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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 1993年、ソマリア、モガディシュの戦闘を描いたノンフィクションの映像化です。米軍の精鋭特殊部隊が、ソマリア反PKO勢力の主要人物2名を、30分程度で素早くスマートに拉致しようとしたものの、民兵の反撃にあって泥仕合に発展し、特殊部隊兵18名が殺害されるとともに、ソマリア人の民兵、民間人350~1,000名を殺害するに至った戦闘です。米国側視点の映像ですが、創り手の思想の押し付けは極力排され、市街地戦の現場で実際に何が起きたのか、その緊迫感と惨状を再現することに心血が注がれています。緊張の糸が途切れることなく、見ていて非常に疲れる作品です。DVD鑑賞の場合、途中でトイレ休憩を挟んだりしますが、トイレから戻ってきても鈍い疲労感があり、もう戦場には戻りたくない、という感じで、再び、映画の中の凄惨な世界に戻るのには、ちょっとばかり気合いを必要としました。映像、演技などに緊迫感を壊すようなスキは見られず、作品に没入することができました。序盤わかりやすい死亡フラグ立てがありますが、そういうのも入れないと、キャラの描き分けが弱くなり、知らない人が淡々と死んでいくだけになってしまいますからね。[DVD(字幕)] 9点(2025-02-10 18:25:18) 2. 北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 主人公の男が、人違いで謎の組織から命を狙われる羽目になりながらも、保身のために立ち回り、謎に迫っていくというサスペンスです。豪華で壮大な展開と、細かくちりばめられたユーモアが絶妙です。主役のケーリー・グラントは、ユーモアの効かせ方を非常に心得ています。ヒロインのエヴァ・マリー・セイントのしおらしさもポイントです。楽しいシーンも盛りだくさんですが、やはり、複葉機に追い立てられるシーンですかね。画面の端の方で、農薬を撒いたりしながら、背景として馴染んでおいて、タメにタメて、ドッカーンという感じですね。笑ってしまいました。娯楽映画として、非常に良くできていて、余計なことを考えずに楽しむことができました。[DVD(字幕)] 8点(2024-12-26 17:41:00) 3. マーズ・アタック! 《ネタバレ》 UFOで地球にやってきた火星人に対して、平和的な交渉を試みようとする米国大統領(地球代表)。それを見透かした火星人と、地球人が繰りなすドタバタコメディ(死者多数)です。冒頭の馬が走ってくる映像は神秘的で、非常に期待させるものがあります。が、中身はただの悪ふざけでした。緊張感ゼロなのがいいですね。お茶噴きました。[DVD(字幕)] 6点(2024-12-26 17:35:46) 4. エクソシスト ディレクターズカット版 《ネタバレ》 悪魔に取り憑かれた少女がスライムを吐いたり、逆さ蜘蛛歩きをするシーンは、あまりにも有名です。私もそのイメージしかなかったので、古典としてきちんと見ておくべきだなと思った次第です。イラクの遺跡発掘現場から始まり、実直で生真面目なシーンが続きます。話の展開は、遺跡から甦った悪魔が少女に憑依し、その悪魔を祓うべく、悪魔とキリスト教神父が、壮絶な精神戦を交わすというものです。ホラー作品としては、静かで、暗く、厳かで、格調高く、演出過多に陥っていないところがいいのですが、今の感覚で見ると、もう少しエンターテインメントとして、色気があったほうが楽しめるかな、とも思いました。ただ、サブリミナル的に入ってくる映像は、作品の厳かさを損なっていると感じました。ディレクターズカット版で追加されたようですが、余計でしたね。[DVD(字幕)] 7点(2024-12-04 20:12:44) 5. レナードの朝 《ネタバレ》 原作の医療ノンフィクションは未読。原題は「Awakenings」。邦題は詩的でさわやか過ぎて、個人的には今一つ。