みんなのシネマレビュー
よしのぶさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 823
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 韓国 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1

1.  プンサンケ 《ネタバレ》 朝鮮民族の南北分断の悲劇を題材にした作品で、脚本と製作総指揮はキム・ギドクだ。 プンサンケは離散家族の為に命懸けで、軍事境界線を越えて物や人を届ける運び屋で、その正体は誰も知らない。ある日、南に亡命した北朝鮮高官キムの愛人イノクを北から運んだことから、南北政治がらみの予期せぬ危難に巻き込まれていく。韓国情報局、北の工作員、それぞれの組織から拘束され、拷問を受け、無理な命令をされたりと惨憺たる目に遭う。漸く難を逃れたが、移送途中で情を通じたイノクが殺されたことから、両組織に復讐を誓う。彼らを次々と拉致しては密室に閉じ込め、殺し合いをさせるのだ。それ以後も彼は運び屋を続けていたが、とうとう柵越えに失敗して、銃殺されてしまう。彼が最後に見たものは、軍事境界線上の空を自由に飛びかう鳥たちの姿だった。格闘、暴力場面が多く、全体を通じて心理緊張劇だが、イノクを運ぶ場面は恋愛喜劇、キムがプンサンケに嫉妬する場面は感傷通俗劇、両組織の密室場面は諧謔の要素が入る。全体に統一が取れてないのだ。前半の流れは完全に恋愛劇だが、途中で女主人公が死んでしまい、後半は別の物語となる。観客の期待を裏切る、意表を突いた展開だ。斬新ととるか、不合理ととるか、意見の分かれるところだろう。 これは人間の極限の姿を追求するキム・ギドクの“孤高”の脚本を、監督が一般受けするように改変したためと思われる。興行的成功を焦るあまり、様々な要素を詰め込んでしまったのだろう。良い素材を生かしきれておらず、南北分断の悲劇が薄められてしまった。 運び屋のプンサンケに同情する心優しいイノク、常に暗殺に怯え、猜疑心を強くしていく元高官、北への忠誠を口にしながら南の豊かさに抗しきれない工作員など、人間の機微が描けていて味わい深い。 不満な点。ソウルとピョンヤンは距離200㎞あり、3時間での往復は車でも難しい。ましてや自転車とバイクでは無理だ。プンサンケとイノクが水に浸かるが、服の乾き方が早すぎる。元高官の嫉妬があまりにも子供じみている。「キスか人工呼吸か」では、苦笑せざるをえない。その元高官に超人のプンサンケが不覚を取るのは面白くない。最後に主人公が軍事境界線をどうして昼に渡ろうとしたのか謎である。尚開始4:17でオダギリジョーが人民軍兵士としてカメオ出演している。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-05 13:32:06)《改行有》

2.  ブレス 《ネタバレ》 大変風変りな作品だ。表面上は、破局の危機に陥った夫婦が再生するという愛の寓話。夫の浮気が原因で、夫婦関係は完全に冷え切っている。妻ヨンは空虚で閉塞的な毎日を送っていたが、ある日自殺未遂をした死刑囚のニュースを見て惹かれる。孤独と自殺願望という共通点があるからだ。彼女は死刑囚に会いに行き、謎の保安課長の計らいで、特別に面会が許される。ヨンは子供の時の五分間の臨死体験を語る。体が風船のように大きくなる、いわば万能感で、「悪くない感覚」だ。死刑囚はヨンの髪の毛を抜くが、髪は女の象徴で、彼が性愛を欲していること。ヨンは面会を重ねるごとに春、夏、秋の四季の演出で死刑囚を愉しませる。妻の行動を知って驚いた夫が叱責、諫言すると、妻は自動車自殺を図る。夫は悔悛し、愛人と別れ、妻に許しを乞う。妻の氷の心は漸う溶けていった。自分の自画像として製作した、胸に穴の開いた天使塑像を粉々に砕き、わざと汚して捨てた夫のワイシャツを持ち帰る。 最後の面会で、ヨンは死刑囚の口と鼻を塞ぎ、臨死体験を追体験させようとした。しかし、死刑囚は苦しみもがくばかり。ヨンは、二人の間に共通点など無く、死刑囚が自分に会うのは、性愛目的だと悟った。ヨンの心は再び夫の元に戻った。死刑囚は、ヨンという希望を失くして絶望した彼を憐れんだ同室者によって殺された。謎の保安課長は、監督自身が出演している。映画に自分自身を投影している。保安課長は、さしたる信条もなく、覗き見的好奇心のみで恣意的に命令を下す。監督の指図一つで物事が決められ、俳優が動く。高慢になった自分を卑下し、揶揄する自虐的演出。ヨンの面会の奇矯な演出と下手な歌は、監督の過去の作品の自己評価で、碌な作品しか作ってこなかったという自省が込められている。映画製作に行き詰まり、自己嫌悪に陥った監督が、もがき苦しみ、暗中模索する中で思いついた、切羽詰まった末の演出なのだろう。その時の、息もできない体験が題名となったと思う。ヨンが自分を見つめ直すことで立ち直ったように、監督も自省することで立ち直った。死刑囚は、金や名誉を求めるもう一人の監督で、再生するためには、彼が死ぬ必要があった。自己再生は自分殺しでもある。愛の寓話の映画であると同時に監督自身の再生の実録でもあるという、映画の表現として極めて斬新な作品だ。ある意味、独りよがりだが、ふざけているのではなく、至って真摯だ。[DVD(字幕)] 7点(2014-10-30 16:51:59)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS