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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  オーロラの彼方へ 《ネタバレ》 あったかもしれないもう一つの人生。パラレルワールドSFファンタジー。 ハッピーエンドを迎えるそれ自体は一見すると安っぽいものかもしれないが、本作のストーリーに込められているものは、重く苦しい たった一人の凶行さえなかったら今頃は・・・。自分たちは何も悪くないのになぜ今幸せになってない? あまりにも切実すぎるイフストーリーだ。数多の被害者遺族が心の底から願うエンディングだろう 犯人の人物像が全く容赦のない・・・母親殺しの警察官という、少しの同情の余地も残したくない、ややこしいことには一切しませんという割り切りが見られる イフストーリーを想像するならせめてこれくらいは良くならんとなぁという感じは遺族感情を抜きにしたらやや子供っぽい内容ではある メジャーリーグの試合展開がキーになるのが面白い。伝説の試合ともなればその展開すべてをスラスラ説明できても不思議ではないということにしておこう[DVD(吹替)] 6点(2025-02-26 14:39:45)《改行有》

2.  氷の微笑 《ネタバレ》 大きな枠としてはミステリーであるが、推理マニアが楽しめるような内容にはなってない というのも犯人は最初からシャロン・ストーン演ずるキャサリン・トラメルであることを映画が隠そうともしていないからである キャサリン以外の人物が次々犯人かのように疑われているが、それはマイケル・ダグラス演ずるニック・カラン刑事の願望に過ぎない 最終的に愛人のエリザベスを犯人として射殺したのは、カランが潜在的にそうしたくなっていたからだ すなわち、キャサリンを犯人にしなくてすむ方法が欲しかったところに、得意の<早撃ち>で解決できるチャンスが向こうからやってきたのだ 自らの手で愛人を射殺した後、すべての証拠がガッチリと固められてキャサリンが無罪放免になったとき、彼はすべてを悟ったはずだ ところでエリザベスが、銃を構えて警告している<早撃ち>の刑事を前にポケットに自ら手を突っ込んで、握っていたのはキーホルダーというのはしょうもなくて笑う[DVD(吹替)] 5点(2025-01-28 16:26:52)《改行有》

3.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 宇宙の果てから襲来した敵XX星の攻撃により人類滅亡の時が迫っていた。主人公は人類最後の希望。最新鋭の戦闘機でただ独り反撃に飛び立つ ・・・そんなシューティングゲームをプレイしていたときのこと。傍で興味なさそうに見ていた兄弟が「最後の希望なのに、三機も代わりがいるんだね」 などといたってシンプル、かつ無粋なことをいってくる 咄嗟に「三機いるわけじゃない。時間が戻ってやり直しているだけだよ」と返答した。つまらない指摘にはつまらない返しがふさわしいのでは?と思った タイムループと作戦のコラボレーションはかねてよりアクション・シューティングゲームの常であった そういうゲームの「リトライ可能にさせる」仕様をストーリーに組み込んだものがタイムリープ映画だ 戦闘に限らず、タイムリープネタのほとんど全てが主人公に何らかのミッションを与えているからだ(歴史改変か、ループからの脱出が多い) 元は「人生やり直したい」というままならない人の悔恨が呼んだ娯楽だったと思うのだが 本作はそれとは少し異なり、僅かしかない良いエンドに向けて少しずつ歩を進めていく為に不本意ながら死に戻る必要があり、 やはりゲームに於けるリトライ感が強いのだ やり直していくごとに少しづつ自分のスキルがアップする気持ちよさも、ある それらを自分のことのように受け止められさえすれば、この映画は面白い オメガとアルファと自分と血液と タイムループする権利の移譲 とか設定は細部がよくわからないしラストも納得しづらかったけど、これも無粋な指摘になるかな。。 あと、パリのシーンとか暗すぎて不快だった[DVD(吹替)] 6点(2025-01-26 09:52:56)《改行有》

