッキーが、あのミッキーのように若手を育てる姿を見たい、という観客の欲望が形になった作品といえるだろう。したがって、主役の位置づけである「クリード」すら食ってしまうロッキーの存在感は、いたしかたがないだろう。また、そのために「アポロに実は息子がいた」という設定を無理矢理つくっているので、あとのストーリーはどうしてもこじつけになってしまっているのは否定できない。とはいえ終盤にようやくあのビル・コンティの名スコアが流れてくれば、もう全て許せてしまう。ちなみに本作のもう一つの魅力であるファイトシーンはプロが参加していることもあり、撮影技術も相まってハイレベルに仕上がっている。周囲をぐるぐる回るカメラワークは今までにない臨場感があったし、控室からリングに上がるまでの長回しなども、リングに向かう緊張感がよく伝わってきた。若き監督が意欲的に挑んだロッキー続編として評価したい。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-05-07 11:36:34)(良:1票)

69.  カリフォルニア・ダウン 《ネタバレ》 「2012」以来のディザスター・ムービーの鑑賞となったが、なかなかどうしてクォリティーが高かった。 ドウェイン様の圧倒的安心感もさることながら、制作スタッフがリアルさにこだわって撮影した意気込みが十分伝わってくる。 ただしここで言う「リアルさ」というのは、ストーリーの真実味ではなく、映像上のリアルさという意味だ。 こういったフィクション映画のストーリーは文字通り「映画的」であっていい。むしろそれを鑑賞後に(あるいは家庭で鑑賞しながら)ツッコミながら楽しむのが正しい作法ともいえる。さらに準主役の妻や娘が揃って巨乳であることも(女性側からの批判を承知でいえば)こうした映画の作法をよくわかって製作していると思う。 最新のCGをふんだんに使いつつ、ここぞという場面は生身のスタントやセットで体当たりの演技を見せており、大都市での巨大地震や津波の恐ろしさを楽しみながら疑似体験することができた。良作。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-02-13 11:39:16)《改行有》

70.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 多くの方がレビューしているとおり、はやり本作は劇場の大画面と大音響で「体感」するべき映画だった。 ストーリー展開やキャラクターの背景にはほとんど深みを持たせず、セリフすら最小限で、ただ世紀末のクレイジーな世界(車が力の象徴であり水とガソリンを奪い合う世界)に生きるクレイジーな連中の戦いに観客を放り込むようなビジュアルとサウンド、まさしくこれこそが「マッドマックス」なのだろう。 とはいえ、キャラクターの詳しい掘り下げがなくとも、観客にその背景を想像させるヒントはきちんとちりばめられてあり、観ているうちにフュリオサやマックス達の疾走を応援している自分に気づくような展開も秀逸。 ちなみに、「北斗の拳」が前作の世界観をモチーフにしていることは有名だが、本作では逆に「北斗の拳」からインスピレーションを得ているところも伺える(バット風の女性や種もみ婆さんなど)のもご愛敬か。 いずれにせよ、本作は可能な限り大画面と大音響で体感することをおすすめしたい。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-26 10:41:10)《改行有》

71.  アメリカン・スナイパー 実在した人物をモデルにしているわけだが、一にも二にもブラッドリー・クーパーの役作りが光る作品。ラストに実物の写真が出てくるが、劇中のクリスと違和感がほとんど感じられなかったくらいだ。内容はイラク戦争を舞台に「戦争がいかに生身の人間を壊していくか」という古くて新しいテーマに沿って描かれており、その点は「フルメタルジャケット」にも描かれているし、近くは「ハート・ロッカー」にも似ている。敵地で包囲される近代戦の恐怖としては「ブラックホーク・ダウン」にも既視感がある。その意味でとりわけ新しいメッセージは感じられなかったわけだが、最後まで緊迫感を失うことなく物語を展開させ、意外な結末で終わりを迎える構成にはそれなりの見応えがあった。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-07-13 16:17:42)(良:1票)

