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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
61. スプライス 《ネタバレ》 製薬会社で数多の病気の治療薬に必要なたんぱく質を合成する研究者である男女2人の主人公。複数の生物の遺伝子を掛け合わせ、新種の生物からそれを取り出そうとするが、より高度なたんぱく質を合成するため(また科学者としての好奇心から)、人間の遺伝子を組み込むタブーを犯す。そして産み出された生物は、急速な成長を遂げ徐々に人間の姿と知能を獲得していく...。本当に小さく自分の思い通りになる頃の「我が子」を溺愛した女主人公が、思い通りに育てられなくなると虐待するようになる。自分が子供の頃に虐待を受けていたと思しき描写もあり深い。また、逆に最初は新生物を排除しようとした男主人公は、新生物の見た目が人間の女性に近くなるにつれ愛するようになり、最後は性的関係を持つに至る(新生物のフェロモンに負けた?)。最後は新生物の性転換(伏線あり)により、女主人公が陵辱されるに至る(自然の摂理を汚すものは報いを受けるということか?)。ありがちなバイオSFかと思いきや、自然の摂理の犯してはいけない境界線と、子育て(しかも子供は「異形」で先天的ハンデを負っている)の機微を描くとともに、うまくいかない育児に伴う身体的、性的虐待をも描く重い内容だった。[DVD(吹替)] 6点(2012-08-14 23:24:59) 62. ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 原作、オリジナル未見。一回観ただけでは登場人物の名前と相関関係が解りにくく、そればかりに気が行ってしまい、イマイチ物語に入り込めなかった。あと、もう少し主人公二人の背景をクローズアップして人物像を掘り下げて表現してくれたら、彼らに感情移入しやすかったと思う。ただ、2時間半の長丁場でも観客の気持ちを引っ張っていける内容は素晴らしく、全体的には十分及第点。続編ありと感じさせるラストも良い。[DVD(吹替)] 6点(2012-07-11 23:05:53) 63. ホステル3<OV> 《ネタバレ》 面白くない。「ホステル」は、得体の知れない闇組織が旅行者を色仕掛けで誘い出して拉致し、彼らを対象にその組織の会員が拷問と殺人を楽しむという内容で、ツッコミどころは満載だが、舞台となる東欧の不気味さ(失礼)ともマッチして、まさに得体の知れない恐怖を味わえる作品...だった。物語出だしのドンデン返しは「オッ」と期待させるものがあったが、今作は映画の主体となるグロさが何ともアッサリで、エロさもイマイチ。まず舞台が何故かラスベガスに移り、前二作のような不気味な雰囲気が無いし、拷問+殺人の経過や結果を賭け事にして単なる見世物に貶め、更に大事な会員を会員本人の了解を得ずに獲物と勝手に闘わすって、どんな?絶対的な力を振るうべき組織の運営方針がグダグダで、おまけにヨワヨワ。期待した陰湿で得体の知れない恐怖はすっかり毒を抜かれ、「ホステル」と呼ぶことはできない。しかも「ホステル」以外の映画としても面白くないし、ラストの陳腐な復讐劇は何なのか?残念ながら失敗作ということで。[DVD(吹替)] 3点(2012-06-24 15:00:39) 64. 4デイズ 《ネタバレ》 テロリストによって米国のどこかに仕掛けられた3つの爆弾を発見せよ。逮捕後の状況も戦略とし、拷問覚悟の上捕まったテロリスト"ヤンガー"。義務としてテロリストを拷問し、仕掛けた場所を吐かせようとする特別尋問官"H"。爆弾の在り処を特定することが至上命題とされても、人道的に拷問反対を唱えるFBI捜査官"ブロディ"。ほぼこの主役の3人の心理戦のみが描かれる心理サスペンスである。