4.  ミッドサマー 《ネタバレ》 自然は本能的に調和を保つ方法を知っている 全ては機械的に役割を果たす ダニーがトリップしながら木を見上げるシーンでペレにより語られたこの理念 祭りのイベント一つとっても自然と体力のある優秀なものを選別してより良いポジションに据え、大事に残そうとする 日の当たる部分ではそうだ。これらを見ると牧歌的だが理にかなっている、めったなことにはなりますまいという安心感を覚えるのだろう 「ホルガ村ヘルシングランド」という"なんでもみんな一緒にやる"テーマパークが一見大事にしているこの理念に来訪者は油断してしまった 村のチープさにはかなりやられた。なるほどこの即席感なら旅行前にペレの言ったようにみんなが演劇してるとしか思えない 祭りはイベントのごっこ遊びと大差ない、などと訪問客は油断してしまうだろう。ところが…、なんですけれども しかしロケ地に村を一個作ってそこを舞台にするこの感じ、七人の侍か!なんて思ったりして。ペレが菊千代(=侍ではない)でコニーとサイモンも合わせたら丁度七人になるし… ここで起こることの一部は絶句するくらいショッキングであり、ほとんどすべてが笑わずにいられない 全て冗談みたいなものだ。深く考えずにジャンルものとして楽しむのが一番良い気がした コミューン 法治国家 しきたり 掟 相互理解 残虐行為 没個性 多様性 従順 全体主義 冷戦時など、かつて幾度も批判をこめてこれらがキーとなるフォーマットの映画は描かれてきたと思うが、 より映画を面白くするための普遍的テーマであって、イデオロギーの対立を見せたくてこれらが今さら用いられているわけではないのだろう こちら側とあちら側どちらの側に属していても人間のヤバさはつきつめれば同じだという描き方をしている 同調圧力が一つの例になる 同調圧力ほどおそろしいものはない。曲がったことも押し通す。協同で物事をなしうる生き物である人間の弱点のひとつだろう なにかおかしいとわかっているのに他者の見解と比較・検証して落としどころを探してしまう。そうしているうちに時間が経過し、次第に何事もなかったかのような錯覚に陥っていく 正しく反発したサイモンはいずれ殺される運命であったにせよ、支援を得られなかった 目の前で恐ろしい惨劇が起こっているにもかかわらず、価値観が違うのだからとか郷に入れば…などと無理やり理解を示そうとまでする 別の場面では、ダニー独りが薬物に及び腰な動きを見せる。その際の仲間の白けたムードはまさしく同調圧力以外の何物でもない ここでやや間があってから渋々理解を示すそぶりをするクリスが結構な問題児。明らかに面倒くさがっている彼氏。ヒーローに成れない男 忘れていた恋人の誕生日パフォーマンスもあまりにもお粗末。こりゃ面倒くさがっている。そしてあろうことか彼女がろうそくの火を吹き消す瞬間すらよそを向いて見ていない 論文トラブルは仲間割れから殺人に発展する一つの例だがまさかこの映画で見ようとは。クリスくんの外道っぷりがいかんなく発揮されていて笑う その論文を全うするにはマヤの誘いに乗るしかない。しかもダニーにばれないように一夜限りのというなんとも都合の良い・・ 聖人君子とは程遠いクリスが例の同調圧力も相まってスルスルと罠に嵌っていく様はかなりカッコワルイ 個人的には結構満足いく映画だった[インターネット(字幕)] 7点(2024-09-16 14:56:12)《改行有》

5.  ヘレディタリー 継承 《ネタバレ》 映画とは、過去の産物を組み替え再結合させて作るものなのだと改めて感じた。それで100分くらい観客をつなぎ留めておくことができるか否かが問われるところ さほど映画を見ていない自分でもオーメンやローズマリーの赤ちゃんくらいなら見たことがある エクソシストを未見なため、あっけなく死を迎える少女キャリーのいわゆるミスリードには残念ながらひっかからなかった、、というより最初からああいう死に方をするというネタバレありで観ていた それと知らずに見ていたらまた違った印象を抱いていたかもしれないし、特段変わらないかもしれない。なぜなら良くも悪くも作り話であるから。 家族の関係性がめちゃくちゃ悪いのになぜか最後まで離散しない設定に若干白々しさはあるもののそれでも一緒に暮らさねばならないとしたらそれはもう地獄だろう。 怖い映画というより、嫌な映画という感想が多い印象なのもそのあたり、誰しも身近な家族がこんな状態だったらいい気分ではいられないもんね[インターネット(吹替)] 6点(2024-04-28 07:37:57)《改行有》

6.  沈黙の逆襲 《ネタバレ》 スティーブンセガールの映画ということで、肩の力を抜いて観てみた。 遠山の金さんや、水戸黄門を見るような気分。予定調和なお約束アクションでマンネリではあるのだが 時としてそれは様式美として大衆に受け入れられ、喜ばれることもある。 今回のセガールはボディーガード。これまでの沈黙シリーズ同様に完全無敵な設定のごついセガールが守ってくれるのだから 何も不安に思うことはないんじゃないかなと思っていたら実際その通り。一切障壁がなく、悪者をバッタバッタと殺しまくり。 無事に守り切ってハッピーエンド。毎週テレビで放送するような低予算のアクション番組でも、もうちょっと捻りを利かせてくるんじゃないかな。[インターネット(吹替)] 4点(2024-04-14 17:51:53)《改行有》

