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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
21. トンネル(2001) 正直、前半は若干かったるかったのだけれど、後半盛り上がってきて良かった。西ドイツに逃れた人々の家族や恋人に対する熱い想いには胸を打たれたし、東ドイツ当局との駆け引きのくだりもドキドキさせられる…しかし(以降映画の話から脱線)、東ドイツと西ドイツは統一されたが、もっと近くには未だ分断されたままで、しかもかつての東ドイツとは比べ物にならない程の酷い状況で暮らしている人々もいるという事を思わずにはいられない。自らの危険を顧みずに脱北者の支援活動をされている方々に、心からのエールを送ります。8点(2004-08-09 19:34:43) 22. 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス まるで世界の一流シェフの料理を一口ずつしか食べさせてくれない、みたいな「もっと、腹一杯食わせろー!」と言いたくなる感じはあるけど、その分よ~く噛んで味わえば良いわけで(というか、最近は映画でも食べ物でも、「噛まないでも食べられる」ものが多すぎるのだ)、後からじわじわ余韻が来る感じかな。人によってどの作品が良かったかは違うと思うし、またそれを話し合ったりするのも楽しいと思う。僕としてはジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、チェン・カイコーの作品が割と好き。でもやっぱ凄い!と思ったのはヴィクトル・エリセのかな。音と映像のリズムがまるで韻律を持った詩の様で、まさにめくるめく映像体験。ちなみにエリセというと10年に一度のペースでしか作品を発表しない作家、というイメージがあるけれど、これは意図的なものでないらしい。実際、前作「マルメロの陽光」以降にもいくつか企画があったらしいのだけれど(恐らくは予算の都合などで)、ポシャってしまったらしい。うむむ、もしどっかの企業がエリセの新作をバックアップしたら、絶対世界中の映画ファンに感謝されると思うけど・・・ライブドアの社長さん、どうかなあ?スペインの物価は分からんけど、きっと10億円くらいあれば充分だと思うし、同い年のよしみでお願いしますよお。7点(2004-07-31 15:56:13)(笑:1票) (良:1票) 23. ターミネーター3 正直期待していなかったけど、最終的には面白かった・・・かな。なんか素直に褒めてしまうのが悔しいような気もするんですけどね(企画としてあまりにも安易、かつ金儲け主義の臭いがプンプンするし)。前作、前々作にあった独特の質感は望むべくもないし、ジョン・コナー役の人を見てびっくり、ヒロイン役を見て二度びっくり(さらに彼女が1979年生まれだということを、後でパンフレットで知って三度びっくり)、それに前は気にならなかった「タイムトリップものとしてのSF的考察はどうなってんだ?」という疑問も脳裏によぎるし、「なぜ今回ターミネーターが送り込まれたのか?」がなかなか明らかにされないし・・・という風に前半は突っ込みまくりだったのですが、まさかあんなオチとは・・・。ある雑誌では「冷戦が終結し、新たな問題が世界を覆っている現代の作品として、特に目新しい視点もないし、あまりに牧歌的SFで終わっている」ってなことを書かれていましたが、これはこれでいいんじゃないでしょうかねえ。つまり「世界はどんどん悪い方向に向かっている。それはほとんど不可避の事態である。しかし我々は生きなければならない」というメッセージが込められているのかなーと僕は解釈したんですが。ともあれジョナサン・モストウ監督は様々な悪条件の下、よくぞこれだけの作品を作ったなあ、という感じです。でも、続編はさすがにこれが限界じゃないでしょうかねえ。次を作るとしたら単なる機械対人間のお話になってしまうだろうし、そうなるともはや「ターミネーター」シリーズとは言えないだろうし・・・。まあこのまま続編を乱発して「ポリスアカデミー」みたいな悲惨なことになっちゃうのを見てみたい、という意地悪な気持ちもありますが・・・。<追記>最初9点つけてたんですが、冷静に考えると見終わった後のあのドキドキは映画のためでなく単に体調が悪かったからじゃないか、と思えてきたので7点にします。すまん、シュワさん。7点(2004-06-23 21:17:54) 24. マイ・リトル・ガーデン 言ってみれば「戦場のピアニスト」の子供版なのだけれど、「ロビンソンクルーソー」を愛読している主人公が自分とロビンソンクルーソーを重ね合わせて必死にサバイバルする姿は(不謹慎な言い方かもしれないけれど)ある種スリリングな冒険のように思えました。