拷問室での描写中心で、次第にエスカレートする拷問に、国家を守るには何を為しても良いのか、最終的には人とは何か、という内容になっていく展開で、深く考えさせられる。しかしながら、最後まで観ても"H"の「拷問=尋問」に説得力が無い。彼の行為と結果にまるで意味が無い。拷問の効果に伴う結果が得られず、ただ肉体的な痛みを与えているだけに思える。最後まで「なるほど、それなら、」と思えない。"ヤンガー"が最後まで隠す「何か」を炙り出すためだとはいえ、「こいつは絶対に口を割らない」と知っていたわけで、その上を行くカタルシスを感じさせて欲しかった。ただ、次はどうなる?と観客の気持ちを引っ張って行く展開は良い。まあ、及第点ってことで。[DVD(吹替)] 7点(2012-06-01 23:26:59) 65. インモータルズ/神々の戦い 《ネタバレ》 ミノタウロスの造詣や兵士たちの汚れ具合など、現実味が感じられる映像は好みだし、スーパースローを多用し、止まった時間を神々だけが動くような戦闘シーンは一見の価値あり。映像センスはかなりのものだと思う。だが、有名どころのポセイドンやアテナも簡単に死んでしまうような展開となり神々に絶対的な強さがあるのか不明だし、物語にも興味を惹かれる部分がなく、全体的に冗長な展開なので面白くない。全体的にイマイチな感じで残念。[DVD(吹替)] 5点(2012-05-27 20:29:17)(良:1票) 66. シャッター アイランド 《ネタバレ》 謎解きメインであるが、オチは途中で気づいてしまう。既存の妄想・多重人格もので使い古された内容になってしまっており、全体的に物足りない感じ。コンセプト的には陳腐であるが、映像にはパワーがある上、異様な雰囲気を醸しだしており見ごたえ十分。切り立つ崖、打ち寄せる波、激しい雨、舞い散る灰、撒き散らした書類、折り重なる死体など背景の映像が心に残るのも印象的。ラストの解釈はいろいろあるだろうが、自分が犯した許しがたい罪への贖罪という観点からすると、「正気を取り戻し自ら進んで手術を受け入れる」という考え方が一番しっくり来ると思う。いずれの考え方にしても主人公の犯した罪の深さを十二分に表現しているラストである。まあまあ及第点ってことで。[DVD(吹替)] 6点(2012-05-13 13:08:58) 67. スーパー! 《ネタバレ》 深く考えさせられる内容であることは間違いないのだが、鑑賞後の後味が悪く、安易に人に勧められない映画である。妻を薬の売人に寝取られた冴えない主人公が、神の啓示によりヒーロー「クリムゾン・ボルト」となり巷の悪に罰を与え、妻も取り戻そうと一念発起する...のだが、弱っちくて返り討ちにあうこと多々。そこで凶器による不意打ち一撃離脱方式に変更。一応彼の考える悪いことをした人しか襲わないのだが、その描写が姑息でえげつなく、嫌悪感バリバリ。また、途中から押しかけ女房的に相棒となる「ボルティ」の言動がヤバく(悪い意味)、エロくて傍若無人で観ていて引きまくる。ヒーローものは悪を罰する際に幾ばくかの爽快感が生まれるが、この映画のヒーローたちの行動には爽快感や格好良さがない。ただ、そこに現実感が湧き上がる。ヒーローが一般的な正義(法律・マナー)に反した人を殴ったり殺したりすれば、ヒーローも正義に反してしまう。数多のヒーローたちの存在の矛盾を皮肉り、ヒーローとサイドキックとの性的関係を揶揄した内容は趣味で及第点。[DVD(吹替)] 7点(2012-04-28 21:25:31)(良:1票) 68. キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー 「君は弱い。だから力に敬意を払うし、その価値を知っている。」旧き良き正義(アメリカ)の体現者。舞台は第二次世界大戦中の1942年。