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プロフィール
コメント数 112
性別 男性
自己紹介 10点---- 個人的ツボ。欠点なんて知ったこっちゃない映画。
9点---- 完成度高し。人にすすめたくなるような映画。
8点---- 良作。ちょっと気になる点も。

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123
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1.  ドニー・ダーコ 《ネタバレ》 暗い青春を過ごす者にとっては、暗い時代がどこまでも続いているように思える。学校という空間の閉鎖性ゆえに、ある者は引きこもりになり、ある者は自殺を試み、そしてある者は、精神を病む。だが、ある時何かに気づけば、一変して世界が輝いて見える。そう、外にも世界は広がっているのだ。 この映画は、「闇」を見れば、自己犠牲の悲しい物語。謎に支配され抜け出せない。しかし「光」を見れば、妄想から抜け出す、希望に満ちた物語。その二重構造は、まさに、青春映画の傑作にふさわしい。ここではこの映画の光の話について。 映画の冒頭、主人公は目覚める。現実世界と離れて妄想世界に逃げ込み、そこで目を覚ましたことの表明だ。つまり、妄想の世界の住人になった。この映画がすべて妄想の産物だとしたら、映画の中で、起こっていることは、こうなって欲しいと創造主が思っていることや、非科学的な現象ばかりでも良い。タイムトラベル(過去に戻りたい欲求)、母親に愛されたり、いじめっ子に屈しなかったり、片思いの相手が自分のことを好きだと言ってくれたり。願望やトラウマなど潜在意識がドラマ化したもので構成される。 この妄想の創造主は、その後、自分の精神的世界の中で、現実に戻る方法を見つける。つまり自我を取り戻すこと。恐怖セラピーのビデオの女は、鏡の中を覗けば、そこには自我が居たと言った。主人公が鏡を覗いたとき、そこにはウサギがいた。その名もフランク。 終盤で、主人公は、地下室の中に導かれる。地下室とは心の中のメタファー。そこで彼がやったこと。 フランクを殺すこと(過去の自分との決別) そして、恐怖の克服(いじめられた恐怖に正面から戦いを挑むこと)、 愛の克服(愛を求める対象を適切に選べるようになること) その後、彼は自己犠牲の死を遂げる。 妄想の世界では、自己犠牲の死というものが、まったく違う意味を持つ。 肉体の終わりではなくて、妄想の終わり、新しい世界の始まり。 なぜラスト3人が手を振っていたのか。母親、好きな子、少年時代(?)に別れを告げたと解釈することもできる。 この映画の光は、アイデンティティを獲得する物語。 孤独な妄想世界に別れを告げる壮絶な戦いの記録。 鬱屈した青春に捧げる魂の鎮魂歌。 妄想から目を覚ましたこの世界の創造主は、ベッドから起き上がり、新しい人生を始めているのではないだろうか。[DVD(字幕)] 10点(2010-10-16 15:43:32)《改行有》

2.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 味わい深い映画だ。反戦に通ずる「現代アメリカの恐怖の克服」の物語が裏で流れていると感じた。マイケル・ムーアは、ドキュメンタリーで「恐怖による病的な自衛が暴力(銃)をうむこと」に対しての警鐘を鳴らしたが、イーストウッドは同じことを物語に溶け込ませて表現し、その克服法を示している。 この作品の厚みは、筋を面白く語りつつ、様々なメタファーらしきものを原始的な行為を交えて配置してることにある。神の前でアメリカを憂う所から始まり、芝生(国土)を守る争い、貰った食べ物を食べる行為、祈祷師に現状を覗かれ、そしてモン族の土地の心臓部でもある地下室(心の中)へ導かれる。その最深部でウォルトにとって救世主とでも呼ぶべきタオが佇んでいる。彼だけは民族の風習を押し付けない。固くなだったウォルトの心は、受容され、知恵(技術)を伝えることで、解きほぐされていく。物語の中盤では、反対にタオを自分の暗い地下室(心の中)に少しずつ招き入れる。冷蔵庫(重荷)を共に運び出し、大事にしまっていた勲章(罪)を継承し告白する。そしてそのままタオを、地下室に閉じ込めてしまう。大事な宝物でもしまっておくかのように。この物語が発するエネルギーの源泉は、寓話的空気感がありながらも娯楽的に筋を通している所で、神秘と慈愛に満ち溢れていると思う。上映中はストーリーとイーストウッドの花道的な意味で泣けて仕方がなかったが、無意識の視覚的イメージにも感情を大きく揺さぶられていたことが分かる。もちろん演出に拠る所も大きい。 クライマックスの復讐のシーンでは、住民(世界)の面前で恐怖の克服をどう解決したのか判明する。そこに神父(宗教)は立ち会えない。それができたのは、銃(暴力)でもなく、神への懺悔でもない。ウォルトはタオと協力して冷蔵庫(重荷)を運び出し、神父にではなくタオに対して告白した。そして恐怖を克服し殺されてしまったけれど、悪は罰せられ、勲章とグラントリノを残した。後者が何のメタファーだたのかを考えると、この作品はきちんと答えを示してくれたことが分かる。反戦的で、すんでの所で宗教への不信を表明する隠された物語は、アメリカ人によるアメリカ人の為に作られているものなのかもしれない。[DVD(字幕)] 10点(2010-02-12 08:42:49)《改行有》

3.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 上映されて30数年、今でも色褪せない名作だと思った。現代にも通ずる人間の心情を抉り出している。26歳のトラヴィス。タクシードライバーをやっているが、自分は社会や人間にもっと認められてもいい人間だと感じている。若い男なら誰でも抱くであろう自己顕示欲と焦燥感と孤独。『オレは、このまま人生を終わるような人間じゃないんだ。今に見ていろゴミどもめ』という感情がひしひしと伝わってくる。孤独は、自分の内面に向かう刃である。だが彼には、それを癒してくれる友達も、女性もいない。決して消極的ではないし根暗でもないのだが、人との付き合いが不器用であるが故に、孤独は癒されない。いつもから周り。そんな彼は、タクシーで街を走らせ、腐敗しきった社会の闇を覗く。女性にもフラレる。NY夜の闇に溶け込むにつれ、次第に彼の孤独は、外面に向かう刃へと変わっていく。銃を手にすることで自己有能感が姿を現し、身体を鍛えることでナルシズム的な陶酔を味わう。自分が認められないのは、社会が悪いせいであり、他人が悪いせいであると思い込む。彼は、不満や焦燥の本当の原因に気づいていない。それは、心の奥底で自分で自分が嫌いという感情から発せられるものである。何とも暗澹たる気持ちになる。 鏡のシーンは歴史に残る素晴らしいシーンだと思う。鏡は、主観的視点を客観的視点にする特徴的なものであるし、自分というものを認識するのには重要なものだと思うからだ。彼が内省もせずに自己正当化とナルシズムに浸ってるのは、滑稽であり、同時に観る者の心を抉る。それでいて、映像的にかっこよすぎるのだから始末が悪い。 彼が起こした事件は、現代でも世間を賑わしている無差別大量殺傷事件などの容疑者の心情と大して変わらないだろう。この映画は犯罪の動機付けに正義(見せ掛けの)を仕込むことによって、彼を英雄化する。英雄になった彼は、最後、一度振られた女性の優位に立つことで自己満足に浸る。スコセッシは最後のシーンで強烈な皮肉で彼を突き放し、タクシーから見た風景は、孤独なニューヨークの闇に溶けていく。全編に渡りダウナーで娯楽映画では全くないのだが、余韻を強烈に残す作品だった。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-24 14:26:14)(良:4票) 《改行有》