尚且つラストで実話に基づいた話というのを知ってびっくり。なのだけど・・・困ったなあ。えっとほら、特に欠点とかは見つからないけどいまいち話に入り込めない時とか感情移入できない時ってあるじゃないですか。この作品もそんな感じ。いい話だとは思うのだけれど・・・。6点(2004-06-19 19:30:35) 25. サンダーパンツ! この作品、多分90%の人にとっては「しょーもない映画」で、9.9%の人には「笑える映画」、で、僕を含む0.01%の人間にとっては「感動作」。「この作品の良さが分からないような人とは友達になれない」などと器量の狭いことを言うつもりはないけれど、もしこの映画で感動して号泣した人がいたら、その人とは末永い付き合いができるような気がする。8点(2004-06-01 18:36:32)(良:1票) 26. 名もなきアフリカの地で 「ビヨンド・サイレンス」もそうだったけれど、カロリーネ・リンクの作品は登場人物をある程度突き放して描いているので(例えば、登場人物の嫌な面とかも淡々と映している)、ある意味感情移入しにくいし、いわゆる「泣かせ」の映画にはならない。ただ、そこで描かれる人間たちは単なる善人・悪人と色分けできない陰影・繊細さと魅力がある。「ビヨンド~」が単なる「障害者モノ」でなかったように、第二次大戦下のユダヤ人家族を主人公にした本作も、その歴史的事実よりも「人間」に焦点が置かれていて、結局この人が描きたいのは、極限的状況に置かれた夫婦の姿とか、家族の「絆」とか、そういう「人間(達)」の生み出すドラマなんだなあ、と思う。個人的にはアフリカの地でたくましく成長する少女が「ビヨンド~」の少女の姿と重なって好感が持てた。蛇足だけど、この監督の作品って裸とかベッドシーンとか出てきても、あんましイヤらしくならないのが面白い。8点(2004-05-22 19:50:53) 27. レボリューション6 たまたま「グッバイ、レーニン!」を観た後だったので、テーマ的にはとても興味深かったです。映像と音楽もかっちょ良い。後半での刑事の「右と左の闘いは終わった。今は勝ち組と頑固な負け組との闘いだ」という台詞が印象的。確かに左(ソ連をはじめとする共産圏)は地滑り的に敗北したけど、世界は相変わらず暗中模索です。7点(2004-04-24 16:30:31) 28. ルムンバの叫び 【もっち~(←にょろ)】さんと同じく、僕もコンゴに関する知識は殆どないまま観てしまったのですが、欧米諸国の都合に翻弄された元植民地というのは、コンゴ以外でもアジア・アフリカ、あるいはアラブでも未だに引きずっている問題だと思うので、非常に興味深く観ました。日本だって坂本龍馬や勝海舟がいなかったら、おんなじことになってたかもしれないしね。7点(2004-04-24 16:29:59)(良:1票) 29. 聖なる嘘つき/その名はジェイコブ うーん、微妙。なんかッ設定が凝りすぎって感じが・・・。6点(2004-04-24 16:29:28) 30. 怒りの荒野 いわゆるマカロニ・ウェスタンというのを観たのはこれが最初なのですが、胡散臭い中にも独特のバイタリティ・猥雑さに溢れていて良いですねー。不遇の立場にある主人公が師匠を得て、そこから這い上がってくる、というストーリーはジャッキー・チェンの初期のカンフー映画のようで魅力的でした。それに、なんつってもタルビー役のリー・ヴァン・クリーフが渋くてカッチョ良くて、大人っぺー雰囲気でした。7点(2004-04-07 18:06:19) 31. エーミールと探偵たち うーん、最初の方は良かったんだけどなあ。何とか現代風にアレンジしようとするのは分かるのだけれど、ヒップホップの曲を取り入れているところとか、オトナが無理して子供に取り入ろうとしてるみたいで今イチ。高級レストランの子供たちの振る舞いとか、可愛いというより憎ったらしいって感じだし。でも最後、犯人を追い詰める為に子供たちが取った手段があまりにも大らかで可笑しかったのが辛うじて救いでした。6点(2004-02-24 18:21:25) 32. マニトの靴 うぷぷ、登録済みでしたか。「マカロニ・ウェスタンならぬソーセージ・ウェスタン!」という事でまあ、しょーもない映画ではあります。僕はイマイチ乗れなかったんですけど、好きな人は好きかも。それにしてもこれが本国ドイツで「ノッキン・オン・ザ・ヘブンスドア」等の観客動員記録を抜いたってのはちょっとオドロキ。動員記録って、あんましアテになりませんね。もっとも「踊る大捜査線~」を観たドイツ人もおんなじ事思ってるかもしんないから、まあ、アイコですな。4点(2004-02-17 16:40:27) 33. ハンネス、列車の旅 時刻表マニアのてっちゃん(注:鉄道マニアの愛称)が主人公のちょっと変わったロードムービーです。