7.  新・刑事コロンボ/恋におちたコロンボ<TVM> 《ネタバレ》 「刑事物語」という武田鉄矢主演の邦画がある。無関係なタイトルを引き合いに出して申し訳ないが、今回のコロンボはその映画の片山刑事と重なって見える。 どう重なるかというと、女に弱く、がっしり体系でスマートに見えない、もてないが無害な男という人間臭さが武田演じる片山刑事と似て見えた 一応コロンボの名誉のために一言添えておくと、タイトル「恋におちたコロンボ(…のふりをしているコロンボ)」といったところだろうと思う かみさん一筋のおしどり設定を崩してまでやる話でもないだろうから。本気でそんな色ボケキャラにしたら、往年のファンからどれだけ叩かれるかしれたもんじゃない 一応とつけたのは、ちょっとやりすぎな面があるから。ネクタイ締め直しからのキスシーンや、バイオリンケースに花束を隠して贈るコロンボなど、キツめなシーンがあるからだ 初対面のうっかりパジャマをコートでひた隠しにするシーンも、この段階で色ボケを演じるわけがないことから、後の容疑者に対面してマジで女を意識しているようにしか見えない これは今回の犯人役フェイ・ダナウェイに対する礼儀を作品内で表したメタな応対と考えるのが自然なエンターテインメントとの向き合いかたなんだろうな 冒頭のクレジットでわかるが本作の脚本は原作小説のない、ピーター・フォークのオリジナルストーリーである 一応、コロンボ役の当人が責任をもって書いたものと素直に受け止めるとするならば、デートでカウンターに座るコロンボとか、自分で書いたんかと 実は、「刑事物語」も基本、脚本は主演の武田鉄矢が書いている。女に弱い男は自身で書かないとならないしきたりでもあるのだろうか 「刑事だって人間だよな」といってゴニョゴニョする武田鉄矢の迫真演技と、そこまではいかないまでも浮ついた不倫ぽい行動をとるコロンボに何度も言うが共通するものを感じた コロンボ馴染みの店で普段心底を見せないコロンボが他人の分析という形で珍しく心の中を事細かに露呈される。「見当違いという逃げ道」を用意しながらの苦肉の心理描写だ 今回、コロンボの違法な捜査は度を越えている。留守中に容疑者の部屋を平然と漁っている。旧コロンボでも不在を狙って証拠を捜すことはあったが、容疑者に見咎められて 仮に嘘でも「~さんに尋ねたらこちらに案内された」など言い訳を用意して(後ろめたいことがないふりをする容疑者を追い込むように)事後承諾をとったり 引き出しなど勝手に開けたりはしてなかったように思われる。新シリーズではよくあるが、犯行現場の検証と家宅捜索をごっちゃにしてはならない あと、共犯の女性。「二枚のドガの絵」と同じ電気毛布体温操作と逃走する影を見せるトリックを再利用する役割を与えられていたが それ以降は主犯の心境を語らせるための単なる聞き役になっていて人物としての存在感が全くない なにもしないが、話の都合上コロンボの追及を待つために(完全にフェイ・ダナウェイへの疑いが晴れるまで不安だから待つという名目で)ヨーロッパへ逃げずにその場に留まり続ける 最初の白黒映画「ゴジラ」には、アメリカ公開用に一部編集、アメリカ人記者としてゴジラを追うレイモンド・バーを新規撮影追加した「怪獣王ゴジラ」という映画がある さらなる無関係なタイトルの引き合いで申し訳ないが、そのアメリカ人記者とイメージが重なる。後付で惨状を実況するだけの、本編には一切絡めない空疎な人物といったイメージだ 結局人物というよりも証拠品の一つとして機能することになる。それに対する違法な尋問シーンも昭和感覚で滑稽なシーンになってしまっている。コメディ寄りなのかもしれない こんな横暴を容疑者に見せたら裁判で負けると思うんだけれど、惚れた女だから負けたいのかもしれないという穿った見方もしてしまいたくなった。拘留の事実だけで堕とせただろう 最後はオチとして、犯人の女性二人は親子だったという決着を見る。娘のほうは存在感なかったので勿体なくもオチの意外性はいささか薄まった なおさら娘にも活躍してほしいところだったが、その代わりにフェイ・ダナウェイの出番を削ることなど、とてもじゃないが考えもしなかったろう。最初から彼女の為の作品だ トリックは使いまわしでアリバイ崩しや物的証拠はほとんどなく弾丸や銃の特定すらしていない。マジもんの人情路線だったんだな・・・ 人情モノに落ち着いたので、犯人が裁判で争うなどといった余計なことを考える必要はなくなり、その点も含めてちょっとコロンボっぽさがない作品だった。それには良し悪しある[ブルーレイ(吹替)] 4点(2023-04-20 12:41:24)(良:1票) 《改行有》

8.  新・刑事コロンボ/4時02分の銃声<TVM> 《ネタバレ》 シリーズでありそでなかった犯行動機。悪くない。今回の犯人にとっての破滅は娘を失うことだった 社会では強い男だが、義理の娘に禁忌めいた独占欲を抱いている 娘が物書きとして成功してしまえば経済的支援ができなくなり、血の繋がりのない自分は無用になると考えた また、自分の下を離れてしまえばかつて懸想した彼女の母親同様、別の男に獲られてしまうのだ。それが堪えられない かくして娘の出世の働きかけをする邪魔者(かつての部下)を殺してしまうのだ。そんな、救えないエゴが生んだ悪魔をコロンボがやっつけるお話 濡れ衣を被害者の別れた同性愛俳優に被せる。内線電話を用いたトリックで自らのアリバイを確保。ところが、濡れ衣被せる俳優の方のアリバイのことは全く考えていなかった こればかりはトホホと言わざるを得ないか。いつもの知的な犯人ならそこにもケアがあるか、むしろ「組織」などとして身代わりを特定しないのがコロンボでは一般的 かえって被害者の同性愛関係のいざこざという、いたって表面化しづらいプライベートな事情を知る人物こそが「容疑者」と限定させてしまった愚かさよ 実は今回も被害者がマスコミとして追っていた(真犯人がガセネタで追わせた)組織も捜査のかく乱として利用しようとしたが、それが全く意味をなさないように自分で仕向けてしまった コロンボが携帯電話を買いたいというくだりがある。まだ一般には携帯が普及していなかった時代の撮影であるのは言うまでもないが その際のセリフで日本語吹き替え訳と、原語の日本語訳とでは奇妙な異なり方をしている部分がある。 吹き替えでは、コロンボは「携帯を使っていると"ボケない"と聞くが本当か?」というポジティブな迷信を言い出したのに対し 原語では同じ部分のコロンボのセリフが「携帯を使っていると"癌になる"と聞くが本当か?」というネガティブな迷信だったのだ なにかの事情が垣間見えた気がした。クレームを恐れてそうだし、スポンサーにも覚えがよろしくない向きはあっただろう 「ラジオはもう聞いてない。近頃流行のロックとかはよくわからないから」「生ぬるい紅茶は我慢できない」など、コロンボから初老の世を拗ねるセリフがとびだす 犯罪ではないところの「嫌い」をはっきり口にするコロンボも、だんだん増えてきた。いよいよ高年のキャラ付けになってきたか いつものように、コロンボは銃を持ち歩かない。ホルスターごと装着されていないことに犯人が言及する。今回は、その点も伏線になってラストのオチに繋がっている 携帯電波の届かない山中でも、短距離ならクラクションで助けを呼べる。新しいものとなじみ深いもの。最新式が常に勝るとは限らない 旧刑事コロンボ「愛情の計算」では息子に対する愛情の深さがラストで自白につながって爽やかだったが、今回はそれとは全く違うドヤ顔コロンボ。それもまたあり。[DVD(吹替)] 5点(2023-04-17 10:48:25)《改行有》

