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781.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 悪漢どもが次々と仕掛けてくる前半がドキドキする。休まずに畳み込んでくるアイデアの洪水が、活劇映画としての贅沢感、このシリーズの誇りであろう。歴代大統領に犯行声明を代読させる洒落っ気もいいし、信号機をすべて青にしたりトンネルの両方から車を入れたりなどの身近なテロに、けっこう現代ならではの怖さがある。機械の正気にかなりの部分依存して、秒単位の日常を築いてしまっているんだなあ、って。後半はアイデア切れで、もうマクレーンの体力勝負となるが、これはまあ仕方ないだろう。悪漢はずる賢い頭、正義は腕力、って対比は、日本の時代劇もそうだし、どこの国の映画でも基本構造だから。ここはもう「ここまで死なないか」と笑いながら見るのが礼儀だ(米軍の戦闘機もだらしない)。娘が絡んで話を小さくしてしまうのも残念だが、イラク戦争の失敗以後、誰もが納得できる最後の正義ってのが「家族を守る」になってしまった反映だろうな。悪漢のほうにも「偉そうなこと言っても狙いは金」とミソをつけてある。これも1作目と同じ。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-06 12:26:27)(良:1票) 《改行有》

782.  血と砂(1922) この監督は活劇で名を成した人のはずなのに、闘牛シーンがぜんぜん面白くなくて、盛り上がらない。あるいはいいところをカットされた版で見てしまったのか。イタリア系であるヴァレンチノの異国情緒をかもすスター性にだけ頼った映画。しかしただ美貌だけをウリにしてたスターってのは、時代が過ぎてしまうと辛いものがある。すねた不良って感じを含んでるところがウケてたのか。ヴァレンチノって同時代の日本のオペラ歌手藤原義江にちょっと似てることを発見した(って言っても若い方は知りませんか。溝口の初期のなんかにも出てる人。こんな名前だけど男よ)。藤原義江も異国情緒の人だったし、時代のそういうエキゾチック趣味を確認することはできた。[ビデオ(字幕)] 5点(2008-02-26 12:16:15)

783.  バベル バベルの塔の話は、砕いて言えば「兄弟は他人の始まり」ってことでしょ。悲観的な世界観だなあ、と思ってたが、でも逆に考えれば「すべての他人は元兄弟」ってすごく楽観的な世界観でもあったんだ。たしかに一本のライフルから広がる波紋は暗い事態を引き起こしていく。3つの国の警察が動き、3つの国の子どもたちが救助を求める悲鳴をあげる、声にならないものも含めて。でもこの悲鳴は、もしかするとそれぞれが孤立しないでこだまし合っているのかもしれない。だとしたら、かつて兄弟だった先祖たちのつながりを回復する手立てが、まだあるってことでもあるんじゃないか。日本のディスコのざわめきをどうかしてメキシコの結婚式のざわめきにつなげられないか、ヘリコプターが行くモロッコの夜を(崩壊する前のバベルの塔を思わせる)日本の高層マンションの夜につなげられないか。楽観的すぎるだろうか。でもいま世界は、無理にでも楽観的にならなければならないところまで、追い詰められているような気がするんだ。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-22 12:19:32)

784.  世界最速のインディアン 暴走老人の話にしては、演出が慎重な安全運転で、ちったあこのじいさんの爪の垢でも煎じて飲め、とカツを入れたくなる。近所のものが「結果なんかどうだっていいから」とにこやかに送り出したり、現地でも「まあ走らせてやれよ」とにこやかに励ましてくれる。その「にこやかさ」にくるまれた安心して見下ろしてくる弱者扱いの視線に、じいさんは反発したりはせず、ただただ自分の行動で答えを出す。せっかくいいモチーフを含んでいるんだから、ソツなくまとめることに腐心せず、おもいっきり弾けて暴走してこそ、このじいさんにふさわしい映画になったのじゃないか。スポーツとして楽しみたいのに、感動の障害者ドキュメンタリーにしてしまうパラリンピックのテレビ報道をふと思い浮かべた。[DVD(字幕)] 5点(2008-02-13 12:14:20)(良:1票)

785.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 他人の事故で盛り上がる大衆の物語。生き埋め事故に遭遇したジャーナリストが、その救出をドラマチックに演出していくの。それに乗ってくる大衆の興奮のエスカレーションぶりが、さりげなくもすさまじい。現場に集まってくる野次馬たち。そのうち入場料を取るようになり、人混みの向こうでは風船売りが仕事を始める。列車で次々と「人の不幸を黙って見ていられない心優しいアメリカ人」たちが訪れ、一番乗りした人はそれを強調する。救出現場のそばに遊園地ができて人は遊び、助からなかったと知ってはさめざめと泣く。これはまだ新聞がメディアの中心だった時代の話で、現在のテレビ時代はもっと過激にカーニバルが展開している。これだいぶ昔に見たんだけど、この辛辣さが強烈だったんで、その後ワイルダーの喜劇を見ても、どこかひんやりしたものを常に感じてしまうのだった。原題が「THE BIG CARNIVAL」で、ひどい邦題付けたなあと思ってたら、ワイルダーの付けた題「ACE IN THE HOLE」を、不入りで会社が変えたのだそう。邦題はけっこう忠実に訳していたわけだ。ワイルダーは対談本で「ノータリンめが」と題の改変を憤慨してたが、凡人の私には「ビッグ・カーニバル」のほうがいいように思うけど。[地上波(吹替)] 8点(2008-02-07 12:24:46)

786.  ゾディアック(2007) 《ネタバレ》 主人公の漫画家ギレンホールの言う「とにかく犯人の目を見てこいつだと確信したい」っていう気持ちに、こちらも同化する。最初の事件のなんともいやらしい車の動きぶり、あれだって覆面しているようなもので、それ以来ずっと、こういうことする奴はどういう顔してるんだろう、いう興味がつのっていく。容疑者リー・アレンに警察が会うシーンが、この映画で一番ドキドキした。やってることはどうってことないんだけど、こいつかもしれない、こいつでないかもしれない、そういう宙ぶらりんの気持ちのまま、こいつかもしれない容疑者の顔を見つめることの緊迫。こういうシーンで映画としての充実を覚えたのは珍しい。この映画、犯人の分析や事件の社会へ与えた影響などにはあまり関心を示さず、犯人に関心を示した人たちへの関心を持ち続ける。ラストに主人公が犯人(というか濃厚な容疑者)の目を見つめるシーンが置かれるのも、その流れだろう。首尾一貫してはいるが、これだけの長尺を持ちこたえるには、ちょっと物足りなくもあった。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-05 12:23:35)(良:2票)

787.  ことの次第 フィルムを待っているそのけだるい時間そのものを楽しめばいいのかもしれないし(映画撮影チームの話なの)、不意に飛び込んでくる松の根っこや、夜の荒れた海なんかとてもいいんだけど、でもとうとう映画の中の時間に溶け込めないで終わってしまった。物語を語ると生命がなくなってしまう種類の映画なんだろうが、でもそれなら物語の代わりになるものがあるのかってこと。はたして後半は映画で表現することだったのだろうか。言葉の「意味」と音楽の「無意味」の間にある、映画という芸術の難しいところだ。パンする画面と一緒に左へ去っていくタイトルと、びっくりするぐらい低空で下りてくる飛行機が、印象に残った。[映画館(字幕)] 6点(2008-02-01 12:12:45)

788.  カンバセーションズ 青春時代から微妙な距離にある30代後半。やり直せそうな、もう遅すぎそうな。青春時代はもっと大胆で、行動にためらいがなかった。だけど30代後半の男女は、行動の代わりにカンバセーションで探り合わなければならない、なにしろ二人の間には縦にざっくりと画面を分割する境が生まれているから。男は太り、女の脚には知らない怪我の傷が残り、それぞれが互いに知らないヒストリーを刻んでいる。二つに切られた画面の片方に二人がうまく納まると、今度はもう一方に青春時代の記憶が入り込んできて、現在と過去との境を際立たせようとする。その記憶も、セーターの色が変わったりと不確かなのだが。分割画面という趣向、それがすべてで成功しているかどうかはおいても、目一杯使い切ろうとしたその姿勢を褒めたい。おそらくDVDで見た人は必ず、ラストシーンをもう一度目を皿のようにして見直したと思う。[DVD(字幕)] 6点(2008-01-26 12:19:59)(良:1票)

789.  華麗なる恋の舞台で 《ネタバレ》 アネット・ベニングにはイタズラが似合う。イジワルですらイタズラに見えてしまう。派手な衣裳をピラピラさせながら登場するときの、してやったりとほくそ笑んでいるようないたずらっ子ぶり、いじわるの陰湿さはなく、晴れ晴れとさえしている。「三十女の役の次は母親役、そして祖母役」とボヤいていた鬱屈を跳ね飛ばしているから。中年女が若者と恋に落ちる芝居と聞けば、ああファルスか、と返される常識を吹き飛ばしているから。こういう役こそ役者冥利に尽きるというものだろう。とても楽しそうに演じているのが、こちらも見てて気持ちいい。この舞台女優には演出家の亡霊(マイケル・ガンボン)がつきまとっていて、日常生活でのふるまいになにかと注文をつけているのがおかしい。女優とは日常の中に演技が入ってきてしまう存在ということ。舞台を下りた自分の人生の中にも、芝居のせりふが無意識のうちに入り込んできてしまう。気に入ったせりふは同じ状況になると、より練られて繰り返される。ラストの舞台で、それら日常の身辺でざわめいていた言葉たちが一気に逆流し、ステージにかけ上がってきて輝き出す。圧巻である。[DVD(字幕)] 7点(2007-12-24 12:16:15)

790.  ラッキーナンバー7 《ネタバレ》 (カタカナ部分はとりわけネタバレ)この後味の悪さは、東野圭吾「容疑者Xの献身」の読後感を思い出させる。最盛期のアメリカ映画は出来不出来はあっても、少なくとも見終わってさっぱりした感じは残ったものだが、そういう最低のラインさえなくなってしまったのか。出だしはいいの。テンポよく次々と引っ掛かりを発生させながら引っ張っていって、これですっきり解決したら傑作だぞ、と期待してたら、ぜんぜんすっきりしない話になってしまった。クビノホネヲオラレルムカンケイノシャッキンマミレオトコハ、アンタノトウサントドコガチガウトイウンダ。映画をゲーム感覚で押していくならゲームに徹し、変な復讐の正義なんか出さなきゃいい。そりゃ無関係の者に平気で迷惑かける正義はアメリカの特技だけど。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-20 12:20:04)

791.  ポロック 2人だけのアトリエ 《ネタバレ》 破滅型芸術家と献身妻という類型ものだけど、妻がはっきりと亭主のプロデューサー役を自覚しているとこが面白い。旦那を世に送り出さねば、という使命感があって、つまり、旦那サイドの人間であると同時に、新しい芸術を享受したい世間サイドから彼を叱咤激励しにやってきた人間でもあるのだ。この妻、平安な家庭を一瞬たりとも望んでなくて、子どもも作らない。子どもはひとり(旦那のこと)でたくさん、と言う。旦那の死後、使命を終えてやっと自分の絵を28年間描き続けたってのもいい。こんな夫婦もあったのだ。ポロック自身のドラマとしては、自分の絵が本物かエセか悩むところ、前衛の不安がリアルに描かれた。おそらく新しい世界を切り拓こうとしたすべての芸術家は、同じ悩みを体験し、その新しい世界を提示できたもの・提示できずに前衛っぽいエセにしぼんでしまったもの・エセでなかったのに理解されず消えてしまったもの、いろいろあったのだろう。そもそも本物とエセって、はっきり区別できるものでもないだろうし。何よりこの映画ですごいのは、エド・ハリスがためらいもなく大きなキャンバスに筆を走らせていくところ。図版で見るポロックの代表作としか思えないものが目の前で出来上がっていくので、ドキュメンタリーのような迫力があった。[映画館(字幕)] 7点(2007-12-19 12:20:48)