体格的にはひ弱だが、頭脳明晰で類稀な正義の魂を持つスティーブ・ロジャース。戦禍に苦しむ人々を助けるため、彼は何度も入隊検査を受けるが毎回不合格となっていた。そんな彼が「戦略科学予備軍(SSR)」の科学者アースキン博士の目に留まり、「スーパーソルジャー計画」候補者として抜擢される。「超人血清」の投与による人体実験。それは投与された者の筋力と体格、そして持って生まれた素養を強く強化する。博士はスティーブの明晰な頭脳と強い正義の心を見抜いていたのだ。こうして彼は、超人的な肉体と崇高な精神を手に入れ、キャプテン・アメリカとして活躍することとなる...。現代的な苦悩するヒーロー感とは無縁で、スティーブ(=キャプテン・アメリカ)の快活で純粋で盲目的な愛国心、只管正しくありたいと願う旧き良きヒーローをしっかりと描いている。キャプテン・アメリカのユニフォームと楯も星条旗そのもので、現代的な戦争・紛争に直面した世界では受け入れられずらい特徴だと思う。また、映画『アベンジャーズ』実現に向け制作された物語とは言え、単なるキャラクター紹介に終わらず、愛すべき"キャップ"の能力と素質を知らしめるに十分な内容となっている。チャラくて皮肉屋で、世間の酸いも甘いも噛分けたトニー・スターク(=アイアンマン)とは正に対を為しており、『シビルウォー』への布石となっているかのようだ。物語は、未完成の超人血清投与により、真紅の髑髏状の醜悪な容貌に変化してしまい、更に「悪の面」をも強化されたヨハン・シュミット(=レッドスカル)との対決を骨子としている。レッドスカルは、以降のシリーズで頭角を現す悪の組織「ヒュドラ」の創始者でもある。「ハイル、ヒュドラ!」が合言葉。映画のラスト。"キャップ"は「ヒュドラ」の放った爆撃機から人々を救うため、身を挺して犠牲となる...。氷漬けとなった彼は後の世で目覚め、「アベンジャーズ」の一員として活躍することとなる。いい意味で「時代」から隔絶した存在として...。是非一見くだされ。[DVD(吹替)] 7点(2012-04-28 20:01:09) 69. ファイナル・デッドブリッジ 《ネタバレ》 予知夢を見て死神の手から逃れ(てしまっ)た主人公たちが、順番に色々な方法で死んでいくというプロットは当然変わらないのだが、既に観る側がそのプロットを知っているが故に、シリーズを追うごとに「何で自分たちが?」「どうしたら生残れるのか?」というドキドキハラハラ謎解き感は薄れ、「どのように主人公たちを殺すか」だけに重点が置かれるようになって来ているのが残念。ただ、冒頭の橋の崩落シーンは圧巻で、ここだけでも観る価値はある。それとラストのシリーズ1作目に続くヒネリは、シリーズのファンとしてはやられた!って感じ。しかし、もうこれでシリーズは終わりになってしまったっぽいので残念だな。[DVD(吹替)] 6点(2012-04-16 23:56:55)(良:1票) 70. ジョン・カーター 《ネタバレ》 原作は未読。空間転送が、肉体ごと転送されるのではなく、先方に肉体のコピーが作成されて意識だけが転送されるという設定は良いと思う...のだが、如何せん演出的に色々な設定が活かしきれておらず残念。飛ばされた新天地で主人公は超人となるのだが、ただただ大ジャンプできることばかりが強調されており勿体無さ過ぎ。また、敵方のボスがショボく、すぐに背後に黒幕がいることが分かってしまうため、単なる操り人形に見えて興醒めする。中ボスもラスボスも呆気なく倒されてしまい、カタルシスを感じる暇さえない。とまあ悪口ばかりが挙がってしまうが、ワンコは可愛いかったし、見るからに悪役の腕4本の人たちが以外にいい人で救いとなった。期待が大きかっただけに少々辛口かも。最後に、3Dで鑑賞したが演出的に3Dである意味が全く無く、映画館への高いお布施になっただけ。前売り券使用だと一人500円プラスのくせに2D上映が夜1回しかないとはボッタクリもいいとこ。