9.  新・刑事コロンボ/殺人講義<TVM> 《ネタバレ》 強い話だった。同情の余地の全く入らない憎たらしい犯人像と、コロンボの性格の悪さ。無敵のコロンボが今日も犯人を打ち負かす。 表面的に友情や正義を訴えている一般の人間たちがいかに欺瞞に満ち、内面はろくでもない自己中であるかという、きれいごとだけでは済まされないこの世の中の闇を嫌というほど感じさせてくれる。 ろくでもないのは殺人犯であるクソガキ二人にとどまらない。 被害者である教授とその元愛人は不倫していたわけだし、守衛の男も賄賂であっけなくルールを破り間接的に殺人を幇助している。今役に立たない守衛など経費泥棒だ。 コロンボに「証拠を捏造することはないのか?」と持論にこだわるあまりにただ困らせるだけの質問をする小僧もはっきり言ってゴミ。ジャーナリスト気取りでうざいことこの上ない。 二人組の周辺のガールフレンドたちも凄惨な事件の直後にもかかわらず一緒にバーでの飲み会に参加していて、これっぽっちも被害者を悼んでないだろう。 学長は社会活動家で好色不倫の側面をもつ被害者の教授を快く思ってはおらず、表面的に弔意を示しながら陰では罰が当たったなどとのたまう。 その他のお姉ちゃんたちも、ただの野次馬根性でショッキングな事件にも「ぞくぞくするわ~」などと盛り上がったり、酷薄な連中なのだ。 「殺人講義」という邦題を打ってあるが、それだと「殺人指南」の意味にとられる。単にキャッチーだから使ってるのか。 証拠捏造疑惑の返答に「完全犯罪の誤算」からの証拠収集エピソードが語られたり、 音声までは聞こえないが「自縛の紐」での靴紐の結び方で犯人を追い込んだ件も紹介しているようだ。 その講義中にコロンボは直後に射殺されてしまう被害者も聞いているところで、 「新人刑事にアドバイスするとしたら事件にかかわる知りえた情報を迂闊にしゃべらないことだ」、と語る。 そう、被害者も、発端となった、知りえた情報を処断前に犯人のガキ二人に話すべきではなかったのだ。話さなければ、二人は保身のために彼を殺害することはできなかっただろう。逆恨みは、されていたはずだろうが、、、。 いっぽうコロンボは、実際には存在しない架空の証拠として、「アリゾナ行きの航空チケット」なるものをこしらえて、それに反応を示す嘘つきをあぶりだしにかかる。怖いねえ。これこそ冒頭ではぐらかした証拠の捏造だ。 最後もお得意の罠。若い血気盛んな世の中をなめてる者ほどコロッと引っかかってくれる。コロンボも、張り合い無かったろう。 途中、偶然にも決定的新証拠が現れる。いつものクリーニング返却よりマークしてなかった分ミラクル。 練習もなしに短期間で準備した犯行キット同様のファンタジーだが、創作なのでそこは減点対象にはしない。 事件の始まりから存在してあっけなく決定的証拠になってしまった某「チーズの一噛み」よりはよっぽどマシだろう。 犯人の片割れジャスティン・ロウその父親ジョーダンを演ずるはロバート・カルプさん。うわあ。なじみ深い犯人役がこんなところで。普通に嬉しい。 「これは侮辱ではない、単純な事実だ」ジョーダンさんがおっしゃった言葉であるが、人をこき下ろす前にこういう冠をつけると発言者的には問題ないらしい。 映画の批評、人物批評、スポーツのプレイの批評、この冠さえあれば何でも言える。。というわけでないことを、この役が教えてくれる。[DVD(吹替)] 5点(2023-04-13 17:43:47)《改行有》

10.  ライフポッド<TVM> 《ネタバレ》 特別な感じはなかった。 確信犯になら、どんな無茶なこともさせられる。派兵する口実を作るためのテロ。帰還する望みの極度に薄い作戦を犯人は決行する。 盲目の人間が、実は目が見えていた。目の見えないふりをしていたのだ!ジャジャーン! …たぶん、オチとか、別にどうでもいい作品だったのだろう。 じっさい犯人が誰?とかは、正直どうでもよかった。大体そんなような設定であって不思議でなかったし、劇中でも犯人の動機が想像という形で語られていたし。 そこに比重を置くと、おそらく上映当時すでにもうそのヒッチコックのサスペンスは時代遅れで楽しめなかったろうと思う。 究極に追い詰められた環境下で右往左往し、疑心暗鬼になり、発狂したり、自暴自棄になる群像。それらの過程を楽しむ映画です。 死ぬまでに救助が来るかわからないほとんど絶望の中で、生き残るために頑張るんだ、というよりかは 徐々に悪化していく状況に身を任せてただ死を待っているようなその地獄を、安全なリビングで楽しもう。 結構この類の映画はよく見るので鮮烈な印象は得られなかったが、手堅い感じがして比較的に見やすい作品ではあった。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-25 22:23:10)《改行有》