792.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 この手のファンタジーは、異変に入り込む瞬間が一番ワクワクするとこで、一度入り込んでしまうとすぐ見てるほうが慣れてしまい、趣向が手詰まりになるのがつらい。有り得ないファンタジーの世界を扱っているのに、意外とナンセンスの精神が欠如しているのではないか。いわゆる「先が読めてしまう」状態で、突拍子もないはずのものが、意味を付けてそのつど小さくまとまってしまう。主人公は追っかけられたりはしているけれど、どこか遊んでいるふうでもあり、アリスの不思議の国のような裁判にかけられる心配はないのだ。外に繰り出しても寝静まった雪の町では、そっちもファンタジー的な世界で落差が生まれてこない。夜の博物館という絶好の設定を得ながら、どうにももったいない映画だった。それとミニチュア人間がうじゃうじゃいる場面が、夏になると台所に蟻がうじゃうじゃ出てくる家に暮らしている者にとっては苦手で。興味深かったのは、ローマ人とは言葉が通じるのに、アッチラ人(?毛皮着てる東洋系の連中)とは通じないこと。同じ大陸のマヤ族に対してはガラスで封じ込んでしまい、理解し合おうともしない。やはりアルファベット系西欧文明の子孫ってアイデンティティなの。[DVD(字幕)] 5点(2007-12-16 12:15:16)

793.  ディパーテッド 《ネタバレ》 どうしようもないワルをじっくり描き上げていくこの監督の世界は、うまく波長が合えば“人間の闇”を覗かせてくれるが、うまくいかないとただ辟易させられて終わりになる。本作もダーティな言葉が氾濫する、あいかわらずのコッテリした作りで、やや辟易系の作品だった。だいたいハリウッドでリメイクすると、オリジナルよりもテンポよくシャープになるのが普通だけど、これに関しては逆で、より粘っこくなっている。M・ウォールバーグ演ずる巡査部長の神経を逆なでするようなとげとげしい振舞い、ラストの見せ場のためのバネだったと最後には分かっても、でもあのネチネチぶりへの過剰な執着に、初期以来のこの監督の味が、良くも悪くも一番出ていたように思う。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-04 12:27:46)

794.  イカとクジラ 《ネタバレ》 俗物を軽蔑することでなんとか誇りを保っている売れない純文学作家の父。その父親の評価をただただ盲信して読んでいない文学書のランクを決めている長男。子どものためにハンバーグを作ったことがあるぞ、という父親の言い分に、ことさら軽蔑をこめて笑い転げる母。みーんな俗物。でも映画はこの俗物ぶりを、父親のように軽蔑してはいない。愛すべき俗物、とまでは言わないが、我々すべてがどこかで共有している俗物ぶりだなあ、という視線がある。くすっと笑っている。それでそれが何だと言うのだ、と言われればそれまでですが。[DVD(字幕)] 6点(2007-11-29 12:17:49)

795.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 フルメタル・ジャケットのパロディで始まるが、トーンとしてはM★A★S★Hに近い。アメリカにはうつろな躁を描く戦争映画の伝統があるよう。地獄の黙示録でノリノリにさせて出撃した先での退屈の日々。石油のための戦争だけど、その石油は自分らの糞便を焼くために使われてる。そもそも主人公が狙撃兵という大時代なもので、やっと出番が来たと思ったら大ざっぱな空爆で仕事がなくなってしまう。なんとも苦いギャグ。現代の戦場は、もう狙撃兵の腕といった芸なんぞを披露する場ではなくなっているのだ。こんなとこに二度と戻ってこないぞ、と湾岸戦争の舞台で叫ぶ主人公たちの未来に、イラク戦争が控えていることを我々観客は知っている。油まみれの馬に地獄を見た。[DVD(字幕)] 6点(2007-11-21 12:21:38)