4.  エターナル・サンシャイン 《ネタバレ》 この映画は恋愛に対して、受動的である方が感情移入しやすいのかもしれない。自分はジョエルの受動的な態度に多少なりとも感情移入できる所があり、似たような別れ方を経験したことがあるので、激しく心を揺さぶられた。好きな映画であり語り尽くせないので、その辺りを中心に。クレムは最初は変人としか思えなかったが、段々と魅力的な女性に変わっていった。出会うまでを逆算する脚本の構成が巧い。ジョエルは性格の優しさゆえに、自分の感情を抑えて、相手の嫌な部分を咎めない。それは愛しているが故だけど、自分が傷つきたくないからでもある。それが抑圧されて不満が蓄積し、妄想が暴走して、いつしか別れに繋がる言葉を言ってしまう。この映画では最初に喧嘩を見せ、二人の思い出のシーンを交えつつ、ジョエルの子供の頃の記憶の根源的な所まで遡っていく。その過程でクレムは輝きを増していく。そして、虐められている幼少のジョエルを少女が救うシーンにまで辿り着く。少女はいつしかクレムに変わる。結局恋愛の根源とは、こういう所にあるのだろう。どんなに記憶をいじっても無駄なのはそのせいだ。幼少時の辛い体験が人間の性格を形作り、無意識の裡に恋愛相手にその満たされない物を求める。ジョエルが内向的なのは過去のせいであり、ずっと誰かに救われるのを待っていたのだと思う。だが、それだけではいけないことに記憶の消去を終える直前で気づく。彼女は完璧じゃないし女神じゃない。性格により愛情表現は違えど、彼女も恋人に救って欲しいのは一緒なのだから…。それを言葉で表現して乗り越えていかないと関係が深まることは永遠にないし、内面を見ないと関係は破綻に向かう。この映画は、人間が恋人と付き合う際に体験する心の内の葛藤を、斬新なアイデアで切り取って、SF的に表現して見せた。本当に、よくここまで映像化に成功したなと感心するくらいだ。離婚大国のアメリカだからこそ産み出されたものなのかもしれない。傑作だと思う。好きなシーンは、記憶が消去される寸前のSTAR GUITARのPVを彷彿とさせるシーンと、チャールズ川のシーン。いつか、誰かとモントークに行きたい。[映画館(字幕)] 10点(2009-02-08 18:50:26)(良:1票)

5.  恋愛小説家 《ネタバレ》 思春期の頃、「中年の恋愛」が存在するということを知らなかった。身近にいる大人は、両親や先生など、恋というものをしていない人間ばかりだった。(正確にはそう勘違いしていたのだけれど) 大人のことを、「結婚した瞬間に恋愛を止め、仕事だけに生きているかわいそうな人達」と漠然と思っていた。何故そう思っていたのかは不思議だけど、自分も大人になったら、そうなってしまうんだろうなと不安だった。この映画は、そういうものを良い意味で打ち破ってくれた作品。この作品の大人達は、すごく生き生きと輝いて見える。大人も捨てたもんじゃないなと思わせてくれる。やはり、恋をしていると人間は輝いて見えるなあ。内容としては、キャラクター、台詞、構成、小道具(犬)など、すごく脚本が良い。特にユドール氏の台詞は小説家らしく、粋だ。二人の演技もすばらしい。名作だと思う。[DVD(字幕)] 10点(2009-02-03 10:16:29)(良:2票) 《改行有》

6.  レザボア・ドッグス 《ネタバレ》 タランティーノの傑作。初見は、ストーリーで楽しませ、2回目以降は冒頭のくだらない会話から面白い。マドンナの話から、1ドルのチップでもめるマフィア達。ダダこねるマフィアのピンク。そしてKビリーのDJ。そこでオープニング。カッコイイ。最高すぎる。[DVD(字幕)] 10点(2009-02-02 10:57:39)

7.  21グラム 《ネタバレ》 感動に、うち震えた映画。見終わって数日、「あの感覚何だろう?」とずっと考えていた。そして気がついた。大学入試などに出てくる、英語の並び替え問題に似ている。意味や文法を漠然と思い描いて、並び替えて組み立てる。ただ、それらと違うことは、組み立てた後になって、急に文章の深さがストンと落ちてくるところだ。そして涙が流れる。うーん、監督のこの力量すごいですね。同じ監督のバベルやアモーレスペロスよりも遥かに良いです。そして、「メメント」や「マルホランドドライブ」より、この作品を僕は評価したい。[DVD(字幕)] 10点(2009-01-31 21:46:44)

8.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 《ネタバレ》 ヒューマンドラマの傑作。名シーンでの台詞はもちろん良いですが、他の会話もかなり作りこんでいるという印象を受けました。会話を楽しむ映画でもあると思います。ここ20年ほどのアカデミー脚本賞の中では、一番良い脚本。[ビデオ(字幕)] 10点(2009-01-25 23:52:35)(良:1票)