72.  フューリー(2014) 《ネタバレ》 戦車部隊を中心に描いた戦争映画は近年のメジャー作品としては新鮮であり見応えがあった。本作はB・ピットが優秀な車長ウォーダディを好演しているわけだが、ストーリーは新米副操縦手ノーマンの視点でも描かれており、意図的かどうかわからないが、他の搭乗員を含め登場人物の掘り下げはほとんど行われていないため、どの人物にも感情移入しにくい。強いて言えば、敵を殺すことに何の躊躇もなくキリスト教にも懐疑的と思われたウォーダディが、実は敬虔なクリスチャンだった事が終盤ほのめかされる程度だ。本作はそういう人間ドラマより、むしろ戦場の描写をよりリアルにすることにより、戦争の悲惨さを淡々と描いているようも思えた。特に最初はドイツ兵に銃口を向けられなかったノーマンが戦場で変貌していく様、そしてドイツの街に侵攻した兵士達の傍若無人な振る舞いとウォーダディの清廉な振る舞いの対比が戦争の悲惨さを雄弁に物語っており、「プライベートライアン」とも通じるメンタリティーを感じた。最後の十字路の戦いは「ここが死に場所」と腹を決めたウォーダディの姿が「300(スリーハンドレット)」のレオニダス王に重なってみえた。[DVD(字幕)] 7点(2015-04-30 11:34:31)

73.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 ザ・フォーシーズンズについては、名前は知っている程度であったが、出てくる曲の大半は耳にしたことがあり、出色の才能を持ったグループだったことを再認識させられた。イーストウッド作品としては異色な部類に入ると思われるが、恐らく本作は監督が肩肘張らず、自分も楽しめる映画として撮ったのだろう。あの時代に生きた若い才能がどのように開花していったか、そして当然の帰結ともいえる苦悩と葛藤を、名曲の数々と60年代のショービジネス界の実態にからめて上手に構成していたと思う。特に終盤の「君の瞳に恋してる」の誕生から、数十年を経てのグループ再結成、そしてラストの大円団までの構成は秀逸で、鑑賞後は爽やかな余韻を残すことに成功している。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-28 11:25:04)

74.  ナチュラル 《ネタバレ》 さすがに野球シーンでは技術に前時代的なものを感じるが、それを差し引いても美しい画づくり、特に夕景でのショットが印象的な作品。落ち目なメジャーのプロ野球チーム「ニューヨーク・ナイツ」を軸に、球界の影を交えつつ、「16年間の空白」という謎のキャリアをもつ1人の年増の選手ロイ・ハブスが再起していくというファンタジードラマ。ロイがかつての恋人アイリスと再会した時に言われた言葉が印象的。すなわち人生は二つある、「学ぶ人生」と「その後を生きる人生」と。ロイは類い希な才能を自覚するが故に、16年間「全ての記録を破る」人生を目指していたが、アイリスとの再会で、それ以上の意味、すなわち数多の少年に夢を与えていたことに気付き、感動のラストへつながっていく。あのバットボーイとの交流もその伏線になっている。その意味では「真のヒーローとは」というテーマが底流に流れていたとも言える。少年の頃、草原で父とキャッチボールした、あの無垢で純粋な思いが実は一番大切だったということが、ラスト、息子とキャッチボールするR・レッドフォードの最高の笑顔に雄弁に表現されていた。名作。[DVD(字幕)] 7点(2015-01-18 14:59:15)

75.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 ニキ・ラウダの名前くらいは知っている程度の前知識で鑑賞したが、レースそのものよりも二人の天才ドライバーの生き様に焦点を当てられている。実話をもとにしていることもあり、F1という世界を知るきっかけとしても適した作品になっている。1回のレースで25人の出走者のうち、2人平均で命を落とすといわれる当時のF1。その一種異常な世界でトップを目指す人間の葛藤が二人のライバル関係を軸に描かれる。破天荒で自己の楽しみを追い求めるハントと、クールに割り切るラウダ。作品ではラウダが語り部であり、自身の大事故が大きなイベントとして描かれるものの、ラウダが主役というわけでもなく、全体を通して2人に同程度のスポットを当てられており、対照的な二人の生き方への共感度を観るものの感性に委ねている点がよかった。それにしても70年代のF1レースを再現することは容易ではなかったと思われるが、音響面や細かいガジェットまでしっかり作りこまれているのは好感をもてた。その意味で映画館で見た方がより楽しめただろう。[DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 13:52:02)(良:1票)

76.  LIFE!(2013) 《ネタバレ》 空想癖のある、しがない写真管理人がSNSで気になる同僚の女性に「ウインク」をするのに躊躇するシーンから始まるストーリーだが、要所要所でこのサイトがアクセントとなっている。ウォルターは自分のプロフィールに書くべき物語がないことに気づき、好きな女性への思いも相まって、ようやく「勇気の一歩」を踏み出す。海への落下、サメとの格闘、火山などの冒険を経て、帰ってきたウォルターはすでに顔つきが変わっていた。もはやサイトも必要ない。こうした主人公を通して、普通であることの素晴らしさ、そして「一歩踏み出す勇気」の大切さを教えてくれる。王道だが、普遍的なメッセージとさわやかな余韻を残す佳作。[DVD(字幕)] 7点(2014-10-26 11:57:57)(良:1票)

77.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 今年一世を風靡した話題作をようやく鑑賞。うわさの「レリゴー」はクライマックスシーンと思いきや、物語中盤に出てきて意外だったが、確かに本作の楽曲の良さと映像の美しさを象徴する名シーンだった。特に本作の映像の美しさは特筆すべきで、ドレスや雪の質感表現はCGアニメここに極まれりといったレベルに達している。ストーリーには特段目新しさはないが、子供と一緒に家族だんらんで楽しむにはうってつけの楽しい作品。その意味でコミックパートを受け持つ「オラフ」は大変いい存在感を出していた。映画というよりもBGVとして何回でも流してみたくなる、そんな作品。[DVD(吹替)] 7点(2014-10-13 11:37:03)(良:1票)

78.  エンド・オブ・ウォッチ 《ネタバレ》 ロス市警の二人のバディが主人公。劇中でも主人公自身がビデオカメラを回してる設定にしているため、よくある密着取材のようなノンフィクション感を自然に表現できている。特に印象に残るのは、警官達のフランクさ(日本ではありえない!)と、犯罪者たちの悪態のひどさ!こんな劣悪な治安環境でも警官という仕事をするそれぞれの理由があるわけだが、ひょんな事からメキシコマフィアの標的になり、ボスの電話一本で命を狙われる二人。二人ともやられた!と思わせて……のラストは意外だったが、最後にやられた日の数時間前の映像で終わる構成がよかった。毎日が命がけの仕事だからこそ、次の瞬間を考えることなく、明るく冗談を飛ばし合う二人に、なんだか感動させられた。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-13 11:47:49)(良:1票)

79.  フライト 《ネタバレ》 題名からしても飛行機パニックアクションと思いきや、腕は立つが人間的に弱いパイロットのもがきと転機を描いた、結構泥臭い人間ドラマだった。冒頭のホテルのシーンで主人公の家族状況や女性関係を見せつつ、機内で酒を飲んだり、昼寝をしたりというトンデモな姿も見せ、続く操縦シーンでは彼が非凡な腕をもったパイロットであることも示すなど、序盤で作品の構図を示しきってしまう構成は巧み。とはいえ飛行機シーンも決して手を抜いておらず、墜落シークエンスは見応え十分である。事故後、主人公がアルコールを断ち切れず飲酒を繰り返してしまう姿は、誰しもがもつ人間の弱さを想起させ、痛々しくも共感を誘う。最後のウソをつけなかった苦悩のシーンは名作「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンの苦悩とも重なる。「牢に入って初めて自由になった」このセリフを最後にもってくるためのシナリオだったように思える。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-21 14:35:52)

80.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 3D吹替版で鑑賞。ラストを除いては終始舞台を宇宙空間のみに限定し、出演者も事実上スペースシャトルのミッション・スペシャリスト2名のみという、かなり思い切った設定の作品。このため2名の俳優はより高度な演技力が求められる(ヘルメットを被っているシーンが多いので声の演技の比重が大きい)ところだが、特にサンドラ・ブロックは切羽つまった女性科学者を文字通り体当たりで演じている点は評価に値する。いずれにせよ二人のコミュニケーションがストーリーの核心をなすため、字幕版で役者自身の声も聞いてみたいとも思った。本作はフィクションではあるものの、よくある荒唐無稽なSF作品とは一線を画し、全編通して観客を宇宙ステーションの船外活動に連れ出したかのような視点で制作されており、そのリアルさはもはや「シュミレーション」に近い画作りとなっている。本当に人間が無重力空間にいれば、顔がリフトアップしたりもするのだろうが、その辺は不問にするとして、今後NASAの座学で上映されてもおかしくないレベル。ストーリーとかドラマ性は期待せず「宇宙」の静寂さと恐ろしさ、そして地球の美しさを体感したい方は劇場で鑑賞することをお勧めしたい。 [映画館(吹替)] 7点(2014-01-03 19:49:44)(良:1票) 《改行有》

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