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1. 王になった男
《ネタバレ》 王と瓜ふたつの人物の入れ替わり、というありふれた題材だろうとあなどっていたので予想以上の映画でびっくり。逆によくあるテーマをしっかりとした「観せる」映画にしてくれたと思う。役者の安定感も素晴らしく、簡単に王妃を恋に落ちたりする安っぽさもなく、ちゃんと品のある王宮映画になっている。他の方のレビューでもあったが「説明しすぎない」のが良い。ここはしっかりと観客を信用しているという映画陣の度量を感じる。最近の映画は説明しすぎ・言葉にしすぎだ。素晴らしい音楽を聴いて感動するシーンにおいて「みんな感動していた」なんて説明のセリフがあっては「観客を信用していない」ので野暮なんである(役者の演技も信用していない事になる)[地上波(字幕)] 8点(2022-01-03 15:26:37)(良:1票)
2. パラサイト 半地下の家族
すごい映画を観てしまった…韓国映画を観慣れている人ならそうでもないかもしれませんが、私は衝撃的ストーリーでした。脚本、カメラワーク、俳優の演技、どれをとっても一級で賞をとったのも納得の作品です。ある程度歳をとると感情の波が分かってくる分、半地下の家族の感情が理解できる。どんなに惨めな生活でも家族で支え合い笑いとして昇華して耐えてきた家族。でも、金持ち家族に寄生して見えてくる「現実の格差」が笑いにできる限界を超えてしまう。破綻してくる展開になってから辛かったです。
今、世界中が閉じ込められている気分を味わっています。だから理解できる人も多いはず。閉じ込められていると人間病んできますよね。地下のあの人の凶行はそこから来ている。そして父親の凶行も…
基本、寄生する側って宿主のことを考えません。でも、本当に「寄生」しているのは半地下の家族でしょうか?1%の人間が世界の富の80%を所有している社会的構造をみれば「金持ち家族」が99%の「貧乏家族」の富を詐取している、とも言える訳です。だから宿主(貧乏家族)のことなど考えない。家族がある、過去がある、感情があるとも思っていない。それがあの「無防備」という形で現れているのかも。
ラストはみんな分かっているドリームです。でも、それをみせてくれたのは優しさだったと思います。それが世界にも必要なのかもしれません。[地上波(吹替)] 8点(2021-01-09 00:42:02)(良:2票) 《改行有》
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