9.  ブラッド・シンプル ザ・スリラー 《ネタバレ》 多少、説明不足かと思われる箇所もあるので、ワンショットも見落とせない映画ですな。コーエン兄弟お得意の観客の心理をもてあそぶ、ストーリーテラーとしての上手さは、処女作から一級品でした。非常に面白かった。サブタイにスリラーと銘打つ本作ですが、サスペンスやホラーの要素もあり、それらが渾然一体となって醸し出している雰囲気が堪りません。ただ、サブタイにスリラーという語を入れたことで、「二人は果たして生き存えることができるか」というベクトルが与えられているので、見やすくはなってます。内容については、脚本の上手さも勿論ですが、立体的空間をカメラで二次元に切り取って見せる、カメラの枠の使い方が上手い。TV画面を越えて、どこに狂気が潜んでいるか分からない怖さがある。カメラの枠の外もそうだが、その他、"見えないもの"というのが非常にこの作品の鍵になっていると思う。核となる誤解は勿論、人間の内心や思い込み、壁やドア越しに存在する見えない相手、無言電話の相手、魚の下のライター、ベッドで横になった瞬間に外に怪しい車が見える箇所など…etc 上げ出したらきりないほどです。見えないものは勝手に想像してしまう。だからこそ、そういうものが坦々と恐怖心を煽るんですなあ。ところで、フォトショがないこの時代に、どうやって探偵のおっさんは写真の加工処理をしたのだろう。加工技術、高すぎ(笑)それに、初見時におっさんが現場に戻る動機付けが弱すぎないかと、ちょっと納得できかねていたのですが、なるほど、名前の?刻印が施されていたのですね。しかし、流麗な筆記体。"読めねえよ!"と見直したときにツッコンでおきました。特に印象に残ったのは、最後探偵のおっさんが闇雲に拳銃で打ち抜いた穴から、直線的な光が漏れている箇所。多重人格というワードで観客心理を揺さぶってくる箇所。それに、所々にひっそりと描写されるシーリングファンのプロペラが、まるでリボルバーのシリンダーのように回って見える箇所も秀逸。まさにロシアンルーレット。コーエン兄弟の作品はキャラ立ちや脚本の良さもありますが、こういった所も隠れた良さだと思う。ちょっと咀嚼できてないところがあるので、今のところ10点に近い9点献上です。[DVD(吹替)] 9点(2009-10-24 23:11:12)

10.  カイロの紫のバラ 《ネタバレ》 好きな映画。映画館で見たかった作品とも言える。ユーモアとペーソスを巧みに織り交ぜながら展開する語り口も巧みですが、観客が思い描くラストを裏切って、あのラストに着地する。それでいて不満足には陥らない。その匙加減の上手さが、アレンが天才といわれる所以だと思います。個人的には、ラストのミアの表情は、現実逃避するしか能がない女から、映画を愛してはいるけれど現実は知っている、強くしなやかな女性に成長したハッピーエンドだろうと思っています。きっと彼女は、もう暴力亭主の元に戻ることはないでしょう。だからこそ、切ないながらも爽やかな希望が残る映画だともいえます。[DVD(字幕)] 9点(2009-10-22 23:45:23)(良:1票)

11.  恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 ラブコメ映画のオススメを聞かれたら、いつもこれを薦めます。見る人をあまり選ばない娯楽作だと思います。途中、「君が毎日同じような人生だったらどうする?」「俺はそんな人生だよ」という掛け合いがあります。この登場人物のように、毎日をデジャブして暮らしてるような人は多いのではないでしょうか。たいして変わりばえのない日々。刺激の無い暮らし。そういう不満を持ってる人には、ほのぼのとしてて、元気の出る作品だと思います。自分にとっては、見る度に「人生において、同じ日は一日だってないんだよなあ」と再認識させてくれる素晴らしい映画。半分のビールを、まだ半分"も"あると思える、そんな風に日々を積み重ねたいものです。[DVD(字幕)] 9点(2009-10-19 00:30:17)

