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コメント数 266
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自己紹介 現在の技術で作られた映画を観る目線で過去の映画を見下すようなことは邪道と思っている。できるだけ製作当時の目線で鑑賞するよう心掛けている。

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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81.  アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》  「2001年宇宙の旅」を想起させる緻密な画作りで、閉鎖空間でのサスペンスを手堅くまとめたSF映画の佳作。    科学的見地から人類と未知の生命体との攻防を描き、ミクロの世界の恐怖を見せつける。核爆弾を使えば病原体が拡散するという逆説的な風刺の面白さ。そして、宇宙生物を利用して細菌兵器を開発する計画に気づき「これも偉大な一歩」とつぶやくレービット博士………アームストロング船長の言葉をもじったセリフは皮肉のパンチが効いている。  飲んだくれ老人と赤ん坊という“弱さ”を代表する二人の生存、そのカギを握る酸性とアルカリ性、突然変異と無害化、それらの対比が意表を突く展開で、中盤以降は俄然面白くなる。  核自爆装置の解除は予定調和だが、終盤のハラハラドキドキは後の「カサンドラ・クロス」や「アウトブレイク」などにも受け継がれる、いわば“ハリウッドのお家芸”だね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-16 11:52:02)(良:1票) 《改行有》

82.  ブラジルから来た少年  クローン技術を使っても全く同じ人間を作れないとはよく言われること。「新たなモーツァルトやピカソが誕生」するためには環境を同じにしなければ不可能、という要素が加わるためだが、少々雲行きが怪しくなってきた。  クローン人間の作成は倫理を無視すれば技術的に可能な段階に達している。そして、現代の技術では不可能だがそう遠くない時期に意識や記憶の移植が可能になるとのこと。そうなれば(ヒトラーの時代には間に合わなかったが)、やがてどこかの国の独裁者をクローン+意識・記憶移植でコピーする悪夢が現実にならないとは言い切れない。そういった意味で、この映画は時代を先取りした怖さがある。  老優二人の鬼気迫る競演は見ごたえがあった。特にG・ペックはメンゲレの狂気をオーバーアクトで魅せてくれる。  ドーリング家の鏡に映る数多くのエリック(ヒトラーのクローン)は作品のテーマを暗示する名場面。テレビ放映当時、「ヒトラーのクローン役の子供が可愛くない」という意見に対し、「ヒトラーの子供時代が可愛いわけがない」と反論があったが、後者の意見に1票。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-02 14:20:10)《改行有》

83.  バベル  今風のドキュメント・タッチで、落ち着きのないカメラワークにまず嫌悪。臨場感、緊迫感や不安心理、焦燥感等の心の揺れ動きを画面のブレや光の明滅で比喩的に表現したのかもしれないが、その手法が効果的とは思わない。わざと聞き取りづらくした、演劇的でないリアリズム基調のセリフ回しも昨今の風潮かいな?  「風が吹けば………」や「蝶の羽ばたき効果」を連想させる因果応報劇で、現代社会が抱えるさまざまな問題を抉っているが、宗教的観念で世界を強引に関連付けた感じ。総じて「出来の悪いイントレランス」という印象。  音楽はいい。特にモロッコから銃撃の被害者を搬送するシーンはラテン音楽を彷彿させ、味わい深い。  日本編は都会の中の孤独や疎外感、家族間の葛藤といったものが主題だが、女子高生が歯医者と刑事に変な誘惑をする(それが彼女なりの言語=コミュニケーションの手段であろうとも)展開は説得力に欠ける。日本社会の一断面をモロッコ編に無理やり結びつけた感あり。  テーマは“世界は繋がっている”だろうが、私的な造語で表現すれば、「グローバベル化する世界」を描きたかったのかな?[CS・衛星(字幕)] 2点(2018-08-19 14:57:49)《改行有》