映画業界の収益増への起爆剤になれそうだった3D映画の芽を摘むことになりかねず、非常に不満に思う。[映画館(字幕)] 5点(2012-04-16 23:32:13)(良:1票) 71. 127時間 《ネタバレ》 休日はロッククライマーとして人生を謳歌していたアーロン。彼はいつものように簡単に身支度を整え、誰にも行き先を告げず国立公園の峡谷に出かけたが、岩の狭間に滑落して右腕を岩と壁の間に挟まれる。そこで「127 HOURS」とタイトル。ここから本当の物語が始まる。徐々に精神状態も不安定になり、体力の限界を悟り、脱出のための万策も尽きた彼は、最後に体の一部を切断して生きる道を選ぶ。一番驚嘆すべきは、自然という大きな力に抵抗し、絶体絶命の状況下でも最善を尽くして生き残ろうとする彼の精神力だ。水も食料も残り少なく、普通ならあきらめて然るべき状況下で、このモチベーションはどのように維持されたのだろう。彼は「何でも一人でできると思っていた」と何度も口にしていたが、それは「他人に頼らず一人で活路を見出す」ことにもつながったのではないか。彼の生命力に敬意を評して及第点と。[DVD(吹替)] 7点(2012-02-26 20:20:07) 72. マイティ・ソー 壮大な親子喧嘩に兄弟喧嘩。雷神トールと無敵のハンマー。地球にとっては、神々の世界「アスガルド」。新たな王として戴冠式を迎えたオーディンの息子ソー。王たる印であるハンマー「ムジョルニア」を従えて。そのとき、予てより敵対していた氷の巨人により宝物庫が襲撃される。立腹したソーが仲間とともに氷の巨人の国ヨーツンヘイムを襲撃したことで、再び巨人との間に戦端が開かれてしまう。息子の傲慢で軽率な行為に激怒したオーディンは、ソーから力を奪い地球へ追放する。放逐された地球で知り合った科学者ジェーンやセルヴィグ教授たちに助けられ、地球のことを知るソー。彼は、後を追うように地球に落下したムジョルニア、そして自分の力を取り戻すため行動を始める。だが、そこにはソーの弟ロキの陰謀があった...。北欧神話がモチーフの本作は、『アベンジャーズ』の他の物語と異なり、バリバリのファンタジーテイスト。はるか昔、「女神転生」というゲームで「雷神トール」「魔人ロキ」に出会って以来、何となく馴染みのあるキャラクターが登場する。FFシリーズの「召喚獣オーディン」は言わずもがな...必殺の斬鉄剣。ソーの武器はムジョルニア(ミョルニル・ハンマー)という鉄槌。凄まじい硬度・強度・重量を持ち、投げても手元に戻り、振り回せば空も飛べる便利な武器だが、所有するに相応しいと認められた高潔な人物にしか持ち上げられない。地球に追放されたソーも、これを取り戻せば力も取り戻せる思ったが、今までの傲慢なままでは叶わなかった。そうして、地球に落ちたソーは謙虚さや慈愛の念を学んでいく。加えて「女性(ひと)愛する」ということも。本作は単体としても十分観れる作品になっており、重たい社会的テーマを背負っていない分、終始非常に明るい印象のドラマだった。特に、現代の地球(欧米)文化とペットショップで馬を買おうとしたりするソーの持つ文化のズレが面白かった。近年の悩めるヒーローとは異なり新鮮で魅力的に感じるものだ。ソーと行動を共にするアスガルドの親友たち、シフ、ファンドラル、ヴォルスタッグ、ホーガンもいい調味料。ラスト間際、デストロイヤーとの戦いは非常に熱い。以降、『アベンジャーズ』で大きな位置を占める『マイティーソー』シリーズ開幕の一本として過不足ない内容となっている。ハナマル![DVD(吹替)] 7点(2012-02-08 22:24:30)(良:1票) 73. アジャストメント 《ネタバレ》 運命を司る神を信奉する人が多いアメリカでもやはり、神の意思に抗いたいという風潮があるのか?