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【製作国 : 韓国 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ほえる犬は噛まない 《ネタバレ》 もしかしたら凄く優れているかもしれない素材を、味付けもダシもなしで鍋に放り込んだだけのような、そんな感じ。切り込みの独自性の割には登場人物設定などは未整理なのだが、しかし、センスが光る場面もいくつもある。男が地下室ロッカーに隠れているシーンでの、どうでもいい怪談がもたらすスリル。ペ・ドゥナが赤ジャンパーを追いかけるときの、建物を遠景で捉えることでの距離感の表し方。そしてペ・ドゥナが犬を救出する際の、ぎりぎりの描写。しかしそれも、あまり着地しないまま終わってしまうので、その素材を半煮えのままで食べさせられたような、そんな気になるのです。[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-10-28 00:47:24) 2. 親分はイエス様 《ネタバレ》 ゴリゴリのヤクザだった主人公が、キリスト教に目覚めて伝道に邁進するという内容。それならばこの二者がどうつながるのかという点が注目されるが、その部分は上手く話をつないでいると思う。いきなり大きなことをやり出すのではなく、「十字架を背負って歩く」という、1人でもやろうと思えばすぐできるはずのところに特化しているのが良いし、また説得力がある。ただし、「自分がやってきたこと(罪や悪事)をみんなに話す」というのがスタートだったと思うのだが、そのシーンはもっと欲しかった。●脇役はあまり使いこなされてない印象で、特にヤクザの親族関係の人たちは、ただあたふたしているだけのように見えた。それとは別に、夏樹陽子さんをせっかく出したのなら、出番がもっと欲しかったのですが・・・。[DVD(邦画)] 5点(2024-08-17 00:52:21) 3. ミッドナイトFM 《ネタバレ》 DJに脅迫電話がかかってきて、自分の要求どおりの進行をさせる・・・という導入からは、あの「恐怖のメロディ」のバージョンアップ版をも期待させる。はたして、最初の人物紹介的な部分はやや未整理ながらも、いざ事が始まってからは、危機と対応をバランスよく織り交ぜた堂々たる進行ぶりである。そして、番組を通じた電話のやりとりというワンシチュエーションサスペンスと思わせておいて、途中からは一気に外に展開する大胆さ。●というわけで、見ているときはそのまま楽しめたのですが、どうも韓国映画って、サービス精神が過剰というか、出来が良くなってくるとさらにいろいろ盛り込んでしまうのですね。この作品でいうと、途中でファン代表が犯人の車に追いすがる(そして主人公も娘を見てしまう)のが邪魔だったりとか(結果、土壇場のインパクトを弱めている。そもそもこのファン代表、最後まで主人公に気味悪がられているだけなのも可哀想というか、もうちょっと使いようがあったと思うけど)。あと、画面を盛り上げるためだけに出てきたとしか思えない謎のバイクの集団とか。ああそれと、この犯人の思考行動様式と統合失調症という症名って、はたして本当に適合しているのかな・・・。[DVD(字幕)] 6点(2024-07-22 02:19:37) 4. 22年目の記憶 《ネタバレ》 1972年に、南北首脳会談に備えて、韓国大統領の事前リハのため、ある役者が金日成を演じる特訓をさせられる。しかし、彼は自分自身を金日成だと思い込むようになり・・・という、何とも興味引かれる出だし。その特訓の過程を描く前半は、焦点を絞った演出がびしびし決まっていて、この突飛な設定にも納得させられる。一転して後半は、成長した息子視点になり、若干コメディチックな方向にも振れているが、それはそれで良い。「なぜか息子をサブキャラの美女が慕って追いかけている」とか、「なぜか最後にあのラスボスが登場する」とか、韓国映画らしい無理矢理さもあったりするのだが(大体、あのアルツ状態の主人公を、そういう重要な国家機密プロジェクトに使うか?とかいうツッコミはなしで)、その辺も何となく映画全体の中で収まっているのが、作品としての芯の強さを物語っている。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-06-22 20:14:03) 5. アドリブ・ナイト 《ネタバレ》 主人公がいきなり街中で声をかけられ、危篤の男に対して娘のふりをしてほしい、と依頼される導入部。