84.  ゼロ・ダーク・サーティ  ドラマ的な演出を排し、優れた「再現ドキュメント」に徹した映画。そのためプラスアルファ(メッセージなり喜怒哀楽や葛藤等の“人間”を描く)が乏しい。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-07-08 15:47:56)

85.  グレートレース  ドルーピーの「スピード狂」を観る感覚で先を読める展開がいくつかあったけど、アニメを実写に移したようなスラップスティックが楽しい。J・レモンの高笑いや「マーックス」の奇声が愉快。P・フォークのおとぼけ調、T・カーティスのにやけた二枚目ぶり(時々“光る”のがいいね)もグッド。N・ウッドのコメディエンヌも意外にイケる。  冒頭でサイレントのドタバタ劇へのオマージュを謳っているとおり、前半はサービス精神たっぷりでハリウッドのお家芸をふんだんに盛り込んでおり、さまざまな乗り物を登場させながら笑いを誘う。西部劇調の殴り合いも痛快。パイ投げは素直に笑えないが。  ロシアに着いてからは中だるみ気味。もっとレース中心のナンセンスに徹してもよかったのでは?   女性解放の時流をうまく取り入れながら皮肉交じりの展開で、ラストのギャグもフランス人の自負心をからかい気味で面白い。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-10 09:24:57)《改行有》

86.  グッドナイト&グッドラック  1950年代に全米を揺るがしたマッカーシズムと闘うジャーナリストたちの物語。表層的な再現ドラマの域を出ない印象。タバコ燻らせ上目遣いのマロー役は、ハリウッドお得意の“そっくりさん芝居”。  古い時代の空気を醸成する技法として、モノクロ映像による表現が効果的だと長らく思っていた。しかし、この手法はあくまで特定のテーマに限ると最近思うようになった。カラー化以前、映像は白黒でも現実は色彩豊かな風景なのだから、と。本作を観て特に感じるのは、記録映像の活用にこだわるあまり、マッカーシーの動きが見えないこと。カラー撮影で彼の行動をもっと掘り下げれば、歴史を学ぶだけでなく現代を学ぶことにも繋がるのではないか。硬派な題材はジャーナリズムに対する昨今の風潮にも警句を発する価値があるだけに、突っ込み不足が惜しい。  テレビの理想を語る場面は示唆に富むが、M・バール、E・サリヴァン、S・アレン等の番組、良かれ悪しかれそれらもひっくるめてテレビなのだ。まあ、テレビの現状(特に地上波)を見るにつけ「娯楽と逃避のためだけの道具」になりつつあるとは思うが……。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-27 13:51:36)《改行有》

87.  シェーン  ワイオミングの雄大な自然を舞台に、父・母・息子・流れ者それぞれの繊細な思いを描く。人間の物語と大自然を融合した音楽は印象深い。  親子の情愛・夫婦愛を中心に据え、ジョーイのシェーンに対する思慕、マリアンのシェーンへの複雑な思い、それに気づくジョーの葛藤、牧場主と農耕民の軋轢、少年の精神的な成長等…さまざまな要素が詰まった叙情豊かな名作。  時代遅れになりつつある放牧と、畑作中心で定着する農耕という新旧二項対立の図式は、普遍的な問題意識の提示でもある。  一度は捨てた銃でトラブルを解決したシェーンだが、自身も農民の前では時代遅れであり居場所がないことを自覚し立ち去って行く。拳銃の音を意図的に大音量で表現し、その怖さ・暴力性を訴えている。  J・ウェインのような偉丈夫とは対照的な優男A・ラッドの起用は理にかなっており、作品の内容に相応しい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-06 15:04:05)(良:1票) 《改行有》