11.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 「殿中でござる!」前作中に松の廊下で吉良上野介を切りつけた浅野内匠頭の事件のようなことで、懸賞首になってしまったジョン・ウィックの その後の(付け足しのような)顛末・・・と思わせて、まだ終わらせないドタバタ殺戮ショーといった感じの、極めて内容の無い映画。 足を洗いたいやくざが組につけ狙われる邦画の、アクションもりもり版(みたいな)映画。ベタな内容なので、そこは問題にすべきではないが・・。 観客が動員できる限り、同じようなことを続けるつもりなんだろうか。だがもうお客は呼べない気がする。最初から、怪しいシリーズだった。 まず、組織の内部以外は全くもって描かれないため(やくざ映画や、兵隊ものすらこの映画の域には及ばない)、特殊空間に閉じこもってひたすらドラゴンボールのような無駄に手数の多い長引かせるためだけの戦闘を繰り返してくる。 ど派手アクションはシリーズの生命線であろうが、これだけ続けられると感覚もマヒしてなにも感じなくなってしまう。 それでいて、DBには必ずと言っていいほどある切り札のようなラストの必殺技や変身パワーアップみたいなコミックはないので、カタルシスを得られない。 物語の進行にも、首をかしげる部分が多い。まずジョンは何の為にカサブランカへ向かったのか。首長の恩赦を受けるためだったろう。指を一本詰めてまでせっかく約定を取り交わしたのに、戻ってきたらその条件をあっさり反故にしてしまう。 「今までの展開、何!!いらねーじゃんっ」・・・と、言わせたいのかな。 ソフィアの犬、撃たれたけれど、無傷ですやん!ソフィアの激昂、何の為だったの! ラスト、ウィンストンの裏切り。いわゆるソープドラマ特有のどんでん返しなんだろうけれど、続編作るかこれで打ち切るかのペンディングにかかった片方の筋書感丸出し! 途中で執事が防弾チョッキの性能があがったみたいな説明をかましてくるので、「あ、これ裁定人のおばちゃんをスティングする仕掛け入りましたー、」と思って待ち構えていたのだが。 そんなつまんない展開を軽く飛び越えるショッキングな展開、まさかの続編制作決定案採用展開にあきれた。ジョンが生きているってのはまあ、普通の展開ですけれど。 高層ビルから落ちたぐらいじゃ死なないよねー。[インターネット(吹替)] 4点(2022-09-18 22:23:56)《改行有》

12.  マラソン マン 《ネタバレ》 後にオールドボーイやホステルを観たとき、昔この映画を見ていたことで拷問シーンへの耐性がついていたことが役に立った。 今見ても、この映画の尋問は怖い。この映画より先に、年代としては新しい、アニメ・ルパン三世(新)の「五右衛門危機一髪」というエピソードで 本作同様の歯に対するドリル的な痛い拷問シーンを見ていたが、この映画からオマージュしたのであろうか。 あの手この手で素人のベーブから拷問までして何かを聞き出そうとしていたのは、ダイヤの秘密を知っているのか知らないのか、その一点に尽きるのだろうか? 十代のころから都合3回ぐらい見たけれど、結局中年になった今でも事実関係のよくわからない映画で、もやもやする。拷問シーンばかりが記憶に残った感はあった。[地上波(吹替)] 5点(2022-06-30 01:33:23)《改行有》

13.  メッセージ 《ネタバレ》 奇妙な形の巨大UFOが世界に突如出現する(それ自体はよくある)映画ということで、あまり肩肘張らずにリラックスして観た。 この手の映画は巨大UFOが出現した最初の瞬間の世界における混乱ぶりと、単純に巨大な物体が空を覆う画面のインパクトでもって、かつては話題作となることが多かった気がする。 ところがさすがにそれではもう現代では通用しないと悟ってか、UFO登場シーンはあっさりとしている。まともにフレームに収めようとすらしていない。 主人公の性格が、世界中大騒ぎするような誰しもが驚く大事件にも意外と冷静で、これまでになく対応がドライであった。まさかこれも伏線だったの? 辟易とする、やたらに目にする「主人公の記憶障害が少しづつ回復して真相に近づく」類のつまらない作品かー?中盤まではなんだたいしたことないな、などと思ってしまっていた。 ところが、ですよ。 あ~。フラッシュフォワードか~。って、え?超能力ものですか??なんじゃこりゃああ。思わず声出してしまったけれど、SFだし、いいんかなこれも。 異星人の言葉を理解する前からフラッシュフォワードがあったため、異星人とコンタクトする前から未来予知のできる特殊な人だったのかと思ってしまった。 とにかくわかり辛い。意味深な含ませセリフなど初見にはチンプンカンプンで、しかも話の進行にさして影響しない。気が散った。理解を阻む障壁になってないか? 最後の電話かけられるかどうかのスリルは、なんかスケールに合わないこじんまりとしたドラマで笑ってしまった。 宇宙人の風貌や出現空間など、ミストっぽくてイヤ~な感じしましたねえ。まあ、オススメは、しません。[インターネット(吹替)] 5点(2021-08-10 03:47:10)《改行有》