岸田智史の「きみの朝」だよが頭に流れてしまうようなイメージ。飾りのない原題の方が、内容にマッチしてると思います。嗜眠性脳炎患者(表情が硬直、人間的な精神活動はほぼ停止)に、新薬を投薬したところ、劇的な効果があったものの、徐々に薬が効かなくなり、元通りに戻ってしまうというような話です。原作未読なものの、相当に脚色されていることは容易に推測できます。結果的に、既存のSF作品である「アルジャーノンに花束を」に近づきすぎてしまい、鉄板の感動は得られているものの、同時に二番煎じ感も否めないという、手放しで称賛できない複雑な気持ちになってしまいましたかね。ロビン・ウィリアムズは適役でした。[インターネット(字幕)] 5点(2024-06-20 18:25:01) 6. パルプ・フィクション 《ネタバレ》 バイオレンス映画なのでエグい描写も多いのですが、痛みをほとんど感じないというか、映像が小綺麗な感じで、B級感というよりはA級感が漂ってるんですよね。表現として、それはそれで面白いと思えるのですが、新規性があると言えるのか、従来の延長線上でしかないのか、私にはよくわかりません。洒落たやりとりがごく自然に交わされ、見ている間、飽きることはありませんが、腹痛くなったり、茶噴いたりするほど大笑いすることもありません。特に主張がある作品でもないので、押しつけがましさは感じませんでしたが、その分感動することもなく、まとまってないようで、なんか上手いことまとめたような。なるほどなぁといった感じの作品ですかね。[DVD(字幕)] 7点(2024-06-04 19:26:14) 7. ロビン・フッド(2010) 《ネタバレ》 12世紀のイギリス・フランスあたりを舞台にした、いくさ物語です。ロビン・フッドについては、ほとんど前知識がなく、せいぜい榊原郁恵を思い出すくらいですが、いざ始まると、木造の人力戦車をわっしょいわっしょいの肉弾戦。下っ端肉弾が油の袋を敵陣に仕掛けて、炎の矢で射貫いて炎上などなど。細部までこだわった迫力のある絵の連続で、2時間半という長さは全く感じませんでした。銃がない時代なので、飛び道具としては弓矢が主流で、近接戦では剣が主流。騎馬隊もいますが、下っ端は歩兵。封建制、荘園制の時代なので、王や領主がアホだと農民が飢え苦しめられるなどなど、日本の時代劇との類似性が垣間見られ興味深かったです。なかなかイメージしにくい時代を可視化することは、何にせよ貴重なことです。物語が淡々と進みすぎて、あまり感情移入ができず、心が動かされなかったところは難ですが。[映画館(字幕)] 6点(2024-06-04 19:21:38) 8. ウェルカム・トゥ・サラエボ 《ネタバレ》 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1992年~)の一断片を、戦場ジャーナリストの体験にもとづき映像化した作品です。戦争の当事者でないイギリス人による作品ですが、部外者がわきまえるべき“分”を踏み外すことなく、脚色すべきところは脚色し、うまく作品化しているのではないかと思います。主人公は、イギリス人の戦場ジャーナリスト。紛争の惨状を伝えるのが仕事ですから、殺傷の情報が入ると、現場に駆けつけて撮影をします。こうして、主人公の視点で、紛争の悲惨な状況が映し出されていきます。主人公がカメラマンを引き連れて、街の通りに駆けつけると、凄惨な実録映像につながり、一瞬にして、銃撃を受けた市民達が、道端に転がり、うごめく地獄絵図の世界に放り込まれました。ゾクッときました。[DVD(字幕)] 7点(2024-05-08 19:30:24) 9. 太陽の帝国(1987) 《ネタバレ》 原作未読です。舞台は1941年から1945年までの上海。主人公は上海租界に住むイギリス人少年で、ゼロ戦の模型を肌身離さず身につけている飛行機っ子。イギリス人居留地に日本軍が侵攻した際に、避難民の群れに流されて、少年は、両親と離れ離れになってしまい、そこから少年のサバイバルがはじまります。最終的には日本軍が管理する民間人収容所?