88.  マッケンナの黄金 《ネタバレ》  先住民の伝説を地でいく黄金探しの冒険譚で、何度観ても面白いアドベンチャー西部劇。  雄大な大峡谷の描写は見事の一語に尽きる。朝日が輝いて巨岩の影が伸び、やがて金鉱が出現するときのワクワク感。地割れとともに岩壁が崩壊し金鉱が姿を隠すまで、飽くことなく楽しめる。実直そうな保安官を演じるG・ペックははまり役で、欲に目がくらむインガ(C・スパーヴ)も俗物的な庶民感覚を活写している。惜しむらくは、E・G・ロビンソン、A・クエイル等、名優陣の出演場面が少ないこと。彼らの絡みにもうひと工夫欲しかった  「黄金」「オーシャンと11人の仲間」「地下室のメロディー」等、多くの映画が描いた“悪銭身につかず”に通じる展開。最後は御多分に洩れずインガの砂金を捨て去るが、本人はちゃっかり金塊を持ち帰るとは意外。痛快なラストだった[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-22 15:31:58)《改行有》

89.  アウトブレイク  パンデミックを題材とした社会性にスリルとサスペンスを織り込んだ娯楽作。  細菌兵器のため町民を犠牲にするという軍の暗部も描かれ、国家の非情さ、冷徹さをマクリントックの行動が体現する。猿を捜す件は面白いが、現実に発見できるかは疑問。  為政者は常に情報を隠したがる習性がある。危機にあたっては「パニックを防ぐため」を口実に隠蔽し、理屈は後からつける。  ヘリの追跡中に人事評価する少将の姿は、保身と功名心、硬直した思考への痛烈な皮肉。追われる2人の会話は脚本が練れている。猿を撃つときのじらし演出やダニエルズが搭乗するヘリの爆撃回避も見ごたえがあった。ただし、終盤のヒーロー演出はちょっと違和感。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-08 14:17:16)《改行有》

90.  駅馬車(1939)  J・ウェインの登場シーンが印象深い。駅馬車はさまざまな人生の交差点とも言え、グランドホテル形式の人間模様が見ごたえあり。加えて、馬に飛び乗るシーンに代表される躍動的なアクションは、西部劇にダイナミズムをもたらした。アメリカ民主主義の原型を思わせる議論も面白い。  駅馬車の通過を下から撮影する構図は、「民族の祭典」のロー・アングルと関連なかったかな?[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-04 13:49:24)《改行有》

91.  ウォーターワールド  冒険譚としてはまずまずだが、製作の狙いや観客層のターゲットが曖昧で絞り込まれていない。ファミリー向けにしてはバイオレンス過剰だし、コメディ・タッチも中途半端。何より主人公に魅力がない。  劇中に登場する乗り物(船、飛行機、気球、ジェットスキー)の魅力をうまく活かしており、特に三胴船トリマランは装備が工夫されてカッコいい。ディーコンは憎らしいというよりマヌケで笑いを誘う。  クライマックスのバンジー救出場面におけるジェットスキー衝突は、長い間珍場面と思っていた。あれじゃあ少女を奪おうが失敗しようがどっちみち3台衝突は不可避でしょ、と。でもよくよく考えると、あくまでギャグと解釈すれば納得。要は「おバカな3人」なんだね。  弱点だらけだが妙に気になる映画。[ビデオ(字幕)] 3点(2018-01-21 10:49:50)(良:1票) 《改行有》

92.  大空港  パニック映画の原型という要素はあるもののパニック映画に非ず。今風の派手な爆発に頼らないところは拍子抜けですらあるが、主眼は「グランド・ホテル」形式の“人生の縮図”であり、空港に交差する各人各様の人生模様が描かれる。不倫が絡むのは安易な感じだが。  画面分割はカットの切り替えより刻一刻と進行する危機の動きが分かりやすく、緊迫感の醸成という点でもこの手法は成功。  神父は騒ぐ乗客に対しグッジョブ。老女エイダの無賃搭乗は出来過ぎの感ありで、ちょっと弱点。[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-03 19:34:53)(良:1票) 《改行有》

