|
1. トガニ 幼き瞳の告発
《ネタバレ》 実際の事件に取材したこの映画がきっかけで法が出来たわけですが、まあ、韓国らしいというかなんというか。映画では被告は三人で全員執行猶予付きですが、実際は六人で二人、実刑執行猶予二人、不起訴二人です。鉄道で子供や教師が轢かれて死ぬのは演出です。デモで遺影を持っていたのも演出だそうです。
トガニ法なるものも2011年にできたようですが、その年に警察が2007年の事件を再捜査して適用した可能性もあり、それならば禁断の遡及法になります。韓国は得意ですね。
子供に対する暴行の描写はリアルでそこまで必要なのか疑問です。観客の嫌悪感を引き出すための演出だったと思いますが、子役とはいえ撮影される子供たちの事を思うと納得できません。はっきり言って児童ポルノと変わらない映像です。いや、暴力シーンだからもっと悪いか。
疑念ですが、双子の室長が全く手話ができないというのもどうでしょう。聾学校の職員たるものが全く手話を理解しないなんて余りに不自然じゃありませんか。
まあ、しかしながら、実話を元に作成されているのですから実話じゃないところがあったとしても別に非難するには当たりません。しかしながら、実話通りだと思い込んでこの映画を見るのは間違いで、そこちょっと指摘してみました。[DVD(字幕)] 4点(2022-12-18 16:56:02)《改行有》
2. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 アメリカ以外でのアカデミー賞作品という事で非常に関心を以て拝見いたしました。見た直後はどこが評価されたか疑問しかありませんでしたが、2時間で韓国社会の持つ特質を描いたあたりが受賞の所以ですかね。
一番の盛り上がりが主人の一家が外出した隙に家族で宴会するシーンでしたが、いきなり帰ってきた主人にばれないように掃除するんですかど。あんな掃除じゃ全然きれいになりません。それでも主人は気が付かない。私は絶対ばれると思ってその後の展開を固唾をのんで待っていたので肩透かしを食いました。ああ、そういう作品なんだなと思いました。演出表現と筋書きがリンクしていないなと。しらけましたね。
でも、韓国社会の経済的分断や朝鮮戦争の今も残る生々しい傷跡、騙したり脅したりなんでも相手を出し抜ければそれでオーケー的な社会文化なんかはよく描けていたのでまあ、西洋文明的には違和感があって面白いのは事実。[映画館(字幕)] 7点(2021-05-16 10:13:10)《改行有》
3. グエムル/漢江の怪物
《ネタバレ》 良くも悪くも韓国文化を感じさせる作品。日本ならやられてもやられてもけなげに怪獣に立ち向かう自国軍隊が警備しかしない。それ故主人公が個人の資格で立ち向かうけれど軍隊はその足を引っ張る存在。まあ、これがアメリカだと軍隊が強力すぎて怪獣に生き残るための特殊能力が必要になるんだけど。w
人間関係も家族が最優先。社会への貢献とか全くテーマにならないでそれが当然感がこれでもかとスクリーンから伝わってくる。家族の次に大事なのは現金ですね。そこには社会的な信頼感を全然感じない。だもんで、多分日本人が観ると物語の展開に違和感を感じて物語に没入できない人も出ると思う。
冒頭の怪獣登場シーンはよかったな。いつの間にか登場して自然に近づいてきて自然に殺戮が始まっている。そのスピード感が逆にリアリティを感じさせてくれました。
この一作を以て韓国文化を論じるのはちと早計だとは思いますが、日本人には絶対作れない映画でしょうね。[インターネット(字幕)] 6点(2021-05-07 22:37:11)《改行有》
|