に収容されますが、貧しいながらも、食料と安全と行動の自由がそこそこ与えられており、その中で、したたかに成長していく少年の体験記となっています。連合国側の立場でありながら、日本に対して敵国としての先入観のない少年による戦時の記録という意味で、他にあまり類がなく貴重だと思います。また、上海租界の街の雰囲気、群集シーンの迫力など映像は見ごたえがあります。だが、しかし、エンターテインメントとして、あまり面白くないのですよね。それぞれのエピソードをうまく束ね切れていなくて、推進力がない感じです。日本軍人役を伊武雅刀やガッツ石松など日本人が演じているなど、それなりにリアル志向の作品で、日本人以外が見てもなんら違和感はないのでしょうが、それでも日本人が見れば、おかしな描写が多々あり、それはそれで楽しめます。[DVD(字幕)] 6点(2024-04-22 18:49:32) 10. ローマの休日 《ネタバレ》 戦後の作品なので、めちゃくちゃ古いというわけではないのだけれど、映画にとっての古き良き時代を思わせる作品です。ヨーロッパの王女が、公務に嫌気が差して、ローマの街に抜け出して、たまたま通りすがった新聞記者と、たった一日だけのデート&恋愛もどきをするという、今日的には、娯楽として成立させることはちょっと難しいと思うくらいにシンプルなストーリーです。当時は大衆に向けた種々の情報が、現代とは比べものにならないくらい少なかったでしょうから、異国情緒溢れる古都ローマでのロケを行ったことだけでも、見せ物的な価値が高く、娯楽となり得たのだと思われます。大衆向け情報メディアとしての映画のプレゼンスが、段違いに高かったのだと思います。アクションに迫力がないのは、当時の技術的に仕方がないと思いますが、それを補うためなのか意外とバイオレンスです。結構、これは新鮮な驚きで、笑ってしまいました。通りすがりのハゲ親父が、祝福の名の下に、いきなり口にブチューと吸い付いてきたりするのも相当ダメージの残るバイオレンスだなと感じました。一期一会の恋に、深みを求めてはいけないとは思いますが、初々しさとか、ドキドキ感みたいなものが、演出されることもなく、そもそも、あまり求められてもいないと思われるところが、ちょっと興味深いところですかね。[DVD(字幕)] 5点(2024-04-22 18:39:31) 11. メメント 《ネタバレ》 ドラマチックなストーリーづくりのための便利アイテムとして、「記憶喪失」は、実に多くの作品で使い古されてきた感があります。本作は、前向性健忘症(ある時点から新しく記憶をすることができない)という、これまであまり馴染みのなかった種類の記憶喪失を患う主人公の心理状態および行動を話の中心に据えて、時間軸を逆転させて描写することにより、受け手に対して、主人公と同様の混乱状態を体感させることに成功しています。他のご都合主義的な記憶喪失ものとは完全に一線を画していると言えます。受け手は、主人公に同化し、感情移入するも、作品が終わった時点で、記憶を辿り、事実をつなぎ合わせて、このストーリーを終わらせることができます。一方、主人公は、記憶障害により、それができないため、ストーリーの中の無限ループを彷徨うことになります。人間の記憶とはあやふやなもので、しばしば都合良く書き換えられるもののようです。では、書き換えたい記憶がそもそもない場合どうなのか?その一つの答えとして、たいへん興味深いです。[DVD(字幕)] 8点(2024-04-14 17:38:12)(良:1票) 12. 若草物語(1949) 《ネタバレ》 四姉妹の物語ということくらいしか知りませんでしたが、苦手な分野かと思って敬遠気味でした。ですが、古き良きアメリカが詰まっていて、登場人物のキャラも立っていて、話の流れもスムーズで、過剰にドラマチックであったり嘘臭さかったりもせず、要所に笑いがちりばめられていて、とても楽しく見られました。また、絵づくりが素晴らしく、どの場面をとっても、絵画から切り取ったようで、パステル調の落ち着いた色彩には癒やされました。