正直途中ちょっとかったるい部分もあるけど、鉄道の最短距離を見つけるのを競う大会の決勝戦のシーンが個人的にかなりツボに入りました。世間的に見たらかなりマイナーな分野なのに当事者達は物凄い真剣っていうのが人間の間抜けでちょっと切ない感じを表してて、笑えるけど、フッとしみじみします。主人公の「最後の選択」も、現代のスピード重視の社会を風刺してるようだったし。ところでヒロインの人はアキ・カウリスマキの「マッチ工場の少女」に出てた気がするけど、誰だっけ?6点(2004-01-14 18:22:01) 34. バンディッツ(1997) プレスリーの「監獄ロック」を挙げるまでもなく、ロックと監獄(囚人)は相性がいいのだけど、この作品も素晴らしくカッチョよく、しかもクールであっついあっついロック映画に仕上がっていますね。特に演奏シーンがやたらかっこいい!メンバーの女性達も、特に美形という訳ではないけど、すごく表情が魅力的で素敵でした。ちょっとアメリカン・ニューシネマっぽいラストも印象的です。8点(2003-12-25 22:10:16) 35. ヨーロッパ まだラース・フォン・トリアーがドグマを取り入れる前の作品ですが、いきなりの催眠術風語り(『あなたは、今ヨーロッパにいる』というナレーションによって、観客と主人公を同化させる)や、モノクロ(パートカラー)のコラージュ的映像など、彼の「鬼才」ぶりがひしひしと伝わる作品でした。物語は第二次大戦直後の米軍統治下のドイツを舞台にしていて、ラース・フォン・トリアーのアメリカに対する独特の拘りを感じさせるし、現在のイラクの状況と比較すると興味深いものがあります(あと、この作品を今の時期に放映したBS-NHK担当者の意図も感じられる)。映画の中のナチといえば文句なしの「絶対悪」として描かれることが多いし、実際ポーランド侵攻やユダヤ人に対する迫害・虐殺は許しがたい犯罪ではありますが、そもそもナチが生まれた背景には第一次世界大戦における戦勝国の無茶な補償要求もあったんですよね。そういう、何が善で何が悪なのか決め付けることができない状況の中、なす術もなく運命に飲み込まれていく主人公のラストは衝撃的でした。7点(2003-12-23 15:12:21) 36. アム・アイ・ビューティフル? 人生、そして人間同士のコミュニケーションのしんどさ、うそ臭さを描きつつもあんましイヤな気持ちにさせられない、ちょっとユニークな群像劇でした。でも群像劇というだけあって人がいっぱい出てくるので(当たり前だ)、ちょっと疲れちゃいます。6点(2003-11-16 20:01:23) 37. 戦場のピアニスト 凄い迫力の映画でした。あっという間に60年前のポーランドに引き込まれてしまった感じです。それに「従順に」と言いたくなるほどあっさり殺されてしまうユダヤ人たち。はっきり言って観てて楽しい映画ではありませんね。確かに「逃げ回っているだけ」の映画ではありますが、実際あのような状況下で英雄的行動をとれる人はごくわずかでしょう。最後のピアノの演奏シーンは、ポランスキー監督の虚無や絶望をよく表していると感じられました。8点(2003-11-14 18:43:53) 38. SWEET SIXTEEN ケン・ローチの社会派という評判は聞いていたし、井筒監督が「泣けまっせ。観なさい!」と言ってたし、期待してたんですけど・・・うーん、いい話だったけど、何と言うか、微妙にはぐらかされてしまった感じでした。少し時間を空けて、も一回観てみます。7点(2003-11-07 15:02:05) 39. ベッカムに恋して 邦題のせいで、ベッカム人気に便乗した映画のように思われてるかもしれませんが、なかなか面白かったですよ。サッカー好きなのにインド系移民でしかも女の子という二重のハンデを背負ったヒロイン、という設定は興味深かったし、なによりキーラ・ナイトレイを始めとしたサッカーをする女の子たちが魅力的(あだち充ばりの「サービスカット」も有)。ただ、話が後半になると割と展開の予想できる普通の話になっちゃうのが残念。あと、ラストはどことなく「ブルース・ブラザーズ」を意識したような感じでしたが、そんならもっとギャグっぽい感じを前面に出してもよかったんじゃないかな。そこがちょっと中途半端な感じでした。6点(2003-10-22 21:32:03) 40. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 音楽はあんまり聴き慣れてるタイプじゃないけど、お爺さんたちはイカしてました。6点(2003-10-07 15:58:43)
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