「運命とは決められたものではなく自分で切り拓くもの」がメインテーマであり、主人公はまさしく「運命の人」に偶然出会い、全てのことを犠牲にしても彼女と結ばれたいと願う。ただ、主人公が一般の会社員なら、仕事をほっぽって理想の女性を追いかけるのも受け入れられるが、彼は仮にも上院議員補であり、大切な選挙を放り出してまで女を追いかけるのは常軌を逸しているように思えてしまう。最終的にはハッピーエンドであり、主人公の運命に抗う行動に「議長(神)」が心を動かされたことになっていたが、「運命の人」ですら「議長」の意思の前ではほんの数文字のメモ程度にしか過ぎず、運命に逆らって理想の人を求めても「議長」の心を動かせるとは思えない。ちょっと展開に無理が多く今ひとつ感情移入ができなかった。まあ、コンセプト的には面白く無い訳ではないので5点で。[DVD(吹替)] 5点(2012-01-22 22:15:56) 74. リアル・スティール 《ネタバレ》 近未来で大人気となったロボットボクシングを軸に、戦いの場を追われた元ボクサーと長年離れて暮らして来た息子との父子の絆の再生を描く。どん底を極めた生活からの復活を目指すジコチュウ親父を、父の愛を知らない少しマセタ少年の想いが救い、普通の人生を取り戻す物語。親父は息子が廃品工場で見つけた旧世代のボロロボットに自分の姿を重ね合わせ、その(自分の)可能性をまた感じるようになる。物語冒頭は親父の不甲斐なさが目立ちイライラしたが、ストーリーが進むにつれ父子それぞれの成長が手に取るように分かるようになり、感動的なラストへと突っ走る。人間ドラマは観客が十分実感できる世界観の中に成り立っており、ステレオタイプな創りではあるが、しっかりと地に足をつけた内容になっていて好感が持てるし、感動を誘う演出が秀逸。装甲騎兵ボトムズのバトリングにも通じるロボット同士の格闘シーンはとにかく格好いい。今ひとつロボットボクシングのルールが明確でない(重量や使用機器の規格など)のだが、細かいことは抜きしにして、人型ロボット同士の格闘技はダイナミックかつスタイリッシュで興奮必至。ロボットバトルはほぼCGだが、登場ロボットがアシモなどの現実に存在するロボットを髣髴とさせ、ピカピカの新品ロボットだけではなく、使い込まれた質感を表現することで、見事なまでの存在感を醸し出している。更に破壊された部品は実物の小道具を使用して上手い具合に切り替えており、素晴らしいリアル感が演出される。ロボット同士が戦う「ロッキー」という感が無くも無いが、十分及第点。[映画館(字幕)] 8点(2011-12-12 23:20:50)(良:2票) 75. エンジェル ウォーズ 《ネタバレ》 まず面白くない。冒頭の楽曲「スイートドリームス」の世界をそのまま物語にしたかのような内容。大雑把に同じコンセプトの「未来世紀ブラジル」「インセプション」ほど物語がこなれていないし、主人公の目的・目標がイマイチ不明確。何がしたいのか伝わってこなかった。くすんだ感じの映像は趣味なのだが、肝心の戦闘シーンが一本調子で引き込まれない。だが、全体的に見ると作品のトーンがまとまっており、微かな魅力は感じられる。売春宿の描写なんかどうでもよいので、バトルシーンを中心とした、精神世界から現実世界への逃避行を描いたほうが面白かったのでは?と思った。[DVD(吹替)] 5点(2011-10-10 21:40:00) 76. 猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 地球が猿の惑星となるに至るまでの序章となる物語。面白かった。VFXが素晴らしいのは言わずもがな。自分たちでは制御しきれないほど科学技術が発達してしまい、それにより神の領域にまで踏み込んでいく人類への警鐘を程よく織り込んだ内容が深い。