とすると、これがハリウッドなら、ここぞとばかりにコメディチックに決めまくるのでしょうが、韓国映画はそうはなりません。いや、韓国がどうのこうのという以前に、この作品の独自の色は突出しています。とにかく暗いです。演技もカメラも照明も、全部が暗いです。その中でじわじわと話は進んでいきますし、登場人物間の小競り合い的なものはあっても、感情のぶつかり合いはありません。ただ、本当に監督が撮りたかったのは、終盤に延々と続く夜道の車のシーンと(以後は現地関係者は一切無視される潔さも良し)、その後の、すべてを光で包むラストシーンだったのでしょうね。終わってみれば24時間もないくらいの間の出来事だったというこだわりに+1点。なお私は、主人公の正体はやっぱりミョンウンだったというオチを最後まで確信していたのですが、そんな小細工とは無縁でした。[DVD(字幕)] 6点(2024-05-13 00:07:53) 6. あぶない奴ら~TWO GUYS~ チンピラが若い詐欺師に負債の取立に行ったら、そこから二人してトラブルに巻き込まれて、いつの間にか追われるようになって・・・という王道アクション・コメディです。したがって、設定から展開からハリウッド・テイストなのですが、至る箇所にどんくさいB級風味もちりばめられています。スリルのつなぎ方や笑いのとり方はそれなりのレベルに達しており、ネタをぎゅうぎゅうに詰め込んでくるのはサービス精神旺盛ともいえます。しかし、それらのネタの相互間は著しく未整理というか、登場人物はまともに説明もされないまま次々に怪しいのが出てきますし、結局誰が何をしたかったのかもよく分かりません。まあ、そういった勢いと執念で突っ走りという作り方は、嫌いではないです。[DVD(字幕)] 5点(2023-12-24 00:06:07) 7. 達磨よ、遊ぼう! 《ネタバレ》 ヤクザの5人組が逃げ込んだところが山奥の寺院で、さあどうなる、というお話。ほとんど出オチになりそうな予感もするのだが、意外にいろいろとネタをつないで、飽きさせない。しかも、当初設定のシチュエーションからぶれずに、最後までその枠組を使い切っている。個人的には、3・6・9のところがツボでした。ただ、小ネタは満載なんですけど、今ひとつそれが有機的につながっていないというか、小噴火が爆発に至らないという感じなんですよね。双方のトップが反目から変化していく過程なんかは、もっと組み立ててほしかったと思います。あと、尼僧の彼女も、せっかく魅力的な上に美人なのに、ほとんど使いこなされていません。[DVD(字幕)] 5点(2023-11-18 00:28:28) 8. ス 双子の弟が殺されたことから、その弟になりすまして犯人捜しを始める。と、設定はなかなか魅力的なのですが、結局全体的に雰囲気だけで流れてしまっています。双子ならばなおさら、それぞれの背景や生活を際立たせないと、単に役者が共通するだけということになってしまいます。また、弟の彼女がキーパーソンなのですが(そうなるはずなのですが)、このあたりの心理の綾も、表現するには至っていませんでした。アクションシーンも、全体的にだらっとした感じで、切れ味がありません。[DVD(字幕)] 3点(2023-11-06 01:05:10) 9. The Witch/魔女 《ネタバレ》 筋立ては至ってシンプルだし、類似先行作もいくつもありそうなんだけど、とにかく見せ方が上手い。前半は、のどかな青春ストーリーの枠組の中で、暗い影がじわじわと見え隠れして忍び寄ってくる。そして、いざ喫水線を超えたあの瞬間は、それまで溜めに溜めた前フリからの爽快感が炸裂します。そこからは濁流の勢いです。また、主演の彼女は表情だけですべてを語る表現力を有していますし、それぞれの敵キャラも存在感を発揮しています。アクションシーンも、ただ速くシャープなだけではなくて、何をやっているのかがきちんと分かる撮り方になっていますし、ひたすら動き続けるのではなく随所で「間」を重視しているのが、かえって鋭さを強調しています。[DVD(字幕)] 7点(2023-09-28 01:03:56) 10. 私の男のロマンス そろそろ結婚を考えている相手の男が、いきなり大女優に見初められて、さあどうなる・・・というまさにラブコメ王道の出だし。のはずなんだけど、導入部はえらくとっちらかっているし、その後もどうしたいのかが分からない継ぎ接ぎシーンの連続です。