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【製作国 : イラン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. テヘラン悪ガキ日記 《ネタバレ》 最初は主人公の男の子のストーカーのような強引さにちょっとひく所があったのだけれど、観ているうちに、これは「母と息子」の形を借りた恋愛映画なのかもしれない、と思えてきた(イランの表現の自由に関する映画事情は詳しくないのだけれど、ひょっとしてこういう形でないと男女の心の葛藤は描けないのかもしれない)。そう考えると、この映画は「あくまで現実的な女」と「理想を追わずにはいられない、不器用な男」の恋愛劇として捉えることが出来る。少年が何処かへ去ってしまうラストは、ちょっと泣ける。7点(2004-09-06 16:47:28) 2. サイレンス(1998) うーーーむ、シュール。ちょっと林静一や南伸坊のマンガみたいでした。メデレー(主人公の仕事仲間?の女の子)の踊りがキュート。6点(2004-09-05 21:43:57) 3. 酔っぱらった馬の時間 こういう、美しく凛とした人間の尊厳を見せ付けられた作品に関しては、うまく言葉が出ないです。どんなに貧しく生活が悲惨であろうとも、あの家族には「気高さ」がある、と思う。8点(2004-09-05 21:27:09)(良:2票) 4. 白い風船 うーん、分かる分かる。大人にとっては些細な事でも、子供にとっては凄く重大に感じてしまう事ってあるのよねぇ。それに、七歳の少女が大人の世界に対して感じている漠とした不安がひしひしと伝わってくる。んでも、怪しげな蛇使いのお爺さんやガンコな服屋さん、風船売りの少年など、みんな自分が生きるのに精一杯で一見意地悪だけど、実はみんな良い人なんで、良かった良かった。ほんの短い間のお話だけど、少女にとってはドキドキハラハラの大冒険で、大きくなったら微笑ましい、でも大切な思い出になるんだろうね。7点(2004-08-31 17:37:05) 5. ブラックボード 背負う人 イラン・イラク戦争時のクルド人の悲惨な体験を元にしたという、重い内容であるにもかかわらず、いい年をしたおっさんたちが黒板を背負って山道を歩いているところや、いきなり(というか、便宜上?)結婚した妻相手に「ほら、“私はあなたが好きです”、読んでごらん?読めないの?じゃ、0点、いやそれだと落第だから18点あげよう」とアプローチする男など、どこか愛嬌のあるユーモアも含んだ作品。しかし、(こういう言い方は差別的かもしれないけれど)二十歳そこそこの監督が(しかも有名監督の娘ってことはそれなりに「お嬢様」なのかもしれないのに)これだけハードな作品を撮ってしまうっていうのは純粋に本人の才能なのか、それとも環境のせいなのか。妹のハナ・マフマルバフも十四歳で監督デビューしたし、これからもマフマルバフファミリーからは目が離せませぬ。8点(2004-06-25 21:53:50) 6. カンダハール 出来が良いとか悪いとか、面白いとか面白くないとか、そういう事を超えて迫ってくるアフガニスタンの「リアル」に、ただただ圧倒される。8点(2004-06-05 15:47:11) 7. バダック マジッド・マジディ監督の長編デビュー作だそうな。そう思って観てたからか、最初は「人物造型が類型的だなあ」とか「過剰にドラマチックにし過ぎてるなあ」とかナマイキに色々突っ込んでたのだけれど、途中から、なんか、そういうことはどーでも良くなってきた。妹を探すため、荒涼としたイランの地をひた走る主人公。そこには監督の熱い思いが込められていて、それだけで、十分。ラストの曲の「私も鹿のようにに自由になる」という歌詞には泣けた。8点(2004-05-16 21:58:01) 8. 桜桃の味 正直に告白すると、僕もかなり眠くなりました(笑)。良い映画だと思うのですが、流れがゆったりしていて、すごくストイックな作りなんで・・・。ただ、色々な点で興味深かったです。自殺願望のある主人公と彼が出会う人々(若いクルド人兵士やアフガン難民、神学生、トルコ系の老人など)の会話は中東の姿が感じられるというだけでなく人生に対する含蓄が感じられます。あと、この作品では会話をしていても、ずっと主人公の顔だけ映してたり、走る車を延々と映してたりしていて、人物の顔をなかなか見せないし、なぜこの主人公が自殺しようとしているのか、或いは後半、カップルの写真を撮るよう頼まれた主人公がなぜ自殺をためらうのか、一切説明はされないんですよね。