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プロフィール |
コメント数 |
75 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
かなりゆっくりですが、気まぐれにぼちぼちレビューしていきます。文章がヘタクソで背伸びして書いてますが大目に見てください。ストレス発散のため感情の捌け口として、ささやかな自己満足でレビューしておりますが、結果的に皆様を楽しませ、映画鑑賞のお役に立てれば幸いです。安っぽい正義感をふりかざしたような偽善的自己陶酔レビューが多いです。 「すべての作品を尊敬する謙虚な姿勢を失うことなく」、楽しみながら、かなり感情的なレビューをしております。クソ映画の弾劾は覚悟と労力を要し、めんどくさいので、あまりする気がありません(すべきなんでしょうけど)。基本的にお薦め作品の賞賛です。
大島渚「悦楽」、オリヴェイラ「神曲」、若松孝二「処女ゲバゲバ」など自分が新規登録要望した作品をレビューしてません。申し訳ありません。内容あるレビューをしたいと思ってたら腰が引けて時間がたってしまいました。とりあえず形だけでもこれからレビューしていきます。 |
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1. 叫びとささやき
以前テレビで楳図かずおの部屋が紹介されてましたがどこもかしこも真っ赤でした。あんな部屋にいたら少しは精神的に影響があるかと思います(楳図作品から想像するに・・)。私は本作を観てる間、妙に不安で落ち着きませんでしたが、赤い部屋の影響かも?と思ってしまいました。本作は何事も起こりそうにないほど静かなのに、何が起こってもおかしくないと感じられる恐怖に近い緊張感が画面から伝わってきます。ベルイマンを観た後ではそこらへんの監督に対してセンスがあるなどと褒めるのは恥ずかしくなります。宗教や人生の意味などに関する思想については、私には語る能力がありませんので、以下、自分に引きつけた私的な感想を述べたいと思います。私は特に登場人物の徹底的な孤独に心揺さぶられました。妹に触れられることすら拒否するコミュニケーション不全のくせに人格同一化のような親密な愛を求め、偽善を徹底的に憎む長女。偽善を肯定し、愛に対する諦念が心にひそむ三女。凄まじいくらいの孤独を目にして心が痛いです。監督は愛や人間同士のつながりを徹底的に疑いながら、それでも必死に(次女が姉妹にすがりつくように)奇跡のようなものを追求しているかのようです。人間は普段こんな突き詰めたところで生きちゃいないでしょう。正常な人間は描かれてないのかもしれません。でも私は、私自身が人間失格なのかもしれないけど、この映画に真実を突きつけられてるような気がするのです。10点(2004-08-03 22:38:38)(良:1票)
2. サクリファイス
私のタルコフスキー初体験はこの彼の最後の作品でして、その後「ノスタルジア」を鑑賞し、遡るように観ていきました。当時、これまでなんでこの監督の作品を観なかったんだと悔やんだものです。マニアの方はこの作品に10点つけるのはわかってねえな、とか思うでしょうし、嫌いな人は高尚ぶりやがってと思うのでしょうが、初体験の衝撃が忘れられないんですよ。すげぇ、こういうの観たかったよぉ~って感じ。「自分にはわかる」みたいな身の程知らずな自惚れた自己満足に浸っているのかもしれません(すべての芸術への感動にはこの自己満足が大なり小なりつきまとうと思いますけどね。)。しかし、そんな簡単に私ごときに理解できるわけありません。すごく感じるのはこの作品は(他のもそうだけど)監督のかな~り個人的な体験や思いと切り離せないということです。一個人にはおこがましい世界救済の誇大妄想なんてガキの頃はよく頭に浮かぶと思うんですが(そんなことないですか?)、この話はガキの頃見た夢の話みたいな個人的妄想に近いのでは?と思います。でも、私なんかも冷戦末期の少年時代にはよく頭に浮かんだ核戦争勃発という妄想は、冷戦を生々しく切実に生きてきた監督からすれば実体験に近いのかもしれません。差し迫った自らの死を見つめているかのようですし、鬼気迫るものが感じられます。語ると陳腐になるし、私みたいなバカはもうあまり語る言葉を持ちません。この映画の鑑賞は嬉しい未知の体験でした。よく眠くなるって言われるけど、そうかなぁ?。「理解するのではなく感じる」というのは思考停止の欺瞞だと思ってんですが、タルコフスキー映画はそういう鑑賞態度でつい観てしまいます(自分にはなかなかわかんないから。悪あがきはしますが。)。圧倒的な詩的映像美は私が語ると嘘っぽいし、私が語るまでもないですが、好き嫌いが分かれるようなレベルを超えちゃってる(分かれるでしょうけど)と思いますよ。ほんとに。10点(2004-03-07 21:14:17)
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