[DVD(字幕)] 8点(2024-04-14 17:35:21) 13. デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 TOTOが音楽で参加しているのは聞いたことがあったのですが、映画を見るまでには至っていませんでした。さて、作品の感想です。確固とした設定がありそうな雰囲気ながら、実に説明不足で、原作はさぞかし壮大な世界観のSFなのだろうなと思わせます。ですが、その壮大な世界観が、ストーリーとうまく絡むところがなく、奥行きがまったく感じられない、そこら辺に転がる勧善懲悪ものに成り下がっているようです。SFとしての新鮮な驚きがほとんどなく、ワクワク感もありません(スティングが出てきたときは想定外でかなり驚きましたが)。部分的には、ちょっと面白いところもあります。宙に浮かぶデブのおできの汁の描写や、唾液をまき散らしながらしゃべる熱演です。ヒーロー達の鼻チューブコスチュームも少し斬新です。[DVD(字幕)] 3点(2024-03-22 18:34:35) 14. ソウ 《ネタバレ》 昔、フラッシュの謎解き脱出ゲームにハマッたことがありますが、本作は、まさに脱出ゲームを映画化したような作品です。CUBEに類似していますが、本作の特徴は、タイトルにあるように、ゲーム作者が、プレーヤーのプレーっぷりを”見る”ことにこそ、最大の価値を見いだしていること。模範的ゲーム作者として当然の欲求で、まあ、わからなくもないですけどね。やっちゃいかんですけど。終盤にかけての盛り上がりと、そして強烈な印象を残す終劇、すばらしいです。[DVD(字幕)] 8点(2024-03-22 18:32:21) 15. プライベート・ライアン 《ネタバレ》 冒頭、マルエツとかライフあたりで購入した服を着た人達が墓参りをしているシーンから始まります。そこから一気に1944年6月6日、オマハ・ビーチに向かう米軍上陸用舟艇内に場面が移り、息をつく間もない怒濤の上陸作戦の中に投げ込まれます。海岸に設置されたトーチカから発射される銃弾のシャワーの中、後続部隊に場所を空けるためにも、累々と積み重なる屍を超えてとにかく前に進むしかないという地獄絵図を体感するだけでも相当な価値があるというものです。話の中身は、兄弟全員が戦死したと母親に報告するのは忍びないとする軍上層部の命令により、4人兄弟の中で、まだ生きている可能性のある1人を、混乱する戦線の中から探し出して、無事帰還させる任務を与えられた兵士達の物語です。この部分はフィクションだそうで、実際あまりリアリティはないのですが、現場を知らない上官による、美談づくりのための不合理な司令などは、いかにもありそうなことで、そのへん皮肉が効いています。終盤、再び現代の墓地のシーンに戻るのですが、月並みな構成ではありますが、ここで時の流れが凝縮されて、ドンとぶつかって来て、グッときます。冒頭と末尾の墓地シーンでは、風にはためく星条旗が大写しになるのですが、これは、本作が星条旗の下に死んでいった兵士達への弔いであること、そして、あくまでアメリカ合衆国からみた戦争の一端であることを潔く示しているものと私はとらえました。ことさらUSA!アゲとかUSA!流ごり押しとかではないと思います。[DVD(字幕)] 9点(2024-03-22 18:30:56) 16. キャリー(1976) 学園ものの要素、オカルトものの要素、ホラーものの要素、それぞれ素材が持っている味を生かしたまま、うまく組み合わせたことにより、シンプルにメリハリの利いた気持ちのよい仕上がりとなっていますね。基本、この時期のアメリカンなハイスクールは好きですよ。刷り込まれた実体のないイメージなのですが、懐かしさすら感じます。それにしても・・・いじめっ娘 かわいいよ いじめっ娘。キャシー かわいくないよ キャシー。[DVD(字幕)] 7点(2024-03-22 18:12:12) 17. トラ・トラ・トラ! 《ネタバレ》 真珠湾攻撃に至るまでの日米の外交と軍の動きを史実に基づき再現した作品です。