93.  キャット・バルー  愉快な西部劇だ。音楽も含めスラップスティック・アニメを実写化したようなドタバタが面白い。N・キング・コールとS・ケイの狂言回しもユーモラス。何よりL・マーヴィンの酔いっぷりがケッ作で、千変万化の表情が楽しい。決闘に備えたマーヴィンのマジメな顔がなおさら可笑しく、徐々に対決モードになるところは秀逸。酔いどれ乗馬はスタントマンと分かっていても見ごたえがある。  映画全体の流れからすると、皮肉にもシリアスなシーンが浮いた感あり。[CS・衛星(吹替)] 6点(2017-10-15 13:28:57)《改行有》

94.  プレイス・イン・ザ・ハート 《ネタバレ》  大恐慌後のテキサスの田舎町。生きづらい時代における弱者の象徴ともいえる3人(未亡人、失業した黒人、盲人)の共助と祈り、女性の自立がテンポよく描かれる。  多くの困難に直面する主人公に対し、同居人二人が生きるヒントや励ましを与え、お互いの不信感がやがて心を通じ合わせる展開がいい。ウィルが料理のまずさを口実に炊事を申し出るシーンはさりげない見せ所。  おっ、外壁の板に張られたポップをよく見ると、綿花栽培だけでなく野菜、卵、ミルクの産直やクッキー、ジャムなど6次産業化をやってるね。小規模農家の生きる道としては妥当だろう。フロンティア精神全開。  終盤、教会の礼拝は綺麗ごとの感が強いものの、白人から黒人へと杯を受け取りながら死者とも交わっていく姿は印象深い。人と人のつながりに救いを見いだす・・・ラストはハート・ウォーミング。[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-17 11:58:09)《改行有》

95.  黄金(1948)  欲望、モラル、信仰心、疑心暗鬼等、人間の業が良く描かれている。H・ボガートは欲得と悪意に敗れる人間の弱さを、W・ヒューストンは百戦錬磨の人生を、T・ホルトは善をギリギリ守ろうとする小市民の人生をそれぞれ体現。ボガートは「ケイン号の叛乱」や本作のようなひと癖もふた癖もある役柄がお似合いだ。  特筆すべきは人生の機微に通じた老人を演じるW・ヒューストン。人間味豊かな名演に酔う。  ラストは“面白うてやがて哀しき人生”かな。悪戦苦闘が徒労に終わり、「神の皮肉なユーモアだ」とハワードが最後に笑いとばすところは爽快感さえ覚える。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-09-03 13:20:06)《改行有》

96.  ブラック・レイン  大阪ってこういう雰囲気?「ブレード・ランナー」のような退廃的・煙っぽい空気感が合うか疑問。  「黒い雨」は菅井のセリフに出てくるが、原爆とヤクザの存在を無理やり結びつけたような印象で、映画全体にテーマ性は感じない。物語の展開としてはチャーリーの殺されるシークエンスが弱い。ラストの原版のやり取りも意味深だが心に響かず。指詰めは「ザ・ヤクザ」と変わらぬハリウッドの日本観が滲み出てるね。「芸者遊び」とか「完」も同様でステレオタイプの感。どちらかと言えば「ザ・ヤクザ」の方がいい。  主要キャスト3人の適演に加え神山繁がいい味出してる。あの人誰?と思ったら、ああーあ、プロフェッサー田中かい。   最後にひとつ、ニックが吐く皮肉交じりのセリフ「Fuck you very much」はうまく心情を表して面白い。[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-07-16 17:12:33)《改行有》

