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1. パリ、テキサス
《ネタバレ》 私自身がダメ人間なので、ダメ人間をありのまま描いていることに文句はないのだけれど、でも作者ヴェンダースってば少しばかり開き直り過ぎじゃないの? 子どもがあまりに哲学的なセリフをポンポンとはくので、ありえなーい、とそこも気にくわんかった。子どもが哲学的でないとはいわんが、いかにも「セリフ」なんだもの。かわいくて達者な子役だっただけに、所詮は作り物だわいな、という感想が後から後から湧いてきて、映画に集中できなかった。映像の美しさ、ライ・クーダーの音楽は、確かにいいんですが。ようやくうち解けだした父親と息子が、道のこちら側と反対側を歩くシーンは、「お、いよいよこの映画もわが好みに近づいてきたか」と思ったが、それ以降はまったく盛り上がらず。夜明けの映像とか「おっ」と思わせるシーンはそこここにあったけど、母親と息子の再会、そして男は去っていく・・という、その展開は、私には何の感慨も浮かばず。あの女との生活が息子に幸せをもたらすとはとても思えないし、男はグダグダの生活に結局戻っていくんじゃん。あの男優のあそこまでの脱力系の演技には、何か見ていてすごく萎える。
5点(2004-08-22 02:40:07)《改行有》
2. 赤毛のアン〈TVM〉(1985)
中年を少し過ぎた二人暮らしの(気むずかしい気性の・・ここがミソよね)兄と妹が、働き手として孤児をもらおうとしたら、なぜか手違いで女の子がやってきて、最初その子はまた孤児院に戻されそうになって・・。しかしほだされた兄妹は想像だにしなかった、アンという少女との生活を始めていく・・という出だしから、ささやかながら上質なサスペンス、センチメンタルを含んでいるこのストーリー。アニメで有名なようですが、漠然とした思いこみも含め、実は本当のストーリーはよく知られていないのではないでしょうか。名作にありがちなことですが。その点、本作は、長いストーリーをよくまとめ、また本物のアンが動いている!という感じで、見事です。8点(2004-05-11 09:04:07)
3. シェルブールの雨傘
30数年ぶりで見ました。号泣。美しくせつない映画、なんて、ありきたりな言葉を書いた自分が、情けないです。こんなにせつなすぎる映画を観た事はない!!!と断言してもいいです。ミュージカル嫌いのオット、ムスコも、最後は言葉がありませんでした。時代が引き裂いた二人を痛切に描き、だけど、登場人物を公平に描いている点で、ミュージカルというか音楽映画にした意図?はとてもこの映画に合ったものだったのではないかと思います。8点としてましたが、再見にあたり、満点ではないけれど9点を献上せずにはいられません。[地上波(字幕)] 9点(2003-07-10 20:20:26)(良:1票)
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