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プロフィール |
コメント数 |
3278 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
監督別鑑賞作品数
成瀨巳喜男 69 溝口健二 34 川島雄三 41 小津安二郎 37 石井輝男 24 豊田四郎 19 石井岳龍 18 矢崎仁司 12 西川美和 8 山下敦弘 15 今泉力哉 22 フェデリコ・フェリーニ 24 ミケランジェロ・アントニオーニ 14 ピエル・パオロ・パゾリーニ 16 ルキノ・ヴィスコンティ 17 ジャン=リュック・ゴダール 36 フランソワ・トリュフォー 24 ルイ・マル 17 ジャン・ルノワール 15 ジャック・ベッケル 13 ジャン=ピエール・メルヴィル 11 ロベール・ブレッソン 12 イングマール・ベルイマン 27 アルフレッド・ヒッチコック 53 ジム・ジャームッシュ 15 ホウ・シャオシェン 19 ウォン・カーウァイ 14 ジャ・ジャンクー 9 |
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1. 東京画
《ネタバレ》 ヴィム・ヴェンダースが1983年に東京を訪れ、その際に彼自身が撮影した映像を元に、ドキュメンタリータッチで当時の東京を描いた作品。
ヴェンダース作品群の中にあっても、とりわけマニアック度の高い作品である。
ヴェンダースは小津安二郎を心底、敬愛しているらしい。
それはこの作品を通して強く感じることができる。
又、小津作品の常連であった俳優・笠智衆へのインタビューがこの作品の見所の一つでもある。
ヴェンダースが本作で訴えたかったことと言えば・・・
敗戦後、アメリカによって文化を支配され国民性を奪われただけでなく、国民一人一人のアイデンティティまでも見失ってしまった日本。
流行の遊び、映画への価値観、人々の服装等、それら全てがアメリカ的価値観によって侵略され、日本人はアメリカ文化を世界へ広める為の道具となっている。
といった様な感じであろう。
ヴェンダースが小津の『東京物語』で観た東京の風景は、全てどこかに消え去ってしまっていたのだ。
又、パチンコや野球放送の垂れ流し等もかなり痛烈に皮肉を込めて映し出されている。
下らないテレビの放送内容を指摘した上で、“強制的に流れる暴力的ですらある映像”と評し、タモリ倶楽部のオープニング映像を流していたのには笑えた。
他にもパチンコという遊戯に対し、“人々はパチンコをして束の間の現実逃避を行っている。しかし、このパチンコというものから得られるものはほとんどない。”という痛烈な批評を行っていた。
多少ドイツ人から観た偏りのある“東京画”であることは否めない。
しかし、ヴェンダースが嘆き主張したかったことについては、非常に共感できた。
特に、アイデンティティの欠落した現代日本人の典型的な遊び(パチンコ、ゴルフ等)を指摘するくだりは、観ていて愉快痛快であった。
そうだ、肝心なことを書き忘れていた。
本作には唐突にヴェルナー・ヘルツォークが登場する。
これが“偶然にも出会った”的に登場するのだが、いかにも嘘クサイ。
それはそれとして、ヘルツォークだが・・・
彼の創り出す作品も恐ろしいが、彼自身が何と言っても一番コワイ!!
「素材を求める為なら、私は宇宙にでも行く」
とか言ってる時の、彼の気合いに圧倒された。
やっぱりヘルツォークは奇人だった。
ドイツ人は変人が多いのか?!
という様な偏見に陥るくらい強烈な人物であった。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-02 10:52:49)《改行有》
2. 都会のアリス
《ネタバレ》 ヴィム・ヴェンダースの「ロードムービー三部作」の一作目にあたる作品。
全編モノクロ画像。
主人公がひたすらさすらい行くお話で、道中、少女を連れた女性と出会い、その女性と一夜を共にし、夜が明けてみるとその女性はおらず、仕方なく主人公はその少女と旅を続ける・・・という展開。
この物語における主人公の、「ちゅうぶらりんな精神状態の中での癒しの旅」みたいな設定が、その時の私の精神状態と酷似していた。
それと、主人公が31歳ってのもあり、思わず映画の中の主人公に自分を投影してしまった。
ロードムービーでその主人公に自分が投影された時・・・
まるで自分の分身が、映画の中でその時を体感している様な感覚に襲われたのだ。
あと、撮影監督が『ダウン・バイ・ロー』の「ロビー・ミューラー」ということで、これもばっちりツボ。
なんか話が出来すぎの感は否めないストーリー展開ではあったが、それを補って余りあるほどの素晴らしいロードムービーであった。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-01 20:23:06)《改行有》
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