しかし、そんなことよりも一番まずいのは、サブキャラを含めたどの登場人物も、さっぱり魅力的でないという点です。ラブコメでこれは致命的でしょ。また、笑わせようとしたり驚かせようとしたりする、つまり「引っかけ」シーンも、えらくネタの一つ一つが下品なのが目につきます。[DVD(字幕)] 2点(2023-09-20 01:21:11) 11. 手紙(1997) 《ネタバレ》 亡くなった夫から手紙が来ました、というのが主題のはずでありタイトルでもあるんだけど、そもそも夫が亡くなるまで1時間以上。最初の手紙が来た時点で残り20分。いや、その時点でおかしいと誰か気づきましょう。もともとの夫婦の描写自体、表層的な断片の連続でドラマも何もないんだけど、肝心の手紙が来てからは、単に来ましただけで終わっています。しかも最後はビデオレターって、それならひねりも謎も何もないじゃん。作品の全体を壊しかねない締め方です。つまり、設定だけで制作者が満足してしまって、その後を何も考えなかったということです。[DVD(字幕)] 3点(2023-09-19 00:16:14) 12. Sダイアリー 《ネタバレ》 ヒロインがかつての自分の日記を見て、3人の元彼への恨みを思い出して復讐に行くという設定なのですが・・・いや、この元彼たちって、十分アホではあるけど、復讐されるほどではないんじゃない?しかもヒロインがやっていることって、えらくしょぼいというか、こぢんまりしているというか、わざわざもっともらしい前フリをしてまですることではありません。というか、第三者目線から見たら、むしろヒロインの方が未練ストーカー扱いされるだけなんじゃないでしょうか。というわけで、何とも中身に乏しい内容でした。そして最後は何かいい話だった的に無理矢理まとめているのも驚きです。[DVD(字幕)] 2点(2023-08-26 00:10:08) 13. 角砂糖 《ネタバレ》 競馬の女性騎手が主人公です。全体としては、やっていることが「競馬一直線」なのが良い。人と馬との心温まる交流が、などというごまかしの方向には流れていません。その上で、競馬の撮り方自体も、いろんなレースをあらゆる角度からふんだんに切り取っています。またそれ以外でも、「大通りでタクシーを追いかける馬」というシュールな光景をぶち込んでくる豪快さもあります。●で、途中で馬の鼻血という伏線っぽいものが出てくるのですが・・・それに何か医学的な理由があって、それによって新たなドラマの展開が、と思っていたら、何のことはない。よくメロドラマとかである、「いきなり不自然な吐血」→「実はその人物には生命の危機が迫っていた」という、アレです。また、突然馬がフィールドに立って動かないのも、「俺は死んでもこのレースには出てやるぜ!」という、スポ根モノによくある、アレです。つまりこの作品は、終盤から、50年くらい前のメロドラマまたは青春ドラマに突入してしまうのです。よってラストも、もちろんアレです。もっともらしく出てきた登場人物の大半はほっぽり出されている、というようなことはまったく気にしていません。そして一番凄いのは、馬であってもそのフォーマットというか様式美の一員として平然と扱っている、という点です。この潔さには、何ともあっぱれと言わざるをえませんでした。[DVD(字幕)] 6点(2023-08-15 01:21:17) 14. ウォンタクの天使 《ネタバレ》 この世に想いを残して死んだ父の霊が、別人の身体で息子の前に現れてあれこれするという、定番ゴーストものです。息子は非行に走りかけているのですが、父側は単に空気を読まずに突っ込んで行くだけなのがおかしい。息子もその友人も、当初はいきっていたのに、段々何だコイツ的なリアクションになっていきます。またラスト部分も、ベタとはいえなかなかの盛り上げです。一方で、冒頭で意味ありげなヤクザが出てきて、また天使もこれと絡んでというサブストーリーがあるのですが、これが見事に機能していなくて・・・天使は人間ではないのですからあくまでも天使のままでいるべきですし、ヤクザはヤクザで機能を考えてほしいところでした。結果、天使と主人公が絡むという美味しいはずの場面が、中盤ではまったくなくなっています。[DVD(字幕)] 5点(2023-07-31 00:52:50) 15. もし、あなたなら ~6つの視線 《ネタバレ》 韓国人権委員会製作(!)の6短編オムニバス。しかし、事前の予想に反して、それほど教条的なところはありませんし、何かを声高に叫んでいるわけでもありません。【1本目】高校が舞台なのですが、教室内のじわっとした不気味な空気の作り方が良い。