14.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 作り手がオデッセイと名付けるのなら何も問題は無いのであるが、これでは生還するのが初めからわかってしまうね 史実じゃないんだし、一応ハラハラさせとこうよそこは。まんまタイトル通りの展開だとは 本来「火星の人」と無関係な意味を持つ邦題には疑問。作り手が敢えてそう名付けなかったのは、それがふさわしくないからなんじゃないかなあ 不完全にあらすじを入れて面白そうだと思って観た。オデッセイという面白そうにないタイトルとマット・デイモンだけだったら間違いなく観ないリスト入りだった しかし思っていたような話ではなかった。火星の住み心地が良くなってしまって火星の人となってただひとり一生をポジティブに火星で終えた人のお話だと思っていたので そういう意味では期待外れだった。火星に取り残された人が救出されるまでの物語としては、面白い映画だと思う。そういうムードに飽き飽きしてるので残念だが 監督は宇宙では悲鳴は誰にも聞こえない映画で有名なリドリー・スコットだった。エンドクレジットで気が付く自分の鈍さよ… スターマンとかノリノリでかかって、複雑な感情になる。発表された時代設定の映画ではない。時の記憶がぐちゃぐちゃになる。昔のヒット曲が時代を無視してかかる映画は苦手だ 本当にヤな人は出てこなかった。悪いキャラ、フィクションなら好きだけど、NASAにはそんな人はいて欲しくはないからオッケーにしておこう 一部重要人物がほんのちょっとしか出てこなくて、でもエンディングにはしっかり出てきて。出すならもっと出せだね。テレビ局によってはカットされてしまうだろう NASA外部の知恵や援助も求めてみんなで支えたプロジェクトというアピールだろうけど、世界中でワッショイワッショイ救出劇を応援するのはリアルな世間過ぎて見たくない おそらく監督はなにか含むところがあってやってるんじゃないかな[インターネット(吹替)] 7点(2020-05-31 22:07:32)《改行有》

15.  大脱出(2013) 《ネタバレ》 う~ん。シュワルツェネッガーが面白いお芝居する映画だった。そこに不満はないんですけど大真面目でもコメディタッチになってしまうよね スタローンもシュワルツェネッガーもお絵描きするんだけど、シュワルツェネッガーのほうの絵が面白い。怒らせてはずみで倒れ込む計略にあれ以上の絵はないな。+1点だ 同じ筋肉キャラでも二人で差別化がされていたね。でも協力して何かするときは殴り合うばっかりなのな。二人に巻き込まれて犠牲になる方々はかなり気の毒です あからさまな陽動に所長が結構素直に騙されてしまうんだよ。嫌な奴レベルは高くて良いんだけど銃撃バトルはこの所長にふさわしくないかもしれない。色々こなし過ぎかな 脱獄するなら隔離房から、という新たな定説を手に入れた。結局は人の油断に付け込むしかないというわけなんで、強固そうに見えるところにこそ活路がある とはいえ、あんな床下に通路が在っちゃあいかんでしょうな。マジックショーのタネみたいだぞ。もしかして邦題は引田天功の大脱出からですか? 何か見たことあるーって展開なんだけど、先読みしなければ楽しめるかも 名前の符牒とか、つまんないところを工夫するよね。医者が「知るか」って答えたよとレイにも聞こえるところにこそ、なにか隠れたヒントが欲しかった サム・ニールの役回りふわっとしてるなあ[インターネット(吹替)] 5点(2020-05-31 03:20:06)《改行有》

16.  ラストスタンド 《ネタバレ》 「なぜヘリで逃げない?」FBIが理由を考えてくれました コルテスご自慢のドライブテクがいかんなく発揮されているように見えるが、一直線な道でほとんど横Gのかかる場面がない この手の映画で墜落しない(味方側)ヘリコプターなんてあるんだなあ。ブレーキで車を見失ってから消えてしまったが、なんだったんだろうか・・・ 人質の美女。FBIの"事前"内通者がいると、道路封鎖の場所も的確に予測できるか。移送と違って逃走経路封鎖は事前には決められないだろう 普通に考えたらどこに現れるかわからない警察のバリケードを強襲した部隊とモンスタートラックの配備は間に合わない 最後に裏切り者がしれっと元の鞘に納まろうとしたのは、コルテスが生きて捕まっているのに無理な話だ。失策続きのバニスターに回収させて見せ場を一つでも欲しかったのだろう 個人的にはその手前でシュワルツェネッガー演じるレイにシャッポを脱いで、握手を求めた場面がいたく良かった コルベットを反転させてSWATの車輛の下に潜り込むというのもめちゃくちゃだ。バックで走っててブレーキ掛けたらフロント側は上がるだろ ボンネットがちょっと汚れて塗装が剥げただけというのは納得できない。開き直りのタイアップ 対抗してカマロ。車種特定人まで用意して台詞に出して(ZR1の)性能アピール。念が入ってる・・・ 銃弾で射抜かれる描写がとてもよかった。いきなりスナイプされるのがいい 昨今無敵の元特殊部隊人殺戮映画が多くなったけれど、これはまだ一応普通の人間設定でマンネリとは違った。あれ?生きてんの?って場面はあったけど のどかな町民も巻き込んだヴィジランテ映画の様相。ツッコミどころ満載だけど、ピントの外れた所に愛嬌が残る作品[インターネット(吹替)] 6点(2020-05-30 11:56:53)《改行有》