監督、脚本ともに日米両陣営が名を連ねており、この手の映画としては、珍しく公平で客観的な作品になっているようです。スポーツマンヒップにもっこったような、もとい、スポーツマンシップに則ったような、清々しさすら感じさせる戦争映画です。ただし、公平な視点と、史実を重視したために、登場人物がやたら多くなり、物語が散漫になっていると感じました。それぞれの立場における様々な思惑が同時に渦巻いて、事が進行していったのは間違いないのでしょうが、エンターテインメントとしてこれを魅せるのは、なかなか難しいものだと感じました。真珠湾攻撃のスペクタクルは圧巻の一言。ですが、途中に挟まる役者の演技シーンが別撮りで、これがどうも照明が明るすぎ、セットの軽さが強調されて、壮大な景色から浮いてしまっています。今ならばデジタル処理で後からいくらでもいじれるのでしょうが、当時の技術だとそうも行かず、致し方ないのでしょうね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2024-03-11 17:51:59) 18. 女王陛下のお気に入り 《ネタバレ》 18世紀初頭イギリスに実在したアン女王とその側近をモデルにして、2人の側近女性による側近頭の地位を巡る争いを描いた作品。同監督による「籠の中の乙女」、「ロブスター」は、すでに鑑賞済みで、それらでは、監督のいい意味での変態的感性とユーモアの感覚が、うまくエンターテインメントに直結しているのが感じられ、その鬼才っぷりに驚いたものですが・・・本作は、お金をかけて、豪奢な宮殿の詳細を丁寧に再現し、役者もそれにこたえてよくやってるのはわかるものの、いかんせん、おふざけ要素がほとんど盛り込まれていないので、エンターテインメントとしては楽しむことができませんでした。だからと言って、英国の宮廷の狭い世界の話なので、いいこと学んだわぁとか、歴史の味方が変わるわぁとかの、時代物としての魅力もあまり感じられないのですよね。[インターネット(字幕)] 5点(2024-03-08 18:16:35) 19. プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 ファッション誌のカリスマ編集長のアシスタント(秘書)に就職した女性主人公が仕事に恋に悩みつつ奮闘するという話。テンポがよいし、キャラクターもわかりやすくて魅力的。かなりオーバーな脚色があるだろうとは思いつつ、ファッション業界最先端という縁遠い世界を、ペーペーの新入社員の視線から、楽しく見ることができました。難を言うとすれば、事故でケガしてしまうところは、随分都合が良いというか、お互いに不可抗力で、あまり恨んでも仕方ない状況となってしまっていて、かなりのぬるゲーに変貌してしまったところですかね。あと、パリに行ってからは、展開が駆け足過ぎて、置いてかれ気味でした。さわやかイケメンの無駄遣い感(笑)それにしても、鼻水ジュクジュクのエミリーかわいいよ。脚の骨折って、顔擦りむいたエミリーかわいいよ。[インターネット(字幕)] 6点(2024-03-08 18:15:03) 20. 脳内ニューヨーク 《ネタバレ》 舞台劇の監督をしている中年のおじさんが主人公です。現代人の抱えるストレス、人生の苦みを、受け手があまり鬱屈した気分にならない程度に、適度なウィットをまじえて描いていきます。脚本があまり前にしゃしゃり出て来ないで、丁寧なキャラクターづくりと、役者の理解と技量で、何とはなしに創り出される空気感で勝負できている作品だと思います。娯楽作品にありがちな、客を飽きさせてはならないという強迫観念に捕らわれたことによるマンネリ化とは、まったく無縁です。刺激的でとても面白かったです。邦題から、軽めのおちゃらけ映画かなと思っていたのですが、もうちょっと渋めで深めでした。ちなみに原題は「Synecdoche, New York」で、もうちょっとスマートです。[DVD(字幕)] 8点(2024-03-05 18:49:25)
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