ハーフアップ多用気味の画面の迫力もなかなか。オチも皮肉が効いています。【2本目】これもなかなか静かに研がれた迫力がありますが、母親側と男性側がそれぞれ浮いているというか、描写として上手くクロスしてないような・・・。【3本目】頻繁なサブタイトルの意味も含めて、これだけ意味がよく分かりませんでした。【4本目】口蓋障害の子の治療譚かと思っていたら、英語教育への批判がテーマだったのですね。ただそれなら、もう少し伏線が欲しいところでした。【5本目】短時間でオチを鮮やかに決めていますが、オチだけの話という気も・・・。【6本目】さすがはパク・チャヌク、この中でも一番の時間(約25分)をとった上で、一気に見せ切っています。終始カメラ一人称というのもあっと驚く仕掛けですし、挿入されるインタビュー形式も、この場合は上手く決まっています。以上、いろいろ不足はあるものの、全体としてはそれぞれパンチがあって、各作品に存在の意味がありました。[DVD(字幕)] 6点(2023-07-27 00:11:11) 16. チャ・テヒョンのハッピー☆クリスマス 警察官とヤクザのそれぞれの立場からの恋路のいろいろという趣なのでしょうが、設定が生かされてもいなければ、そもそもストーリーとしても成り立っていませんでした。終始どのシーンもグダグダで、ラブロマンスとしての弾み感がまったくありません。[DVD(字幕)] 2点(2023-06-11 01:39:36) 17. 吹けよ春風(2003) これは一応ラブコメ(のつもり)、なんですかね。女が男の家に賃借で住むことになって・・・という出だしなのですが、そこから話が空回ってばかりなのです。男が作家という設定も、家をめぐる関係も、亡父と母親のエピソードも、ものの見事に機能していない。しかも、笑わせようとしているとおぼしき場面もさっぱり笑えませんから、見るべきところがありません。そもそも、主人公の男女が両方ともここまで人物として魅力的でないラブコメ(もどき)って、珍しいんじゃないのかな・・・。[DVD(字幕)] 2点(2023-06-06 23:54:03) 18. ウェディングキャンペーン 《ネタバレ》 冴えない男が婚活ツアーに参加して、その女性ガイドがあれこれ助言をしているうちに・・・という何ともキュートでチャーミングな設定。そこで期待も高まったのですが、全然そのレベルに達していませんでした。いざツアーが始まるまでがすでにグダグダでまとまっていませんし、その後も、話がさっぱり弾まない。主役の2人もですけど、それ以上に脇役が機能していないのが痛いです。また、随所で妙に下品な描写が目につくのは、制作側がこれは面白いとでも思っていたのでしょうか・・・。クライマックスのトリッキーな展開だけは目を引きましたが、それも結局は逆に浮いている感じ。[DVD(字幕)] 2点(2023-06-05 22:31:13) 19. 嘆きのピエタ 《ネタバレ》 本筋から脇に反れない、余計なサブの人物も出してこない、清冽ささえ感じさせるシンプルな作り方が、常に緊張感を確保している。そして、主人公についてもその母についても、役者がその緊張に耐えうるほどの芝居を確保している。よって、無謀ともいえる展開にも、「そういうこともあるかも」と思わせるほどの説得力があります。ただその反面、突然、何でそこでそんな演出を?という場面もあるんですけどね。貸金の相手がなぜかみんな似たような町工場だったりとか、なぜか最後に登場する婆ちゃんとか。あと、ネタばらしが早すぎなのももったいないです。[DVD(字幕)] 6点(2023-04-29 00:09:09) 20. 詩人の恋(2017) 生活に疲れた中年詩人が、ふと見かけた青年のことが気になりだしてあれこれ起こる、というお話。こういう設定だったら、父性愛なのか友人愛なのかホモ・セクシュアルなのかそれ以外なのかがはっきりしないところが面白いはずなんだけど、この作品はそもそもそのどこにも踏み込んでいないため、はっきりしない以前に、何も始まっていない。あと、奥さんがキーキーうるさいのも、かえって主人公2人のやりとりの興を削いでいます(妻への反動で青年の方に行った、というだけに見えてしまう)。そしてよく考えると、詩人という要素なり属性は、結局何も生かされてないですね。[CS・衛星(字幕)] 3点(2023-03-24 01:19:52)
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