17.  ジョン・ウィック:チャプター2 《ネタバレ》 敵が無数に増え、住み心地はどんどん悪くなっていく バッタバッタいくら敵を斃しても状況改善に繋がることは無い、死ぬまで終わらない戦争が続く 殺し屋ばかりで民間人が見つからないみたいなことになっていそうなディストピア映画かと思うようなラストシーンは良いね 全体的には倒した相手が多すぎるからか、キーパーソンも一人一人が掘り下げ不足で前作に比べて薄味に感じた 前作でフフッとなったようなことをお約束的に繰り返しているのは、代わりになるような新しいものが思いつかなかったからだろうか 三作目への繋ぎの一本、かな[インターネット(吹替)] 5点(2020-05-29 10:50:36)《改行有》

18.  ジョン・ウィック 《ネタバレ》 問題の襲撃の前にロシア語で会話をしている そこでなにかを察知したらトラブルにならなかったのに。こんなバカ息子に育ててしまった親父も相応の責任をとらなければならない 妻の復讐ではなく妻からのプレゼントの仔犬ちゃんの復讐というのがあまりにも斬新でここが本作最大の特徴だろう 仔犬の可愛さがそれを上回っているとはいえ、キアヌ・リーブスのアクションも素晴らしい。ほかの似たような暗殺者モノと比較しても良い仕上がりだ 隠れたスーパーマンのお約束「勿体ぶり」が見当たらなかった アタマから妻が病死してるこの映画にはカタギだからと我慢するところが必要無いので、なにか工夫があっても良さそうではあったが その辺のドライなスナック菓子感覚が最近の流行で、ストレスフリーで助かるといえば助かる ステアリングを手綱に見立てて片手で持ち西部劇の馬のように車を走らせながら射撃しては取って返しまた射撃する。これはかなり上手くいってた ウィレム・デフォーの役回りが面白かった。殺されてしまって残念[インターネット(吹替)] 6点(2020-05-28 11:08:21)(良:1票) 《改行有》

19.  透明人間(1933) 《ネタバレ》 透明人間の原点。1933年なのによく出来ている 化学者が研究の末陥った顛末というプロットはハエ男の恐怖など多くのフォロワーを生んだこの筋の王道展開 同僚だったケンプ博士が殺されてしまって、その後フローラもクランリー博士もそのことに言及しないドライさが意外だった 90年近くも昔の、イギリスの精神性はそんなもんなのかな。今みたいにポリコレ厳しくないんでしょうね[インターネット(字幕)] 5点(2020-05-25 01:40:23)《改行有》

20.  クリード 炎の宿敵 《ネタバレ》 若かりし日のスタローンとドルフ・ラングレンが戦ったロッキー4は大ヒットした 冷戦下のアメリカとソビエトの対決。まあこれ以上のシチュは考えられない最大レベルの外野の関心を集めた 問題は一市民であるロッキーが国家間の威信を賭けて戦わねばならない理由だった カール・ウェザース演じるアポロ・クリードはその生贄になった あの出来事が無ければクリードのシリーズは生まれなかったかもしれないし、あったとしても全く違うものであっただろう さてある意味重い流れを引き継ぐ本作はどうだっただろうか。クリードの続編というよりはロッキー4の続編ではなかったか クリードからの流れはある意味、段取りっぽさを感じた。チャンピオンになり、結婚し、子供を授かるロッキー2のような流れから 因縁の強敵ヴィクター・ドラゴに叩きのめされ浮沈を味わうも最後にはリベンジする。ここはロッキー3のようだ 敵地ロシアでの試合はロッキー4の踏襲。流れがほとんどロッキー2から4までのおさらいだったことは残念だ しかし往年のロッキー4好きから見ればどうか。ブリジット・ニールセンが、またもあのイヤな女を演じてくれた 人間性格はそんなに変わらない。男に利用価値が無くなればそれが亭主だろうと息子だろうとさっさと見切りをつけてしまうのだ おかげでロッキー4との地続き感が得られてあれの続きと思うことに違和感がなかった 前作クリードはおろかロッキー・ザ・ファイナルですら地続きと思えなかったので(エイドリアンの死が既成事実であったため)単純にこれは嬉しかったね しかしどっちの息子も親父には華で負けてるね。ここが真面目過ぎるクリードシリーズの残念ポイントなり[インターネット(吹替)] 5点(2020-05-23 23:11:20)《改行有》

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