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1. ドッグヴィルの告白
《ネタバレ》 ま、一言で感想を言ってしまうと「何だ、結局ただのメイキング・ビデオじゃん」って感じ。俺は「伝説と化したラースの現場がついに明らかに!」っていうキャッチコピーと予告編で、ラースがキャストたちに無茶な要望しまくって、失敗したらそのキャストを精神的にも肉体的にも徹底的に追い詰めて、ラースvsキャストの衝突とかが見られる白熱したメイキング・ビデオかと思ってたのに、何てことは無い。ニコールはカメラに向かって「助けて」とか言ってるだけで、ベタニーはたまに唸ったり衝突しそうになるだけで、結局全員楽しそうにやってる。こんなんじゃキャストたちが「告白部屋」に駆け込んでグチるシーンがあっても、その理由が写されてなくちゃよく分からんのですよ、ダンナ!だから、やっぱり衝突のシーンとかが描かれてた方が、衝撃的なメイキング・ビデオって感じになって面白くなってたと思うのに。よって予告編みたいなモノを期待してる人には見る価値ナ~~~~シ!!つーか金を払ってレンタルする価値もひょっとしたら無いかもしんないです。どうせならさ、レンタル無料のPRビデオって感じで出したほうが良かったんじゃない?5点(2004-08-22 21:07:32)
2. ドッグヴィル
《ネタバレ》 【まだ未見の方で、これから見ようと思っている人はこのレビューを読まない事をお勧めします。映画の結末に触れていますので・・・。】本作でラース・フォン・トリアーが描きたかったのは、『マリリン・マンソン的哲学』の様な物なのだろう。本作とマリリン・マンソン(の歌)とに共通している点は、【心の奥底にとてつもなく残酷で醜い心が眠っている】人間の真相心理に言及している点。俺も人の心によって、傷ついたり、苦しんだり、悩んだりした事が何度もあるので、時折そんな事を思う事があったが、普通に生活している時には全くそんな考えを持ったりはしない。しかし、本作を鑑賞して、その事実を痛いほど再確認させられる事となった。この映画では、まずラストまでの物語で「ドッグヴィルに住む人々たち」の奥底に眠る『醜い心』に焦点が当てられる。見ている観客達は、きっと彼らに対して「何だコイツら」と思う事だろう。しかしラスト、ドッグヴィルの人々が全員撃ち殺されるという結末で『どうだ、これを見ろ。何を感じる?自分の心に正直に問いただしてみな。嬉しいだろう!爽快な気分だろう!人間が撃ち殺されるのを見て、気分爽快になってるだろ!!オマエら観客も、こうして人が苦しんだり、死んだりするのを楽しむ、コイツらと同じ最低のクズなんだよ!!!』と、ラースは見ている人々全員に問いかける。『人間』というものは、どんなに優しそうでも、どんなに完璧そうに見えても、どんなに真っ当な人生を送っていても(もしくは送っていそうでも)突然窮地に立たされれば、心の奥底に眠る悪魔のような心が剥き出しになり、他の誰かに牙を向けてしまう。人間なんて、欲望や嫉妬に勝てず、結局は自分の事しか考えられない、残酷な生き物なんだから。そんなメッセージが込められた本作は、人間の心の奥底が(そして同じ『人間』である自分の中にもそんな心が眠っている、という事実が)ひたすら、ひたすら痛かった。[映画館(字幕)] 8点(2004-07-27 21:53:13)
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