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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 愛を読むひと 《ネタバレ》 原作は読書済み(薄かったし)。ハンナをどうケイト・ウィンスレットが演じるのか、スティーヴン・ダルドリー監督がどう映像化するのか、興味があり観ました。ケイト・ウィンスレットは素晴らしかった、の一言。特に、マイケルと一日郊外へ行く途中に立ち寄ったレストランでメニュー表を前にする場面では、観てるこちらにも彼女の不安がひしひしと伝わりました。裁判の場面でも、あの部屋で圧倒的な存在感で熱さを感じさせた以前のハンナとは異なり、小さく、でも凛と正していた背中を見せていたのには感心しました。しかし、原作ではセピア色に感じていたマイケルの少年期も、本作では結構明るいライティングだったりと、少しガッカリしたのも事実。何より、最後の会話となるハンナとマイケルの電話のシーンや、ハンナがプールの向こうで佇むシーンなど、原作の一部を端折られたのは残念な気持ち。そしてマイケルが、原作にはほとんど登場してない娘に語り次ぐという構成には、なんとなくマイケルが救われたようで、ちょっと納得できなかったです。苦みを抱えて生きるというところに、マイケルの意味はあったと思うんだけどな。[DVD(字幕)] 5点(2010-05-04 23:35:22)(良:1票) 2. そして、私たちは愛に帰る 《ネタバレ》 見終わった後、ネジャットの後ろ姿と波の音、海の青さが静かに焼き付く。じいんと、余韻が残る映画。素晴らしいですね。トルコとドイツの微妙な関係も加えつつ、登場人物が少しずつ交錯しつながっていく展開と、飽きずに引き込まれました。そして、出会いと死と再会を通し、距離や心が離れている家族が再び認め合い愛し、そして互いを赦し合う様に、深く胸を打ちました。ロッテが電話口で「ママ!」と叫ぶシーンや、ネジャットが昔の思い出を口にして、父の愛に気付くシーンが非常に印象的。娘も息子も、子供はみんな親に反発し、そしていつかは帰るのかな。巡り会いって不思議。でも人生って、そんなものかもしれないなあ…と思ったり。希望の光が灯る、そんな終わり方も、深く後を引きます。[DVD(字幕)] 9点(2009-12-20 00:34:11)(良:1票) 3. ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式 《ネタバレ》 父親のお葬式に集う人々の関係や背景、キャラクターが絶妙なハーモニーを醸し出し、とんでもない方向に絡み合う。お葬式は本来厳粛?なハズ…その一日を舞台に、こうもユーモラスに描くとは。それがあれでこうなるか!と展開に全く飽きず、クスクス笑いが止まりませんでした。上手いですね。特に、ピーターを棺桶に入れる場面に爆笑し、アルフィー叔父さんが、事あるごとにハワードを杖で小突く場面にも大笑い。冒頭&エンディングのアニメーションも好いし、音楽も良かったし、加えて最後の弔辞にはジンワリする仕掛け。笑えるけど、終始温かい。出演者もいい仕事で、いや~これは佳かったです。完璧じゃなくて、いいのだ。 [映画館(字幕)] 8点(2009-11-15 22:08:43)(良:1票) 《改行有》 4. パイレーツ・ロック 《ネタバレ》 魅力的なキャラクター群にウキウキする音楽。寝取られたカールを慰めるシーンや路上でパブで騒ぐシーンも愉快だし、はじけた船上とは対照的な官邸内の対比も良かったし、スウィンギング60sのオシャレな衣装も素敵だし、各々個性が光る人物設定は素直に楽しめた。しかし納得いかないのは、どうして最後の最後に80年代の曲をもってくるのかってこと!David Bowieに罪はないが(嫌いじゃないよ)、それまでは60年代で統一された(はず)のに、なんでエンディングに80年代の曲を持ってくるのよ?役者は素晴らしい(特にケネス・ブラナーの巻き舌に大笑い)のに、余計に残念。まるであの時デイブにLPを捨てられたボブのような気持ち…ええ、偏屈な感想と分かりつつ、そりゃあんまりだとズッコケでした。[映画館(字幕)] 4点(2009-11-01 14:42:50) 5. ザ・セル 《ネタバレ》 怖くも美しい映像美に衣装。そこは楽しめたのですが、お話の方の毒気がもっと強くていいかも。グロテスクなりサイコホラーなり、もっと振り切って耽美に攻めてくれても…と、少し物足りなさを感じました。キャサリンの背景ももう少し描写して欲しかったかな。個性的で魅せる映像なだけに、惜しい気がしました。でもこの作品はドラマ重視じゃないんだろうなあ、きっと。[DVD(字幕)] 4点(2009-10-12 21:53:36) 6. いつか眠りにつく前に 《ネタバレ》 なんでしょ、母、姉と観た私は何だか居心地悪かったです。ニナはほとんど他人と思えませんでした。もう少し考えてレンタルするんだったと反省。すみません、どうでもいいことですね。レビューになりそうにもないので、感じたことを幾つか。ハリスのカッコ良さがいま一つ分からなかったのに比べ(描写がもう少し欲しかった)、破滅型のバディが印象的でした。で、バディはハリスとアン、両方に強い思慕があったということですよね。思慕=恋愛では必ずしもないけれど、両親の評価を余所に自分を認め、受け止めてくれる存在である2人への愛着は非常に深く、結果恋にも似た感情と憧れが混濁したのかなあと。いすれにしても、複雑で不安定な内面を抱えたバディを演じたヒュー・ダンシーはあっぱれです。あと、アンがパスタを放り出し、娘2人に歌を歌うシーンはちとグッときました。でもハリスの星の話はちょっとクサくて、なんだかなあ。[DVD(字幕)] 5点(2009-07-24 01:09:45) 7. いのちの食べかた 一瞬SF映画かと錯覚する場面の連続。オートマティックで人工的な広大なる風景が、食卓という日常場面につながっているのかと思うとビックリ。ナレーションや音楽がないのは正解かな、と。映像の力を思い知った感じです。なぜかは分からないけど、これからは残さずに食べようという気持ちにもなりました。[DVD(字幕)] 9点(2009-06-29 11:13:30) 8. 僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ あまり何も知らずに観たのですが、最後実話と知ってビックリ。事実は小説よりも奇なり、でした。割礼は言葉しか知らなかったのですが、そういうことにより、戦時中窮地にも陥りリスクを追うということがよく分かりました。またドイツとソ連と、ナチスとコミュニスト両方の教育の描写も興味深かかったです。途中、ヒトラーとスターリンがダンスするシーンにあるように、何か戦争やイデオロギーなるものが、一種馬鹿馬鹿しくも感じました。しかしヒトラー・ユーゲントの学校生活は、主人公にとって一瞬たりとも気が抜けず、観ていて一番厳しかったですね。話の展開もテンポよくてダルくならないし、シリアスだけどホッとする場面もある。地味に秀作でした。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-03-08 19:40:31) 9. アンダーグラウンド(1995) かつて在った国・ユーゴスラビアの歴史を描いた、パワフルでコミカルで、とてもユニークな作品。戦争の滑稽さ、悲哀、残酷さを描くと同時に、憎めないし切り離せないが素直に愛せない故国への憧憬が描かれていた。 国の想いで1つだった過去、チトー亡き後、混迷し分断され…祖国が失われる哀しみが、ジプシー・ブラス音楽の音色にのって、独特のユーモアと哀愁、痛みで彩られていた、とてもとても力強い作品でした。[ビデオ(字幕)] 9点(2009-02-11 10:41:52)(良:2票)
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