12.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 子供の頃飽きるほど見て、十数年ぶりに再鑑賞しましたが、やはり傑作。まさに娯楽映画のお手本。と、月並みなことしか言えません。しかし、今回観て一番心に残ったのは、マーティーが過去から帰って来たら、家族の性格まで変わっていた部分。子供の性格というのは、幼少時の家庭環境によって形成される部分が大きいと思います。このことで、偶然ジェフを殴ってしまった父親が、「その後の人生をどう歩んだか」「どう生き抜いてきたか」が良く分かります。この映画は、ちょっとした勇気と行動が、人生や生き方さへも変えてしまうことがあるということを雄弁に物語っています。それは、その人の人生だけでなく、その妻や、家族、子供にまでどこまでも広がっていくのです。なぜなら人間は社会的生き物であり、対人関係において、人に影響を与え、与えられて生きているからです。このことは、やりたいことや欲しいものがありながらも、文句ばかりたれて何も行動せずに燻ってる人達への最大の応援歌ではないでしょうか。人生の長いスパンやその時々の自分にとってはささいなことでさえも、自分の子供の性格にまで影響するかもしれないと考え出したら居ても立ってもいられなくなります。現在を一生懸命生きなきゃと思ってしまいます。そんなパワーがこの作品にはあります。世のパパさん、男性達に是非観賞して欲しい作品です。不満点は、過去の母親の心変わりの早さ(笑) 昔は気付きませんでしたが、これはいくらなんでも早すぎます。「身内(だったっけ?)とキスしてるみたい」という言い訳は文句無しに上手い。[地上波(吹替)] 9点(2009-09-02 23:13:24)(良:2票)

13.  マッチスティック・メン 《ネタバレ》 この映画の何が上手いって、クライン医師の登場のさせ方につきる。ロイは導入部で段々と潔癖症だと分かっていく。カーペットの上のゴミ一つ許せない、脅迫的に掃除するシーンを先に見せる。そこに、ガサツな相棒が、自然な流れでやってくるのだが、ジャンクフードらしきものを食らいながら突入してくるし、土足で踏み込んでくるわで、見てるこっちもロイと同様にイライラ。ロイが一生懸命に掃除してた、塵ひとつ落ちてないカーペットを汚しまくる。そんな折に、タイミングよくクライン医師をロイに紹介。普通に紹介してたのなら、あんな怪しい男が紹介するセラピストなんて信用できるわけが無い。しかし主人公は電話してる際も、指紋の方が気になっていて疑う余裕すら無い。相棒もちゃんと拭くと言いながらケツに挟んで受話器を拭く(笑) これは後半、空港で使った詐欺の手口と同様で、他の事に気を取られている隙に騙すテクニックそのものである。この辺りの一連のシーンの流れの上手さには唸った。自分は最初からこのセラピスト怪しいなと思っていた。なぜなら、靴を家具の上に投げ出す不遜な態度でセラピーにあたるからだ。しかし、このことは後半で職業を見破る際の伏線として回収しており、そういう疑い深い人たちの疑念を薄くする仕掛けまでほどこしてある。そもそも、"罪悪感で、葛藤し精神病に陥る詐欺師"という設定がとても良いし、脚本にまで詐欺師のテクニックを上手に応用して使っているのは素晴らしいの一言。ただし、あのコンゲームの歴史的名作のような爽快感がないのは、あの映画とは逆に完膚なきまでに騙されてしまったからだろう。ロイの精神的成長につなげているのは素晴らしいが、ドラマの爽快感としてはやっぱり敵わないな。余談だが、詐欺にかかりやすい人というのは、弱点を持っている人、確固たる自分を持ってない人、他人の評価に左右されやすい人etc…だそうだ。"弱点を持っている人”というのも、この脚本では上手いこと使用してある。[DVD(字幕)] 9点(2009-08-16 13:34:05)

14.  チャイナタウン いぶし銀という言葉がこれほど似合う作品もめずらしい。ブランデーのような濃厚な香気を作品全体が放っている。哀愁漂うジャジーな音楽、埃立つような彩度の薄い色彩、ニコルソンの渋み、フェイ・ダナウェイの無の演技 etc...。個人的にゴッドファーザーI並の傑作と思いますが、ラストがアレなもんで評価が分かれるんでしょうね。フィルムノワールは個人的にツボなので、この映画も例にもれず好き。特に本作は静謐で重厚な脚本で、現在見ても上手いなーと思う描写と構成で関心させられる。[DVD(字幕)] 9点(2009-06-26 09:50:55)