科学者と知能を高められた猿が、本当の家族のようになっていく序盤を丁寧に描くことで、彼(猿)が人間に絶望し、同じく虐げられていた仲間を率いて人間に反旗を翻すこととなる物語に一層説得力を与えている。人類にとっての救いとなるべくして創り出されたもの(薬も猿も)が、やがて人類自らの首を絞めるモノとなってしまうという展開が皮肉っぽくて良い。本作ラストで猿たちは局地戦に勝利したにすぎないが、人類が滅亡への一歩を踏み出したと取れる描写もあり、今後の展開が非常に気になる。続編に期待大。[映画館(字幕)] 7点(2011-10-10 21:03:51) 77. ロビン・フッド(2010) 《ネタバレ》 中世の一人の弓の名手が「ロビンフッド」と呼ばれる英雄になるまでの話。イメージ的に軽快に弓を射るイメージ(ピーターパン的な)のロビンも、ラッセル・クロウが演じると重騎士的なイメージになる。剣を振るっている方が似合う感じ。この映画のロビンは成り行き上ロクスリー家の当主として生きることとなるが、その時代の中でも誠実(約束は守る)な人柄が効いているのか、知らず知らず庶民のリーダー的存在となってゆく。この映画の彼は、案外知略戦略に長けており、その資質がシャーウッドの森を守り、住人をまとめる礎となっていくのではないかと。ただ、映像は綺麗なのだが、中世的な「汚さ」が感じられず、時代考証をきちっとしている雰囲気なので勿体無い。リドリー・スコット監督は、都市や宇宙船では濡れや蒸気を使って「汚さ」を活き活きと表現しているのに、見るからに汚そうな泥道などは却って汚く表現できないみたいだ。表現が難しいが「濡れているのに乾いている」って言えばいいか。まあまあ及第点ってことで。[DVD(吹替)] 7点(2011-09-27 22:53:22) 78. フローズン 《ネタバレ》 この手のソリッドシチュエーションスリラーは好きなのだが、物語上、謎解きや頭脳戦的な展開は望めず、画面も固定されがちなので、自ずと役者の心の動きを中心にストーリーを追うことになる。だが、如何せん登場人物の思考レベルが低く、感情移入もしずらい展開なのでイマイチ乗り切れなかった。まあでも、日本では熊ならまだしも、犬系の野生動物に食い殺される状況はほとんどないので、以外に怖さを感じた。群れを成して襲い来る中型動物が結構恐怖なのは改めて思い知った。まあ、取り敢えず及第点ってことで。[DVD(吹替)] 6点(2011-09-27 21:44:27) 79. ソウ ザ・ファイナル 3D 《ネタバレ》 標題を信じるなら、やっと最後。結局最初に戻ってゴードンかい。SAWシリーズはすべて鑑賞したが、シリーズ初期に見られた「痛さ」が薄れてしまい、単なるC級スプラッターと化してしまった感じ。グロさのレベルは毎回落ちて来てはいたが、もう「痛くない」んだな。暗く崇高なジグソウの思想と作品は地に落ち、惰性で繋げているストーリーはどうでもよい内容になってしまった。シリーズのファンとしては残念な内容。[DVD(吹替)] 5点(2011-09-27 21:27:44) 80. 世界侵略:ロサンゼルス決戦 《ネタバレ》 SFという感じはせず、戦場ジャーナリストが撮った戦地の記録映画といった感じ。エイリアンが地球外生命っぽくなく、実は地球上のある勢力が衛星軌道上から全世界を制圧せんがために侵攻したかのよう。状況説明も無くいきなり戦闘場面が展開されるが、臨場感バリバリで興奮する映像ではあった。製作陣が描こうとした内容は何となく感じるが、毒にも薬にもならない内容になってしまい蛇足。戦闘シーンは7点の価値ありなので、いっその事、戦闘場面オンリーの内容でも良かったかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2011-09-27 21:13:37)(良:1票)
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