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1. マチェーテ
《ネタバレ》 妄想でなら描けるセガールの悪役、無双セガールが無惨にやられる様に、まさかの最大のカタルシスがある。そんでもって結末には、デニーロが残念な姿で不甲斐なく殺される。この類いの感動?とはちょっと違うけど、近代ハリウッドの歴史を築いてきたであろうスター俳優がこんな形で共演し、なおかつ、ある意味では自分のキャリアの延長線上で最もタブーといえるものに挑戦したその志を評価せずにはいられない。おまけぐらいではあるけど、薬中のリンジーさんも薬中役+αで出演している所もシュールで好き。ストーリーは馬鹿に振り切っているように見えるが、本質の部分の作りはとても丁寧。ただそこを本気でふざけているだけの事。とってもを好感を持ちました。ただ、一つだけ気になる事があるとすればグロがエンターテイメント性以外の意図を含んでいるように見えないのは、個人的にはすごく嫌いなので総合的な評価は下げざる得ません。[DVD(吹替)] 7点(2012-08-03 03:39:58)(良:1票)
2. 街のあかり
のっぺりとした表情の変化の無い演技、独特なMの使い方、極端に少ない台詞、奥行きの無い狭い構図。どこを切り抜いてもやはり奇抜で斬新、そして唯一無二であることは観ればわかる。その演出が齎すのは、それとは対照的な場合が訪れた時に飛躍的な感動を感じることができる。例えば、刑務所内で主人公が笑う。カリウスマキ監督の演出ではないような笑い方。この瞬間、思考がフル回転する。なぜこいつは笑った?そんなに会話が楽しいのか?そっちの世界はそんなに住みやすいのか?あれだけ仲間のいないお前がなぜそんなに溶け込んでいるんだ?その演出が後に繋がってくることは無かったが、なぜかそこにグッと引き込まれた。感情は台詞やナレーションで言うのはすごく簡単で、それを安易にしてしまうと押し付けがましく、受ける側は考えなくなり、思考を止め、感情移入しなくなる。この作品にそういった説明になるような感情の描写は台詞だろうが、表情だろうが、そんなもん一切無い。あるのはほんの少し、微かに垣間見える動きである。「全て終わった…というのは嘘」という台詞が示すように、この台詞は感情の説明ではない。ではなんなのか。この主人公の人生である。そう感じ、考える事がこの台詞からは出来る。それが台詞というものなのだと改めて考えさせてくれる。このアキ・カリウスマキという監督は一見、めちゃくちゃなことをやっているのだが、彼は映画の基本をしっかり踏まえて、全ての演出を行っている。それが本当に素晴らしい。だからこの作品は素晴らしい![映画館(字幕)] 8点(2007-12-02 01:49:53)
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