15.  遠い空の向こうに 名作すぎて、今更投稿する内容も語りたいことも特にありませんが、素晴らしい映像と脚本ですね。官能が高まってるシーンで、蒸気機関車のフラッシュはベタすぎて笑いましたが。日本ではヤカンですよねw October Skyという原題が美しいなと思っていた所に、アルファベットの並べ替えだと知った日には鳥肌が立ちました。あと、ライリー先生が只の良い教師じゃないところもいいんだよなあ。音楽も地味に良い。ロケットが真っ直ぐに青空を裂いていくシーンは爽快。[DVD(字幕)] 9点(2009-06-24 14:53:03)

16.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 1960年の作品なので話としては退屈な箇所もあるかもしれないが、それでも楽しめる映画。白黒だが古さはあまり感じず、逆に粋だと感じさせる映画。自分の中ではMatt Dennisを聞いたときの感覚と似ている。落ち込んだときに手が伸びる映画のうちのひとつなので、点数は甘めで。[DVD(字幕)] 9点(2009-02-06 01:48:49)

17.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 脚本としての骨格はよくできていて斬新だが、余分な肉が多い。それが筋肉なのか、脂肪なのかは観る人によって変わる。個人的には、前者だ。かなり無駄な部分が多いと思うが、いつの間にかそれが作品の味となってしまう。その辺りを、題名と、レストランでミアの台詞で示しているのだと思う。好きなら、無駄が気にならなくなるといったくだり。タランティーノのお遊びに、いっしょに参加できるかが評価の分かれ目だろう。好きなシーンは、「好きよパンプキン」「俺もだハーニバーニー」の箇所と、ダンスシーン、ブッチの「パンケーキ代だ。たっぷり食えよ」の後のシーンの変貌ぶり、「そのオートバイどうしたの?」「こいつはチョッパーだよ」の箇所。とにかく、ブッチがカッコ良さが異常です。それに、死んだ筈のトラボルタが生き返って平然と出てくる(時間軸を操ってるだけだが)奇想天外な脚本も笑えますね。タランティーノの最高傑作ではないと思っているので9点で。[DVD(字幕)] 9点(2009-02-02 10:41:32)

18.  ゴーストワールド 《ネタバレ》 好きな作品。オタク少女のモラトリアムを描いた作品のサブテクストとして、オタク男の妄想の話が隠れているという解釈でいいのだろうか。前者だけでとると、何度見ても最後の10分程度の意味が分からない。シーモアは何の病気で入院した(てる)のか。エンドクレジットの後に挿入されてるシーンも、意味が分からない。やはり、シーモアの妄想の話なのだろうか…。そしてGhostWorldというタイトルが何を意味するかも未だに消化し切れていないが、オタク少女の話としてもすごく良くできてるので評価は変わらない。随所で流れるピアノの旋律がすごく切なくて良い。話としても切なさで押し潰れそうになる。イーニドとレベッカもシーモアも、3人とも素敵だ。[DVD(字幕)] 9点(2009-02-02 04:48:52)

19.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 特に印象に残ったのは、幸せと必死で思い込んでるレスターの妻、ゲイカップルの異常なほどの笑み、ホモフォビアな隣の父親、隣の奥さんの悲しそうな佇まい。終盤のシーンは4~50年心の奥底に隠してきた思いを、告白した瞬間に拒否られたから殺したのでしょう。しかもアメリカの象徴のような銃で。自分に素直に生きている人間は、本当の感情を抑圧して生きている人間に憎まれてしまう。何とも皮肉な結末です。細部に渡り良く出来ている映画だと思います。ビニールが舞う同じようなシーンを実際に目撃したことがあるので+1点。[映画館(字幕)] 9点(2009-01-26 00:51:54)

20.  ブロークバック・マウンテン 《ネタバレ》 ブロークバックマウンテンの大自然を見る行為と供に、二人の思いを感じ取る映画だと思います。台詞としての説明はかなり省略され、観る者の想像に委ねられています。感情の機微が鋭い時、弱ってる時、そんな時に見るとやられてしまいます。ラストのシャツの入れ替わりがガツンときましたね。ジャックの死因も、ジャックの親の行動がすべてを語ってるのでしょう。余談ですが、ジックがおっさんに仕事を貰いにいくシーンで、吹き替えで見ると市民ケーンのあれが出てきます。字幕じゃ語らないですが…。ああ、ネイティブになりたい。[DVD(字幕)] 9点(2009-01-25 22:10:21)

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