97.  ゴースト/ニューヨークの幻 《ネタバレ》  アイディア勝負の映画だ。死後の世界観は自分としても共感でき、感情移入できる。P・スウェイジの少々頼りなさそうな表情とD・ムーアの涙の組み合わせがいいね。  「同じく」の口癖やコインの使い方が見事な伏線。ゴーストは物に触れることが困難で、念力が必要というのは人との立場逆転で面白い。そんな状況に歯がゆさを感じながらの鑑賞も計算された脚本だ。  口座解約はカールのあわてぶりが痛快。彼の焦りの表情は、出勤シーンの一見好漢風との落差が活かされている。ポルター・ガイストのシーンも効果的な演出。ただし、W・ゴールドバーグはちょっと芝居し過ぎの印象(銀行でのライルとのやり取り等)。  “ブルー・アイド・ソウル“ライチャス・ブラザースの名曲「アンチェインド・メロディ」の絶妙な流れもロマンチック指数上昇で、映像と音楽の相乗効果は「スタンド・バイ・ミー」と同等の感動が得られる。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-28 11:22:36)《改行有》

98.  ベン・ハー(1959)  キリスト教の世界観に基づく一大叙事詩。名画を思わせるゴルゴダの丘、巨大な円形競技場やガレー船海戦、さらに都市国家のセットや大群衆のシーンなど完成度の高いスペクタクル大作。  ルネッサンスの絵画から抜け出たようなC・ヘストンの重厚な演技が見事。そして、神の視点で俯瞰するかのような戦車競走の迫力は映画史に残る名場面だ。  母と妹の病が治る奇跡など宗教的なメッセージを織り込み、キリストの教える愛と赦しを語る。彼の受難も描いているが、キリスト教の布教活動における世界各地の摩擦を考えると、これらのシーンは素直に感動できない。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-14 11:13:18)《改行有》

99.  M★A★S★H/マッシュ  あえてジョークがわからない無粋な視点でこの映画を語ろう。  ベトナム戦争当時の反戦気分を反映した戦争風刺。ホークアイやトラッパーらが内輪で連む姿は、軍医の立場を利用し「冗談」という言い訳を用意したイジメの構図を内包。野戦病院を学校現場に置き換えれば一目瞭然。そりゃあイジメる側からみれば痛快だろうが、この種の閉鎖的な「仲間意識高い系」は気持ち悪い。実社会でも似たような例をみているからね。  手術場面のリアリズムやフットボールの予定調和(注射のインチキや逆転勝ち等、黒人差別の味付け含め)は免罪符にならない。いつの間にかホットリップスは無邪気に豹変したが、彼女の訴えは回収されていない。  戦争に対する風刺を大義名分にすれば、何をしてもブラック・ジョークで笑い飛ばせるとでも?[CS・衛星(字幕)] 1点(2017-04-09 11:22:47)(良:1票) 《改行有》

100.  プライベート・ライアン 《ネタバレ》  ノルマンディ上陸作戦は連合軍の被害も大きかったという知識があっただけに、ドイツ軍の抵抗を受けるオマハビーチの戦場は従軍しているような臨場感があり、フーバーな任務(=めちゃくちゃな任務)というのも頷ける。極度の緊張・戦闘場面のリアルな迫力は十分な説得力がある。  戦場の土を詰めた複数の缶は、イタリア・フランスなど多くの戦場を転戦した過酷さを物語る。加えて「この光景、すごいな」のリアルさ。  1人のため8人が命をかけるのは理屈に合わないが、それに対する下っ端の心情も掬い取っているので違和感はない。所詮戦争とは不条理の連続。そして戦場では母の話で盛り上がる。死に際の兵士の最後の言葉は「ママ」、これは本作のテーマに沿った重みのある場面。旧日本軍でも同じ話を聞くし、日系人部隊「442連隊」でも同様の実話があったとのこと。  ライアンの残留意向は至極当然のように思う。これに対し、中隊長が命令通り帰還するか残って戦闘に加わるかは究極の選択だが、後者を選択し妥当な展開。最後は助けた捕虜に味方を殺される皮肉。結局、戦場で情けは仇になり、捕虜の待遇に条約違反を語ったアパムが助けた相手を殺す、これまた皮肉。  老いたライアンによる回想は、あの時代と今を繋ぐ意味があり手堅い手法。同じような構成の映画を想起させ、なぜか「リバティ・バランスを射った男」を思い出した。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-26 11:57:59)《改行有》

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