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1. ルーム
《ネタバレ》 これは作品を観る前に、先にあらすじを知るべきではなかった。主人公の境遇を知らずまっさらな状態で観たかった。
「部屋」から脱出するまでは起承転結でいう「承」で、その後の日常に戻っていく母と世界を知っていく少年の世界の広がりのほうが「転」になる。
児童文学の「昼の少年と夜の少女」や「ラプンツェル」のように生まれてからずっと狭く暗い場所に監禁され育つ『おとぎ話』では
解放されてからの世界は明るく輝き希望に満ちているが、実在の事件となると被害者の負った心の傷は想像を絶する。
母子のどちらの実父も現実を受け止めれず、一方は犯罪、一方は遁走という自分可愛さからの身勝手な『無責任さ』が腹だたしいが
そのぶん実母と再婚相手の母子を見守り続ける根気強さと愛情に救われた。[映画館(字幕)] 7点(2016-05-27 03:21:50)(良:1票) 《改行有》
2. アリス(1988)
10代の頃、ヤン作品はトラウマの一つでした。
20代の頃、アリスのビデオのパッケージを見てヤン作品と知っただけでその場から逃げました。
30代になったいま、やっとヤン監督の感性を受け入れられるようになりました。
多分私の年齢が、ヤン監督の『対象』となる世代から離れたからかもしれません。
年経てグロの根底にあるテーマを享受できるようになったのもあるのでしょう。
たぶん嫌悪と愛好は紙一重なんでしょうね。
アリスの世界観、解釈が面白いです。一番原作に近いのではないでしょうか。
ルイス・キャロルとヤンの視線の先にあるモノは多分ものすごく似てるのだと思います。
360°ぐるっと回って背中合わせになってる状態ですが。
ちなみにロリ趣味のある男性知人にアリスを薦めてみたら
「きもい。ただひたすらきもい。」と私込みで嫌われました。
[DVD(字幕)] 10点(2008-04-26 21:36:43)《改行有》
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