多分観客の想像力をかきたてようとしてるんだろうけど、この手の作品をあんまり観てないとツラいかも。6点(2004-05-11 16:41:40) 9. パンと裏通り アッバス・キアロスタミのデビュー作。イラン映画なのにいきなりオブラディ・オブラダやジャズっぽい音楽が流れてくるのでビックリしたのだけれど、この作品が作られたのは1970年。78年にホメイニ師がイラン革命を起こすまでイランは親米派のパーレビ国王が統治してたんですな、とちょっぴり歴史の勉強。10分ほどの短編ですが、ほのぼのしていてちょっと小津監督の「突貫小僧」を思い出しました。6点(2004-05-11 16:11:00) 10. 太陽は、ぼくの瞳 非常に感覚(視覚・聴覚・触覚)に訴えてくる作品です。冒頭の、主人公の少年が小鳥の雛を助けるシーン(ここで彼の性格や、どのように世界を捉えているかがわかる)や、色鮮やかな農村の風景、また時折強調される鳥の声に加え、父親に海へ連れてこられた少年が足の裏で波にさらわれる砂を感じる所なんか、かなり良かったです。出演者はほぼ素人ばかりということですが、父親にせよ、祖母にせよ、皆味わいがあります(特に主人公の姉妹が可愛い!丘陵を駆けて行く所なんか、ちょっと「ミツバチのささやき」を彷彿とさせました)。それと、イランにあんなに美しい農村があったというのが驚きでした。恥ずかしながら、「中東=砂漠」という先入観があったもので・・・。行ってみたいなあ、イラン。8点(2004-01-28 21:39:51) 11. 一票のラブレター 内容が微妙に予想と違っていたので(もうちょっとほのぼの系かと思ってた)ちょっと「あれ?」という感じがしましたが、いい映画だったと思います。冒頭の長回しが、人を食っているようでおかしかった。それにしても、あの砂漠の中の無駄なインフラは、どこかのカネを出すのだけは得意な国のODAだったりするのでしょうか?。7点(2003-12-19 17:11:54) 12. 少女の髪どめ これを観ながら思い出したのが、新美南吉の「ごんぎつね」。双方の作品に共通するのは、「自己犠牲」と「無償の愛」。そう、愛に国境はない。イランもアフガニスタンも東村山も関係ないのだ!マジッド・マジディ監督、素敵な作品を有難う。僕もこの極東の地で「戦争でなく、愛に支配される世界」を夢見ています。9点(2003-12-12 18:19:55) 13. 月の光の下に あんまりイスラム教のこともイランという国のことも良く知らないし、イランの映画でどの程度「表現の自由」が保障されているかも分からないのですが、興味深い作品ではありました。貧困からの脱出とか、西洋化・近代化の波と伝統的な文化の葛藤っていうのは一昔前の日本映画とか、アジア映画では良くあるモチーフですよね。登場人物の一人である聖職者(だと思う、多分)がイスラムの話をしながらケータイの着信音に競馬の曲(名前わかんないけど、誰もが一度は耳にしたことがあるはずのやつ)を入れているところにそうしたテーマが象徴されているような気がします。ただやっぱし、こういう映画を何の解説も予備知識もなしで観るのは(BSで観たので)ツラい。 5点(2003-11-14 17:42:55)《改行有》 14. オリーブの林をぬけて この映画、前にBSで「ベルリン・天使の歌」と続けて放映されたのを見たんですよね。何の予備知識もなく、ただイラン映画ってだけで「へぇー」と思ってみたのですが、なかなか新鮮な、不思議な映画でした。イランの恋愛事情はよくわからないんですが日本ほど開放的でないことは確かのようですね。タヘレという女の子に恋をするフセインという青年がすごくじれったいんで「おらぁー!男ならバシッといかんかい!押し倒せ押し倒せぇー!」とか思いながら観たんですけどまあそういうわけにもいかないんでしょうね(当たり前だ)。最後はすごい長回しの後フッとエンディングになっちゃったんでちょっと肩透かしされた感じでしたが、あれは音楽が急に明るく変わったところから察するにハッピーエンドってことなんでしょうねえ。6点(2003-05-01 17:41:29) 15. 運動靴と赤い金魚 イランについてはホメイニ師とイラン・イラク戦争くらいしか知らない自分にとってはイランの人々の様子が良くわかって面白かった。イスラム教圏って何となく暗くて怖いイメージがあるけど、そこで暮らしてる人は笑いもすれば泣きもする、同じ人間なんですよね。こういう映画をもっと紹介してくれれば少しは平和になるんじゃないかな。7点(2003-02-17 17:39:27)(良:1票)
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