796.  不都合な真実 啓蒙映画なら啓蒙映画でいいから、それなりに監督は全力を尽くしてほしい。大切なこと言ってるんだからいいだろ、と内容に寄りかからないでほしい。講演会の実況中継に絵解きを添えただけの手抜き演出、省エネを実践してみせたのか。ただ一点、ついに政治家も自然科学について語らねばならぬ時代になったか、という感慨はある。かつて「日本沈没」では、総理大臣が国民にテレビを通じて地学を語ったが、現代の政治家には、科学知識が必須の条件として求められだした。大統領候補になった人が、聴衆に「非線形的ふるまい」について解説している映像そのものが、とめどなく温暖化が加速していくこの世界にかろうじて希望をつないでくれる。[DVD(吹替)] 5点(2007-11-01 12:15:39)

797.  今宵、フィッツジェラルド劇場で 《ネタバレ》 まるでスターがつどってのアルトマンのお葬式。アルトマンの遊魂がフワフワと楽屋を漂っているようなカメラ、白いコートを着た謎の女が葬儀の案内人だ。このままずっと浸かっていたいような、陶然としたいい気分で眺めていたが、中盤でじいさんがポックリ死んだり、オーナーがやってきたり、あれ、ドラマが始まっちゃうのかな、と思わされ、やや心が乱れた。あのまま儀式の映画として淡々と終わってくれてもよかったのに。葬儀に出席した者にもお迎えが来るラストは、無常観というよりアルトマン最後の悪ふざけと見たい。[DVD(字幕)] 6点(2007-10-31 12:35:30)

798.  ドリームガールズ(2006) 《ネタバレ》 ミュージカルを期待していたので、かなりがっかりした。ミュージカルとは「さっきまで普通にしてた人が突然歌ったり踊ったりするもの」と自分なりに定義しているので、ほとんどショーの場面で進行する本作は、部分的ミュージカル付き音楽ドラマということになる。ダンスが、手をヒラヒラする程度のステージ上の振り付けのみなのも寂しい。ミュージカル味が一番出ていたのは、エフィーがメンバーといさかいになるあたりで、その後の、誰もいない客席に向かい、初めてスターのようにステージの中央に一人立って切々と愛を歌うところで感動はしたが、それもほとんど彼女の歌唱力に負っている。[DVD(字幕)] 5点(2007-10-21 11:26:01)

799.  名犬ラッシー(2005) 《ネタバレ》 最初は字幕で見てたんだけど、あ、これは吹き替えのほうが味わいでるぞ、と途中で切り替えた。するとけなげな子どもはよりけなげに、いじわるなハインズさんはよりいじわるに、くどくなる分ドラマの輪郭がクッキリした。それで原作の古さによるちょっと引っかかるところ(左翼的に見れば忠義推奨・階級差是認の保守反動)があまり気にならない。古典の様式という枠があれば、ガチガチの封建思想を描く歌舞伎だって平気で感動できるのと同じことだ。そういえばラストのP・オトゥールの“犬あらため”なんて歌舞伎の“首実検”をそのまま裏返しにしたような腹芸の場で、ちゃんと赤塗りの憎まれ役にあたる人物までいる。あそこで泣かない人は鬼畜であろう。ある種の古典的な型は東西さして変わらないのかも知れず、本作ではその洗練された定式ゆえの安定感を充分味わえた。縦断していく英国の冬に向かう風景もまことに美しい。[DVD(吹替)] 7点(2007-09-27 12:17:00)

800.  エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか? 人間の集団は暴走すると止まれない。利益を上げること、という単一のルールで企業が暴走すると、ここまでいくという症例。一番すさまじいのは、カリフォルニアで電力の供給を絞り、計画停電を起こして電力価格を暴騰させるとこか(規制緩和でこういうことが出来るようになったらしい)。人がエレベーターに閉じ込められ、信号が消えて交通事故が多発し、それによってエンロンに数百億ドルの儲けが転がり込んでくる。それを話し合っている電話の会話の録音記録が明かされるが、その何とも上機嫌なこと。 この社会、一方にエンロンのような極端に攻撃的で周囲を食べあさる集団があり、その反対の極に日本の社会保険庁のような極端に何もしないでそれ自体を蚕食していく集団がある。うまく中を採れないものか。 [DVD(字幕)] 6点(2007-09-23 12:17:19)《改行有》

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